北穂高岳 3106b(国内標高10位)

 


データ】     

2000年10月8日(日)  曇り  歩行時間  5時間40分
10月9日(月)
  曇り時々雨 歩行時間  計4時間30分
(上り2時間30分  下り2 時間)
10月10日(火)  晴れ時々曇り 歩行時間  4時間10分

 10月7日(土) 
  21:00中松江 21:36池田氏宅 21:55泉南IC 23:05〜10五月橋P 

10月8日(日) 

0:05勝川IC 0:37ガソリン 0:43春日井IC 1:41阿智P 2:42みどり湖P   2:50松本IC <コンビニ> 4:00沢渡(仮眠) 5:55タクシー発車  6:20上 高地バスターミナル着

 6:20上高地発 河童橋付近写真撮影 6:32河童橋発 <41分> 7:13〜2 1明神 <54分> 8:15〜24徳沢 <61分> 9:25〜47横尾 (15分写真撮 影等) <64分> 11:04〜20本谷橋 <120分> 11:50〜12:00横尾本谷見える 12:11涸沢カール見える 12:40〜50涸沢ヒュッテ見える (20分写真撮影) 14:05テント場着(池田氏11:29着)16:00夕食 18:30就寝 22:45〜雨

10月9日(月)

5:30起床 6:00朝食 9:15スタート <5分> 6:35涸沢小屋スタート <6 5 分> 10:49〜57鎖場 <37分> 11:34〜38登山道100m変更 <5分>  11:43短い鎖場・はしご <20分> 12:03〜10テント場 <6分> 12:16奥 穂分岐 <12分> 12:28北穂高岳山頂 12:30〜13:23北穂高小屋 <25 分> 12:03〜10テント場 <6分> 12:16奥穂分岐 <12分> 12:28北 穂高岳山頂 12:30〜13:23北穂高小屋 <25分> 13:52短い梯子 <5分 > 13:57登山道変更 <33分> 14:30〜48鎖場 (15分写真撮影) む15 :38涸沢小屋 16:00夕食 18:30就寝 〜1:30雨

10月10日(火) 

   4:00起床 5:00朝食  6:00モルゲンロート

 7:25スタート <68分> 8:38〜46本谷橋 <50分> 9:40〜55横尾 10 :32新村橋 <47分> 10:42〜58徳沢 <42分> 11:40〜50明 神 <3 8分> 12:28〜31河童橋 12:36上高地バスターミナル

12:45バス出発 13:15沢渡着 13:30〜14:00温泉(木漏れ日の湯) 14: 51松本IC 15:27〜52駒ケ岳SA(食事) 17:05春日井IC 17:25勝川IC 1 8:27伊賀P 19:07天理 19:22阪和道 19:51泉南IC 20:10I氏宅 20:3 5自宅

駐車場
  沢渡駐車場 (500円/日)

温泉
   木漏れ日の湯(500円)

メンバー
     Iさん、Mさん
   



今年は、昨年に比べて登山回数が半減しているが、その分、あこがれの山や再度の好きな山は、花等の適期に登っている。いずれも良き山行ばかりであった。その極めつけとして、一生に一度はこの目で見てみたい涸沢の紅葉を目的に計画を練る。思えば、週末の小屋は異常な混みようだと聞き、昨年来、テント泊のためのテント・シュラフ等を買い揃えたのだった。夏には雲の平でテント泊は実行済みで不安もない。ただ、フリーズドライは余りに口に合わなかったので、今回は重くなるが、レトルト中心とした。更に涸沢までだと標高差は少ないので、キャベツと卵まで持っていくこととした。


日程はメンバーのIさんが7日は出勤で休めず、雨が降ればアウトである。しかしテント泊でIさんなしには難しい。好天が続き過ぎ、3日間の予想が次々に変わり、最後は9日が崩れそうである。結果としては、6日有休の6〜8日がベストであった。Mさんも悩んだ末、行くこととなる。


