火打山 2462m

 


データ】     

2002年6月22日(土)  曇時々雨 歩行時間7時間16分
5:22直江津駅前発 コンビ二 R18 6:38笹ガ峰登山口(標高1300m)

7:02スタート <42分> 7:48〜52黒沢(1570m) <21分> 7:13〜18休憩(山菜とりの人の話) <10分> 8:28〜31十二曲りの標識 <23分> 8:54〜56シラネアオイの花 <32分> 9:28〜30富士見平(黒沢池分岐)(2060m) <34分> 10:04高谷池ヒュッテまであと8分の標識 <5分> 10:09アルプス展望台 <1分> 10:10〜40高谷池ヒュッテ(2105m) <96分> 12:20〜36火打山山頂(2462m) <46分> 13:22天狗の庭看板 <14分> 13:36〜40高谷池ヒュッテ <36分> 14:16富士見平 <32分> 14:48十二曲りの標識 <19分> 15:07〜15黒沢 <25分> 15:40ゴール

15:44出発 16:08〜23杉野沢温泉苗名の湯 17:05直江津駅
前 17:35はくたか14号 19:37金沢雷鳥48号 22:35大阪 22:38環状線内回り 22:55新今宮 23:02サザン 23:58加太線 0:15自宅 

駐車場
  笹ガ峰登山口駐車場無料、多数)

温泉
   杉野沢温泉苗名の湯(450円→わくわく割引400円)

メンバー
   単独
   


木曜日は、東京出張、金曜日は東京から直江津出張で直江津宿泊となり、あこがれていた火打山を目指すこととする。火打は99年7月18日に妙高山に登り、19日に登る予定だったが、雨と前日の疲れでパスしたものの、会社の保養所の管理人さんに頂いた火打のパンフレットの表紙を飾る天狗の庭のハクサンコザクラの大群落と残雪を抱く火打の余りの美しさにいつか必ずと願っていた山だ。しかし、大変親切にしていただいた管理人さんのご主人は交通事故で亡くなってしまった(合掌)。そのご冥福もお祈りしたかった。しかし、天気予報は週間予報でも芳しくなく、見事に当たる。梅雨だから仕方ないが。


直江津までのアプローチで、おもしろかったのは、東京行きのJALがディズニーシーの絵が書かれたジャンボだつたことと、上越新幹線のmaxあさひが2階建てだったことだ。しかし、あさひは2階建ての1階で圧迫感があり、外は騒音防止版で景色が悪く最低だった。越後湯沢からは5年前にできたというほくほく線のはくたかに乗った。こんなルートができているとは知らなかった。翌日の新潟日報によると、三セクでは、珍しい黒字だが、北陸新幹線の開通と高速道路の2車線化かが将来の不安材料だとのことだ。


笹ガ峰までの交通手段はいろいろ調べたが、バスでは日帰りが難しい。タクシーは高い。ということで、レンタカーを借りることとする。このメリットはJRの乗車券が2割、特急券が1割引きになることだ。しかし、帰りはどうなるか分からないので、特急券は買わなかった。


レンタカーはビッツで24時間で7350円だった。会議の都合で前日、営業所の開所時間内に借りるかが問題であったが、やさしい人で、宿泊ホテルが向かいだったので、フロントにキーを預けてくださることとなった。その方は、当社の直江津事業所の総務室長のご親戚だと後で分かった。自宅からホテルに宅急便で送った登山用具も無事着いていた。


昼は事業所見学と会議。見学は、外はさわやかな風が吹き、気持ちよかった。また直江津の方はどなたも暖かく、気持ちが良い。職場も明るい雰囲気だ。夜は、会社の社員クラブで地の魚と銘酒雪中梅をごちそうになり、堪能する。特に元組合の幹部が取ってきてくださった岩牡蠣は絶品だった。また、K取締役やS室長も山登りをされ、根曲がり竹のある位置や料理方法まで教えてくださり、明日への期待が膨らむ。さっとシャワーを浴び、2次会でかなり酔っていたので、目覚ましを最悪の6時に合わし、それより早く起きればよしとする。


