瑞牆山 2230b 金峰山 2598b |
【データ】
【駐車場】 |
9日、近畿・東海地方梅雨入り。前日まで夏が来たような天気が9日は大雨となり、前線が停滞し梅雨らしい空となる。余りの風雨に須玉町役場と金峰山小屋に林道や登山道の様子を聞く。特に天鳥川が石飛で渡るというので気になったが、大丈夫とのことだ。更に情報として、役場ではシャクナゲが見頃であること小屋では2日目にみずがきに登る方が楽だとのアドバイスがあったが、後者は日曜日の予報の方が悪いので、初日に決行する。 9日22時30分M氏の車で出発。直前の天気予報は10日がくもりで降水確率40%、夕刻から雨、11日は曇り時々雨降水確率50%である。シャクナゲが見頃であること、当分遠出できそうにないことから決行した。I氏宅に定刻に着き、コンビニで買い物し、慣れた高速をひたすら走る。 途中、伊賀PAでカトキチの太鼓饅頭と恵那峡SAできしめんを食べ、力をつける。須玉ICで地図をもらい、3つめの信号を右にというアドバイスで走る。道路に増富ラジウムラインという名がつけられ、看板も多く迷うことはない。増富温泉はひなびた感じだが、みずがき山荘までの道は整備され、道沿いのガードレールも木調の高級なものである。ほぼ計画通りの時刻に到着。駐車の車は多くなく、安心する。また途中の道も思ったより整備され、駐車スペースも広くトイレもあり整備されたところだ。学生風のグループは早くも出発していく。テント泊のようだ。 我々も早々に準備し出発する。最初のみ笹があったが、すぐなくなる。ぶなや針葉樹もしらびそなどの自然林ですばらしい登山道である。途中一度林道と出会う。富士見平手前の針葉樹の林にマイヅルソウの群落があった。富士見平では早くもテントを張り始めていた。富士見平小屋に荷物を置き(保管料200円)、ピストンすることにする。富士見平小屋は小屋らしい趣があり、ふとんもあり自炊だがいい小屋だ。トイレは屋外だが、新設したばかりのようだ(使用料30円)。 おにぎりを一つ食べ、天鳥川出合を目指す。途中ガスが切れ、みずがきの岩峰が見える。幽玄な感じがいい。天鳥川出合は水が少なく安心する。いよいよ急登である。大きな桃のような岩が現れ、階段がある。間もなくシャクナゲがたくさん咲いていた。いっしょうけんめい写真におさめたが、被写体にふさわしい木は、そこから先にたくさんあった。全てアズマシャクナゲのようだが、色は白に近い薄いピンクから濃いもの、ツートンまで様々であった。葉もきれいで木の数が多い。 大ヤスリ岩を右手に喘ぎながら登るとようやく山頂につく。山頂付近のシャクナゲはまだ蕾であった。山頂からは一瞬ガスが切れ、雪の残る山が見えた。甲斐駒かと思ったが、後で確認すると八ケ岳であった。また、ガスが切れると大ヤスリ岩や左手に岩峰群が見える。晴れていれば更にすばらしかったであろうが、シャクナゲと岩峰群だけでも満足できた。帰路はどんどん登ってくる人と出会う。シャクナゲと百名山人気で天気は関係ないようだ。東京からだと日帰りができ、手頃であろう。 それにしても急登で空身に近い形で登り正解であった。富士見平で荷物を取り、大日小屋に向かう。荷物がずっしり重く足が進まない。亀の子のように進む。途中、シャクナゲがたくさん咲いていた。大日小屋の前はダケカンバの若葉が美しく大日岩も望めた。また小屋前の水は富士川の源流の表示がありすこぶる旨かった。座れる木のテラスめいたものもあり、昼食をとる。コンビニ弁当である。大日小屋は富士見平小屋より狭いが、ここも趣がある。しかしトイレには扉がないのが辛いところである。 大日岩までのシャクナケは見事であった。金峰山がシャクナゲで花の百名山に選ばれたのもむべなるかなである。森林限界までも大変な数のシャクナゲである。大日岩は文字通りの岩である。特に前のガスが切れ、前衛の山の独特の岩峰群が現れ、目を見張った。ここでM氏が睡眠不足と久しぶりの山行でバテ気味なので、I氏が荷物を少し持つ。I氏は体重を落としたことと鍛えていることで、完璧である。30分ピッチで休みを取りながら進む。それにしても森林限界まで長く感じる。ようやく出た森林限界は2440m。ガスがきつく展望はきかない。温度も低そうなので、長袖のシャツを着る。 しかしここからも長く感じた。片方がするどく切れ込んでいて油断ができない道である。左手ははいまつとシャクナゲ。シャクナゲはキバナシャクナゲかハクサンシャクナゲと思われるが、赤い花もあり首をかしげる。コケモモも咲いていた。金峰山小屋への分岐から頂上への道は、足場が難しい箇所が2カ所あり、苦労する。喘ぎ喘ぎ登る。白に近い黄色のシャクナゲの花をみかけ、心が和む。ようやく五丈岩に到着。I氏が先行し、後100mの声。そして山頂である。 ガスが濃く、五丈岩さえ、たまにしか見えない。記念写真何枚か撮り、小屋に向かう。途中、キバナシャクナゲがたくさん咲き、きれいだ。ときどきガスが晴れ、大きな岩とその横に小屋が見える。小屋前で有名になった林綾子さんがお茶のサービスで出迎えてくれた。天気と予約制のた とりあえず、ビールを買って乾杯。ここは鷹揚な小屋で、ビールもセルフでお金は、お盆風の箱に入れたまま。山屋に悪い人無しという風情が残っている。へりを使わないのか、空き缶持ち帰りを依頼している。ふと、窓から外を見ると、瑞牆山が見えている。あわてて外に出るとみずがき山の奥に雲海に浮かぶ甲斐駒が。しかし方角を確認し山座同定し、八ケ岳であることを教えられる。それにしてもみずがき山は美しい。その横は小川山だそうだ。ずっと見ていたいが寒い。 夕食は2回に分けてで我々は、18時15分からだった。M氏はとらないで寝るという。夕食は鶏肉の照り焼き、なすびのあえものと野菜類とオレンジとブタ汁。それに切り干しだいこんが大きな器にある。いずれもおいしかった。ごはんは圧力釜だった。 食後うるさかったが、すぐに耳栓をして寝る。しかし20時30分頃、起きてしまい、1時間まどろみ、再度就寝。21時30分頃から雨音。何回か起きながら4時頃まで寝る。トイレは外のため寒かった。4時頃から早立ちのためか早くもゴミ袋をがさがさする音。これがたまらない。 5時から朝食。我々は2回目にとる。生卵、のり、甘露煮の魚、ハム等であった。雨対策の完全装備をして、出発は、6時。極めて順調に下る。樹林帯に入るまでは気を使うが後はそう神経質になる道ではない。しかし、相当雨が降ったのか、水たまりが多かった。大日小屋で旨い水を補給し、ひたすら下る。途中若い男女に多数あったので聞くと早稲田他の学生とか。合同登山のようだ。皆テント泊でたくましい。中には、雨の中、大弛峠方面に縦走しそうなグループもいた。 下山は1時間早かった。増富の湯も須玉の湯も早すぎて入れず、諏訪のハイウェイ温泉に入り、生き返る。体が冷えていたので天国であった。 |