平戸・下五島旅行 |
【データ】
【メンバー】 |
2018年9月14日(金)曇り後雨 長女の出産後、家内は旅行にも行けなくなるだろうと、平戸と五島列島の旅を計画した。世界遺産に認定されたこともあり、家内が行きたがっていた。しかし、調べると五島列島は八重山諸島ほど、観光船は便利でなく、結局、下五島の福江島のみとなる。 特に帰りは五島から長崎での伊丹便への乗り継ぎ時間は、40分しかなく、綱渡りだが、五島と長崎間を運航するOCRに問うと、大丈夫だと言うので、最終日も夕刻まで、五島にいることで計画した。 14日の金曜日は休暇をとり、早朝便で伊丹から長崎に向かうことにした。天気予報は、前日より一転して、3日間とも良くないとのこと。さらに、早朝のタクシーが確保できず、また、空港バスが伊丹に定刻に着いても、出発まで、30分しかないなど、ひやひやのスケジュールの旅だ。 一旦、家内を第二阪奈のバス停まで送り、徒歩で向かう。雨が降っておらず助かったが、私が第二阪奈バス停に着くと、ほどなく空港バスが到着した。渋滞もなく、定刻より5分前に伊丹に着いた。 手荷物検査も何故か二人ともひっかかったが、待ち時間はなく助かった。長崎行はボンバルディアで95人乗りの小さい飛行機。あまり揺れずにすんだが、雲で景色は、長崎空港に着陸前しか見えなかった。 一日目は空港からレンタカーで、平戸を目指す。長崎空港は10年以上前に出張して以来だ。レンタカーはオリックスとしたが、日産のDAYSは軽自動車でもバックモニター等最新設備だった。 平戸までは、高速道路だと大きく迂回することになり、佐世保辺りだけ、高速を使うルートが良いようだ。距離は80q強だ。海上空港なので、橋を渡るとすぐに、海上自衛隊の大村基地があり、親しくさせていただいているSさんが勤める基地だと思い、事前に気づけば、お会いできたのにと悔やむ。 海岸線の道は信号も少なく快適だが、家内の望むモーニングを食べれる店は、珈琲が長崎発祥の地という茶店も開店していなかった。なかなか見つからず、結局、ジョイフルとなった。 ハウステンボスを通り、高速道路に乗ると、佐世保の街で、たくさんの自衛艦が停泊していた。雰囲気がある町で時間がなく立ち寄れないのが残念だった。 平戸大橋手前の田平公園に立ち寄ると、小雨だが、何とか平戸大橋と平戸城が見えた。赤い色の橋は曇りでも映える。ただ、ここで、私は折り畳み傘を忘れたことに気づく。結局、空港バスの中で見つかった。 大橋を渡り、重要文化財の石橋の「幸橋」を観た後、傘を買いに「エレナ」に立ち寄ったが、売っていず、「しみずや」を教えてもらった。この通りは、電線を埋めて、昭和の街並みとなっていて伝統的建造物群指定のような趣があった。この「しみずや」さんは昔ながらの店で年輩の女性お二人で商売をしていた。 昼食は、まっぷるで紹介されていた「もりとう食堂」で私は平戸ちゃんぽん、家内は皿うどんを食べた。リンガーハットとは違う手作り感があった。60年にもなる老舗で3代目とのことだ。高倉健のポスターやサインが貼られていた。店の人がまかないを食べていて、雑談した。店内は昭和の香りたっぷりで、店の人たちとのなにげない会話も楽しかった。 ![]() ![]() ![]() 交流広場にある建物で、世界遺産の「春日集落」のビデオを見た後、平戸ザビエル記念教会に行く。塗りなおして日が経たないのか美しいくすんだ緑だ。ここから少し階段を下り、旅番組でよく見る、寺院と教会風景は絵になり来た甲斐はあるが、 ![]() ![]() 上り返しが大変だった。 早めにホテル「平戸海上ホテル」に行くことにした。今日の部屋はリニューアルした渚亭のワイドビューの風呂の付いた部屋で大橋の見える景色も良い和室だった。 貸切露天風呂の入浴もセットになっていたので、17時から「黒小島」という風呂に入る。展望も良いが、海岸に近い分、ふなむしが走り回っていて、家内はぎょっとしていた。 ![]() ![]() ここの大浴場は、水族館になっているので、そちらにも行ってみた。魚が見当たらないので、先に入浴を済ませていた人に聞くと、がまん強く見ていたら、ウミガメや石鯛を見つけたという。 私もタイ、そして結構大きいウミガメを見つけて興奮した。さらに、ぐれ(めばる?)