朝、ラッキーなことに4時50分に目覚める。急いで準備をするが、外はどんより曇り、テレビのお天気専用チャンネルでは、午前中を中心に雨。最悪だが、ここまで来て中止はない。ルートも危険ではないので、決行する。しかし、ホテルから国道8号までのルートは不安なので、走り出してしばらくしてから犬の散
歩をしていた人に聞くと、案の定、逆方向に走っていた。教えてもらい事なきを得る。しかし、上越インターまではコンビ二はなく、仕方なく、国道18号を走る。期待通り、新井の道の駅にローソンが併設していたので、サンドイッチ、おにぎり、冷やし中華、ジュース等朝と昼の分を買う。


車に戻ると携帯電話がキー操作無効になっていたのであせるが、コンビ二の若い店員さんにとって直すのは、朝飯前で感謝する。国道は信号も少なく快適である。雨も上がり、少し青空も見え、妙高山ははっきり見えているので、天気予報がはずれるのではと期待する。国道の温度は14度と表示されていた。途中道を確認しながら、杉野沢入口の交差点を右折する。道は1車線だ。杉野沢温泉を過ぎると、スキー場の中を曲がりくねった道が続く。93年に家族で笹ガ峰を訪れて以来だ。途中、山菜採りと思われる車がたくさん駐車していた。


薄日が射し、きれいな虹がかかる。その後、笹ガ峰でも再度虹がでた。これで晴れるのかなぁーと期待がかかる。笹ガ峰は、ネット情報(高谷池通信)通り、手前に駐車場と東屋ができていた。直江津から60kmである。ほぼ満車である。雨に備え、レインウェアの下をはき、スパッツをつける。トイレは少し先の休暇村のをつかわせてもらう(水洗である)。雨であったが、キャンプをしている家族が一組いた。


トイレまでの木道横に扇ノ山で見たホウチャクソウの群落があった。東屋の登山届箱にある登山届を提出して木道を進む。すぐの沢に水芭蕉の群落があったが、早おばけ葉状態である。黒沢までは、木道で整備された快適な道だ。美しいぶなの自然林を歩く。250mほどの標高差は余り感じない。途中、ヘルメットをかぶり、泥だらけの人に出会う。黒沢は水流が多く、立派な橋が架けられていた。ここからは本格的な登山だ。


気を引き締めつつも、S氏の根曲がり竹の話を思い出し、それらしいものを10本ぐらい採る。上のほうで根曲がり竹の話がするので、近づくと山菜採りの人と一般登山者が話していた。お聞きすると、私の採ったものは、ただの熊笹の新芽。その人は1つだけ根曲がり竹を手にしていて教えてくれたが、まだ早いそうだ。いでたちは、ヘルメットに泥だらけのガムテープで何箇所も補修したレインウェアとザック。ヘルメットがないと、竹の跳ね返りで危ないそうだ。先ほど出会ったヘルメットの人も山菜採りだったのだ。朝見たたくさんの車は、杉野沢に入っているそうだが、先週でほぼ採り尽くされているだろうとのこと。


上の方にシラネアオイが2箇所で咲いていることを教えてくださり、俄然元気が出る。間もなく、残雪が出だすと、ムラサキヤシオツツジ咲き、ほどなくお目当てのシラネアオイが咲いていた。花は10個。あこがれていたがはじめて目にできた美しい花だ。更に先で6個咲いていた。標高1900mを越えると本格的に残雪が残り、樹ノ赤丸を頼りに歩く。所々で夏道の木道が出ているが、そこの雪が凍っていて滑りこける。怪我をしなくてほっとする。


たどり着いた富士見平から高谷池までは、高低差が少ないものの、所々残雪があり、再び、残雪から夏道への傾斜でスリップする。単独で、これではいつかやばいと気をひきしめる。道沿いには、所々環境庁の鳥や木を紹介する解説があり、根曲がり竹の密生する箇所には、「この付近は冬の季節風が強くオオシラビソが矮小化し、ダケカンバやナナカマドが風衝林を形成している」と解説していた。


