朝日岳 2418m

 


データ】     

2002年7月26日(金) 歩行時間8時間2分 瀬戸川橋1180b→朝日岳2418b 標高差1240b

 月25日(木) 

22:10自宅→ 0:45〜1:05江坂I氏宅 → 1:15吹田IC → 2:15北陸道 →3:32〜46尼御前SA → 4:49〜5:02有磯海SA → 5:31糸魚川IC → 6:34蓮華温泉

7月26日(金)

7:22スタート <8分> 7:28キャンプ場 <20分> 7:48〜54湿地帯 <6分> 8:00〜08兵馬の平 <28分> 8:36〜40沢 <10分> 8:50瀬戸川橋 <15分> 9:05〜18休憩 <27分> 9:45〜52休憩 <4分> 9:56白高地のぞき <6分> 10:02ひょうたん池 <8分> 10:10〜16沢水浴び <2分> 10:18白高地沢出合い <22分> 10:40〜45 <15分> 11:00〜15草原休憩 <55分> 12:05〜15花園三角点 <56分> 13:11〜23青ザク <9分> 13:32五輪の森 <18分> 13:50水場 <20分> 14:10〜15水場 <13分> 14:28〜41湧き水 <6分> 14:47 <35分> 15:22〜30白高地 <17分> 15:47〜16:00千代の吹上のコル <46分> 16:46〜17:19朝日岳 <36分>17:55朝日小屋テント場 20:15就寝

駐車場
  蓮華温泉駐車場(無料、多数)

温泉
   蓮華温泉ロッジ(800円)

メンバー
   Mさん、M君、I君
   


南アルプス塩見以南の荒川・赤石・聖辺りに行くか雪倉に行くか悩んだが、雪倉の花にあこがれ、この季節しかないということで、雪倉とする。4年前はじめて白馬に行ったとき、住友黒菱ヒュッテで出会った人がアルプスで最も花が多いと言っていたのを記憶しており、いつかと思っていた。また、百名山ばかりでなく、いい山に登りたいという思いもあった。朝日新聞社から出版されている続日本百名山(=日本二百名山)の雪倉岳の推薦コースとする。蓮華温泉→朝日岳→雪倉岳→白馬岳→白馬大池→蓮華温泉の周回コースだ。しかし、一つ不思議なのは、田中澄江著の花の百名山・新花の百名山にも選定されていないことだ。

メンバーは若いM君と友人のI君(二人は28歳)、いつものMさん(63歳)だ。I夫妻は鹿島槍にチャレンジすることになっていて参加されない。私はどうしてもはずせない会議と懇親会があり、出発は遅い。糸魚川にはコンビ二があるか不安だったので(セブンイレブン一軒だけがあった)、泉佐野ICに乗る前にコンビ二で買いだす。I君のところまでは、阪神高速の阿波座で下りたが、道に迷った上、新御堂が事故渋滞で到着が遅れる。

I君のカローラに最新のカーナビが付いたということで、M君の車から荷物を移し替える。尼御前までI君、有磯海まで私、その後M君の運転だ。I君が睡眠不足の方が夜良く眠れるというが、一睡もしなかったのが気になる。私は通算3時間は眠っている。

糸魚川はヒスイの名産地であると鉱石博士のM君が詳しく教えてくれる。R148は快適だが猿が飛び出しびっくりする。平岩駅からは徐々にカーブの多い道を20km近くも走る。緑は美しい。たどり着いた駐車場は50台近く止められそうだが、まだ10台近くは空いていた。快晴で目指す朝日が眼前に聳えていた。朝食やトイレ(清潔)、パッキングをし、出発する。しかし荷物がずっしり重い。特にM君はたくさんのお酒やM氏の食料まで持ってあげたので、大変だ。持ち上げるのも他人の補助がいるほどである。

いよいよ出発。少し先にロッジがあり、そこで朝日と白馬大池の道が分岐していた。直進が朝日、左手が白馬だ。少し歩くとキャンプ場で、どんどん下る。ほどなく、湿原でオオバボウシ、シモツケソウが咲き、目指す朝日岳の残雪が青空に映える。更に進むと兵馬の平で大きな湿原が広がり、シモツケソウ等咲き乱れていた。写真を何枚か撮る。木道を進むと、辺りにはおばけの葉となった水芭蕉があちこちに。シーズンはさぞ美しかったであろう。しかしその先の木道が横の滑り止めがなく、濡れていてスリップし、思い切りこけ、腕を強打。擦り剥く。骨折等なかったのが幸いで、どこまで下るのかと思いつつ小さな沢に出合ったので傷の手当てをする。ようやくたどり下りた瀬戸川には立派な橋がかかり、クルマユリが咲いていた。この辺りの標高は1200mを切っている。荷物の重さと暑さで頻繁に休憩することになる。陰でよく冷えた桃の缶詰を食べ英気を養う。

