三十三間山・野坂岳 842.3m、913.5m

 


データ】     

2002年4月13日(土)  晴れ後曇時々雨 歩行時間2時間35分+2時間39分
:40自宅 5:10T氏宅 5:40阪神高速湾岸泉佐野IC 6:10名神豊中IC吹田IC 桂川PA 6:45京都東IC 7:50R303 8:00R27 8:08倉見バス停 8:10登山口(自宅より200km) 

8:20スタート 花を撮影しながら <32分> 8:52〜55最後の水場 <20分> 9:15「とょっといっぷくしませんか」の標識 <10分> 9:27中間点の標識 <13分> 9:40山頂まで1kmの標識 <10分> 9:50風神、山頂まで700mの標識 <9:52〜10:05休憩 <15分> 10:20〜40三十三間山山頂 <10分> 10:50風神 <12分> 11:02中間点 <16分> 11:18最後の水場 <17分> 11:35ゴール   

11:35〜12:26昼食 12:26出発 12:57野坂岳登山口(三十三間山登山口から26.5km)

13:05スタート <29分> 13:34水場 <19分> 13:55山頂まで2kmの標識 <13分> 14:08行者岩 <2分> 14:10〜13休憩 <5分> 14:18一の岳 <20分> 14:38二の岳 <10分> 14:48三の岳 <6分> 14:54〜15:08避難小屋・野坂岳山頂 <22分> 15:30一の岳 <18分> 15:48水場 <15分> 16:03ゴール 

16:20出発 16:41敦賀IC 17:15〜25多賀IC 19:50T氏宅 20:15自宅

駐車場
  登山口駐車場無料、多数)

メンバー
   T夫妻、Mさん
   


先週は体調を崩し、行けず、来週も所用で行けないので、今週は是非とも念願の遠征で、福井の三十三間山を目指すことにしていたが、何故か朝の天気予報では福井県の嶺南地方のみ午後の降水確率が50%以上もあり雷雨とのこと。M氏は行き先変更を希望していたが、T氏は行こうと言うので予定通りとする。高速代節約との事で阪神高速湾岸線を堺で乗り継ぎ、阪神高速から名神豊中に入る。桂川Pで休み、京都東ICから湖西道路に入ったが、まちがって一度一般国道に出てしまう。朝早いのでそれでも早いかなとしばらく走るが、信号の連動が極めて悪く高速を走らすように設定されているのではと言いながら、湖西道路に戻る。

真野ICで下り、R477からR367を北上する(道沿いの山桜は満開で美しかった)と、R303(道沿いのハクモクレンが美しかった)に突き当たる。右折しまたR27に突き当り、右折し倉見に向かう。車の中でHPにあまり紹介されていない三重嶽を是非登り、貢献しようとTさんの奥さんが言い、うなづいていたが、どちらからかとなると天候の良いうちに展望の良い山をということで意見が一致し、三十三間山を目指す。

R27沿い右手の倉見のバス停横に案内板もあり、そこが登山口への入り口であったが、通り過ぎてしまった直後、T夫人が見つけて事なきを得る。細い民家の間の道を数分で登山口となった。真新しい看板と美しいトイレ。舗装された第一・第二駐車場は区画もされ20台以上止められる。2台既に止まっていたが、後で分かったがわさび採りの車であった。山頂まで標高差700m、距離4km弱だ。

 

幅広い林道を歩くとここかしこに春の花が咲いている。たんぽぽやすみれに加えてたくさんの花が咲いている。田中澄江先生はなくなられたが、われらが花博士T夫人の教えでたくさんの花の名を覚える。まずはカキドオシ。一見すみれに似ているが葉は全く違い、つる状である。和名は垣根を通り抜けるぐらい生育旺盛なことからと成美堂出版の日本の山野草に書かれていた。次にヤマエンゴサク。エンゴサクは漢方薬名だそうだ。形はラッパ状の筒型。色が淡いバイオレットでかわいい。更にムラサキケマン。色の違うミヤマキケマンも咲いていた。黄色のキンポウゲ科の背丈の高い花はウマノアシガタというようだ。植林帯に入ると、美しいイカリソウ。淡い色や濃いもの微妙に違うが美しい花だ。この花は特に気に入った。更にニリンソウ。何ともいえない上品なイチリンソウ。沢沿いにはツバキの大木が多くたくさんの赤い花をつけている

。前から大きな袋を二つ持ったご夫婦が来られたので聞くと、わさびだという。白い花が咲き根はほとんどない。湯に通ししょうゆで食べると酒の肴にもってこいとのことだ。フキノトウはすでに天ぷらにはできない大きさだ。沢は美しく二段の小さな滝もあり美しい。植林もさすが三十三間堂の木を切り出したとあってよく手入れされている。林道の登りがきつくなるところは分岐で標識に山頂まで3kmと書かれていた。

 

傍らに咲く地味な花はネコノメソウとI夫人が教えてくれた。確かにネコノメに似ている。ミヤマカタバミも白く上品だ。最後の水場にはコップが置かれていたので、飲んでみる。美味い。木の橋があるが歩いて渉れる深さだ。ここから山頂まで2.4kmの標識があった。ここからは急登だった。自然林に入ると日当たりの良い場所(標高360m)にイワカガミが房咲きしていた。何故かここだけでそれにしてもこの季節にこの場所でとびっくりした。アカマツの木が多い。展望が良い箇所に出ると、「ちょっといっぷくしませんか」という十村(とむら)岳人会のプレートがあった。木いちごの白い花が咲いていた。


