数年前からI夫妻に北海道行きを誘われていたが、子育て最中かつ妻は北海道にも行ったことはないことから、躊躇していたが、全日空の超割で何と片道1万円で行ける上に、梅雨のない北海道のベストシーズンに2週間も設定されていることから、計画する。しかし、申し込み初日は、インターネットはパンク、沖縄はじめどこに電話しても全くかからない。JTBに電話するととき既に遅し。あきらめた後、少し遅れて同期間を対象にはじまったJALではとれたが、全日空の購入期限には、キャンセルが出て、理想の便が取れた。後日知ったことだが、私はマイレージクラブに入っているので、先行受付という制度を利用できたそうだ。
おもしろかったのは、ヤマケイJOYで1万円で北海道に行く特集があったが、「雑誌の発行時点ではとき既に遅しで来年チャレンジを」というなんか地団太を踏ませる変な企画であった。また、この期間はレンタカーも安くなる。宿舎も何とか旭岳温泉のYH白樺荘は最後の1室、トムラウシ温泉国民宿舎東大雪荘はキャンセル待ちでとれた。ラッキーであった。北海道は公営宿舎も安くて温泉が充実している。ただ、大雪・トムラウシ間が山の距離の割には、道は遠く3時間以上もかかることがネックだ。
準備万端と思いきや季節外れの大型台風が近づき、その場合は、12日朝出発で、13日大雪山、14日十勝岳とする。12日は富良野見学。宿舎はキャンセルした吹上温泉白銀荘がとれた。飛行機が天候で飛べない場合は、翌朝の便でも超割扱いで振替できるそうだ。
台風がきて、名古屋出張も新幹線は止まったが、近鉄は動き何とかたどりつけた。11日は台風一過となった。11日の新幹線は信号機事故でダイヤが乱れたが、何とか予定の南海にも乗れ、妻にみさき公園の駅まで迎えに来てもらい、一風呂浴びた後、出発する。ただし、台風は我々が新千歳空港に着くころ北海道に上陸しそうで気がきでない。泉佐野駅でI夫妻に会い、関空で全員無事18時に合流できた。
チケットを受け取り、手荷物を預け、レストランで食事をとり乾杯。M氏のアナゴ寿司が忘れられるというハプニングはあったが、折りに詰めてもらい、飛行機に乗り込む。ボーイング767は台風でキャンセルがたくさん出たようで、1/3ぐらいしか乗っていない。少し離陸が遅れたが、何と1時間30分で着くとのことで、定刻の20:55に無事新千歳に着いた。少し離れたレンタカー受付に行くと、バスが迎えに来るとのことで、10分近く走り、巨大なレンタカー基地に着いた。これには驚いた。トヨタ、日本、オリックス等レンタカー会社も多いが、車の数も半端ではない。大変な需要があるのであろう。
我々は、超割でふだん12000円/24Hのところが7000円。車種はカローラ・ランクスというワゴンタイプの4WDであった。ワゴンなので結構な荷物も無事積み込め、雨の中出発する。千歳ICから入り、道央自動車道を走る。気温は16度だ。NHKニュースでは、21:00に28年振りに釧路に上陸し、0:00には、網走沖で温帯低気圧になったと告げていた。砂川SAはハイウェイオアシスと表示されていたが、施設は小さく、閉まっていた。この時期暖房がはいっていたのは、さすが、北海道である。
旭川鷹栖ICで下り、最初のセブンイレブンで朝と昼の食事を調達する。冷やし中華と道内産地鶏親子飯等買い込む。地図を見ながら旭岳温泉に車を走らすと旭川駅前近くの繁華街のにぎわいとタクシーの余りの多さに驚く。さらに旭川ラーメンの店が何軒か並んでおり、ラーメン好きの我々は、「らーめん旭川屋」に立ち寄ることとする。店の薦めに従い、醤油とする。とんこつが混じっているおり、麺はちぢれで少し固めだったが、美味く満足する。600円/杯であった。
北海道らしい快適な道を進み、天人峡と旭岳温泉への道を分ける。旭岳温泉への道が1km毎に表示されていた。迷うことなく、旭岳ロープーウェイ手前の駐車場に着くが、雨が激しい。ドコモで予報を確認するも悪い。週間予報の台風前は、ばっちりだったことを思い出すと共に、台風一過とならないのは、オホーツク高気圧が東にあることだと知る。仮眠し、朝食や美しいトイレを利用しても回復はしない。一つだけよかったのは、このレンタカーにカーナビが標準装備されているのを知ったこと(係りの人は説明不足)。