通い慣れた道を走り、途中渋滞もなく、沢渡に着く。駐車場は3連休で満車。第二駐車場に向かう。ここもほぼ満車である。しばらく仮眠して、タクシーで上高地に向かう。駐車場に猿が一匹いた。上高地の猿はテレビでは見ていたが見るのは初めてである。穂高は、薄曇りながら見渡せた。河童橋での写真もほどほどにして、横尾までの3時間、10qを歩く。この道も4回目となり、半分ぐらいの距離だといいのにとしみじみ思う。秋色に染まった前穂は、趣が違った。また、横尾直前に真っ赤に染まった木があり、秋を感じさせてくれた。非常に立派になった横尾大橋を渡り、本谷橋に向かう。


屏風岩は紅葉した木々が点在し、美しい。岩を上るクライマーを見つけ、しばし休憩。それにしても点粒のような姿を見ていると、見ている方も不安感を覚える。この辺りもそろそろ紅葉本番に近いが、黄色が多く、赤い木は少ない。途中、出会った下りの人に聞くと、涸沢は紅葉真っ盛りとのこと。しかし、小屋は一つのふとんに5人だったとか。どうして夜を過ごしたのだろうか。子供連れの家族からテント場も早く着かないと岩でごつごつしたところしかないとのアドバイスを受ける。新しく吊り橋となった本谷橋の下は、人でごった返していた。



ここで昼食とする。セブンイレブンで買った海苔弁当は旨かった。いよいよ本格的な山道。しかし紅葉も盛りとなり、写真を撮りながらなので、辛さも和らぐ。間もなく横尾本谷(最初涸沢だと勘違いし、コースを左手に取るので、何故だと疑問に思う)上部の紅葉が見える。上るに連れ、赤いナナカマドが増え、彩りを添える。途中の山肌の木々も黄色に色づき、穂刈貞雄氏の写した槍沢の紅葉写真を思い出す。曇りの日は紅葉だけ写す方がいいというアドバイスを思い出し、何枚か撮る。


それにしても下りの人が多い。落石地帯まで来ると、涸沢カールがよく見え出し、間もなく、涸沢ヒュッテの吹き流しが見える。その下は、ナナカマドの群落でとりわけ美しい。Iさんは、もうテント場に着いているだろうか。良いテント場確保のため、先行してくれている。Mさんは、私より少し遅れている程度だ。もともと早いIさんと写真を撮りながらの我々では、相当差がつくと思う。



いよいよヒュッテまでの最後の上り。ナナカマドが多くなり、ため息をつく人と写真を撮る人でにぎわっている。私も感動の中、歩く。欲を言えば、青空ならいうことないのだが。14時頃、涸沢ヒュッテの前に出ると息を飲む。ヒュッテ前のナナカマドの群落と涸沢岳方面に広がるナナカマドの赤、ダケカンバの黄、ハイマツの緑が見事だ。日本一の紅葉と言っても過言ではないだろう。Iさんを捜すと涸沢小屋への途中の左手に見える。テント場に到着するとIさんがほぼ設営を終えていた。聞くと1時間30分も前に到着したとのこと。健脚である。テントは多く、数えると250もあった。昨日は更に多かったようだ。間もなく、Mさんも到着し、涸沢パノラマ売店で名物の生ビールとおでんを食べる。紅葉を肴に格別の味だ。


15時頃には陽は山の陰に隠れ、急速に温度が下がる。それからは、家に電話をしたり、天気予報を聞いたりする。家に電話をすると会社のMさんから電話が入っていて気になるが夕刻直接関係ないことが分かりほっとする。天気予報は悪く、がっかりする。テントに戻り、マットをしいても下の岩のでこぼこがひどく眠れそうにないので整地し直す。その後陽が沈まないうちに夕食をということで、いつものようにIさんが準備をしてくれる。私は中華丼のレトルトと永谷園のキャベツを入れるだけでできる回鍋肉を食べた。Mさんは、いつものように食欲がなく、どんべえのみ。それでもまだ食事ができただけいつもよりは良い。夜はすることもなく、早く寝る。夕刻から雨との予報は遅れ23時前から雨となる。Iさんは、よく食べ、よく寝ている。パワーの源である。



