2021年の桜 |
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前年、コロナ禍での人のほとんどいない千鳥が淵の桜を見て、今年限りだろうと思ったが、今年も状況は改善されなかった。秋にはワクチンが開発され、翌年春までには、収束するだろうとの期待は、あくまで希望でしかなかった。 作家の中野孝次さんの「名残とぞ見る吉野山」というエッセーに「あんなのは俗物のすることだとバカにしていた花見が、いつか年毎の大事な節目になったのは、年をとってからのことだった。六十過ぎた頃から、花を見ると何やら特別な気持ちがするようになった。あまりにも華やかではかない花を見ていると、見ることいまいくたびぞといった思いが湧いてくるのである。むろん、これはわが人生も終わりに近しという気持ちが、日常ふだんの生活の中に潜んでいるからだ。<中略> そしてそういう目で見るからか花見が年毎に味わい深くなってきたような気がする」とあるが、私も同じ思いを近年持つ。 2021年の桜は、寒気がしっかりあった後、暖かい日が続いたので、観測史上記録的な早い開花となった。京都の開花がトップを切ったのも驚きだった。 東京の開花は14日で、22日が満開予想だったので、20と21日は在京したものの、住まい近くの伝通院の桜こそ、満開近く見事だったものの(下の写真)、播磨坂のソメイヨシノは咲き始めだった。 ![]() 23日出勤前に立ち寄った千鳥ケ淵も五分咲きだったが(下の写真)、昼休みに散歩した日比谷公園の桜は満開で、昨年に続き植えられていたネモフィアも美しかった。千鳥ケ淵は昨年よりは人はいたが、有名なNHKのカメラ設置場所も進入禁止だった。 ![]() ![]() 25日の朝、播磨坂の桜を再度見ると見頃だった(下の写真の上から二枚)。昼休みに、会社から日比谷線で、地下鉄の中目黒は近いので、出かけた。目黒川の桜は満開で(下の写真の三枚目)、以前も経験していたが、何度見ても見事だった。時間もないので駅近くとするが大木で見ごたえがある。コロナ禍でも橋のたもとのイタリアンレストランは賑わっていた。 ![]() ![]() ![]() コロナ禍での徒歩通勤での桜は、新丸紅本社ビルの河津桜(めじろがたくさん来ていた)、共立ビル前のしだれ桜、大手門付近のしだれ桜、日比谷公園は、寒緋桜、大寒桜、陽光桜とソメイヨシノ以外も、時期が違うので長く楽しめた。 ![]() ![]() ![]() 上の写真は、神保町、大手門、日比谷公園内 そして、いつかはと思っていたのが、京都祇園白川の満開の桜を見て、白川沿いの良き店で昼食をという願いだ。家内の病気のこともあり、やりたいことはやれるときに実現をと強く思い、探したところ、ネット情報では満席の「なみ里」に電話したところ、一席のみ予約できた。孫が入院したり天気も心配だったが、孫は金曜日に退院し、天気予報も土曜日は良かった。 宿泊は近年オーブンした「ソラリア西鉄プレミアム」の鴨川の見えるツインとした。駐車場が限られているので、電話で得た情報を元に朝10時に着いたが、満車で、紹介された少し離れた「顕妙寺」に駐車した。 ここはなかなかのお寺で、料金も24Hで1200円と良心的で、かえって良かったかもしれない。駐車後、ぶらぶらと鴨川沿いを散歩した。天気もよく気持ちよく、川沿いのしだれ桜をめでた。白川の進入口の桜は満開で美しかった。白川沿いは、結婚式の前撮りカップルが10組もいた。なみ里の場所探しをしたところ、ちょうど開店時間で、予約した時刻より一時間も早いが、OKとのことなので、入店した。 結果は正解で白川近くのカウンター席となった。隣は独身と思われる女性二人客だった。川沿いの桜が非常に美しく(下の写真)、料理も素晴らしく大満足となった。お酒は、ご主人のお勧めで、俳優の佐々木蔵之介さんの実家の蔵元の「西陣」と伏見の「富翁」を飲んだ。どちらも美味だった。 ![]() カウンターの隣の席の二人と親しくなり、雑談する。神戸からとのことで、お二人共、酒豪なのに驚いた。 店のご主人の話によると、この店は、4年とのことだが、コロナで客は激減して、最近まで閑散としていたとのことだった。 大満足して、店の逆側からの様子を見に行くと、ご主人とお二人が気づいて挨拶してくれた。一期一会の楽しいひと時だった。また、いつか来てみたい店だ。 その後、花見小路から建仁寺まで散歩して、登録有形文化財のフランソワ喫茶室で、ケーキセットを食べた。評判通りの良い雰囲気だった。 先斗町や高瀬川沿いの桜(下の写真)を愛でながら、ホテルに向かう。ホテルは、オープン4年目ということで、まだまだ、新しい。ただ、構造は、結構、入り組んでいる。部屋も広くて、トイレとバスは別で、窓には左に比叡山・大文字山、右に三条大橋が見えて大満足だった。 ![]() 夜は、レストラン一休で評価の高い、創作料理の「自在」とした。ホテルから10分強、歩く。店までの道すがらも建物は新旧あきない。家内と奈良もいいが、京都の洗練さは流石だ。自在は、まだ、一年とのことだが、創作料理の名に恥じず、これでもかという工夫が凝らされ、大満足だった。急階段の二階のテーブル席としたが、一階のカウンターの方がよかったかもしれない。 ワンドリンクサービスも、メニューからすべて選べて、日本酒の伏見の「富翁」と「伝匠月桂冠」とした。 ご主人と女性スタッフ二人で頑張るからこそのコスパと思われた。 翌朝、一人で、高瀬舟(下の写真)、一の入船、リッツカールトンホテルから、琵琶湖疏水・岡崎方面を散歩した。高瀬舟辺りの桜も満開だった。 ![]() リッツカールトンホテルはソラリアと数百メートルしか離れず、ロケーションは似ている。入口が工夫されていた。琵琶湖疏水方面の桜も見事で、特に500KWの水力発電所は驚いた。 Times岡崎西駐車場に貸す寺の境内の立派な枝垂れ桜。見事だったが、何故、この場所にという疑問は残った。 朝食は、コロナ対策でビュフェでなかった。出るのが遅かったのは不思議だった。チェックアウト後、鴨川を上流まで走らすと見事な桜並木が延々と続いていた。古木も多く、圧巻だった。その後、朝の散歩コースを車で巡り、家内を見所でおろした。水力発電所と疎水をめぐる和船、しだれ桜を喜んでいた。 NHK朝の7時のニュースで奈良の佐保川の桜が紹介され、美しかったので、一人で出かけた。奈良県図書情報館の駐車場に停めて散策した。このあたりが見ごたえがあり、写真になる。東京の桜の方が大木だと思っていたが、佐保川も負けていない(下の二枚)。 ![]() ![]() 4月3日は翌日は雨の予報なので、昨年孫と出かけた竜田川の桜を見たのをなつかしみ、散り始めを楽しんだ。川沿いの自宅のバルコニーでバーベキューを楽しむ家族は羨ましかった。川には小さな花筏もできていた(一番下の写真)。 ![]() ![]() ![]() 日曜日の雨の降り始めは遅く、昼過ぎとなったが、これで奈良の桜も散り尽くすだろう。 |