先週末は、雨で山には行かなかった。今週末は、金曜日が東京出張なので、JTBの夜行バスで会津駒ケ岳に行くことも考えたが、天候が今一つで、いつものメンバーからのお誘いもあったので、関西の山とした。赤坂山は、以前からM君に推薦されていて、いっしょに行こうと言っていたの で、彼も誘い、5人で出かける。天候は今一つの予報だったが、朝の予報では、夕方まで持ちそうである。M君は、岩石採集が趣味で、水晶採りのためによく通ったホームグラウンドともいえる山だ。
桂川Pに立ち寄り、京都東ICから湖西道路を走り、R161から県道287号に入る。マキノ高原の標識に従い、スキー場手前の駐車場に止める。先には最近できた温泉「さらさ」がある。美しい建物で10時から、裸浴は600円、バーデーゾーンは800円とのことだ。その前を通り、舗装道路を登って いく。
スキー場を手入れしている人たちがいた。その甲斐あって、ラベンダーも美しく咲いていた。案内図を頼りに右に巻くように登ると、管理棟と赤坂山への標識があった。標識案内図は詳細で赤坂山は3.8km、そこから明王の禿まで0.6km、さらに三国山まで1.5km、林道まで1.5km、白谷集落まで4.8km、周回で12kmとあった。しばらくは階段を上る。自然林の中の道だ。松の木が多い。
道には、ペグマタイトという石英の大きな結晶の脈があり、こういうところを掘ると水晶があるとM 君が解説してくれる。早速、M氏が掘る真似をする。この辺りで以前M君はなんと30匹の猿に出会ったという。また、明王の禿では、絶壁の雪に立つ鹿も見たそうだ。彼の話によると自然林で動物が多いそうだ。
登りついた東屋は新しく展望も良い。ガレたところが明王の禿だとM君が教えてくれるが、MさんがM君に「滋賀県に頼んで、名前を変える様に」という。ここで私持参のパイナップルの缶詰を皆で食べる。冷たくて喜ばれる。しばらくして沢に出会うと、ガクアジサイがここかしこに美しく咲いている。傾斜が急でなく、ぶなも美しく楽しく登ると、ほどなく稜線となる。コメツツジが咲いていて、四国の三嶺を思い出す。それ にしても風が強い。台風の影響もあるのだろう。
送電線の鉄塔横を過ぎると程なく、粟柄越であった。石仏があったので、今後の山行の無事を祈る。山頂は間近いが、ガスが激しく流れ、見えたり見えなかったりである。山頂までは、短い笹の中を一のぼりである。山頂は琵琶湖から送電線沿いに雨雲が吹き上げ、Iさんはジェット機のコックピットにいるようだと言い、I夫人は映画フィルムの早回しのようだという。どちらも上手い表現だ。このような景色は、記憶がない。記念撮影の後、岩陰て昼食とする。ビールを飲み、ざるそばと稲荷寿司の昼 食だ。皆は、冷やし中華だ。コンビ二により何と日帰り登山が便利になったことか。
風の影響か少し寒い感じなので、早めに明王の禿に向かう。10分ほど約50mほどの標高差を下り、上り返す。危険なので鎖で柵をしている。M君はここで水晶をとるとのことだが、極めて危険だ。この春先は、雪の中、沢を登り、逆の尾根に出てしまい苦労したそうだ。Iさんが水晶を探すが、簡単には見つからない。傍では、咲き終わりかけた笹ユリが3輪咲いていた。
巻き道に入ると、沢があったので、水を飲む。花崗岩帯で自然林に囲まれているので美味い。ほどなく、三国山への分岐となる。左折し、しばらくすると階段である。ビールの影響で喘ぎながら登ると小さいが笹ユリが一輪咲いていた。登りついた山頂には三等三角点があり、東側のみ開け ていた。分岐点に戻り少し下ると、ミニダックスの泣き声に驚くが降り返ると、数人が休んでいる机とベンチの後ろの柵の向こうにたくさんのキンコウカが盛りに咲いていた。キンコウカは、オタカラコウのように大きいかと思っていただけに、可憐で美しかった。
さらに進むと、木道があり、湿原となっていたが、この辺りのキンコウカは終わりかけていたが食虫植物のモウセンゴケがあった。思っていた以上に小さかった。展望の良い道を下り降りると、林道で再度登山道を数分下りると、黒河越で平成10年にできた立派なトイレがあった。案内板があり、キンコウカは、西限とのことだ。ここからの林道もガクアジサイが白、ピンク、ブルーといろとりどりに咲いていた。しかしあきる頃に白谷温泉の八王子荘があった。先行するI氏が車を取ってくるから待っているようにとの携帯があり、ラッキーであった。先輩に甘えすぎかもしれないが。
八王子荘は、古い年金施設で、350円と安い分、内湯と石鹸しかなかった。シャンプーはいつも持っているので問題はなかった。我々は汗が流せ、温泉であれば安いに越したことはない。すべてに良い山行になり、雨にもあわなかったことを喜び、今後の山行を相談しつつ、帰路に着く。湖西道路では横切る猿にひやっとしたが、赤坂山で出会えなかったのでという挨拶のようであった。
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