翌日は朝食時間帯のみ少し小降りとなったが、また雨となる。ガスで周りも中腹までしか見えない。9時過ぎに小降りとなり、北穂高岳に向かうが、涸沢小屋手前で強くなり、小屋で停滞。数日前夢でかわいがってくれた祖母とハイキングした夢をみたり、前日義母が紋付き袴で私が夢にでてきたという話を妻から聞き、自重せよという神のお告げかと悩む。Iさん達は出発するが。危険で有れば一人ででも帰るという決意で上り始める。


途中、前穂や奥穂方面の紅葉が美しい。写真を撮りながら上る。IさんとMさんは先行する。総じて急登である。荷物が重ければ更に大変であったろう。ぐんぐん高度を稼ぎ、ヒュッテが小さく見える。とりわけ岩石帯のナナカマドや鎖場  手前の岸壁のナナカマドは美しかった。難所の鎖場は、思ったより手がかりや足がかりも多くほっとする。その後も急登で注意を要する箇所も多かったが、ガスがあり、高度感はない。ようやくたどり着いた南稜テラスのテント場で雷鳥に出会う。下半分は既に白い。冬はすぐそこまで来ているのだ。少し歩くと奥穂への分岐で下りのIさんと出会う。11時30分に頂上に着いたとのこと。コースタイムの3分の2で上るとは早い。唖然とする。



北穂高岳山頂はガスで何も見えない。標識も簡素なものであった。小屋で休むことにする。絵はがきを買い、ホットミルクを飲む。クラッシックが流れ、落ち着く小屋だ。一度泊まって大展望を見たいものだ。混雑は涸沢ほどでなくふとん2枚に3人ほどであったようだ。Mさんと小屋前と山頂で写真を撮り下山する。途中、やはりテント場付近で、雷鳥を見かける。先程の雷鳥のようだ。


鎖場まで来ると、常念岳方面は、雲が切れ、青空も見える。ガスも下の方は晴れ、紅葉の写真を撮りながら下る。テント場にたどり着くと、Iさんが夕食をつくってくれていたが、雨が降り出す。もう回復に向かうだろうとしていただけにショックだった。雨が上がるのが遅く、午前1時30分まで降り続いた。明日もだめかと、水滴に濡れたテントにより濡れ始めたシュラフと腰の痛さに4時に起き、ヒュッテに向かう。少し星も見え期待する。ヒュッテのトイレに向かうと起きている人も多い。


しばらくいると、小屋の人が近年は急に冷え込まないので、紅葉の個体差が大きく、また紅葉の期間が長いという話を聞くことができた。小屋に張っていた写真は、10月5日に新聞掲載用に撮ったもので紅葉盛りにも見えるが、まだ、4・5日大丈夫とのことで2週間近く楽しめるようだ。天候が回復することを祈り、テントに戻り皆を起こし、朝食の準備をする。空が明るみ始めると、ガスも晴れ始める。


朝食も済み、夜明けの頃となると、急に青空が広がる。涸沢槍方面は見事なモルゲンロートとなり、感激し、急いで撮影する。息を飲むすばらしい風景だ。これで一日中晴れるかと楽しみにしていたが、1時間ほどで、ガスがかかる。残念ながら、パノラマロード経由での下山は諦める。早々に片づけ、下る。下りは楽である。特に屏風岩辺りの紅葉は、陽が当たり美しかった。明神手前では猿が悠然と先行し、明神の木に登り、赤い実を食べていた。河童橋からの穂高は、稜線が雲に隠れていた。



バスにも待つことなく乗れた。初めての坂巻温泉をもと思ったが、早く帰りたく、前回同様、木漏れ日の湯で汗を流し、帰路に就く。


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