旭岳裾合平周回、富良野岳・上富良野岳周回

 


データ】     

2020年7月22日水曜日〜2020年7月25日土曜日 
2020年7月22日水曜日

15:59春日 16:49羽田空港 17:45JAL(767-300,42K)羽田空港発 19:25旭川空港着 道の駅「びえい丘のくら」車中泊

2020年7月23日木曜日 小雨後曇り時々晴れ 歩行時間6時間22分

5:30ビジターセンター前無料駐車場 6:40ロープウエー 
7:13出発 <20分> 7:33姿見ノ池 <67分> 8:40八合目 <20分> 9:00〜05九合目 <15分> 9:20〜35旭岳山頂 <60分> 10:35〜45荒井岳分岐 <5分> 10:50間宮岳 <26分> 11:16中岳分岐<64分> 12:20〜30中岳温泉 <42分> 13:12裾合分岐 <44分>13:56ロープーウエ残1.9km <9分> 14:05〜15休憩 <30分> 14:45ゴール
15:00ロープウエー  15:40出発 モンベル経由 17:00東横イン旭川駅東 

2020年7月24日金曜日 曇り時々晴れ

2020年7月25日土曜日 曇り時々晴れ 歩行時間5時間27分

4:00起床 5:50駐車場着
6:30スタート <34分> 7:04沢 <25分> 7:29〜44上ホロ分岐温泉から2.0km上富良野岳2.7km表示 <12分> 8:56〜9:05上富良野岳 <40分> 9:45三峰山 <8分> 9:53〜58二つ目のピーク <62分> 11:00富良野岳分岐 <33分> 11:33〜11:55富良野岳 <20分> 12:15分岐 <45分> 13:00〜05日本庭園風の場所 <10分> 13:10沢 <16分> 13:26上ホロ分岐 <22分> 13:48沢・安政火口分岐 <12分> 14:00ゴール 凌雲閣入浴
15:40日の出ラベンダー園 (富田ファーム) 中富良野町営ラベンダー園 美瑛の丘 美央駅 18:30レンタカー返却 265km 20.1km/? 夕食
20:15JAL旭川空港発 21:50羽田空港着
22:29羽田空港発京急 23:10春日駅着

メンバー
    単独
   


2020年7月22日水曜日

今年の夏山はどうするか思い悩んだ。コロナにより、信州方面は山小屋も開いているところが少ないうえに、交通手段も夜行バスはリスキーだし、予約も難しそうだ。おまけに梅雨も明けそうにない。

テント泊の自信もないことから、マイレージを使い、北海道に行くことを思い立つ。行きを夜にして、帰りを土曜日にすれば、羽田と旭川間が確保できることが分かった。レンタカーも割安で借りれる。家内に道東の旅をしないかと誘ったが、有名旅館でないとと言うのでおすみつきが出た。ただ、単独行は心配している。

行く山は、北海道の山々34というガイドブックで思案する。一番行きたい山は、大雪山系の高根が原や五色ヶ原辺りのお花畑だが、テント泊の自信はなく、日帰りだと高根ヶ原は銀泉台からだと可能だが、ひぐま出没でほとんどダメのようだ。五色ヶ原はロングコースできつい。ここはNHKの番組「神々の庭」で見た印象が強烈だった。わずか10日ほどのようだが。

結局、考えたのは、旭岳・天塩岳・富良野岳のそれぞれ周回コースとした。家内が単独を非常に心配するので、モンベルの保険にも加入した。安価でありがたい。

ただ、天候はイマイチだ。北海道の7月の山行は過去多いが、ほとんど天気に恵まれていない。北海道は梅雨がないというのは本当か。

どの順序で登るかはギリギリに判断することとする。特に旭岳はロープゥエー代が高いうえに前回は荒天で旭岳の往復に終わっているだけに、今回は裾合平の周回コースを歩きたい。

旭川行きの飛行機は767-300で、大型機だが、4割足らずの乗客だった。夏休みだからか小さい子が非常に多かった。ずっと泣いている子もいて、親は大変だ。

レンタカーは、バジェットで、店は空港から少し距離があった。三菱のEKワゴンは新しく、室内は広く感じた。

困ったのは、夕食場所。今日は、美瑛駅近くの道の駅「美瑛丘のまち」(左下の写真)で車中泊としていた。レンタカー屋では、あてにげも多いと聞き、天塩岳に行くとその不安もあるので、はじめてフル補償とした。20時10分に出発する。

食事の店は見当たらず、レンタカー近くのコンビニ、セイコーマートにはほとんど食べるものがなく、朝のサンドイッチしか買えなかった。どうなるのかと心細く、美瑛に向かうとセブンイレブンがあり、夕食のポークカレーとサラダ、昼食の稲荷ずしとおにぎりが買えた。

