文楽

 


データ】     

2012年4月8日(日)

メンバー
    単独
   


会社のM部長のおかげで、古典芸能に目覚め、落語に続き、文楽を鑑賞することに。古典芸能を楽しむ本で基礎知識をつけ、国立文楽劇場を申し込む。第一部は、加賀見山旧錦絵、第2部は、「祇園祭礼信仰記」、「桂川連理柵」。第2部を鑑賞することにする。

鑑賞を知ったM部長が、別冊太陽の「文楽」や人間国宝の竹本住大夫の「文楽のこころを語る」を貸してくれ、関心と知識が深まった。太陽は写真が美しく、人形の「頭」のことなどもよく分かり、竹本住大夫の本からは、一作一作への想いが伝わり、前段階での準備は十分となった。

公演は4時間にも及び、祇園祭礼信仰記は、国立劇場での平成7年以来の演目で、舞台装置も有名とのことだ。此下東吉が木によじ登って、金閣の三層に閉じ込められている足利義輝の母・慶寿院を救出に向かう、セリを使って、舞台が二層、三層へと変わる。初演当時の評判にも「四段目金閣三重のセリ上ゲセリ下ゲ大道具の工夫めざましく」とあり、セリを用いた大掛かりな舞台転換が大評判で、初演は三年越しの大当たりとなったとのことだ。ちなみに、金閣は歌舞伎では二層だ、文楽では本物同様に三層となっている。人形ならではだろう。確かに見ごたえがあった。
























国立文楽劇場は、近鉄日本橋駅からわずかだ。ちょうど桜が咲き、幟と共に写真におさめる。











時間までの間に、企画展示室で昭和初期の文楽の展示を楽しむ。

第2部の入りは3割程度だ。東京は満席になるというのに。字幕も分かり易く、床本を見ることもなく、義太夫や三味線に魅せられ、何より人形の美しさに、ぐんぐん引く寄せられた。

二つの演目の分野の違いが初心者には、良かったかもしれない。祇園祭礼信仰記は、やはり舞台装置の工夫や雪姫の縄抜けが印象に残った(左上は雪姫)。

桂川連理柵は、帯屋の段が面白かった(右上の写真)。"チャリ"とは、文楽の滑稽な場面や人物を言うそうだが、「帯屋の段」の前半は、チャリ役の長吉と儀兵衛が活躍し、楽しめた。桂川連理柵は、 竹本住大夫、吉田簑助、吉田文雀という人間国宝の競演でもあった。
今後も有名な演目については、是非、見てみたいと思う。できる限り、大阪の国立文楽劇場で。

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