民宿を出るころは曇だったが、那須に近づく頃には、ガスで前も見えず、雨も強かった。がっくりしながら走り、那須IC近くのコンビ二に立ち寄り、登山口に向かうと高曇りとなった。登山口に向かうと、ロープーウェーが動き出している。係員に聞くとガイドブック情報の9時始発と違い、7時半始発でその試運転だという。紅葉の季節だからだろう。これであっさり徒歩登山がロープーウェーとなった。駐車場に止め、お湯を沸かし朝食とする。民宿のお弁当は本当にうまかった。
トイレを済ませ、7時54分発に乗る。今は12分間隔だ。何と100人以上乗れるという。ほぼ満員状態であった。乗客は紅葉の美しさに歓声を上げている。茶臼岳までの道はザレテ急であった。ゆっくり上る。峰の茶屋からの道が合流すると、ほどなく茶臼岳山頂であった。右には火口跡がある。逆の切れ落ちた側からは、盛んに噴煙が上がっている。三倉山から土倉山への稜線が魅力的だ。火口跡をぐるっと一回りし、朝日岳や三本槍岳の勇姿も撮り、峰の茶屋に向かい下る。
峰の茶屋は、営業小屋ではないが、美しい小屋であった。有名な風の通り道だが、それほどではなかった。ただ、案内図によると、三本槍まで遠いので、I氏は、自分は朝日岳までにするという。朝日岳までは巻き道風に進んだ後、鎖場の急登である。外人さんは半ズボンで元気だが、最後に ころんで苦笑いしていた。
朝日岳への分岐からは5分ほどで山頂だ。最後は直登と左から巻くように登るルートがある。前の人についていくと、左からのルートであった。展望はよく、特に茶臼岳の全貌が望める。しかしながら、三倉や土倉にガスがかかりだし、ぽつりぽつりと来出した。I夫妻は、早レインウエアに身を包んでいる。しかしながら、ここまで天気とともに、展望も利いたことで良しとしなければならないであろう。
急ぎ足で、三本槍に向かう。2つのピークを越え、清水平に下る。帰りの登り返しの苦労が思いやられる。天気のため先を急いだので、三斗温泉小屋への分岐は確認できなかった。清水平までは、まだ、三本槍のガスが切れることはあったが、木道が終わる頃には、雨も本格的に降り出した。2人連れの女性から朝日岳をバックに写真を求められたが、すぐに朝日もガスで隠れた。北温泉への分岐を通過し急ぐと足場が悪い上に、ハイマツ帯の道が深く掘れ込み傘では歩きにくい。下山者は多いが、今から向かおうとする人は我々ぐらいのものだ。
ここかと思ったところはピークでなく、少し下り、だらだら登り返したところがようやくピークであった。一等三角点だけに、さぞ見晴らしがいいのであろうが、今日はだめで、写真におさめ早々に戻る。I夫妻とMさんは、途中から戻ったことも考えられたが、雨足の強い中、元気に登ってこられ 。峰の茶屋で待っていることを告げ、急ぐ。風か強く1900m峰では、傘では苦労したが、レインウエ アを着るのも難しいので、朝日岳手前のピークの巻き道で、先行者とともに、ウエアを着る。これが正解で、朝日からの下りの鎖場は25名もの団体で待たされる。岩崎氏が団体は10名以下で6分程度の間隔を空けるべきと言っていたが、その通りだと思う。
巻き道に入ってようやく抜かさせてもらう。峰の茶屋は満室でかろうじて一人のスペースがあったので、簡単に腹ごしらえをしてI夫妻とM氏の到着を待つ。到着後、ほどなく、駆け下りるように下る。県営駐車場からも、整備されたショートカットの道があり、短時間でロープーウェーの乗り場についた。雨足が強くなってきたので、ここで荷物の整理をする。
温泉は当初「鹿の湯」を考えていたが、時間もなく、探すのが大変なので、休暇村那須にした。玄関を使わせてもらい、自宅に送る荷物の整理等をする。それにしても大変な風雨だ。ゆっくり温泉に入りたかったが、早々に新白河駅に向かう。有料道路経由だと速かった。I夫妻とMさんは新幹線で、私は快速でのんびり東京に向かう。東北本線は宇都宮まで各停でそこから快速となった。赤羽で弟夫妻と食事をし楽しいひとときを過ごした後、新宿のホテルに向かった。
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