仕事や妻の病気でしばらく、山へ行けなかった。久しぶりにいつものメンバーでの山行となり、楽しみであるが、天気予報は週間でも悪く、木・金の天気がうらめしい。日曜は曇りの予報から午後雨に変わる。
朝は予報通り、曇り。時間との勝負かもしれない。Mさんの車でIさん宅に向かう。道すがら、雲取山以来の1カ月余りの間の出来事を話し合う。Mさんがパソコンを購入し、ADSLもつけられたとのことで、大変便利になりそうだ。
いつものコンビ二で寿司等を購入し、阪和自動車道に入る。北に行くほど天気は良い。桂川Pで休憩し、京都南ICから東寺を左手にとり、R171を西大路で右折し、西大路通り府道181を進み、西大路五条で左折し国道9号を進み、五条天神川を右折しR 162に入る。昨年秋に来た高雄、何年か前に家族で来た栂尾高台寺を通り、更に北に向かう。さすが北山だけあって、杉の美林が美山町まで続く。栗尾峠を過ぎると、京北町は結構な街だ。山深い感じを抱いていたので意外である。
京北町北弓削からは、残雪も見え出す。美山町に近づくと霧が出だし、青空もおしまいかと思われる。2箇所の温度計は2度と表示されている。美山町で小浜への道を離れ府道広河原美山線に入ると、再度、青空が広がり、茅葺の里は山にかかる霧の上は青空ですばらしい。観光地化され、大きな駐車場や茅葺のおみやげやがある。早くも2人が三脚を立て本格的に写真を 撮っている。思いの外の景色に我々も車を止め、しばし見入る。この景色を見ただけではるばる来た甲斐があったというものだ。
更に進むと左手に郵便局、長野酒店や勝山商店という大きな看板のある辺りに、町営バスのバス停があり、左折するとT字路で、右折し、細い道を5kmほど進むと笠谷橋 で行き止まりとなっていた。橋を渡るとすぐに八ガ峰ハイキングコースの大きな看板(右の写真)があり、山頂まで2.1kmとなっていた。駐車場は一面の雪だが、一台ぐらいは転回できて止められるスペースがあった。
濡れていない橋の上で準備し、出発する。廃屋を右手にゆるやかな上りだ。新しい先行者の踏み跡がある。このルートはハイキングコースだけ あって、雪がないと迷うはずがないのかテープがほとんどない。踏み跡がないと迷う箇所も多い。私は久しぶりの山行と雪ではしゃいで先行する。一人で歩いていると最近2回も読んだ「北八ツ彷徨」の文章が浮かんでくる。九折でほどよい傾斜の道を快適に歩き、30分ほど経った人工林から自然林に変わる辺りで休憩し、重い八朔を食べる。柑橘類は、山登りのときは特にうまく感じる。
ここでは、まだ青空が広がっている(左の写真)。八国が見えるという山頂にガスらないうちにと思い、先を急ぐと数 分で、スキー場跡に出た。スキー場跡という知識と小さな小屋のような崩れた建屋がなければ、既に潅木が大きくなり、誰もスキー場跡とは思わないであろう。
自然林り中を一上りすると、京都府大野ダム知見雨量観測所の標識がある雨量計に着いたが、先行する二人から、「先行者のトレース消えている」との声がした。せいぜい膝下までもぐる程度だか、ガイドブックにある地図を見た方向と目指す方向が違う感がする。磁石は持っていても、きちんとした地形図を持っていないのが失敗であるが、巻き道のルートには、テープはないが、人工的に木を切った跡があるので、確信する。45度くらいの急斜面に丁寧に先行するMさんがトレースをつける。正月の大峰に、Iさんと出かけ、自信があるのであろう。実に頼もしい。少し先には明らかに道と思われるルートが続く。しばらく進むと、左手に「南妙法蓮華今日」と書かれた石があった。
帰宅して、山と渓谷社の京都府の山の八ガ峰のところにこの石のことが書かれていたが、現地では読み取ることができず、その先にあると言われる石仏と石塔と混同してしまった(積雪の下だったと思われる)。さらに右手に人工林の傾斜のない道を進むと、ガイドにある山頂近くの鉄塔が見え、ルートがあってるようだと安心する。ようやく知井坂峠と思われる箇所に出た。右の木にテープが多く、左手に雪の上に何とか 出た「登山道」という標識があった(右の写真)。ここで地図に従い90度右折する。なだらかな道が続いた後、一のぼりで、鉄塔に出た。見晴らしがよく、気持ちが良い。ここからコブを越え、最後の急登を登りきると、山頂であった。
ガイドブックでは、広場だが、積雪で平たくはな い。360度の大展望では、二等ではなく、一等三角点になってもおかしくはない(空撮用の目印があった。左の写真)。双耳峰の青葉山は確認できるが(左下の写真)、地図を持ってこなかったので、長老ケ岳や百里ケ岳が同定できないのが残念だ。山頂の標識には百里ケ岳まで20km、17時間の標識があった。八ガ峰は「はち」とも「やつ」ともガイドブックには書かれていたが、山頂表示板には「はち」となっていた。それにしても、まだ春が遠いという感じの山々を見渡し、気分は爽快である。
風のない山頂は、天国で早速ビールで乾杯。Iさんが黒生を持ってきていたので、ハーフ&ハーフとする。Mさんがオークワで買って来てくれた特製胡麻の稲荷寿司と池田さん持参の漬物が殊のほかうまかった。下りには慎重をきする箇所があるので、酒はほどほどとする。
下りだすと、雨がぽつぽつきだし、スキー場跡で傘をさす。到着したときは本格的に降っていた。無事、1時間で下りおりたが、本当に2.1kmかな?と思った。下りのスピードと所要時間からは2.1kmは直線距離で実際にはもっとあると思われる。爽快感とともに、頂上の展望を満喫し、 単独でなかったからこそ登れた満足感、いつもの気心知れたメンバーの暖かさで会心の山となった。
雲取山のときと同じく京都市内の渋滞には閉口したが(どうも信号は東西重視と思われる)、高速に乗ると渋滞もなくスムーズに帰宅した。和歌山市からは約190kmであった。これで、Iさんは関西百名山95座。私も77座となった。
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