美しい自然林を行くと「中間点」と書かれた標識があり、ユキザサの群落が合った。T夫人がエンレイソウを見つけたが、まだ蕾だ。山頂まで1km(標高630m)の標識を過ぎ、「風神」と書かれた真新しい標識のところからは山頂まで700m。しかしこの間の300mは長く感じた。少しで待望の見晴らしの良い笹の稜線に出た。まだ青空が広がっている。切開きで休憩とし、八朔を食べる。山頂まではわずかで本当に美しい稜線だ。東には三重嶽が見える。写真におさめ、楽しみながら山頂を目指す。


少し背丈の高くなった笹薮が潅木に変わり、ほどなく山頂であった。T夫人が左手にカタクリの咲いているのを見つけ、感激して写真に撮る。この季節に出会えるとは。山頂で発泡酒(キリンの極生は美味かった。T氏は「生極 なまきわみ」の名の方が良いのではと言っていたが賛成)で乾杯した後、T夫人がやぶの中に大きなカタクリの花を見つける。花も葉も色も良い。私はM氏にレンズ交換までしてもらっていっしょうけんめい写真におさめる。周囲を探すと計4つ咲いていたが、蕾も3つ見つけた。しかしロープで保護しないと咲いていないものは踏まれそうだ。思いのほかのカタクリの出会いに感謝し、放棄されていたビールの空き缶を持ち帰る。


にわかに曇ってきたので、急いで下ると4組の人たちに会う。カタクリの花の場所を教えてあげると皆元気よく登っていかれた。水場近くで出会ったワサビ採りの人が少ないと嘆いていたので、朝早くたくさん採っていったご夫婦がいたことを教えてあげる。55分で下りおり、駐車場でゴールデンリトリバーを連れた人がいたので、「いち」を思い出し、今日散歩に行けなかったことを詫びなでてやる。

 

T氏が昼食の用意をはじめるとぽつぽつと雨が振りだす。カエルの鳴き声が一層大きく聞こえる。再度発泡酒(キリンの極生に加えアサヒとサッポロ。どれも美味い)で乾杯していると、遅れていたM氏とT夫人が10分遅れで到着。T氏のつくってくれた卵とじかき揚げ天ぷらうどんは美味かった。雨が強くなったが、ここで帰るのはもったいない。南の皆子山も考えたが、結構時間がかかる。雨もほとんどやみかけたので、避難小屋もある野坂岳とする。R27を三方五湖沿いに走り、「野坂いこいの森、少年自然の家」の標識を見つけ、案内に従い走る。細い道だが案内があり迷わない。キャンプ場を過ぎ、ガイドブック通り、トイレもある駐車場に着く。ここも2段で20台ぐらい止められそうだ。桜はもうほとんど終わっている。

 

 急いで準備をすると登山口の案内図には山頂まで2時間30分の表示。腰が引けるが、2時間はかからないとみて出発する。標高差700m、距離4kmということで三十三間山と同じ程度であろう。植林帯の中にはイカリソウの大群落。ミヤマキケマン。ニリンソウ、イチリンソウ、何よりヤマエンゴサクノ群落がすごい。つくしも2本見つける。下りてきたグループに山頂に泊まるのかと聞かれ、2山めで日帰りだと言うと驚かれたが、晴れて来ていたのでもう降らないでしょうと励まされる。側溝に産み付けられた蛙の卵に驚愕しつつ広い道を登るトチノ木地蔵と呼ばれる水場で喉を潤す。コップが置かれていて、山頂の避難小屋で宿泊予定の3人の若者に会う。


標高500mとなると雪が残っているが、エンレイソウが一輪咲いてい
た。山頂まで2kmの標識を過ぎると、行者岩の標識とともに特徴ある岩が見える。帰ってガイドブックを見ると登ることができ、敦賀市内が見渡せると書かれていた。芽吹き始めて木々はきれいだが、道のここかしこが掘られている。山芋をとったのであろうか。それにしてもこれを繰り返すと道が崩れていきそうで心配だ。椅子風の石が並ぶ広場からは前方に大きな山が見える。岩篭山であろうか。更に進むと一の岳でトイレと書かれていたが、トタンで囲まれただけだ。


うぐいすの鳴く中、二の岳や三の岳は残雪が多い。美しい自然林の中、残雪に滑るのを気をつけて進むと、目指す山頂にはガスがかかり、ぽつぽつ降り始める。山頂だと思ったのは三の岳で、そこからはショウジョウバカマがたくさん咲き、群落もあったが、雨で滑りやすい道に神経を使う。しかしここまで大変広い登りやすい道だった。もうそろそろと思うと避難小屋で中に入ると男性4人、女性1人の学生が休んでいた。まだ新しい小屋で銀マットもあり、石油ストーブも置かれていた。小屋の中に野坂権現も祀られていた。ここでも2山と和歌山から来たことに驚かれる。いよかんを食べた後、山頂に向かうと20mもなかった。展望図もあるが、ガスで見
えない。ここにもカタクリが一輪咲いていた。寒いので写真を撮ると早々に下る。ショートカットもし、水場での休憩も含め55分ほどで下りおりたが、学生は何と上り1時間、下り30分少々と聞き、あきれる。

 

 高速を走り、お腹が空いたので、多賀のSAのロッテリアでハンバガーセットを食べる。一日二山は腹も減るのだ。T氏は10年振りでおいしかったが、胸やけがすると苦しんでいた。M氏の一山1500円(@ガソリン1000円、高速代2000円)の言葉に表れているようにコストパフォーマンスの高いいい趣味だと納得し帰り着く。今日は特に春の山野草を思い切り楽しんだ。これで近畿百名山、関西百名山53座となった。

 


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