中八人山  1396m

 


データ】     

2001年6 月24日(日)曇り 歩行時間5時間40分
5:00自宅  5:07ローソン 5:40道の駅  6:10R168  6:38星のくに(80km)  6:54夢の湯(92km) 7:02旭口(98km)  7:24風屋ダム(113.3km) 7:26笹の滝分岐(114.3km) 奥里(120km)  7:41滝谷橋(121.3km)標高400m 

7:48スタート 7:56再スタート <30分> 8:33〜46アカマツの大木で休憩 <20分> 9:07右ガレ標高744m <35分> 9:46〜50分稜線倒木左折 標高1000m超  <20分> 10:12〜15トチの巨木 <5分> 10:20石仏山分岐 10:24〜34石仏山南峰  <35分>  11:10大塚の森 標高1250m <30分> 11:41〜48分岐迷う  <12分> 12:01宮の谷の頭 <12分> 12:14〜18西八人山分岐  <10分> 12:27〜40西八人山山頂 <10分> 12:50〜13:25中八人山山頂  <10分> 13:35〜40西八人山分岐 <20分>  14:00王子製紙標識  <20分> 14:20ヤブ終了 <20分> 14:41石仏山分岐 <3分> 14:44〜46トチの巨木  <10分> 14:56ヤブ脱出 <3分> 14:59倒木分岐 <20分> 15:22右ガレ <5分> 15:28ワイヤー大木 <4分> 15:32樹林帯 <25分> 16:00ゴール

16:05出発 16:15〜35笹の滝 16:56R168  17:07〜40湯泉地温泉 18:41星のくに 19:05R24 19:23〜20:05夕食 20:27道の駅 <給油> 21:20自宅

駐車場
   滝谷橋道沿い空き地(5台程度)

温泉】 
   湯泉地温泉泉湯(400円)


メンバー
   M君
   


若いM君といっしょなので、彼とぐらいしか行けそうもない(行ってくれそうもない?)中八人山を目指すこととする。中八人山は、山と渓谷社のアルペンガイドを読むと、やぶが続き、眺望も良くない玄人好みの山と書いている。何故、近畿百名山に選ばれたのか不思議である。梅雨真っ只中であるが、日曜日は、雨はないとのなので、前夜、予定通り出かけることを確認しあう。コースタイムも長いので、朝5時に出発する。お父さんから譲り受けたというM君の車は、まだ2年しか乗っていないというシビックで快適である。ローソンで昼食用に冷やし中華を買い、出発。車も少なく快適に走る。R24は、私が運転し、時間を短縮。運転初心者のM君は、R168で、練習を兼ね、走ってもらう。新宮川は、連日の雨で濁り、水流が多い。猿谷ダムや風屋ダム手前の貯水池は、真茶色で流木だらけだ。R168も改良工事が進んでおり、対岸にトンネルと橋をかけ、直線化、短縮化するなど思い切った方法で進んでいる。

しかし、通行量からすると、費用対効果はどうかなーなどと、話しながら進む。風屋を過ぎると、左手に大きな笹の滝の看板があり、12kmの案内があり、左折する。支流は水か澄んでいて、いくつかの部落がある。5kmほど笹の滝に向かい進むと、奥里のバス停があり、左に橋がかかり、奥里の集落へと続いていたが、念のため地図で確認後、渡らずに笹の滝方面に向かう。1kmぐらい走り、数回似たような小さな石の橋を渡ると、滝谷橋であった。それぞれ橋には、名前がはっきり書かれているので、すぐ確認できた。左手にダートだが、駐車スペースが数台分あり、車を止め、取り付き点を確認すると、笹の滝に向かって右手の橋の袂に赤テープがあり、アルペンガイドに載っていた奈良県の保安林の黄色の標識にもテープがある。

