石鎚山 |
【データ】
【メンバー】 |
石鎚山は、Iさんも既に登られていたので、一昨年、往路フェリー帰路新幹線の名鉄観光のツアーに申し込んだこともあったが、人数不足で催行中止となった。その後、雑誌で、石鎚山、瓶ガ森、伊予富士の百名山・二百名山・三百名山と三座を巡る推奨コースを知り、それでもやるかとも思ったりしていたが、一人だと正直、腰が重かった。 そんな折、和歌山で50年にもなる山岳会の「かがり火」のOB会によるツアーに、Iさんが誘って下さり、喜んで参加させていただくことになった。主催者も和歌山製鉄所のOBのKさんで昔、和歌山製鉄所勤務時代、お世話になった方である。一般コースと東陵コースのリーダーもそれぞれ和歌山製鉄所のOBで旧知の方だ。総勢19名だ。 ![]() ![]() 天気予報は日毎に悪くなり、曇り時々雨となったが、紅葉は、1700m以上は見頃で、前夜のニュースでも弥仙山頂で、隙間もないほど三脚を並べるカメラマンの姿が写っていた。 私は石鎚山の東陵コースは、存在すら知らなかったが、昭文社のエリアマップで見ると、確かに点線表示がある。ただ、ネットで調べても、ヒットした数は、少なく、情報不足で、中には、ロープの必要性を記載したものもある。不安だが、折角なら、チャレンジしたいと考えていた。東陵コースのリーダーは、Oさん夫妻で、Oさんは旧知の上、Iさんによると経験豊富とのことだ。雨だったら躊躇するが、降っていなければ、同行させていただくことを決意する。 ![]() ![]() 東稜コース 東稜コースはこの左手前の踏み跡を入る 製鉄所の正門を出たバスは、私の自宅前の和歌山城岡口門を経由してくれるので、ありがたい。Iさんがわざわざ携帯で正門出発が遅れていることを知らせてくださる。それに甘えて、ゆっりしすぎて、どたばたで、岡口門に向かうと、Oさん夫妻がいらっしゃった。何十年振りかの再会を喜び、挨拶してバスに乗り込む。 ![]() ![]() 最初のへつり 南尖峰 バスは、マイクロからトイレ付の中型バスに変更されていた。理由は、石鎚山スカイラインが18時から朝7時まで通行止めの反面、瓶ガ森林道もマイクロバスでも夜間通行は危険とのことで、石鎚山スカイラインを通行することにしたため、元の中型バスに戻したとのことであった。マイクロだとつらいなぁと思っていたので、主催者のKさんが会費が1万円になったことと共に恐縮されていたが、私は大変有り難く思った。さらにMさんがいい席を確保してくれていたので、るんるんである。 バスに乗り込むや義妹の親戚が商社マンをやめて小布施で作っている巨峰の辛口ワインと、三田屋のチーズをたしなむ。IさんもMさんもおいしいと喜んでくださったが、確かにどちらも美味かった。酒を飲み、Mさんたちとよもやま話をして楽しく過ごす。 ![]() ![]() 墓場尾根 南尖峰から天狗岳 バスは法定速度を守り、泉大津P、淡路SA、吉野川SAとたっぷり休みつつ進む。細切れだが、うとうとできた。いつものマイカー徹夜走行に比べるとはるかに楽だ。特に松山ICを下りてから、ローソンに立ち寄ったが、スカイラインのゲートまで2時間近くもかかり、運転手は辛かったろうと思う。朝、運転手と話すと、彼らもあまりに長いので通り過ぎたかと思ったと言っていた。 ゲートは早く開くかなと思ったが、定時で、朝食に愛妻弁当を食べ、ゲート近くには、トイレもあったので、済ませる。このゲートの駐車場は広くて、テントを張っていた者もいた。開門直前は、10台近くが並んだ。 登山口に近づくと、石鎚山の鋭鋒が見え、思わず、「かっこいいなぁ」との声が出た。道は、スカイラインの名前だけあり、整備されている。土小屋近辺も駐車場・トイレなど整備されている。 ![]() ![]() 南尖峰の紅葉 天狗岳と左に弥山 早々に準備し、体操・記念撮影後出発する。ここは、1492mの標高で、「いよのくに」としゃれていた。 雨が降っていなかったので、Oさん夫妻にお願いし、バリエーションルートの東陵コースをMさんと同行させていただくことにする。 東陵基部までは、ほとんど標高差もなく、散歩道と言っても過言ではない。最初は、ぶな等の自然林を、しばらくして展望のいい笹原に出た。上りに入ると、振り返ると、土小屋が見えた。この辺りは、つるりんどうがたくさん咲いていた。皆、写真を撮ったりで、のんびり山行だ。石鎚山の展望が聞くところで、一般コース者と別れ、東陵コースの者6名は先行する。