木曽駒ケ岳・宝剣岳   2956b

 


データ】     

2000年9月2日(土)  雨(みぞれ)  歩行時間1時間40分
9月3日(日)  晴れ  歩行時間1時間40分


9月2日(土)
  

0:05自宅 0:20ローソン発 0:48泉南IC 1:33天理 1:58〜2:30五月橋P 3:40勝川IC 3:47〜57コンビニ 4:42恵那峡SA 5:37駒ケ根IC 5:42菅ノ台駐車場  6:12バス発車 6:40しらび平  6:48ロープーウェイ始発 6:57千畳敷駅

7:55スタート <41分> 8:36乗越浄土 <37分> 9:13中岳 <20分> 9:33〜45木曽駒ケ岳山頂 <5分> 9:50頂上木曽小屋  10:10〜14:00宴会 14:00〜17:30昼寝 21:00就寝 1:00まで熟睡

9月3日(日) 

5:20起床 6:52スタート <8分> 7:00〜7:25木曽駒ケ岳 <8分> 7:33頂上小屋 <9分> 7:42〜49中岳 <6分> 7:55〜8:08宝剣山荘前<18分> 9:26〜34宝剣岳山頂 <41分> 9:17三沢岳分岐 <11分> 極楽平 <10分> 9:38〜10:23島田娘 <7分> 10:30分岐 <25分> 10:55ロープーウェイ千畳敷駅 

11:19ロープーウェイ 11:27しらび平 11:40タクシー 12:03菅ノ台駐車場 12:25〜13:12こまくさの湯 13:15〜13:50すげ野 13:53菅ノ台発 14:58〜15:06内津峠P 15:36勝川IC 1645:55五月橋P 17:25天理 17:55阪和道 18:24泉南IC 19:12自宅

駐車場
  菅ノ台駐車場(400円/日)

温泉
   こまくさの湯(500円)


メンバー
   M君、N君、I君
   


1泊2日で中央アルプス木曽駒ケ岳・空木岳間を縦走するため、檜尾岳避難小屋泊まりを計画し、若いメンバーと行くこととする。今回、成功すれば、アルプスで未踏の山域は塩見岳以南の南アルプスと北アルプスの薬師岳近辺となる。それらは来年の課題だ。メンバーはM君とN君、そしてM君の友人のI君である。

日本海を進む台風の影響で湿った暖かい空気が流れ込み、はっきりしない天候であるが、
M君の是非行きましょうの言葉により、決行する。2日の予報は晴れ時々曇り、3日も同様である。大阪江坂に住むI君と名阪国道の五月橋Pで待ち合わせ、出発する。中央道に入るとポツリポツリと雨粒か落ちる。予定通り5時30分過ぎに駒ケ根ICに着く。菅ノ台のバス停には早くも人が並んでいる。7時12分が始発だと思っていたが、6時12分発のようだ。トイレも美しく、整った駐車場だ。早々に準備し、並ぶ。

空には少し青空も見えるが、山はガスに包まれている。12分に2本のバスが出たおかげで、ほとんど並ばずに座れた。急勾配の細い道をバスの運転手は慣れた運転で進む。北御所登山口で何人か降りた。やはり山は文明の利器を使わず登るものだ。40分にしらび平に着く。始発のロープーウェイに2人が乗れ、2人は次の便となった。早くも9分間隔のピストン運転である。秒速7メートルは早い。特に行き違うときにその速さが分かる。昭和42年にできたというのも驚く。しかし、着いた千畳敷駅は、ガスの中。温度計は14度を指していた。アナウンスで稜線は台風並の強風のため、装備の不十分な素人は行かないよう、繰り返し注意している。


朝食をとり、登山者カードを提出して8時前に歩き出す。道沿いには、見事なチングルマの種子の群落に加え、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマトリカブトが数多く咲いていた。しかし、段差が大きい道できつい。荷物の重さがこたえる。下りて来る人に聞くと、余りの風の強さとガスに乗越浄土から引き返して来たという人が多い。その話通り、乗越浄土に着くと、吹き飛ばされそうな風であり、置いた15s以上のザックが風で転がってしまった。また、ガスで5メートルぐらいしか見えない。不安いっぱいながら、中岳に向かう。標識だけが頼りで心許ない。

メガネも曇り見えない。折角、曇りどめをしてきたが、あまり効果はないようだ。めがねをはずし、歩くので更にスピードは鈍るし、気を使う。更に木曽駒ケ岳への上りからは、雨というよりみぞれである。激しさが増し、他のメンバーは服や靴も濡れているようだ。何とか木曽駒ケ岳頂上に着くが、ガスで写真も撮れない。木曽福島側から一人登ってくる。茨城から来て、明日は御嶽山に登るという。そして節約のため一般国道で帰るとか。更に自分に厳しくなるよう、いつも単独とのこと。うーんと考えさせられるケースである。

さて、我々はここで相談し、檜尾岳に向かうのをあきらめ、日帰りにするか、宿泊にするかを考えたが、明日の天候回復にかけ、頂上木曽小屋に泊まることとする。頂上近くに頂上木曽小屋まで4分との表示なのでそこに向かう。あまりに早い時間に先客はいないと思ったが、一人いた。余りの天候に空木に向かうのをあきらめたと告げると、小屋の主人から天候は下でも分かったはずとの小言を受ける。素泊まりは4500円と安価で助かる。また、食堂テーブルで自炊させてもらえたので、ありがたく、早速、ばかみたいにたくさん持ち上げた酒を飲む。

