森吉山 参考HP NPO森吉山ネイチャー協会 |
【データ】
【メンバー】 |
鳥海山は、ニッコウキスゲが咲き乱れる鳥海湖の辺りの写真が目に焼き付いていたので、昨年、台風で、尼御前SAから引き返してからは、花の季節にと決めていた。いつものようにJALカードで貯まったマイルを使い、安上がりの山旅である。さらに、バーゲンフェアの日程と重なり、レンタカーも安くなるのがありがたい。 安上がりとはいうものの、貴重なマイルを使ってのものなので、他の東北の山もということで、白神岳・和賀岳・森吉山・焼石岳・栗駒山・姫神山を研究したが、大阪・秋田便確保後、月曜日の有休取得予定日に東京出張が入り、マイルは区間の変更はできず、土曜朝出発・日曜日遅くに大阪に戻り、月曜日早朝便で東京を往復することになった。せめて、月曜帰阪便が日曜日に大阪に戻る便に変更できただけ、良しとせざるを得ない。 慎重に検討し、秋田到着9時50分なので、普通なら、鳥海山の山頂に泊まるのが順当かもしれないが、どうしてももう一座行きたいので熟慮し、森吉山と決める。この山は、以前、八幡平のアスピーテラインから眺めて、秀麗な姿にいつかと思っていた山だ。さらに花の百名山にも選ばれているので、天気が悪くて展望が利かなくても、ある程度の満足感を得られるであろう。 コースは、楽チンの阿仁ゴンドラ(片道15分、往復HP割引で1700円)を使うと楽だが、山頂駅の最終が16時なので、山頂を超えた「山人平」にも行きたいが果たして最終に間に合うか、また、一の腰から石森までの展望を楽しむには、こめつが山荘からのルートを通らないと行けないしと悩むことになる。ただ、下山が遅くなると、鳥海山の登山口である鉾立までの距離が長く、入浴や食事もゆっくりできない。 結論は天気で決めようということにした。しかし、肝心の天気予報は悪く、今年は太平洋高気圧が弱く、なかなか梅雨明けしそうにない。妻は観光でもしたらというが、観光は妻といっしょの旅に取っておくことにしているので、その選択はない。出発日前日になっても、悪くて、鳥海山の千蛇谷では迷う人もあると聞き、一層キャンセルしようか悩んだが、花の季節を逃すのはいかんともしがたいと思い、萎える気持ちを鼓舞し、土曜日の朝、起きた。 重い荷物も雨の中の出発ではなく、少し救われた気持ちになり、また、阪神尼崎発の空港バスと寮の前の始発の市営バスとの連絡が以前より5分縮まり、心配したが、余裕をもって、乗り換えることができた。 休日の伊丹空港の手荷物預かり、いつものように長蛇の列で、20分ぐらいかかった。少しの時間を利用して、エアポートラウンジのネットで天気予報を確認する。今日は森吉山近辺は曇りとのことだ。 折角の窓側席も雲で何も見えない。秋田空港に着陸する頃、ようやく、東北らしい景色が見えた。東北の空港もANA系の庄内空港や秋田北(大館能代)空港以外、ほとんど使ったことになる。秋田空港の施設は新しかった。少し遅れて到着したが、預けた荷物もすぐに出てきて、レンタカー営業所にもあまり待たされずに行けたが、何と天気予報の曇りははずれ、小雨が降り続いている。阿仁ゴンドラにこのような天気でも運行しているか確認すると通常通りだと言う。これでは展望も楽しめないので、阿仁ゴンドラに確認すると、通常通り運行しているというので、カーナビを電話番号検索で設定し、向かう。 登山口までは空港から110kmあったが、秋田空港ICから五条目八郎潟ICまで高速を使い、そこから一般道を60kmほど走るが、国道 号も道は良く、思ったより早く12時に着いた。スキー場の駐車場は、ダートだが広い。しかし、停まっている車は20台ほどだ。大型バスが一台あった。券を買い求めて乗ると、下ってくる人が、多い。ゴンドラは4人乗りだ。時間節約のために、昼食として巻き寿司をほおばる。上に行くとガスっていた。最初は牧場、そして森林の中をゴンドラは15分かけて進む。 ![]() ![]() 石森付近のニッコウキスゲ 山頂駅はがすっていて、小雨の中、傘をさし、進む。