Oさん夫妻、女性のKさん、Nさん、Mさん、私の6人だ。 ![]() ![]() Oさん夫妻は、65歳だが、今夏も北鎌尾根を登頂したという現役バリバリである。NETの仲間との周到な情報交換、お助けひもの準備等、何とも頼もしいリーダーである。東陵基部の分岐は、表示もなく、事前のネット情報がなければ気付きにくいところだ(写真の左手前から踏み跡に入る)。 最初から細い急な踏み跡をたどる。よく見ないと間違う。すぐに「通行禁止」の新しい立て札があるが、先行する単独者は、進んでいった。通行禁止のせいか、テープもごくわずかであったが、この時期は通る人が多いのか。踏み跡は、しっかりついて余程でないと間違うことはない。なかなか厳しい道だが、O夫人やNさんが私の親戚と旧知であることなどが分かり、盛り上がる。和歌山は狭い。 ![]() ![]() 弥山からの天狗岳 三の鎖付近の紅葉 やぶを過ぎるとかきわけて進むような笹の中を進み、わずか5メートルほどだが、てがかりのわずかな岩のへつりがあった。私やMさんの念の為をということで、O夫人からOさんへ、お助けひもをかけるように依頼される。そのおかけで我々は安心にへつれた。Kさん、O夫妻は、それなしに上手くへつられるのに気遣いが有り難い。 シャクナゲの多い晴れていれば展望の良いピークで一休みする。甘いものを食べて一息ついてから進む。 有名な岩の間の笹原の急登を笹をつかみながら登ると、墓場尾根の見える箇所に出た。すばらしい景色で岩場の紅葉が美しい。ここも、踏み跡を見ながら慎重にトラバースすると、南尖峰直下の岩場であった。ここも3人は、上手に登ったが、手がかりが乏しいので、お助け紐2本をかけてくれたので、楽に登れた。架ける箇所も含めて実に迅速的確である。 その先、O夫人が尻フリクションなる技も含めてよじ登ると、南尖峰であった。苦労した甲斐があり、実に満足のいくものとなった。これもO夫妻がいらっしゃったからこそと感謝の気持ちでいっぱいだ。先頭を切ったKさんなどは、我々が遅くて、いらいらされたことであろう. ![]() ![]() 天狗岳北壁 瓶ガ森方面 南尖峰から天狗岳にかけては、実に紅葉が美しい。天気がよければ、光が当たり、さらに美しさを増したであろう。ガスが切れるのを待ちつつ、写真を何枚も撮る。南尖峰と天狗岳の間は、危険でないが、来る人は少なかった。天狗岳と弥仙の間も、東陵コースを経験した我々には、どうってことはなかったが、天狗岳直下の10mほどと弥仙直下の鎖場は少し神経を使うところだ。それ以外は、巻き道もある。 特に天狗岳直下は、岩の下部を通る人があるが、岩の上部に上がる方が恐怖感もないと思われた。我々は、天狗岳でも存分に展望を楽しみ、弥仙に向かう。弥仙山頂は、大勢の人でごったがえしていた。神社で娘のことを祈り、I夫妻に合流し、軽食をとったり、記念撮影をして過ごす。山頂の小屋は、I夫妻によると最近できたとのことだ。 有名な弥仙から天狗岳の景色を楽しむが、さすが5度だけあって寒いので、下山する。いいカメラと三脚を持ってこられた主催者のKさんは、最近の山行は晴れないと嘆いておられた。 ロープーウェー道との分岐の二ノ鎖小屋までは、紅葉、Iさんの薦めにより三ノ鎖の見学(I夫人他上られたらしいが、まさに絶壁であった)、天狗岳岸壁を登るクライマーの見学等楽しみつつ、のんびり下る。それにしても紅葉と岸壁は美しい。 ![]() しとしと降り出した雨は、登山口に着く頃には、けっこうな雨足になったが、危険な箇所で降られなかったことを喜ぶ。一般コースのリーダーをされた旧知のHさんから、Hさんが登山を始められたきっかけやOさんの力量の凄さをお聞きしてなので、雨もさほど気にならなかった。若い男女の学生が紅葉見物かどんどん登って来るのには驚いた。 登山口の白石ロッジで、入浴し(洗い場4つ、浴槽は数人程度だが、300円で汗を流すだけなら十分)、帰路につく。Oさん夫妻のおかげで、東陵コースを歩け、実に思い出深く、充実した山行となった。心から感謝したい。 摩耶ICから湾岸線への乗り換え途中で下車し、西灘駅から阪神電車に乗り、寮に帰る。眠る間もなく、翌朝は、大切なお付き合いゴルフであった(^^ゞ。 これで日本百名山は86座となったが、最近ペースが落ちたので、Iさんは完登する気があるのかと心配してくださり、つき合うぞとの声もかけてくださった。やさしい兄貴だ。ぼちぼち頑張らねば。 |