国道29号線を南下し、引原ダムを越えたところの道の駅波賀で、ざるそばとおにぎりの昼食とする。ここで一眠りと思ったが、眠くなかったので、三室山を目指す。
国道429号への分岐は、行きに大きな道路標識があったので、安心していた。標識に従い左折する。道は思ったより改良が進んでいて走りやすい。ちぐさ高原と三室高原の分岐さえまちがわなければ(標識はある)、迷うことはない。
三室の滝の鳥居を左手にさらに進むと、三室山登山口→の表示があった。三室高原青少年野外活動センター前に大きな駐車場があり、古い東屋には、三室山登山口と書かれた大きな看板がかかっていた。ここから標 高差は約700メートルだ。
駐車場には5台くらい止まっていて、準備をしている最中に、濃紺のクラウンがやってきて、夫婦で登山準備をはじめた。私は、活動センターの建物の横の道を上がることにした(しかし、その横の舗装林道を進むのが正解)。
舗装林道が続いていたので、もう少し車で行こうかと一瞬思ったが、ネット情報では普通車では難しそうなのでやめた(帰路、確認すると、舗装路は一旦途切れるが、再びコン クリート道となり、その終点地点に5台ぐらい止めれる絶好の駐車スペースがあった。ここまで車で行くと15分の短縮となる)。
大きなバンガロー風(古くて、ベットだけ?)の建物がいくつか並び、その間に大きなテーブルといすがある。木陰で気持ちよさそうである。
こんなところで昼寝をしたら気持ちがいいだろうなと思い、テーブルに大の字となると、睡魔に誘われた。よく眠ったと思ったが、わずか10分であった。こんな気持ちの良い睡眠はいつ以来だろうという心地よさであった。
元気を回復し、登り始めると、つき当たりとなり、直進は広いがれた急登の道、右は遊歩道で、標識もなかったので(後で見ると、遊歩道には赤テープがある)、直進だろうと思い込み、上り始める。
どんどん進むが、倒木もあり、広い林道の割には、車の痕跡がない。また、テープもないし、標高は早、取り付きの簡易水 道ぐらいになり、おかしいと思い始め、またもやUターンする。途中左手に小屋跡のようなものが見えたので(その向こうに正規の道があると思われる)、伺うが、その向こうに林道は見えないので、分岐までやむなく戻る。「今日はついてないな」と思うとともに、「睡眠不足で頭が働いていないのかな」と反省する。
遊歩道を進むと、すぐに正規の道の林道に出た。少し進むとコンクリート道は終わり、荒れたダート道となる。ほどなく、簡易水道施設(現役?)に出た。左側から林道が合流しており、先ほどの道が合流しているように思われ、がっくりする。
ここには、ネット情報通り「山頂まで70分」の標識があるが、マジックで90分、100分との訂正文字や下りが70分の表示があった。結果としては、健脚なら標高差からも70分ぐらいであろうか。
し かし今日の私はのんびり、かたつむりペースなので70分は到底無理である。沢沿いに進み、短い細い丸木を合わせた橋を渡る。沢が終わると、植林帯となり、ネット情報にあった杉林の道と思われる分岐に出て、ひのきの植林の九十九折の道を上る。
下山者にも2組出会った。やはり倒木があちこちにあるが、道を塞いでいるようなことはない。鹿の甲高い鳴き声が聞こえる。「山頂まで40分」の表示箇所は展望がよかったので一休みする。資料によると、ここからは、後山や日名倉山が見えるとのことだが、広範囲の地図を持たず、同定はできなかった。そういえば途中「ひと休み のんびり登ろう等」書かれた標識がいくつかあった。今日は、それらの標識に忠実に従っている(^^ゞ。
さらに進むと大きな岩があり、庭園風で美しかった。その先にはヤシオつつじの咲き残りや散った花びらがあった。しかし石楠花の木は見当たらない。

山頂まで10分の表示付近は唯一の鎖場だ。左側の鎖の方が上りやすそうに見えたので選択する。ここからは、ブナも散見される。自然林の良さを楽しみつつ登ると、樹林帯を抜け、山頂直下の笹の切り開きに出た。
その先は二等三角点の山頂でクラウンのご夫妻がいた。姫路の方のようで、ネマガリダケ(=スズ竹)を取っていて食べ方を教えてくださったので、火打山のとき取り損ねたリベンジを果たす。
さらに写真を撮ってもらい、ビールで至福のときを過ごす。展望は良く西北西には氷ノ山、奥に扇ノ山が見えた。東に見えるのは段ケ峰だろうか。資料によると藤無山、三久安山、阿舎利山も見えるとある。
山頂からは、ネマガリダケ地帯を採取しながら抜けた後は、一気に下る。野外活動センター手前の林道沿いのならの純林は、ネット情報通り美しかった。タニウツギも満開である。
帰路、三室の滝を見学する。道路から鳥居をくぐると、すぐのところにある。大きな滝ではないが、樋のように下った水流が落ち口の岩に当たってジャンプしているおもしろい滝であった。
山崎ICに向かう途中から雨となる。雷を伴う激しい雨で、山中であわなかったのはラッキーであった。ローソンでアイスクリームを食べ、一息いれる。山行の後は、甘いものがおいしい。
高速道路は、宝塚から渋滞が12kmもあるとまことなので、吉川ICから南下し(高速代は通勤割引でやはり半額である)、山麓バイパスから阪神高速を乗り継いで和歌山まで帰宅する。しかし、途中、突如睡魔に襲われたので、加西SAで仮眠をとる。危険は山より交通事故の方が高いかもしれない。
兵庫のご夫妻のアドバイス通り、妻にネマガリダケを焼いてもらい、マヨネーズで食べる。絶品であった。
三室山の由来は、ガイドブックによると御室のことで、古代、山中の岩屋で神を祀ったことから御室山と言われるとある。山頂近くに石室のようなところがあり、そこで祭祀した可能性が高いとのことだ。
これで近畿百名山も92座となった。
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