鳳凰山(観音岳)  2840b

 


データ】     

1999年4月29日(木)曇り  歩行時間6時間
4月30日(金)快晴  歩行時間4時間30分

4月28日(水) 21:36自宅 22:27泉南IC 

4月29日(木)曇り  歩行時間6時間

4:00韮崎IC  迷走 5:13夜叉神峠 5:40登山口発 6:10〜15休憩  6:40〜50夜叉神峠(1770b) 7:30〜40休憩(2010b)  8:01〜10杖立峠(2180b)  8:35〜42山火事跡(2250b)  8:57ケルン  9:23〜35休憩(2455b)  9:55〜57苺平  10:35〜11:27南御室小屋(2440b)  11:59〜12:05休憩(2650b)  12:21ガマの岩  12:30〜38休憩(2710b)  12:45〜13:05砂払岳  13:22薬師岳小屋  14:30〜16:30薬師岳山頂写真撮影  17:30夕食 18:30就寝

4月30日(金)快晴
  歩行時間4時間30分

4:30起床  4:30〜5:15写真撮影  5:30朝食  6:20出発 7:05〜55観音岳山頂 8:17〜58薬師岳小屋  9:13ガマの岩  9:25〜30休憩 9:42〜10:30南御室小屋 11:09〜15苺平  11:18〜23休憩  11:38〜51アイゼン外し  12:00〜15ケルン12:45〜55杖立峠 13:32〜14:02夜叉神峠 14:35登山口 15:05〜35金山沢温泉  17:09諏訪南IC  20:05春日井IC  22:18天理  23:02泉南IC 23:43自宅


駐車場
   夜叉神峠駐車場(無料、多数)

温泉
   金山沢温泉(露天風呂あり、550円)

メンバー
   OさんKさん、Mさん
   


雪を抱いたアルプスを見たく、登れるルートがないかと、山と渓谷社の日本雪山登山ルート集で初級者コースを探したところ、鳳凰山と蝶ガ岳が候補となり、百名山にも選ばれている鳳凰山とした。ただし、経験者に同行してもらいたく、思案していたところ、同期のさんとK氏が同行してくれることになり、安心する。

更に本格的な雪山は初めてで、ピッケルとアイゼンも買う必要があった。時間もなく、どれにするか迷ったが、IBS石井スポーツのカタログでシモンのものが一般的であることを知り、いつも親切にしてくださっている中原氏(昨年山と渓谷でも紹介された)に相談すると、早速担当売場の人に確認くださり、翌朝早く届いた。いつもながら、手際の良さと応対の親切さには感心する。

さて、問題は天候だったが、何とか晴れに向かっていることを知り、出発することにした。途中、韮崎ICを下りてから、地図をもらいながらも夜叉神峠への道に迷い30分ほどロスしたが、ほぼ予定していた時刻に無事着いた。駐車場もトイレも完璧に整備されていたのには驚いた。

早速、登り始めると、やはり睡眠不足で体が重い。今回は雪山でもあり、不安感はある。ただOさんとK氏が25分歩いて5分休むというピッチをとってくれたため、思いの外、リズムをつかむことができた。それにしても中年のご婦人が一人で登っており驚いた。2000メートルを越える頃から雪が所々に残り、山火事跡を過ぎる頃から本格的な積雪となった。ただし、雪はやわらかく、スパッツのみつけ、キックステップで進み、一日目はアイゼンをつけることはなかった。

苺平から南御室小屋までは長く感じたが、南御室小屋でゆっくり休み食事をとると元気がでた。また、ここの水はうまかった。小屋の後ろの急登はきつく、砂払岳までは、きつかったが、砂払岳では、雲で完全ではないものの、雪にかぶった白峰三山をみることができ、急に元気が出た。
Oさんの予報によると農鳥岳だけが頂を見せているようだ。天候が回復基調にあるのは間違いなく、観音岳の頂も見えていた。ずっと眺めていたかったが、明日はまだまだよくなるというO氏の声に促され、薬師岳小屋に向かう。

薬師岳小屋は小屋開きをしたばかりで、ユンボを使い、積雪を取り除いていた。トイレの使用も夕方まで待って欲しいということだった。手続きを済ませ、部屋に行くと、やはり北アルプスの山小屋とは違う。中の雰囲気は北沢長衛小屋に似ている。しかし、窓は雪で埋もれている上、布団はまだ晴れの日がないせいか、締めっぽく冷蔵庫の中にいるようだ。とりあえず、体の中を暖めようとホットウイスキーをつくる。

1時
間ほど休憩をとり、カメラだけを持ち、薬師岳に。少し登ると眼前に、先程まで雲に隠れていた北岳、間ノ岳、農鳥岳の白峰三山、そして北岳の横に仙丈ケ岳、息を飲む景色だ。カメラから覗くと砂と雪の庭園の向こうに名峰たち。雪もちらつき、雪雲を空に冬景色の南アルプスが横たわる。このすばらしい景色を見せてくださった神に感謝。興奮して何枚も写真を撮り、薬師岳山頂に。山頂からは、甲府盆地の向こうに八ケ岳が横たわる。赤岳には少し雪が残っている。2時間近く写真撮影に費やし、小屋にもどる。

小屋の中は、何しろ寒く、つけられた一台の小さなストーブに群がる。異口同音にこの寒い中、眠れるかなーという。夕食は、ヘリでの荷揚げはまだできていないということで、レトルトのシチュー。閉口するが、贅沢は言えない。早々にできるだけ着込み、新聞紙まで体に包み、眠るが、寒い。それでも一眠りして、トイレのため外に出ると、月が煌々と照り、快晴だ。明日が期待される。しかし、一度寒気に触れると眠れるものではない。

うとうとしながら、夜明けを待つ。4時30分、そっと起き、カメラを手に外へ。朝日を撮るのはどちらがよいか悩んだ後、砂払岳の方に。正解は逆だったかもしれないが、ご来光と白銀の向こうにピンクの空にモルゲンロートの白峰三山の写真の出来はよかった。逆側からも
M氏らが呼ぶので、薬師岳側に登ると、富士山がくっきり見える。やはり日本を代表する名峰だ。単に高さだけではなく、気高く美しい。大満足で小屋にもどり朝食をとり、出発。

アイゼンをつけていることもあり、ゆっくり登る。快晴の下、あまりの絶景に写真を撮りながら行きたいが、ペースが乱れるので許してもらえないのが残念。同じ様でも前景が異なるので、撮りたいのだが。薬師岳から観音岳への稜線は雪が締まりアイゼンがきき歩きやすい。油断さえしなければ、大丈夫。たどり着いた観音岳からは、初めて甲斐駒ヶ岳が姿を見せ、槍・穂高をはじめ北アルプスの山々もくっきり見える。本当に何という景色だ。地蔵岳へは協議の末、行かず、ゆっくりすることに。ただし、写真のために少し下ってみた。

撮影ポイントは数限りなくあるがフィルムも残りわずかとなる。特に甲斐駒ヶ岳と北アルプス、薬師岳と富士山、野呂川をはさんで北岳と間ノ岳は絵になる。帰りは小屋で軽食をとり、火事場跡と夜叉神峠で白峰三山を堪能し、更に昨年できた金山沢温泉で汗を流し、帰途に就く。本当にすばらしい思い出に残る山行となった。


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