巻機山 |
【データ】
【メンバー】 |
S君も元気になったが、今度はK君は前夜の八海山で、二日酔いだ。朝食代わりのおにぎり二つの弁当を受け取り、夜明けと同時に宿を出る。登山口までの最短ルートは、砂防ダム工事で通行止めなので、数百メートル奥の迂回路から向かう。 登山口駐車場は、手前と川を渡った奥にあり、最初、手前に止めて、広さが小さ過ぎるので聞くと、奥にあるというので、進むと、舗装区画もされた大駐車場があり、バスも3台、乗用車は数十台止まって、登山準備をする人でにぎわっていた。 天気予報がいいので、皆、わくわくしている感じだ。登山口からすぐに、ヌクビ沢コースとの分岐で、右折し、井戸尾根コースに向かう。このコースは、何合目表示も、東京学芸大学登高会の何号何酌までの表示もある。 最初はゆるやかなので、いいペースだったが、実力者のS君とIさんは、ぐいぐい進んでしまった。一方、K君は二日酔いで気持ちが悪いということで、先に行ってほしいということで、今日も単独行となった。 ![]() ![]() 五合目展望台前後は伐採したのが、ブナの若木の純林が広がっていた(右上の写真)。五合目の展望台では、まだ、山頂付近にはガスがかかっていたが(左上の写真)、間もなく、快晴になる雰囲気であった。待望の六合目では、見事に晴れ、ニセ巻機と割引岳が、ヌクビ沢の奥にでーんと構えていた。前二日のもやもやが一気に吹き飛ぶ大展望だ。その先、六合三酌手前でも、角度を変えた大展望が広がっていた。徐々に低木となるが、影をつくってくれていて登りやすい。七合目からは笹道で清水集落を見渡す道となり、八合目からは階段となった。階段も段差を小さくする工夫がなされ、ありがたかった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 七合目からは植生回復のために、ネッ保護がされていたが、その上で休んでいる人もいて、ガイドさんに注意を受けていた。このガイドの団体は足並みがそろっていて、小屋まで、快適なペースで進んでいた。 ![]() ![]() 九合目のにせ巻機山からの山頂稜線は絶景で、草紅葉のはじまりと針葉樹のコントラストが実に美しい。誰が選定しても百名山に選ぶであろう。ここから木道を下ると、立派な小屋があり、有料トイレもある。 ![]() ![]() ![]() ![]() そして池塘に映る逆さ巻機山を愛で(左上の写真)、最後の階段の道を登ると、山名標識のある山頂であった。何とIさんたちは、1時間も前に到着し、S君は牛ヶ岳山頂を目指しているという。私も早々に一等三角点のあるピラミダルな割引岳山頂(右下の写真)に向かう。木道は雪で流されたりして、荒れ気味で、牛ヶ岳に比べ、往復する人は少ない。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() しかし、ここからの牛ヶ岳にかけての稜線は、本当に美しい(上の写真)。たおやかである。割引岳山頂には、子犬を連れた人といかにも山なれた感じの人が休んでいた。天狗岩コースを来たとのことだ。こちらのルートは下山禁止だ。 ![]() ![]() 写真を撮ってもらい、戻ると、元気にK君がやって来た。回復力の速さは流石だ。巻機山山頂で待つ二人に薦められ、ケルンのある(右上の写真)牛ヶ岳方面のピークを目指す。こちらは、池塘もあり、巻機山らしい景観の快適な道だ。一等三角点のある牛ヶ岳まで行きたいが、余りに待たし、帰宅が遅くなるのも憚られ、牛ヶ岳に向かい一度下る地点まで行き、引き返す。米子頭山へと続く稜線は美しい。巻機の名の起こりは、機織姫の伝説により、山中で絶世の美女が機を織っていて、その音が響いてきたり、満月の晩に従者とともに姫が里に下りてきたりといった、機織の盛んだった土地らしい言い伝えによるものだと言うが、この池塘の点在する美しい笹原の稜線によくぞつけた名山に相応しい名だと思う。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 大満足で、山頂に戻ると、K君が戻っていない。「もしや、一人で(だけ)、私がプレゼントしたカップヌードルを割引岳山頂で食べているのでは?」と、割引岳から来たご夫妻に聞くと、その通り、余りに美味しそうに食べていたので、カップヌードルの名前まで覚えたと言う。Iさんが「何故、空身でいかないのか不思議だった」と分析する。この話で山頂にいた人は大いに沸き、山の話に花が咲き、Iさんの百名山達成の話や私の残り2座には思いがあるのか等、話に花が咲いた。また、「Iさんとは兄弟ですか?」と尋ねられた。若い頃から、時々、言われるが、ずっと親しくしていただいているうちに更に似てきたのかなぁ。(^^ゞ それでもまだ、K君は戻って来ないので、越後三山を眺めるがピーク付近はどれも雲に隠れていた。和歌山までの遠路を憂う皆が、待ち焦がれる中(といっても、私が戻ってからは20分ほどだが)、K君は悠然と帰ってきた。(^^ゞ ![]() ![]() ![]() ![]() 全員が揃い、K君をちゃかしながら、山頂写真を撮ってもらい下山にかかる。皆、笑顔だ。こんなに合目表示があったのかと確認しながらの下山であった。駐車場出口では料金(500円)徴収の係員の人がきちんといた。(^^ゞ素晴らしい山を最高のメンバーで登山でき、また一ついい思い出ができた。 ![]() ![]() 六日町温泉の坂戸城という宿の温泉は、タオル付で1000円したが、茶室の露天風呂が出色で、小判の絵や本物のアマガエルまでいて、いいみやげ話になった。 K君を六日町駅に送り、六日町ICから、一路関西を目指す。昨日滑落でなくなった人が出たという八海山の険しい稜線も見えた。栗東付近の渋滞も時間ともに解消され、三人交代での運転で、快調に走り、予想より1時間ばかり早く着けた。 おつきあいいただいた三人に心から感謝したい。何とか三連荘達成したいということで、酒を自重したのは、せっかく合流してくれたK君に大変申し訳なかったが。これで日本百名山も98座。残るは、10月9日登頂予定の苗場山と来年の光岳だけだ。 |