熊野古道小辺路第四日(十津川から果無峠越え)

 


データ】     

2007年4月30日(月) 晴れ 歩行時間4時間13分(コースタイム5時間30分)
7:00朝食 

7:45スタート <8分> 7:53登山口立札 <22分 区間コースタイム35分:実タイム30分> 8:15〜25果無集落 <8分> 8:53天水田 <32分 区間コースタイム60分:実タイム40分> 9:25〜30観音堂 <28分 区間コースタイム30分:実タイム28分> 9:58〜10:09果無峠 <19分> 10:28八木尾バス停まで4.4kmの標識 <12分> 10:40十三番観音石仏 <6分> 10:46本宮町を望む <9分> 10:55十番観音石仏 <6分 区間コースタイム65分:実タイム52分> 11:01〜03七色分岐 <35分 区間コースタイム42分:実タイム35分> 11:38〜54八木尾バス停 <19分 区間コースタイム25分:実タイム19分> 12:13〜13:00道の駅奥熊野古道ほんぐう <9分> 13:09平岩口バス停 <9分 区間コースタイム20分:実タイム18分> 13:18〜22三軒茶屋跡 <16分> 13:38〜40見晴らし台 <13分> 13:53〜55祓戸王子 <2分 区間コースタイム38分:実タイム31分> 13:57熊野本宮大社 

14:35熊野本宮大社発 15:13国道311号 15:28県道35号 15:35県道207号 15:38田辺バイパス行き止まり左へ県道208号 15:46県道35号みなべIC 16:27広川IC 渋滞12km 17:30吉備IC 18:11海南IC 18:20和歌山IC 18:45自宅

   


朝風呂に入り、ぜんまいやあなごや豆腐、卵の朝食はおいしく、さらに温泉がゆまでついていた。吊橋でMさんが揺らしたので、NKさんは本気で怒っていた。果無峠登山口の立て札のある登山口の階段からシャガを愛でつつ、急な上りの石畳の道を進む。途中、名古屋から来た三人組の女性を追い越す。相当の荷物をかつがれ大変そうだ。

























     
上湯川にかかる吊橋                        果無集落への石畳道

つつじ等の花に慰められるものの、かなりの急登だ。やがて着いた果無の集落は、これぞ日本の故郷という風景だ。十津川村のポスターは、どれも優れるが、集落の間を抜ける石畳の小庭にたたずむ民家、朝もやにけぶる石畳の古道を歩く巡礼者、かごをかついだ老人と集落、ポスターではないが、石畳の民家の先のふじの花が咲き乱れる道、どれも絵になる風景だ。





















      果無集落                        田花館にて






















    春爛漫の果無集落にて              十津川村のポスターにもなった石畳の庭の民家





























       
十津川村のポスターになった老夫婦          シャクナゲの向こうに二十九番観音像

我々も民家で写真を撮ったり、出迎えてくださったNさんに世界遺産の石碑前で、ポスターになった老人の連れ合いのお婆さんと写真を撮っていただいた。さらに進むと、老人がポスターを横に座っておられた。有名人なのである。ここで全員で記念撮影する。

琵琶湖の川端のように鯉が清流に飼われていた。さらに進み、車道から登山口立て札に従い山道に入るとシャクナゲに守られた二十九番観音石仏が佇んでいた。今日は、できる限り長女と次女のことをお祈りしながら歩くことにしているので、石仏一つ一つに手を合わせて進む。健脚の単独行者が追い越して行った。


























      二十六番観音像                  石垣が残る山口茶屋跡

石畳が終わり10分ほど歩くと、前景が開かれた天水田であった。約300m峠よりの山口茶屋の住人が雨水だけを頼りに稲作をしていたとのことである。
 

















 観音堂の観音菩薩像、千手観音像、不動明王像

傾斜のきつい坂を登ると、観音菩薩、千手観音、不動明王像が祀られる観音堂に着いた。湧き水でのどを潤し、休憩もほどほどに進む。森林環境税に間伐地の標識のある植林の九十九折を進むと、ほぼコースタイム通りの時間で峠に着いた。先行のIさんの出発時刻のメモがあった。20分以上も早い。標高1114mとなっているが、それほどないようで、1060mぐらいであろう。

果無峠には、半壊の宝篋印塔と第十七番観音像が佇んでいる。ここからは、果無山脈の縦走ができるとのことで、ヤマセミの郷に車を置いて日帰り縦走されたと県庁のNさんが教えてくれた。 

























果無峠の半壊の宝篋印塔と第十七番観音像                 七色分岐にある八番観音       


快適に下ると、細い箇所で後ろから走ってくる音がする。NKさんとFさんだと思い、「危ないよ」と言ったが、山岳マラソンの夫婦ランナーだった。(^^ゞ 30代のかっこいい夫婦だったが、女性は勇気あるなあと感心する。

10時40分に十三番の観音像を過ぎると、43分には熊野川が見え、さらに走るように下ると本宮町を望む地点に出た。55分に十番観音像辺りまで来ると川がよく見えた。さらに数分で県境の集落七色を望む。
































    本宮町を望む                    国道168号にある八木尾バス停

七色分岐は気をつけないと七色の集落に下ってしまいそうだ。小辺路の道には左上に八番観音地蔵がある。


11時13分に迎えのNさんに出会う。どんどん下ると、左に道路が見え、最後に階段を下り、八木尾バス停に着いた。Iさんが待っていて下さった。40分前には着いていたようだ。

NBさんがたどり着いていないので、もしかして、七色に下ってしまったのではと話していると、案の定、メールをしているうちに、七色にくだってしまったそうだが、新トンネルができていたので、さほど変わらず、八木尾バス停まで来れたそうだ。

サポートのNさんにトランシーバで事態を連絡できたので、国道を道の駅に向かう。熊野川はきれいで、白い鯉が泳いでいるのが見え、華麗なる一族の「将軍」鯉みたいだねと話す。




















       道の駅奥熊野古道ほんぐう                 道の駅から果無峠を望む

道の駅からは、下ってきた尾根筋がよく見えた。ここで昼食とし、私はきつねうどんと目はり寿司のセットを食べた。



暑い中、国道を歩き、平岩口から舗装林道に入る。中辺路と交わる三軒茶屋跡には休憩所がある。この辺りだけを見物したり歩く観光客が多い。古道らしい石畳の道も中辺路だと道幅は広い。






















    
    見晴台から大斎原の大鳥居                     三軒茶屋跡の道標


























  
     
     祓戸王子                       中辺路らしい幅の広い石畳道  

折角なので、左手の大斎原の大鳥居が見える見晴台経由で、祓戸王子に向かう。ここから熊野大社には裏口入学のように入る。しっかり参詣し、記念撮影をして、長かった小辺路の旅を終えた。


最近できたという旧本宮町役場の世界遺産センターを見学して、南部ICから高速に乗る。広川から12kmの渋滞だが、特に吉備までがひどく6kmを行くのに1時間かかつた。吉備ICから入る車が災いしている。吉備から海南までは40分ほどであった。最後にサポートのNさんをどっと疲れさせてしまったが、4日間とも天気に恵まれたすばらしい山行であった。Nさんの宿の手配、車の送迎、たっぷりのお酒、人の輪のおかげで、なしえたばかりか、Nさんの生来の温かい人柄にふれ、古道歩きが心に深く残る味わい深いものになった。心から感謝したい。   




<参考>
 宿泊 かわらび荘(一泊三食)8000円
     かおり荘(一泊三食) 7350円
     田花館(一泊二食) 10000円 



  HOMEへ