白高地沢のぞきからは河原や目指す稜線が見え、その先の左手にはひょうたん池があった。白高地沢に出合うと、冷水が流れる沢があったので、顔を洗い、M氏が考えた冷水につけたシャツを着る。体にどうかは知らないが、気持ちはいい。河原が広がるのでペンキ印に従い進み、橋を渡り、いよいよカモシカ坂。辛い上りで汗が噴出す。休み休み登るしかない。睡眠不足の体には特にこたえる。ようやく坂が終わり、1600mを越えると草原が広がる。風がさわやかだ。M氏は先行し、若い二人は下で休んでいる。それぞれが自分のペースで進むしかない。少しでもバテを進めないためにガスるのを願う自分がおかしい。

花園三角点にころがるようにたどりつき、一息つく。若い二人にも先行される。ここからは、花の楽園を進み、念願のガスもかかり、快適に進む。ヒオウギアヤメ、ニッコウキスゲ、タカネマツムシソウ、ワタスゲに加え、ミズバショウも咲いている。風が吹き抜け、昨年再整備された木道は散歩道だ。更にチングルマ、ハクサンコザクラ、コバイケイソウ、ヨツバシオガマに加え、クリンソウが木道から遠い斜面にたくさん咲いている。近くで見てみたいが我慢である。ミヤマアズマギクに加え、がれ地になるとイブキジャコウソウ、タカネナデシコ、シロウマアサツキも咲き乱れている。これぞ花の名山。今までに経験したことがない豊富さだ。青ザクで昼食のザルソバを食べ、これまでの道のりの花々を振り返る。ここからは五輪の森に入り、トラバース気味に進むと、いくつかの沢があり、ミヤマキンポウゲがたくさん咲いていた。

先行していたI君の休む湧き水は、殊の外冷たく美味い。周りには、コバイケイソウ、シナノキンバイ、ミヤマリンドウ、ハクサンフウロ、ハクサンコザクラ等が咲き乱れていた。そこからは、大きい沢をいくつか横切り、朝日岳を正面に木道を進む。ハクサンイチゲ、キヌガサソウ、リュウキンカに加え、ツクシが出ている。これは、木道整備のときの藁に混じった里のものではと気になった。沢沿いの急登を進むと、雪渓のある白高地で、テント跡があった。何よりアオノツガザクラが狂い咲きのようにびっしり咲き、それに混じるイワカガミ、ハクサンコザクラが美しい。ため息が出るほどだ。これで荷物がなければ雲上の散歩道を歩むという感じであったろう。

更に紅柄の敷かれた雪渓を一上りすると千代の吹上のコルであった。ここは栂海新道との合流点で、親不知海岸につながるだけに感慨深い。HPを通じてメール交換させていただいているA氏をはじめ、親不知まで下った人達の記録が脳裏を霞め、縦走の尊さを感じる。それにしてもこの辺りも花の種類が豊富なお花畑で、今まで出会った花に加え、ウスユキソウ、チシマギキョウ、タカネバラ、ウルップソウが加わった。ウルップソウは終わっていたが、あこがれのタカネバラに出会えたのはよかった。

残り標高差200mほどであるが、荷物のせいで重い。咲き乱れる花に慰められながらの旅でなければ持たないところだ。富山県警のヘリが飛び交う。乗せてくれと冗談を言う(小屋で知ったが子供が高山病で体調を崩したためであった)。

途中、蓮華温泉ロッジが見えることをI君が教えてくれる。はるか遠くに見え、よくここまで来たものだ。人間ってすごいなぁと感激一入である。一上りしたコバイケイソウがたくさん咲く平で、若い二人は昼寝。私は山頂に向かう。雪倉への分岐を過ぎるとすぐに山頂であった。結構広く大きな標識や展望盤があった。雪倉も一瞬だが見えた。難は、虫が多いことであった。皆がそろうのを待って、運び上げた赤ワインで乾杯。高級酒のようで実に美味かった。記念撮影を済ませ、2時間以上遅れているので早々に小屋を目指す。400mも下るのは勿体無いが仕方ない。

正面に新旧の小屋が見えたときはようやく長い一日が終わるという喜びがあった。しかし、水平道と合流後も上り返しが少しあり辛い。小屋は満杯のようだが、テント場は20張りもない。手続きに行くと、今日の出発時刻を聞かれ、明日は更に時間がかかるので、早めに出発するようアドバイスを受ける。M氏の到着前にテントを張り、ビールを雪渓からとった雪で冷やし、夕食の準備をする。しかし皆疲労困憊でI君は食事もせずに眠る。ここのテント場は平坦で石もなく、水場もトイレ(清潔)も近く便利だ。今日の夕食は中華丼、卵スープ。チンジャオラオスは食欲不足で明朝に回す。酒もビールと日本酒少々でM君が何のために苦労して持ち上げてくれたのかという結果に。

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