明神岳(1432m)・千石山(1380.3m)・赤グラ山(1394m)・池木屋山(1395.9m)

 


データ】     

2003年5月24日(土) 曇り 1時間46分
月25日(日) 曇り時々小雨(強風) 合計8時間2分(3時間28分+3時間22分+1時間12分)
5月24日(土) 

8:50自宅→ 9:10M氏宅 → (オークワ買い物) → 紀ノ川左岸ルート → やはた温泉にて昼食 → 12:40駐車場

12:50スタート <14分> 13:04旧登山口 <29分> 13:33〜38旧あしび山荘 <10分> 13:48キワダサコ谷  <12分> 14:00〜13ミョウジン谷・明神滝 <11分> 14:24木橋 <1分> 14:25小滝横ベンチ <20分> 14:45水場 <9分>  15:03明神平 18:00就寝

5月25日(日)

4:30起床 5:30スタート(1323m) <14分> 5:44三ツ塚分岐 <9分> 5:53〜59明神岳(1432m) <24分> 6:23笹ガ峰(1367m) <22分> 6:45〜55休憩 <9分> 7:04〜09千石山三等三角点(1380.3m) <43分> 7:52〜57休憩展望良い<20分> 8:17〜21赤グラ山(1394m) <17分> 8:38千里峰(1340m) <22分 ロスタイム約5分含む> 9:00霧降山(1360m) <14分> 9:14〜18休憩 <7分> 9:25木屋池 <7分>9:32〜53池木屋山山頂二等三角点(1395.9m) <27分> 10:20〜25霧降山 <5分> 10:30奥の平峰(1320m) <15分> 10:45千里峰 <17分> 11:02赤グラ山 <47分> 11:49千石山への上り取り付き <15分> 12:04〜08休憩 <6分> 12:14千石山 <34分> 12:48笹ガ峰 <18分> 13:06桧塚分岐 <1分> 13:07〜10明神岳 <7分> 13:17三ツ塚分岐 <10分> 13:27明神平 テント撤収

13:55スタート <25分> 14:20明神滝 <18分> 14:38旧あしび山荘 <9分> 14:47林道 <12分> 14:59旧登山口 <8分>15:07ゴール

15:19出発  15:30〜16:05やはた温泉 紀ノ川左岸ルート 18:20M氏宅 18:50自宅

温泉】 
    やはた温泉(500円、露天風呂無)

メンバー
    I夫妻、MさんIさん、Mさん
   


山仲間のIさんの関西百名山達成も残すは、明神岳と池木屋山だけとなっていた。薊岳や国見山・水無山にも複数回、桧塚にも行っているのに、明神岳に行かれていないのは不思議だか、桧塚もマナコ谷からのピストンなので、明神岳は通過地点とならなかったようだ。折角の達成なので、池木屋山もスメール側からではなく、台高山脈の主脈を花の一番美しい季節に通ってと、年初来考えていた計画のいよいよ実行の日を迎えた。天気予報は何とか持ちそうという程度だが、山の上はどうであろうか。


データを集めても、いくつかのHPに記録があるだけだ。囲炉裏の記録によると、明神平から池木屋山までは、片道約4時間となっているが、健脚揃いの記録であり、我々ではどうか、また迷わないか等不安は多い(帰って山と渓谷社から出ている関西の山250の池木屋山のサブコースに案内されていて、それをみるとコースタイムは3時間50分なので、事前に知っていれば、もっと安心できたかもしれない)。一日目は、明神平まででいいので、ゆっくり出発する。今日はコンビ二でなく、スーパーで買い物できたので、昼食も多種のものから選定でき、サラダ冷やし中華や柿の葉寿司をゲットできた (^o^)


信号のない紀ノ川左岸ルートを走るが、天候は悪くぽつりぽつり来たので、昼食は、やはた温泉の売店前のテーブルでとった。キャンプ客も結構いた。考えてみると、明神平は、99年の秋以来で、3年半ぶりだ。この間、HP等で林道の延長工事が行われ、通行止めになった時期もあると聞いていたが、どうなったであろうかなどと話しながら進む。旧登山口手前の左側の空き地に止める。車が5台以上止まっていた。渓流釣りの人が歩いてきた。渓流釣りもオンシーズンだ。隣の車は二人連れで、やはり明神平泊なのであろう。少し先に歩き出した。荷物がずっしり重い。Iさんのザックはそれ以上だ。久しぶりの重荷での登山なので、ゆっくり歩む。旧登山口まで、10分以上あり、ここまで車で来なかったことを若干後悔する。