道の駅も何とか一台分だけ空いていた。小雨が降っていたが、広場のテント下でカレーを食べて寝ることにした。ぽつりと一人はなんとも言えない旅情感だ。非常に記憶に残りそうだ。

隣の電気自動車スタンドに岩手ナンバーのワゴンが止まった。音を気にしたが、静かだった。22時30分にアイマスクをして眠る。

EKワゴンは、車中泊にはシートがよくて寝やすかった。睡眠薬と高血圧薬を忘れたが、そこそこ眠れた。持参したシュラフとアイマスクの効果があったのだろう。

2020年7月23日木曜日 

朝4時に起きると、ガスっていたが、朝食をとり、美しいトイレを使い、旭岳ロープゥエーの駐車場を目指した。

道は北海道独特の蕎麦畑等広がる。これだけで幸福感がわく。やはり私は旅が好きなのだ。登るにつれ、白樺等の林が広がる。ほとんど建物もない走り、ビジターセンター前の広い無料駐車場前に止めた。

ほどなく、昨夜道の駅で隣に止めていた岩手ナンバーのワゴンが止まった。若いカップル二組のカップルで、笑いながら会釈してくれた。

ロープウエーは始発は6時で20分間隔だ。駅舎は建て替えられてトイレも美しかった。インバウンド効果だろうか。6時20分のロープーウェーにギリギリ間に合わず、40分に乗った。道民だと割引があるようだ。標高差の割には料金は3200円と高い。稼働期間が短いからだろう。

乗客は10人足らずだ。山頂駅は小雨で、周回するか、裾合平と中岳温泉往復も考えたが、予報はさほど悪くないのでとりあえず旭岳に上り考えることにした。

駅前の池塘には残雪があった。姿見ノ池までの道にも、チングルマ等高山植物が結構咲いていて、一年ぶりの高山気分を味わう。旭岳石室を覗いた後、山頂を目指す。道は火山特有のがれきで、天候のため展望もなく、正直、歩いていて面白くない。前回より風雨がきつくなく、雨が止んだのだけが救いか。花もイワブクロが目立つぐらいだ。















西宮の御夫妻と少し話しながら、八合目や九合目の表示を励みに登る。ニセ金庫岩や金庫岩もこれかなと思いつつも確信は持てない。途中、わずか1時間15分で登ったという健脚者に出会う。その脚力で何故周回しないのか不思議だった。

旭岳山頂からは一瞬ガスが切れて近くの山が見えた。残雪が多い。
























裾合平らに行く人は皆無に近かったが、二人が先行したので、ついていく。裏旭に向けては残雪が多く、急斜面だ。二人がレインウエアのまま、手本のように尻セードをしてくれたので、まねてみる(右上の写真)。結構うまくいき、レインウエアが傷まないか心配したが、ダメージはなく、うまくいった。彼らがいなかったら、方向もふくめて、心配だっただろう。右手の雪解けの水の色が薄いエメラルドグリーンで美しい。

感謝を申し上げると函館の方で、高速で5時間かけて来たという。残雪後は、エゾノツガザクラの大群落があり、さすが大雪山と来た甲斐を喜ぶ。
















函館のお二人と親しくなり、裏旭キャンプ場のトイレ問題やこの辺もヒグマが出ることを教えてもらう。コロナが流行し、インバウンドがいなくなるまでは、ロープーウェイも団体の観光客に選挙され、登山者は苦労したそうだ。

間宮岳周辺は平坦で、双六岳近辺を思い出す。ここからのお花畑も見事だった。外国人の女性二人が逆ルートで登ってきたのに出会う。晴れていたのに小雨となった。

御鉢平方面は有毒ガスで行くのは禁止となっていた。中岳分岐への道も花は多い。ヨツバシオガマの他、はじめて出会う「クモマユキノシタ」「チシマクモマグサ」も見つけた。中岳分岐からは、想像していた景色と違い、ハイマツ帯を歩いた。エゾイソツツジが目についた。嬉しかったのは、間近に「エゾシマリス」を見れたこと。人口の文字の消えた板の上に座り、こちらをじっと見ていた。ここで、手袋を落としたが、気が付いてもどると後続の函館の方が拾ってくれていた。

函館の人に中岳温泉はどこかと聞くと、稜線からくだったところで、荒々しい岩峰群の下に沢があり、硫黄の匂いとともに湧き出ていた。





近くに真新しい簡易トイレがある。ガイドブックに足湯が一般的だが、全身入浴の人もいると書いていたので、函館の方と思い切って入った。湧き出していところは熱いぐらいだが、その箇所以外は、ぬるい。ただ、硫黄臭が強く、川は湯の花で真っ白だ。面白かったのは、撮っていただいた写真は、タオルで隠したいちもつが、写ったようで、アイフォンでは自動的に黒く塗りつぶされた。