草で埋没しそうな箇所を登る。少し登ったところで、朝食のサンドウイッチと昼食を後部座席に忘れたことに気づき、戻る。15分ほどのロスだが、早めに気づきよかった。前に一度、和泉葛城山に登ったとき、頂上まで気づかなかったことがあったが、2度もするとは情けない話である。M君に詫び、再度出発。自然林の道は、急登の連続で、汗が噴出す。10分ほど登ると、アルペンガイドでは二方向だが、左右前方三方向に分かれる道があり、M君が間違って右手に行ってしまったが、よく見ると前方の上りに赤テープがあり、私が気づき事なきを得る。それにしても急登で、立ち休憩を繰り返し、ガイドにある松の大木の天竺山が見える所で休憩をとる。カメラを向けるが湿気で曇り機能しない。曇り空で風もなく、大量の汗に水を飲む量が増える。休憩で少し息を吹き返し、たくさんのモンキチョウを見て、更に登ると、低い潅木と伐採のある見晴らしの良い所に出る。左手、後方の山がよく見え、前方に目指す峰が見えるが、テープも少なく、踏み跡程度でルートファインディングに苦労する。テープはところどころ低木の枝にあるが、見失うことも多く、結論として前方に見えるワイヤーロープの張られた、枯れた大木を目指して進むしかない。

更に尾根沿いに進むとガイドに載っていた右にガレ場のある箇所となるが、更に崩壊しており、危険なので、左手の藪の中にトラバースする。元に戻ると、前方の目指す峰に道は続く。植林帯、自然林、植林帯と続くが、伐採から樹林帯に入ると、テープが豊富だが、急登と汗で、気力も萎えてくる。途中、オオミズアオ(帰ってから蝶博士の上原君に聞いて名前がわかった)という真っ白な大きな蛾がいた。ようやく稜線に出ると、倒木の大木があり、休みながらどちらに行くのかとテープを確認すると、左手に黄色のテープがあり、続いていた。

ここからは、自然林だが、スズ竹のブッシュが続き、切れて自然林の美しい林を登ると、トチの巨木があった。ガイド通り、枝を広げ、すばらしい木で、周りをまるで敷き詰めたような苔むした石で覆われているのも良い。休憩し、急登を喘ぎながら登ると、石仏山の由来となった、巨石があり、ほどなく、石仏山の南峰と中八人山への分岐である石仏山北峰であった。奈良岳志会の案内があり、よく分かり助かる。プレートは新しいと思われたが、意外と古く91年のものであった。デポせず、南峰に向かい笹薮の中を下り、登り返すと、5分ほどで、石仏山で、おなじみのフクロウマークの紀州わらじ会の立て札があった。樹木に囲まれ、展望はなかったが、一つ成し遂げた満足感があった。例によって、たらみのみかんゼリーを食べ元気をつける。

一瞬、ここで引き返そうかと考えたが、M君は、行く気満々なので、私も頑張ることとする。分岐からは、30分ばかり、すばらしい自然林で歓声をあげたくなるほどであった。特にぶなの幼木が多い箇所があり、美しかった。右手には、西八人山への稜線と奥八人山が見えた。しかし、大塚の森を過ぎる辺りから、事前情報よりひどいスズ竹の藪が待っていた。ところどころ広くなったところは、テープがあり、迷うところはなかったが、踏み跡の薄いところもあり、文字通り藪こぎであった。王子製紙の火の用心のプレートを見て間もなく、藪の中の分岐があり、左手の木に赤テープがあり、行くがしゃくなげの藪へと道は消えていた。ネット情報やガイドを見ても適当にと書いていて合点がいかないので、強引に行こうというM君をなだめ、元の分岐に戻り、テープの着いていない方を下ると、正解で、ほどなく赤テープがあった。

