官の倉山 |
【データ】
【メンバー】 |
日曜日、久しぶりの好天と、寮にいたら、朝から飲んでしまうので、山に行くことにした。前日も雨で、朝から撮りためたビデオを見ながらキリンお薦めのワインでやりだしたので、これはいかんと、雨がやむと同時に、ママチャリで、皇居一周に出かけた。九段下の昭和館での昭和の写真、国立劇場の文楽展示等見学後、神保町辺りを通ると、懐かしい店を見つけた。今から40年近く前、浪人時代に通った天丼や「いもや」だ。 余りに懐かしく、立ち寄った。場所が少し変わったと思うが、店の雰囲気は変わらない。味は、今の寮近くの「福屋」に劣るが、当時のことが思い出されて、何故か目頭が熱くなった。何か具体的なことを思い出してではなく、今までの長い道のりというか人の一生というものを瞬間感じたのかもしれない。 次の日は、予報通り、晴れた。行先は、関東周辺の山のガイドブックで、駅からバスを使わず行ける山で、官ノ倉山とした。池袋から東武東上線で終点の「小川町」に行き、寄居行きに乗り換える。 電車内は、楽しみな読書の時間。今回は重いが、新聞の文芸欄での推薦書・奥泉光の「東京自叙伝」を持参した。破天荒で実に面白い。池袋から東武東上線に乗るのは、初めてだが、池袋駅は丸ノ内線と近く驚いた。座れたので、快適な読書時間となった。 ![]() ![]() 小川町に近づくと、山々が桜と新緑の芽吹きで美しく、里山の持つ温かさを感じる。また東京都心から1時間半で里山があることに驚く。 登山口の東武竹沢駅は新しかった。改札口を出て、地図でルートを確認するが、読図がままならない。 登山客が線路ガードをくぐるトンネルに行くので行ってみると、案内板があった。その先、皆が右折するのと、桜並木が美しいので、歩くが、逆のような気がする。直観は当たっていて案内板を見るとどうやら「金勝山」へのルートだった。 駅まで戻ると、「官ノ倉山」の標識があり、やはり逆方向だった。八高線の踏切を越え、進むと芝桜やムシカリ、桜、花桃等の咲き乱れる花園があった。春爛漫で、山の選択の正解を喜ぶ。三光神社の桜は落花盛ん。山道に入るとウグイスが鳴く。 山道の取り付には、こいのぼりがあげられていた。その先の天王池(沼)のほとりの桜が美しい(左上の写真)。ここからは、手入れされた杉林だった。十二曲と木に書かれたところからは急登で、登り切ると、外秩父七峰縦走ハイキングコースと書かれた縦走路で、右手は臼入山だ。休憩用のベンチもあった。 ここからは、ほんの少しの急登で、「官の倉山」の山頂で、NNWの方角には赤城山も見えた。先の石尊山も展望が良いと言うので行くと(右上の写真)、WNWに真っ白な浅間山。右に上越国境の山々が真っ白に連なった。わずか標高300m半ばだが、関東の山は高山が見え良い。 下りは鎖場があり、慎重に下ると、北向不動(左下の写真)に出た。折角なので細い石段を上りお参りした。前には滝とは名ばかりの「不動滝」があった。ぽくぽく進むと丁字路があり、その先、地元の方が舗装路ではない、ハイキングコースを教えてくれた。用水路を渡る。 ![]() ![]() 丘のようなところを越え、舗装路に出ると「長福寺」があり、桜と六地蔵が良かった(右上の写真)。この先からは山里の春を満喫した。桜と菜の花、さらに民家なのに素晴らしい「しだれ桜」(左下の写真)が二本もあり、ここで花見昼食とした。何とものどかである。 そして穴八幡古墳や八幡神社参道の散り初めの桜並木(右下の写真)を楽しみ、最後の目的地「晴雲酒造」に立ち寄る。利き酒こそ、できなかったのは残念だが、宮水を飲み、店員お勧めの純米吟醸の生の「おがわの自然酒」を買い求める。水と米、どちらも地元産とのことだ。ここ小川町は水が良く ![]() ![]() 大満足で、寮に帰り、早速買い求めた酒を飲み、結局、今日も酒の一日となった(^^)v この後は、文科系の生活に戻り、16日には今年から年間チケットを買った読売日本交響楽団の小林研一郎指揮のチャイコフスキー交響曲5番を聞き、指揮者も満足の演奏で曲の途中、タクトを止め手を高々と挙げ、客席にどうだと言わんばかりに向かう熱演であった。。18日には家内とは国立文楽劇場で吉田玉男さんの襲名披露公演を観た。襲名口上や襲名公演の熊谷陣屋はもちろん、「三十三間堂棟由来」の人間国宝・吉田蓑助のお柳の人形使いが絶品だった。いつまでもお元気で活躍してほしいものだ。 |