函館の若い方は入らなかったが、かわりに一瞬にして飲み水となる器具を持参されていて、この川の水を浄水して飲ませてもらった。

ここから少し下ったところに、残雪のトンネルがあり、若い方が中を覗きに行かれたので、まねしてみた。ひんやりしたが、崩れないか少し怖かった。川には、エゾノリュウキンカが咲いていて、大型なのに驚く。何と、残雪トンネル内でも成長していたのに驚く。
















この先は、裾合平の素晴らしい景色が広がっていた。広大なチングルマのお花畑は、一二週間遅かったとようだが、それでも歩いていて本当に甲斐のある素晴らしい場所だった。周回コースは大正解だった。これで大雪山が見えたら、どんなであったろう。

裾合分岐からは少し上りになり、予想していたイメージとは違った。ロープーウェイ方面から来られた二人連れの女性は、時間がないらしく、分岐手前でUターンされた。ツアーであろうか、もったいない。
















ロープーウェイまでの道のりは、意外と長く感じた。右手には、ひぐまでもいそうな平原が広がる。地図上ではお花畑が大きそうだが、それほどのものはなかった。しかし、残雪を横切ったりして、それまでとは違う景色を楽しむ。

ほとんど上りはないのだが、久しぶりの山歩きに少々疲れ気味だ。駅に近づくと、夫婦池等を散策する観光客が多くなった。予想していたよりは一時間ほどかかったが、非常に充実した山行となったことを喜ぶ。

帰路、大雪旭岳源水に立ち寄る。大量に水を汲む人も多かった。湧水量は半端ではなく、非常に整備されていた。

本日の宿舎は、旭川駅近くの東横インで連泊する。途中、立派なモンベルがあったので、リュックサックのリペアシートを買う。昨年買ったが、重さはないに等しいが、ペラペラでパッキングが難しく、切れに弱いようだ。

ホテルは満室で、ライダーも多かった。旭川駅は、新幹線が走っていそうな立派な駅だった。夕食は悩んだ末、旭川ラーメンとし、有名な「一蔵」とした。18時開店と同時だった。サッポロビールと餃子を食し、ラーメンを食べる。麺は細い。なかなかいけた。

2020年7月24日金曜日 

この日は元気と気力があれば、天塩岳に登る予定だったが、天気はまずまずだが、後者がなく、観光することにした。

起床後、先ずは駅南の北彩都ガーデンを散策した。ここは忠別川が流れ、実に美しく整備され、その景色を望むようにスターバックスもあった。この資金はどこから出ているのかと思うほど贅沢な空間だった。

朝食はバイキングでなく、弁当後だった。その後、名所の昭和7年完成の旭橋、日本の都市公園百選にも選ばれた常磐公園を見学した。常磐公園の睡蓮は盛りだった。親子連れの写生姿が目立った。

旭山動物園は一番に行くと、入口間近に駐車できた。旭山動物園では三浦庭園と合わせて4時間もいた。映画等で見ていたのだが、あざらし館、ぺんきん館、オラウンターン館、テナガザル館、レッサーパンダ館に惹かれた。特にオラウンターン館、テナガザル館、レッサーパンダ館の渡りは見飽きない。
















せっかくなので、睡蓮が見頃の旭川三浦庭園に立ち寄る(右上の写真)。動物園と連携しているが訪れる人はほとんどなく、蝉時雨に静かなひとときを過ごした。睡蓮は2000株もあるとのことで見事だった。

昼食は北海道なので、びっくりドンキーで食べ、前のユニクロでエアリズムマスクが売っていたので買い求めた。

その後は、早世された先輩の中山さんと訪れた思い出の男山酒造を訪問した。夜のお酒と升を土産に買う。たくさんの紫陽花が記憶に残った。

その近くの旭川デザインセンターに立ち寄る。ここは弟おススメの旭川家具の展示施設だ。小仏壇に興味を持った。

さらにレンタカー屋で勧められた北鎮記念館に行く。陸上自衛隊の方の説明で、北海道開拓と防衛の歴史もよく分かった。名戦闘機「隼」縁の地であることを知る。旧旭川偕行社で国の重文の建物である旭川市彫刻美術館に立ち寄る。隣の井上靖記念館は閉館時間を過ぎていた。

最後にホテル近くの高砂明治酒造の外観を確認し、戻る。夕食は適当な場所が見つからず、 旭川駅構内石川啄木歌碑を見た後、イオンで、幌加内そば、十勝のじゃがいもポテトサラダ、焼き鳥、北海道限定サッポロクラシックビールを買い求め、男山の酒と共に晩酌した。