すぐに左に樹氷平展望台の道を分け、木道等で整備された道を登る。さほど急でなく、花の紹介プレートもあり、楽しめる。ツマトリソウやギンリョウソウの標識が多く、ギンリョウソウのところは咲いていたものもあった。下ってくる人は多い。 石森に着くと、こめつが荘コースと合流する。この辺りは、ニッコウキスゲが多く、雨の中とは言え、慰められる。阿仁避難小屋を目指し、進むと、石森からすぐに左手に、ザゼンソウやミズバショウのプレートがあった。もちろん、この季節は、ミズバショウもお化け葉状態だ。ニッコウキスゲに慰められつつ、進むと、池塘等ががあり、多くはないが、イワイチョウも咲いていた。さらに先の左手には、美しい池塘があり、写真に撮る。じっとみていると、雨とは言え、東北の山に抱かれている喜びを感じる。 ![]() ![]() 神秘的な池塘 阿仁避難小屋 しばらくで、朝夕の熊よけの鐘が吊られ、すぐに避難小屋であった。すばらしい小屋で、近くだったら気のおけない仲間と山宴会を楽しめるのにと思う。その先、稚児平で花期が終わり種子状態になったチングルマを愛でつつ、進むと、左手に閉鎖された山人平への巻き道を分ける。そこからさほどもなく、山頂に着いた。 一等三角点に触れ、そこに唯一いらっしゃったパトロール員の森川さんに山人平方面に少し下ったところにチングルマの盛りを迎えた群落があるのでと薦められ、一転して、山道となった道を5分ばかり下ると、期待通りのお花畑が広がっていた。写真に収めた後、この先、山人平に下っても、花は終わっているとのことで行く必要がないとの森川さんのアドバイスに従い、山頂に戻り、しばし、森川さんのお話を聞く。四季折々のすばらしさ、江戸中期の学者兼紀行家の菅江真澄(山頂に「秋田山いわねのむろび折りかざし雲ふみわけてかえるかち人」の歌が書かれた柱があった。森川さんの話によると県境にない独立峰なので森吉山は秋田山と呼ばれるという )の話等を伺いつつ、話の合間に、お花畑を流れるガスと風。何とも言えない幸福感である。東北でも屈指の展望(南東に秋田駒ケ岳、東に岩手山、北東に八甲田山、北に岩木山、南南西に鳥海山とのことだが、森川さんによると秋が確率が高いという)を得られないのは残念だが、ここなら妻も来れるので、いつか共にしたいものである。 ![]() ![]() ガスに包まれた森吉山山頂と一等三角点 山人平側に少し下った地点のチングルマ さらに団体がゴンドラで上がってくるとの情報が無線に入ったので、私も山頂を下る。途中、阿仁避難小屋で、もう一人のパトロール員の方に薦められ、中を覗くと、本当にきれいに管理されていた。トイレもあるそうだ。 花々に名残惜しさを感じつつ、石森の小高い山頂、樹氷平展望台に寄り道して下る。ゴンドラの駅には、登山者用にブラシも用意されていたので、靴等洗う。車で出発する頃には、雨足がきつくなった。 ここから、今日の宿としている道の駅の象潟温泉ねむの丘までは、170kmあり、五条目八郎潟ICから国道を43km走る必要がある。日本海を眺めつつ途中コンビニやスーパーに立ち寄り、道の駅に着いたのは、18時30分であった。 大きい駐車場があり、道の駅でも屈指の規模である。少し手前にも温泉付の大きな道の駅があったので、国道8号線はやはり東北のメイン道路だなと感じる。明日の予定を確認するためにカーナビをセットするが、鉾立の地名や施設でも登録がなく、苦労する。温泉の受付の人に聞くと、国道に大きな表示があるというのでそれを頼りとする。 温泉は350円ときわめて安価だが、シャンプー等もセットされ、日本海も見渡せるすばらしいロケーションだ。平坦な飛島が見える。費用対効果では、これまで入った温泉の中では屈指である。食事もここのレストランで地物をと思ったが、メニューをみると期待ほどではなかったので、国道をはさんでガストがあったので、カロリーのあるハンバーグ、ポタージュ、サラダ等頼み、明日の英気を養う。 |