と石鯛を見つけて満足する。それにしてもよくこんなものを作ったものだ。昭和の香りたっぷりだ。 夕食会場の「観月」も落ち着いたところで、金魚のいる池の小さな橋を渡る。料理もひらめの姿造りやさざえの刺身等さしみが充実していて、平戸牛の陶板焼きも美味しく、鯛ソーメンなどもあり、大満足だった。お勧めの地元の森酒造の日本酒「飛鸞」の生貯蔵酒は美味しく料理に合った。中国の黒竜江省から来日し、北海道で7年働いた後、平戸に来たという仲居さんとの会話も楽しかった。 20時10分からは、評判の良いナイトツアーに出かけた。無料で1時間、名所めぐりをしてくれるという。案内のガイドの男性はプロフェッショナルそのもので、コースもオランダ塀、商館、幸橋、歴史の道、松浦資料館、六角井戸、大そてつ、ザビエル教会、遠景から最教寺の三重塔と平戸城など詳しく案内してもらった上に、森酒造で試飲もした。五代目が開発された「飛鸞」の吟醸や大吟醸は敢えて、精米率の40とか50という数字しか載せず、吟醸という名前を使わないのがこだわりとのことだ。残念ながら耐震強化工事でじっくりは見れなかった。家内は「ばらもん」の飾りと絵葉書を買った。ザビエル教会のライトアップは美しかったが、雨でバスを降りれなかったのが残念だった。平戸大橋は、昭和52年完成で、最初は片道700円もしたという。最後のハーモニカ演奏も哀愁があり、素晴らしいツアーだった。 ナイトツアーに大満足してホテルに戻った。築60年にもなるホテルだが、スタッフのおもてなしで、レトロ感を活かしてしっかり経営されていて非常に好感が持てた。 2018年9月15日(土)晴れ時々曇り 翌朝、天気予報は一転して、晴れていた。早速、朝風呂として露天風呂に入る。昨日の貸切風呂の隣で、貸切風呂を大きくした感じだ。朝食はバイキングで宴会場だったが、あご茶漬け等地元色が強くもまた種類も多く満足で食べすぎた。 天気も良くなり、平戸を見学することにした。ホテルのフロントに聞くと、平戸城の360度の大展望が素晴らしいという。 まず、昨日ナイトツアーで説明してくれたオランダ塀に行く。風情のある場所だった。うで湯・足湯、歴史の道の5体のブロンズ像、六角井戸、大ソテツ、松浦資料館の建物などを見る。松浦資料館では天気雨が降った。駐車場への帰路、寅さんで藤村志保がお店をしていたロケ地があった、当時は、昭和52年完成前で、寅さんは船で平戸に渡ったのだ。 平戸城へはできるだけ階段を上らなくて済むように、ホテルで教えてもらった神社の駐車場に停めた。一番乗りだった。神社にお参りして、進むと、入場券売り場がある。一度門を出るとちょうど大島間のフェリーが来て青い海と共に絵になる風景だった。 ![]() ![]() ![]() 再建した城は立派とは言えないが、最上階からの景色は、天気にも恵まれ、実にすばらしかった。平戸大橋は逆光だが、天気が良くて海がきれいだ。対馬もうっすら見える。フェリーが出航して絵になった。 次に再度、田平公園に立ち寄り、好天の中、平戸大橋を写真に撮り、田平天主堂に向かった。ここは評判通り、ロケーション、建物に何とも言えない歴史や哀愁を感じる。周りにはたくさんのお墓もある。わざと駐車場から入らず、正面に回ったのがこの教会の良さを知るに良かったと思う。建物内でステンドグラスの写真を2種買い求めて、駐車場側に回り、先に案内にお声をかけなかったのを詫びると、案内の方がわざわざふようの花を入れて写真にとってくれた。今回の旅行の中でも特別な場所だった感じがする。 ![]() ![]() ただ、帰宅して、るるぶ平戸を読むと近くの最西端の駅平戸口と映画「あなた」のロケ地を訪ねなかったのは残念だった。「まっぷる」だけでなく、「るるぶ」も研究すべきだった。 空港までの帰路、行きに家内が見つけた「千綿駅」に立ち寄る。4両編成の肌色と朱色のツートンの懐かしいディーゼルと競争になるが、駅が少なく千綿駅では出た後だった。この駅は鉄道ファンにはたまらない雰囲気があったが、にぎわっているので中を覗くと、食堂になっていて観光客がたくさんいた。 ![]() ![]() ガソリンを満タンにして、レンタカーを返して(走行距離は2日で177q)、エアポートレストランに寄る。