2020年7月25日土曜日 

この日も早起きできるか心配だったが、4時に目覚めた。早々に準備して、セブンイレブンで朝食のサンドイッチや昼食のおにぎりを買い、登山口の凌雲閣に向かう。途中、望岳台への道を分け、しばらくで駐車場についた。早、満車で、凌雲閣入口前に何とか止めることができた。

駐車場には立派なトイレがある。朝食のサンドイッチを食べて、登山届を提出して歩き始める。車も走れるような広さで、ウォーミングアップに良い。

ゆっくり30分ほど歩くと、噴火観察用と思われるカメラが左手にあり、前に安政火口が広がると、右手のヌッカクシ富良野川に下る。涸れ沢だ。対岸の斜面に取り付き、いったん下流方向に折り返すように斜上してから、尾根を回り込んで稜線に向かう。上ホロ分岐で左手の上富良野岳に向かう。
















お花摘みをしていたと思われる女性がはずかしそうに下りてきた。この上りには6月下旬だと長い雪渓らしく、エゾツガザクラが咲いていたりして楽しい道だと思っていると、延々と木の階段が続き、高度を上げる。うぐいすが鳴き、ウサギギクやツガザクラが見られた。 階段の後、九十九折が続くが、お花畑に慰められる。稜線に近づくと左手には安政火口が見下ろせる。



































道は右に曲がり、最後のひと上りで、標高1893mの上富良野岳山頂で標柱が立っていた。旭川市在住の方と親しくなり、しばらく一緒に歩いた。

山頂からは青空は方向によってあるが、展望はイマイチなので、先を急ぐ。左手には、上ホロカメトック山が下って登り返すように聳えているので、標高は30mほどしか違わないが、高く見える。

ここから三峰山(さんぽうざん)に向かって緩く下る。広い風衝地だ。三峰山は名の通り、三つのコブが連なる山で、二番目が本峰とのことだ。手前で望遠レンズを構えた方が三人もいたので何を狙っているのか問うと、ナキウサギとのことで、場所を教えていただき、少し遠くに確認することができた。下っていくと、先ほどの仲間の方がナキウサギを追っていたが、こちらは鳴き声はするが姿は見えない。この先、エゾツツジが非常に多かった。トカチフウロの群落もあった。

三つ目のコブを過ぎると、一時尾根は狭まり、ほどなく富良野岳のコルとなり、わずかに登り返すと分岐だった。その手前に、コマクサが数輪だけあったのを不思議に思う。

















途中、出会った方が富良野岳へのお花畑が素晴らしいと言うので楽しみだ。分岐からは階段で、尾根を回り込んで稜線左側につけられた道を辿る。足元は急な斜面で、お花畑が広がり見事だ。チシマノキンバイソウが大きな群落をつくっていた。途中、見知らぬ花があったので、後で調べようと写真に撮っていたところ、下山時年配の女性から教えていただき、希少種のエゾルリソウだと分かった。今年も会えたと喜んでおられたのが印象的だった。

















眼下にゴルフ場のように見えるとガイドブックに出ていた「原始ケ原」の湿原は、名前のとおり、実に神秘的だ。山頂からは正面に芦別岳や夕張岳、遠く日高山脈も望まれるらしいが、この日は全くダメだった。

分岐まで戻り、潅木帯の道をトラバースする。5歳の女の子や4歳の男の子が自力で登ってきたのには驚いた。

このルートからは、振り返ると富良野岳、左手には凌雲閣や雄大な十勝平野も望まれ、行きとは違い、周回ルートの楽しさを味わえた。

日本庭園のよいなところで小道に分け行ったカップルに何かあるのかと聞くと、追いついた林野庁の若い職員二人はトイレ場になっていると困った顔をして、ティシュはなかったか確認されていた。

この先にまだ雪の残る沢があり、ほどなく、上ホロ分岐となった。空は晴れ、安政火口を確認した後、ぼちぼち登山口に戻った。

駐車場は1/3ぐらいに減っていた。凌雲閣で汗を流した。標高1270mで、道内最高所の温泉とのことだ。露天風呂からの景色も素晴らしい。

入浴後、飛行機までの時間を利用して、富良野観光をした。道を下ると、キタキツネの親子が横断した。親について行けなかった子ぎつねが鳴き。愛らしい。














































































観光は盛りの日の出ラベンダー園、富田ファームは外観だけ、中富良野町営ラベンダー園を見た後、たまたま美瑛の丘の素晴らしい景色と今年の青春18切符のポスターとなった美馬牛駅を見学することができた。美瑛の丘は夕陽が近く、また駅は誰もいず、旅愁に満ちていた。

レンタカー返却後、空港で十勝牛の鉄板焼きと限定ビールで旅を終えた。自宅に戻り、凌雲閣のトイレに新品の登山グローブを忘れたことを思い出す。 

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