ここから先は林道が伸び、様変わりしていた。車が通れるほどに拡張され、傾斜のきついところは、コンクリート舗装、削り取られた壁面は、金網補強の上から緑化されていた。それ以上に驚くべきは、沢にいくつも堰堤が作られ、鉄鋼構造物により、堤とされていた。旧道を知っている者からすると、たまらなく悲しい出来事であるが、少し進み98年台風の爪あとによる土砂崩れ跡を数箇所みると、大又の集落の近さからは必要な措置と納得せざるを得なかった。林道は旧あしび山荘直前まで続き、その前で倒木を避けるため、右岸から左岸そして右岸へと渡り返す。ここにラショウモンカズラの紫の花が盛んに咲いていた(I夫人が帰宅後名前を確認してくれた)。


倒木帯を過ぎてからも数箇所つけかえられていたが、概ね昔のままだ。キワダサコ谷を越えて、ミョウジン谷で一息入れ、滝の写真を撮ったりする。この明神はIさんにとっては鬼門で、滑って転落しそうになったり、倒木で喉を切りそうになったところだなどと思い出話が出る。


私は一足先に明神滝の上部の展望のいい箇所に行き、写真を撮る。この先、しばらくして、木製の橋を渡ると、九十九折れの自然林となり、私の大好きな道だ。新緑が殊のほか美しく、あちこちギンリョウソウが咲いて(?)いた。ここは、新緑と紅葉の季節がすばらしく、天国へのプロムナードと言っても過言ではないと思うのは私だけであろうか。バイケイソウがあちこちにあるが、早、葉も痛み始めている。


明神平手前の水場で大量に汲み、持ち上げることとする。明神平までは少しだと記憶していたので、両手に7リットルほど持ったが、結構距離があり、苦労する。明神平には、天王寺高校のすばらしいあしび山荘が建っていた。煙突も有り囲炉裏まであるのであろうか。利用できないのが残念で何故、建設許可がおりたのかなどとやっかみ半分となる。天幕地は悩んだ末、風が強いので、東屋近くの登山道脇とする。天理大学の山荘奥の林にも天幕している人がいそうなので、行ってみると、ツェルトを張っている人が数人とゴアテックスのテントの人がいた。山の通であろう。桧塚まで散歩する気力はなく、テントを張ると早宴会となった。しかし寒いので、発泡酒はもう一つで、Iさんが持参してくれた高級ウィスキーをホットで飲む。折角のウィスキーも風でコップが飛ぶというハプニングも。持ち上げた卵をゆでて、卵入りカレーが今日の夕食だ。寒さが増し、なんと18時にはテントに入り眠ってしまった。


しかし、夜の風が半端じゃなかった。台風が来たのかとも思うほど風が吹き荒れる。風は東からのものは、隣のIさんのテントにさえぎられているようだが、北からのものは、容赦ない。さらに木をゆする音がすごい。それでも私は結構眠った方だ。しかし、朝方になると、雨も降り出す始末で、明神岳だけにした方がいいかとも思いそれに決まりかけたが、外に出てみると、風は強いが、雨はほとんど降っていない。私が率先して決行することを提案、とにもかくにも出発した。テントが飛ばないよう、入念に補強して。


バイケイソウの中を上っていくと、ほどなく明神岩。その前を左手に回り込むように進むと、三ツ塚分岐で、前山経由の薊岳と明神岳への分岐である。ここから10分足らずで、明神岳であった。途中鹿の鳴き声が盛んで尻尾の白いバンビが逃げる姿も確認できた。私は以前経験しているので、見過ごさないが、山頂の感は全くないので、一枚の山名プレートがないと、見過ごすかもしれない。I夫妻は99座目の記念撮影。1分ほどで、桧塚への分岐でいよいよ池木屋山を目指す。ここから、笹ガ峰、千石山までのルートは、HPやエリアマップでも紹介されている通り、ぶなを中心とした美しい森である。広々とした斜面に堂々と広がる。下草もなく、新緑が映える。ここで一日のんびりと過ごしたらどんなにか幸せであろう。明神平まで来た人は、是非目指すべきユートピアである。