深い藪の下りを慎重に進むと、ようやく宮の谷の頭となり、咲き殻のたくさん残るしゃくなげの大木のある所に出たので、ようやく藪こぎも終わりかと思ったのも束の間、また、藪の中である。ヒルも多く、苦労する。合計1時間以上藪こぎだったことになる。汗と泥でどろどろである。後で分かった西八人山との分岐に出る。前方にも道はあるものの、左に赤テープがあったので、下るが、ほどなく、植林帯のようなところに出て、テープも見当たらないし、上部だけ自然林の山でイメージと違うことから中八人山ではないと思い、元の分岐に戻る。前方の踏み跡をたどると、テープがたくさんあるので、正解だと思ったが、結局行き止まり、後で考えると、西八人山の頂上であった。西八人山の更に奥に向かうと右手の谷筋は、美しく、風も心地よく、M君が食事にしようと言うが、我慢して正面に見える左手が中八人、右が南八人山(そのときは奥八人と思っていた)だと確信し、再度分岐まで戻り、先ほど引き返した道を再度歩む。それにしても何回か地図と磁石で確認するも読図力不足とやはり2万5千分の一の地図でないためかこのようなことになるとは、はなはだ情けない。

再度植林帯のように見えるところまで下り、左手の針葉樹のそま道を行くと、テープが多くなり、左手に登ると、またも藪。我慢して登るとそれが中八人山の頂上でたくさんのプレートに三角点、更にふくろうマークの紀州わらじ会の立て札があった。ようやくたどり着けたという安堵で、ほっとする。ビールで乾杯し、ようやく昼食をとる。情報通り、展望もなく、虫も多いが、達成できた満足感が上回る。帰りも遠いし、南八人山へ行く元気と時間は毛頭なく、滞在もほどほどにし、下山する。トイレのため、少し遅れて下りたM君は、間違って下りすぎたようで、西八人山への上りで植林帯から抜ける地点で大声で呼ぶ。西八人山への分岐まで戻る、植林帯を抜け藪に入る部分には、目印がないので、中八人山へ向かうとき、確認しておく必要がある。下りは、道も分かり、藪こぎ要領も分かっているので、快調に進む。しかし長時間の藪こぎは、うんざりで、ようやく抜け出し、自然林を出たとき、ほっとし、歓声を上げた。


しかし1000mからの下山は、急で神経を使う。特に低木の伐採地帯は、分かりにくい。こつは、ワイヤーの張った枯れ大木を目指し、下山方向右稜線上に歩きやすいルートがある。迷いながらもどうにか700m地点の赤松の大木に着き、ほっとする。しかし、そこからも、急で、気をつけていたものの私もM君も滑り、しりもちをつく。沢音が大きくなり、滝谷橋に着いたのは、16時であった。全身汗と泥だらけで汚く、臭い。こんなにぼろぼろになったのは、はじめてだ。

折角なので、日本名ばく100選に選ばれている笹の滝に向かう。6kmほど、細いが舗装された道を走ると、左手はるか上に、滝が見えるがそれではないようだ。5台くらい止めれる駐車場に止め、少し歩くとトイレがあり、その先に笹の滝へのゲートがあった。見学のアベックもいた。自然を利用したルートを巨石等くぐりぬけながら進むと5分ほどで、滝の前に出た。水量も多く、豪快である。滝壷が巨石で見えないのだけが残念だ。更に、花崗岩の岩盤を流れる薄いエメラルドグリーンの水が美しい。家族で来たいところだ。手や顔も洗うと、すっきりし、目指すは、温泉である。帰宅方向とは逆になるが、はじめての湯泉地温泉の泉湯に向かう。

川の見える露天風呂があり、新しく、予想以上にすばらしい。特に内湯は硫黄の臭いがぷーんとして温泉らしい。400円と良心的なだけに、石鹸やシャンプー、シャワーはない。番台の奥さんからどこに行ったか等質問を受け、話すが、地元の人でも、「中八人山」の名は知らなかった。M君は、運転に慣れ、順調に帰路の道を走る。途中、M君は寮の食事がないので、ファミレスで食事をし、21時20分帰宅する。余りに汚れていて洗濯が大変だった。


全体の感想としては、達成感と滝と温泉で大満足だが、もう一度登るかと言われたら、NOであろうという数少ない山になるかもしれない。


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