本格的に雨が降り、更に進むと、火打山の横に見える焼山は活火山と書かれていたが、残念ながら何も見えない。ときおりガスが晴れると、残雪と新緑が美しい。高谷池ヒュッテまであと8分の標識を過ぎ、進むと左手アルプス展望台と指す標識があり、木の階段は岩の上に続いていた。写真集やガイドブックで見た残雪の北アルプスが見えるのであろう。高谷池ではガスの晴れ間に写真を撮ったり、サンドイッチを食べたりして大休憩を取る。絵葉書を買ったときに管理人さんから天狗の庭付近では、早ハクサンコザクラが咲いていることを聞き、元気が出る。残雪の残る木道を進むと、大量の雪の斜面を天狗の庭に向かって進む。ガスっていると大変だ。庭への下りの木道の右手にたくさんのハクサンコザクラが咲いていた。左手には、コバイケイソウが蕾をつけていた。天狗の庭の看板(2110mの表示有り)を過ぎ、更に進むと、水芭蕉の盛りの群落があり、天気に恵まれなかったが花に恵まれたことに感謝する。途中、ショウジョウバカマやコイワカガミも咲いていた。


しかし、いつか水面に映る火打山や焼山の姿を見たいものだ。美しい天狗の庭を過ぎると急坂となり、稜線に出ると、北面には鬼ガ城の赤茶けた岸壁、大量の雪渓、ダケカンバの新緑が広がる。雪と風のためか道を塞ぐように曲がりくねったダケカンバの中を進むと、ミネザクラの咲く平坦な雷鳥平に出た。


サンカヨウ(双六への途中の鏡池で見たより小さい)やキヌガサソウの咲く中を進むと、最後の階段の急登。ばてていて、コースタイムより遅れている。最後は急斜面の残雪の道。ようやくたどり着いた山頂には私私一人だけ。三角点にザックを置き、記念写真。おにぎりを食べ、妻に携帯電話で無事を知らせる。よく聞こえるということは、晴れていれば展望がよい証だ。出発しようとすると、浜松の人が人のやってきたので、写真を撮り合う。


最初の急な雪斜面は軽アイゼンをつける。今日中に和歌山に着くためには、17時35分直江津発はくたかがデットラインだ。慎重ながらも飛ばす。途中、高谷池と富士見平間で根曲がり竹を採っている夫婦に聞くと、まだ小さくてダメだし、泥だらけになっていたので、帰りを急ぐ。雨で道は田んぼ状態。しかし、団体がたくさん上がってくる。おかげでトレースははっきりしている。黒沢でドロドロになった靴、スパッツ、ストックを洗うが、水は雪解けで数分もつけていられないほど冷たい。笹ガ峰まで木道を走るように下りる。下山届を出し、大急ぎで車を走らす。


青空も見えていたが、ほどなく、濃いガスに包まれ、雨となる。しかし、何とか短時間なら温泉に入れそうなので、ルート沿いの杉野沢温泉苗名の湯に入る。わくわく割引(妙高高原町ホームページより)があると、50円引きとなる。露天もなくこじんまりしているが、いい湯だ。からすの行水で飛び出て、あまり食べていないので、地元の牛乳を飲み(濃くて美味かった)、高速に向かう。順調に進み、ガソリンスタンドで満タンにし、駅には、余裕を持って着いた。


ホテルで荷物を受け取り、スーツに着替え、おみやげやかに寿司(もちろんビールも)を買い込み、乗り込む。大阪までは5時間と長いが本を読んだりうとうとしたりして退屈せずに着いた。遅れると3分差の環状線に間に合わないが、予定通り大阪に到着し助かる。長い一日が終わるとともにいつか晴天の下、再チャレンジしたいと思う。これで百名山は40座となった。


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