小屋の食堂はランプが吊り下げられ風情がある。まさに時間の感覚などなくなる。外は引き続き風雨が強い。14時頃まで飲み、昼寝をする。17時30分に目覚めると木曽福島側から登ってきた団体が到着しており、総勢20名ほどになっていた。しかし、一人ふとん1組があてがわられ、楽である。起きてみても外はガス。しかし窓の外には、たくさんのトウヤクリンドウが咲き、慰められる。昨年北岳で見たより、ふっくらしている。


夕食は、レトルト中心。7月の雲の平で、フリーズドライを試したが、もう一つなので、今回はレトルトとした。永谷園のピーマンだけでできるチンジャオラオス、グリコの横浜中華丼、ごはんはSB、クノールの中華たまごスープである。横で食べていた小屋の食事は、簡素だったので、うらやましく見られた。N君は、酒が強くていいピッチだが、私は、缶ビール1本でも苦しかった。20時30分頃、そろそろ消灯の時間が近づいたのでという催促があり、長かった宴会を終え、21時の消灯とともに明日の天候回復を祈り眠る。

夜1時に目覚めたが、翌朝、5時までぐっすり眠れた。しかし外はガス。がっくりするが、起きる。しかし、
Iさんのガスが晴れ始めているという声を聞き、少しして外に出ると、確かに木曽御嶽山の方は晴れているし、宝剣岳、空木への縦走路のガスも切れ始めている。こんなロケーションであったのか、ようやく謎が解けたという感である。わくわくする感じだ。しかしまだ、ガスはすぐ濃くなるので朝食をとり、しばらく待つ。朝はドンベエと魚肉ソーセージである。

再度外に撮影に出ようとしている御婦人につき、外にでると、完全に晴れてきている。空木への稜線や三沢岳がすばらしい。下に雲海もあり、写真撮影にも絶好の感じである。宿泊した甲斐があった。用意を急ぎ、7時前に出発。木曽駒ケ岳山頂に向かう道すがら、雲海に槍・穂高が浮かんでいる。ウーン、これほど回復してくれるとは。山頂からは更に富士山、南アルプス、八ケ岳すべてが見える。感激・感激である。山座同定に忙しい。その分、人は多い。

ゆっくり堪能して、中岳を越え、宝剣岳に向かう。宝剣山荘でトイレ休憩をとる。目の前に天狗岩。まさに名前の通りの岩だ。いよいよ核心部。緊張の中登るが、人が多く渋滞だ。鎖場で、上下のルートを間違い、後続の人に教えてもらい事なきを得る。頂上は、数人ぐらいしかいられないスペースだ。しかし、コーヒーを飲もうとする非常識なグループもいる。南稜は、一般道の印でない難所。更に上り下りの人で時間がかかる。長い鎖場は待ちきれずに横のルートを三点確保で登る。良い経験と言えばそれまでだが、緊張の連続で疲れた。若いM君とI君が軽快に楽しそうに歩くのがうらやましい。

ようやく三沢岳分岐に出て、三沢岳ピストンか島田娘でゆっくりするか決をとる。I君とN君が島田娘、M君が三沢岳を望み、私も歩き足りないので三沢岳を望んだが、ややこしくなるので、島田娘で、空木岳と南駒ケ岳をみてのんびりすることとする。ヒメウスユキソウとトウヤクリンドウの咲く稜線を散歩し、美しい三沢岳を右手に島田娘に到着。まだ、早かったがチキンラーメンを作り、水割りを飲む。昨日泊まる予定であった檜尾岳避難小屋も見え、いつかは空木へ、できれば南駒ケ岳まで縦走したいと誓う。今回は、贅沢な登山となった。

下りの千畳敷カールへの道は、更に整備され歩きやすかった。軽装で宝剣岳へ向かう人があったので、注意しておく。ロープーウェイの駅からは、時間と共に混むので早く下りるよう留意するアナウンスが流れる。そう待たずに乗れた。しかし、ガスが沸き上がり、展望は今一つ。しらび平では、タクシーがつかまり、楽をした。4人だとさほど料金が違わない上、いろいろ話を聞かしてもらい、楽しかった。何と夏の最盛期は、過去最高が5時間待ちだとか、朝一番のバスが出る前にタクシーで上るのがコツだとか等。ソースかつ丼の最も旨いのは喫茶「ガロ」だそうだ。

菅ノ台到着後、こまくさの湯へ。ここはすばらしかった。露天風呂、ハープ風呂、サウナ等種類豊富の上、何より大浴槽から宝剣岳等千畳敷カールを見ながらの入浴である。それで500円。今まで入った温泉NO.1かもしれない。ガロは50分待ちとのことであきらめたが、すげ野で南アルプス仙丈岳や北岳をテラスで眺めながら、生ビールとソースかつ丼を食べたのは最高であった。陽が朝と逆になり山肌までくっきり見える。思わず、うなってしまった。まさに2つのアルプスに挟まれた町である。贅沢このうえない「旅」となった。帰りも混まずに予定より早く帰和できた。

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