夕刻から会社の懇親会があることから、帰省せず、六甲山系を歩くことにする。前から気になっていたトゥエンティクロスを目指す。名前からすれば20回も渡渉することになるが、ガイドブックによるとそんなにないようだ。

摩耶山以来の三宮から新神戸駅、布引の滝、市が原のコースだ。三宮駅から新神戸駅に向かうと、わずか5800円で朝食付という新しいホテルがあり、価格 破壊のすさまじさを感じる。
新神戸駅ではガード下に出る道をとりそこね、駅の1階から下に下る。ガード下には大きく、布引の滝0.4km・市が原3.7kmの表示があった。すぐに雌滝だ。ここは大きなもみじがあり、紅葉の季節には滝と見事な景観となろう。
階段を上り進むと雄滝だ。日本の滝100選にも選ばれている。今日は流量も多く迫力がある。ここの釜は滝の大きさに比例して大きい。ただ、これらの滝の流量も布引ダムの放流期間だからこそだ。冬にはぐっと流量が減るのかもしれない。
その上のおんたき茶屋入り口には門があり、開門は6:00から20:00となっている。 その先で徳光院道と合流し、立派なトイレもある展望台に出る。何人かくつろいでいた。このルートは老若男女多数の方が行き来している。
さらに進むとダムがある。日本最古の動力式コンクリートダムとのことだ。高さ33.3m、長さ110.3mとある。貯水池の整備と補強工事が完了していた。ここからは平坦 な広い道が続く。この貯水池にはカワセミ、マガモ、ルリビタキ、オシドリなどがいると書いている。カワセミを見てみたいものだ。
一方、神戸市の水源地でもあるためか水道局の注意書きがやたら多い。貯水池の終わる辺りは、カジカの保護地域との標示があった。
更に進むと紅葉茶屋があり常連さんが集まっていた。その先のあけぼの茶屋は若夫婦がやっていて開店準備をしていた 。生ビールグラスは100円とのことで奥さんに声をかけられる。確かに心動かされる。ちなみに中ジョッキでも550円、おかず付のおにぎり弁当は400円で良心的だ。
この辺りの河原では多数のテントがあった。正式なキャンプ場なのだろうか。その先には 摩耶山分岐の標示と六甲全山縦走路の標示があった。前回はここから摩耶山に登った。
その先には新砂防ダムがあり、石の階段を上っていくと、右上に布引ハー ブ園が見えた。この辺りには、たくさん花が咲いていた。天狗道経由摩耶山と森林植物園の分岐を過ぎると、再び左下の河原でテント泊をしていた。キャンプ慣れした感のナチュラリストが多い。
地蔵谷経由摩耶山の分岐を過ぎると、モチつつじが多くなってきた。小鳥の鳴き声も盛んだ。
黒岩尾根分岐を過ぎると川沿いの道となり、ようやくトゥエンティクロスらしい道となった。渡渉するとヤブつばきの林の案内があり、詳細な解説もあった。
ようやく森林植物園の東門にたどりつく。ここで東門方向とは逆の徳川道に進む。分岐には「徳川道の飛び石渡 し」の解説がある。ここの分岐の標示は、摩耶山・石楠花山、徳川道・山陽自然歩道であった。
ここでトゥエンティクロスは終わるが、結局渡渉箇所は数箇所であった。ここからは広い歩きやすい道が続くが、左は植林だ。桜谷道分岐は美しい沢であった。地図でルートを確認する。
しばらくすると、きれいな石の道となったなぁと思うと、「徳川道石積み名残の石垣」という解説があり、説明によると石垣は長さ45m、高さ1.2mと書かれていた。ここから先は、もちつつじと違い朱色のやまつつじがあちこちに咲いていた。
一のぼりで平坦となり、うぐいすとバイクの音が交差する。ここは摩耶道の分岐で「すぐまや」との石碑があった。折角なので穂高湖に立ち寄る。遊歩道も整備された静かな湖(池?)であった。釣りをしている人がいたので聞くと、バス狙いで運がよければ、虹鱒も釣れるという。
元の分岐に戻り、車道に出る。いつか家族でと思い、確認するとカーブNo.9との表示があった。左に100mほど進むとトイレがあり、ここから長峰山への道とカス ケードバレーを通じて阪急六甲駅につながる。
カスケードバレーから団体がやってきた。長峰山ルートに進むとほどなく、左下にバーベキューの匂いとにぎやかな声が聞こえる。公営の自然の家があるようだ。長峰山へは一度下るので思ったより時間がかかった。
山頂は三角点もある岩石帯であった。何人か先行者もいた。360度見渡せるが、くっきりはしていないが、特に摩耶山は指呼の距離だ。発泡酒と巻き寿司で一息入れ、下ると火事跡なのか切り開かれ、植栽されていた。つつじがたくさん咲ききれいであった。
街中までは距離はあるが、学生の声がよく聞こえる。一気に下り、鉄塔のところを右に進むと早市街地であった。六甲学院の横を下り、長女との待ち合わせの阪急六甲駅に向かう。この辺りも、いい家が結構あった。
昔、T先輩がエリアマップのルートをしらみつぶしに歩かれたのが分かる気がする山歩きであった。六甲山系は、人が多いのが欠点だが、変化に富むいいコースが多い。
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