それでも登山者がロープーウェイに向かうので、確認に行く。なんと大型バスまで到着するが、6時始発のロープーウェイは止まっている。強風の ためだそうだ。真新しい駅舎で、みるみるうちに50人近くの人となった。姿見駅は気温6度。風速17mとの掲示がある。昨日は、一日中運休だったとのことだ。Iさんたちに情報を伝達し、とりあえず、子供たちに頼まれていたおみやげ(北海道限定キティグッズ)を買う(情報通りガスは売っていたが125CCで600円以上もしていた。カセットコンロ用も一つ300円以上であった。飛行機に詰め込めないだけにもう少し良心的な値段にならないものか)。
時間つぶしに本日宿泊のユースホステル大雪山白樺荘に予約の確認にいく。新しい施設で満足する。そのうちに目の前を回送の大型バスが走り過ぎたので、I氏がロープー ウェイが動き出したのだろうという。戻ると案の定、7時発から動き出したとのことだ。層雲峡への縦走中高年グループも出発していく。
雨に濡れるのを避け、駅舎前の有料駐車場(500円/日)に車をとめ、出発準備をし、1階のロビーで朝食(冷やし中華。本州より美味かった)をとり、美しいトイレも利用させてもらう。7時15分発のロープーウェイに乗るが、ガスで真下ぐらいしか見えない。10分足らずで着くと(往復2800円は標高差の割りに高い)、雨の中、傘をさして進む。展望はきかないが、高山植物や残雪が美しい。姿見の池までは、エゾノツガザクラやチングルマが多かった。池には鐘と真新しい石室があった。ここからは、上りである。
何回かピークかと思うが、その度に少し平坦になるが、すぐ前に新しいピークがぼんやり現れる。7合目からは1合毎に標識がある。左手は崩壊している。八合目を過ぎると雨に加えて強烈な風である。M氏とI夫妻は遅れる。9合目の岩陰で休憩している人からあと少しですよと励まされる。ようやくたどり着いた山頂には標識と一等三角点があった。ほどなく一人着いたので写真を撮って貰う。風と雨が強いが、M氏とI夫妻の到着を待ち、写真を撮りすぐ下る。当初の計画は、間宮岳、中宮温泉、裾合平を周回する予定であったが、風と何より靴の中が雨でざぶざぶでどうしようもない。レインウエアとスパッツの間を 雨がつたったのだ。「何年山登りをしているのだ。こんな初歩的なミスをして」と自戒する。しかし、皆も大同小異だ。裾合平のお花畑は、今回のベスト3の楽しみだが、やむを得ない。下りでは、めがねの曇止めが切れ、苦労する。傘もさせない風で環境監視員の人に「傘が壊れたのですか」と尋ねられる。
立派な石室で体制を整え、折角なので姿見の池を今度は右回りで帰る。観光客の人が多い。監視員の人にメアカンキンバイとエゾノイソツツジを教えてもらう。どちらもたくさん咲いていた。噴気塔の後は、群落が大きく、待望のエゾコザクラ咲いていた。夫婦池等の見所も多く、楽し みながら歩く。裾合平との分岐では、ピストンしたい衝動にかられる。靴の中さえ、まともなら、チャレンジしたかもしれない。姿見駅では、15分の待ち時間があったので、濡れたものをごみ袋に収納する。
早々に宿舎に向かう。ユースホステルは期待以上であった。よかった点を並べると、温泉。源泉は無色無臭。47.4度とのことだ。露天風呂も男女別にある。部屋は2段式で4人眠れ、十分な広さと羽毛ふとんと清潔なシーツである。食事もとんかつを中心に、ほたてのグラタン風と十分な量と味である。生ビールも用意されている。乾杯は至福のときであった。更に大きな乾燥室があり、今回は本当に助かった。それで一人6500円。私が学生の頃1月近くユースホステルを使ってまわった頃とは隔世の感だ。しかし、泊り客はすべて中高年。若い人は感じの良い従業員だけだ(^_^;)。
そんな恵まれた環境で、I氏が買ってくれた旭川の銘酒「男山」を飲み、昼食の道内産地鶏親子飯(殊の外美味かった)を食べた後、温泉を楽しむ。しかしその後、15kmも離れたガソリンスタンドにアルコールの入っていないI夫人の運転でガソリンを補給に行くという仕事があった。しかし、この辺りの人は、車を維持するのも大変だ。会員価格でリッター90円と安かった。
雨の中、帰ってようやく昼寝タイム。1時間ほど眠った。夕食の後、明日の朝は早いので、朝食のおにぎりと清算を済ませ、さっと一風呂浴びて20時には眠る。ただ、ニュースでトムラウシで大量の遭難者が出ているとのことで不安だ。
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