三等三角点のある千石山を越え、5分ほど進むと、右手に90度標高差100m余りを下る。手で木をつかまなければならないほどの急傾斜だ。ここからは、ぶなのような大きな木はない。徐々にシロヤシオが多くなり、盛りのものが多く感激する。愛子様もいい花を選ばれた。特に花だけでなく、葉もやわらかで縁が紅に染まり可憐だ。石楠花も、終わっているものもあるが、盛りのものも多い。期待通りの花の稜線だ。天候はよくないが、赤グラの肩辺りでは、薊岳等もぼんやり見えた。赤グラ山の直前は石楠花のトンネルとも言えるほどだ。この辺りは残念ながら終わったものの方が少し多い。今年は当たり年なのであろうか。Iさんの関西百名山達成を祝うにふさわしいルートだ。


赤グラ山から千里峰を越え、奥の平峰で90度曲がるのを直進してしまい、踏み跡の薄さに疑問を持つと、右手はるかに先行するIさん他、3人が見えるのであわてて戻る。さらに先でも踏み跡が薄く行きつ戻りつしたが、ここは直進でよかった。木のないところからの取り付きにテープもないので、少し分かりにくい。霧降山からは、北から東、そして南への展望が開けている。ひの辺りからは、相変らずシロヤシオに加えてヒロシャラの巨木も多い。進むと、遅いので先行する3人が待っていてくれた。


霧降山のプレートには、池木屋山まで、1時間半となっていたが、1時間も経たないうちに、右下にぬた場が見え、これが木屋池?などと話しているうちに左手に池というより湿地のようなものが見え、明らかに木屋池と思われた。一のぼりで待望の山頂で、以前来たときとイメージが違い、本当に?という感もあったが、二等三角点にしっかりした標識、たくさんのプレートもあり、まちがいなかったので、Iさんの達成を祝い、握手と万歳三唱をする。少し遅れてI夫人とMさんも到着する。早速記念撮影をする。池「小」屋山となってしまったのはご愛嬌だ。Iさんは、H6年12月25日に和泉葛城山を登って以来、9年余りで関西百名山を達成したとのことだ。


一番苦労したのは、古光山、良い印象は御在所岳のアカヤシオだとのことだ。残念ながらビールを忘れ、Mさんの小缶を分け合う。宮川から勇壮な二人の女性が上がってきた。聞くとアカヤシオは咲いていなかったという。アカはシロに比べて早いようだ。ガスが出てきて寒いので名残惜しいが、戻ることとする。千石山の上り直前の右下には、唯一の水場と一張りほどだが、絶好の天幕地があるのを確認する。ここからの上りは時間にして15分だが、やはりきつかった。明神平までのガスに包まれたブナの森は幽玄という言葉がふさわしく、夢をみているような気分で歩いた。結局、ガスなのか小雨なのかは分からないが、それほど濡れることなく戻れた。明神平では、一瞬Iさんのテントしか見えず、飛ばされたかとどきりとしたが、思い起こせば、そうならないよう、Iさんのテントと紐で連結していたのであった
(^^ゞ。


早々にテントを片付けるが、雨をたっぷり含み、ごみ袋に収納して無理やりザックに詰め込む。下りとはいえ重くなったザックの肩の痛みに耐えつつ、すばらしかった登山を振り返る。久しぶりにやはた温泉に入り、紀ノ川左岸ルートで順調に帰る。


それにしても、花、森に恵まれたすばらしいルートで、敬愛するIさんの関西百名山達成とともに思い出に残る山行となった。

帰宅後届いたI夫妻の達成記念の俳句


明神の 霧より現る シロヤシオ  I夫人

松田村 魅かれて遂げし 百名山  Tさん

日がたつにつれ、風の音も含めて、しみじみと良さを感じる山行であった。



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