カツカレーとナポリタンを食べたが、どちらも美味しかった。 さて、五島への飛行機、カナダボンバルディア製のDHC-8-201型のプロペラ機。39人乗りだそうだ。速度は537km/h。飛行時間は25分だという。搭乗はわずか数段のタラップを上るだけだ。席は3列目で横にプロペラが見えた。家内は恐れていたが、満席で天気も良く、揺れなかった。 五島つばき空港は、今まで降り立った空港で一番小さかった。ホテルへは、連絡バスで行った。乗客は4人。300円なので、赤字だろう。福江の町は思っていたより、はるかに大きく、コンビニもあった。ホテルは、平成14年に天皇陛下が泊まっただけあって、この島にしては大きく立派だった。 部屋には、わざわざ東大阪出身という仲居さんが案内してくれた。部屋からは鬼岳や福江城、海も見えた。 ![]() 一階のカフェでたぃータイムとした後、ホテルのフロントに教えてもらったルートで、武家屋敷通りを散歩した。建物はほとんど残らず、塀と門が中心だが、それなりに 雰囲気はあった。港に向かうとマツモトキヨシの新しい店舗もある。飛行機が飛んできた、明日の帰りの便となるものだろう。明日、定刻通りに飛んでくれるか少し不安になった。 ![]() ホテルに戻ってから、7階の展望風呂に入る。景色は素晴らしいが、団体客が来たので、そそくさと出た。 夕食は「万葉」という落ち着いた個室で福江城も見える窓のある食事どころで、仲居さんは到着時案内してくれた東大阪出身の方だった。私が盛んに「ありがとう」と言うので、感心され優しくしていただいた。これは母からの遺伝だろうが。料理は前日と同じく、あじの姿造り等さしみは充実して、五島牛の陶板焼きもあった。疲れもたまり、21時には眠りについた。 2018年9月16日(日)晴れ 翌朝は快晴で、朝日がまぶしい。早速、朝風呂で展望風呂に入る。朝食は昨夜と同じ、「万葉」で同じ部屋だった。バイキングでなく、非常に充実していて美味しかった。総料理長の案内書も味わいがあった。 ![]() 今日は、楽天で予約した入江レンタカーで、ホテルまで迎えに来てくれる。若い女性だった。 スズキのアルトで、道路状況を詳しく聴けたのが良かった。最初に堂崎教会に向かう。先にある浦頭教会は真新しかった。堂崎教会手前の入り江の海は美しく、遠くから見た教会は寂しげな雰囲気があった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 手前の駐車場の周りは整備され、公共トイレもあった。教会は現役でなく、資料館となっていた。やはり、資料館となってしまうと、建物はすばらしくても、観光施設感が強すぎた。しかし、水之浦教会で聞いた昔は道もなく、船で通ったというのが分かる立地で海水も美しい。 入江レンタカーの方のアドバイスに従い、一度、中心街に戻り、魚津ケ崎公園に向かう。トンネル後、ライトのパッシングをしてくれる車が複数あり。家内がスピード違反の取り締まりをしているのではないかと言う。案の定、取り締まっていた。10q以上オーバーしていたかもしれない。有難い警告だった。残念ながら、コスモス畑はなかったが、天気も良いので、牧場のような緑と青い海のコントラストが美しかった(下の写真)。 ![]() ![]() この後、楠原牢屋跡と楠原教会に向かう。ここは、あまりガイドブックにも紹介されていないようだが、田平教会と並んで、静寂さが素晴らしかった。 ![]() ![]() ![]() 昼食は夕食が飛行機の都合で早くなるので、コンビニ「ポプラ」で、簡単なものとした。この島でもコンビニは大人気でひっきりなしに客が来る。 次に立ち寄った水之浦教会は新しいが、上部のお墓から見下ろすと、絶景で、ちょうど正午の祈りの鐘が鳴り、雰囲気たっぷりだった。家内にも上がってくるように勧めた。教会内に入ると外国人を案内していた神父さんがいて、歴史を話してくれた。最初は堂崎教会で神父さんをしていたが、維持することができず、取り壊すことになったのを保存に努めたという。展示物も神父さんが集めたものが多いという。堂崎は昔は道がなく、船で訪れたそうだ。ここの上からの景色と優しい神父さんとの出会いもこの旅での強い記憶となった。 ![]() ![]() 次に遣唐使ふるさと館に行くが、ここは施設は立派だが、あまり興味が持てなかったので、空海の記念の「辞本涯」に向かうが、道を間違う。それがよくて遠浅の美しい浜を見ることができた。沖縄のようなサンゴ礁ではないが、美しい砂がエメラルドグリーンの色をつくっているようだ。 三井楽教会を目指す。細い道だが、軽自動車だとへっちゃらだ。アルトはバックモニターとかはないが、DAYSよりは力強い感じがした。三井楽教会は、建て直していたが、祈りのシーンを見れて厳かな気持ちが湧いた。 ![]() 先端の柏崎公園には空海ゆかりの「辞本涯」という石碑があった。何より、この近辺の寂寥たる感じが何とも言えない。はての地という感が色濃い。夕陽の時間帯はたまらないだろう。この道は九州自然歩道となっていて、淵の元カトリック墓碑群などにつながり、特に夕陽の時間帯は良いようだ。家内も珍しくビデオまで撮っていた。 ![]() ![]() ナビさえ出ない細い道を通り、高浜海水浴場に向かう。ここの海水浴場は日本でも有数の美しい浜とのことだが、確かに高台から見ると、沖縄の海とも違う美しさがあった。 ![]() ![]() ここから井持浦教会を経由して、大瀬崎灯台に向かう。カーブも多く、距離もあったが、途中、新しいトンネルも出来ていて、心配していたよりも早く着いた。実はたどり着いたのは、大瀬崎灯台ではなく、大瀬山で、大瀬崎断崖の駐車場から大瀬山への道を登ると、頂上に祷りの女神の像と鐘が建立されているところ。HP情報によると、「太平洋戦争中、沖を出る船から大瀬崎を見納めの地として南方戦線に赴き、再び祖国の地を踏むことができなかった多くの将兵の霊を慰めるために建立されたものです。 美しい女神の像は、長崎市の平和公園にある平和記念像で知られる北村西望氏作。また、女神の像の横にある鐘は願い事を叶えてくれる鐘として密かに語り継がれています。ここまでの道は少々きついですが、その価値はあり。大瀬崎灯台や果てしなく広がる東シナ海も見渡せる絶景ポイントです。秋になるとハチクマの時期が訪れます。ハチクマは、両翼を広げた長さが130cmになる大型のタカ。夏に本州などで繁殖し、秋になると越冬のため東南アジア方面に向かいます。ハチの幼虫を食べる習性があること、仲間のクマタカに似ていることが「ハチクマ」の名前の由来といわれています。日本に飛来したほとんどのハチクマが五島列島(大瀬崎)を経て大陸に渡りそこから南下するそうです。」とあった。ハチクマの季節の走りとかで、超望遠レンズを持ったカメラマンが複数いた。ここからの景色は絶景だった。ただ、悪人の舞台となった灯台に行けなかったのは残念だが、往復1時間近く歩く必要があり、時間と家内の疲れからは無理であったろうか。帰宅後、ちょうどMBSの女性アナが灯台を旅して、状況が確認できた。 ![]() 夕食は、五島福江空港にはレストランらしいものはなく、長崎空港での待ち時間、伊丹空港での待ち時間はないので、カンパーナホテルで五島牛ハンバーグを食べることにしていた。大瀬崎からホテルまでの時間がどれぐらいかかるか気になってい ![]() ホテル横の出光石油で、ガソリンを満タンにした。138qの走行だ7.2リットル。燃費は非常に良かった。入江レンタカーに返し、空港へ送ってもらう途中、朝もホテルに迎え、空港に送ってくれる女性が新潟生まれであること、ひょんなことから五島に来て、結婚して3歳の子供がいること、米は新潟のものを食べていること、物価はガソリン以外は安いし、魚は旦那が釣り、野菜はもらえることも多い話など島暮らしの話を聞く。 空港では、福岡からの便が折り返し、長崎行となり、遅れてJALに乗れない可能性も示唆され、心配したが、結局、定刻通り、離陸してくれ、ほっとした。夕暮れの機内からの五島列島は旅情があった。 JALの機内にジャケットを忘れるというミスもしたが、その後、見つかり、行く前は正直、私は期待は大きくなかったが、教会群の歴史の重み、海の美しさ、人々の温かさを感じる非常に満足した旅となった。山も良いが、旅も良い。 しかし、そんなことを言っているからか、9月末に予定していた尾瀬に草紅葉を見に行く予定で夜行バスを申し込んでいたが、台風が来て、夏の北アルプスに続き、中止となった。山の神様、お許しください(^^)v |