三連休のまん中に三重県の津で全日本合唱コンクールがあり、出かける必要があったが、当社の混声合唱団の出演から審査結果の発表まで半日もあることから、車で出かけ、入道ケ岳にチャレンジすることとする。
三連休の初日は冬型で寒く風も強かったが、二日目は晴れとの予報だ。西名阪・名阪国道も順調で、五月橋Pで、モーニングコーヒー(という名の缶コーヒー)を飲んで一息ついた後、中瀬ICから伊勢街道を走る。川沿いで田舎の風情があるいい道であった。気温は低く6度を示していた。信号もないのですこぶる早く、津駅には電車で行くより早く着いた。全日本合唱コンクールの会場の三重県総合文化センターは建って9年のとのことだが、すばらしい施設であった。職場の部を最初から聞き、当社の合唱は実力通りベストに聴こえたが、素人の私が評価しても何の値打ちもない。上司を津駅まで送った後、入道ケ岳に向かう。登頂すれば鈴鹿セブンマウンテン(藤原岳、竜ケ岳、釈迦ケ岳、御在所岳、雨乞岳、鎌ケ岳、入道ケ岳)完登となる。
地図を見ると伊勢自動車道を使わずとも、県道10号から関ICに乗り、鈴鹿ICまで行けば早そうだ。鈴鹿ICから登山口の椿大神社に向かう途中、全国3位と言われる伊勢茶の畑を前にした入道ケ岳を撮影する。右横には鎌ケ岳が見える。椿大神社は大変な人と車だ。ネット情報通り、更に奥のキャンプ場を目指すと河原の駐車場があり何台か止まっていた。左の河原でなく(20台ぐらいは止められそうだ)、右のトイレ前に止める。右も4台程度ならOKだ。用意を始めると、もう一台やってきた。お互いこれからですかと驚く。最短の井戸谷コースを歩かれる上、中日新聞等の登 山のガイドをされているとのことで心強い(Mさんとおっしゃる)。Mさんは午前中まで会社の慰安旅行、私は間隙をぬってのものだけに「お互いすきものだなぁ」という思いだ。
井戸沢コースは林道を道なりに、二本松コースは左手の河原のPの奥から取り付く。林道を進むとやまかがしが横切る。この季節でも蛇がいるとは。左手に涸れ沢を横切り、植林帯を登る。井戸沢コースのポイント3を過ぎると右は自然林で沢がある。沢沿いの急登を進む。小滝や自然林が美しい。下山者も多い。ほどなく避難小屋に着く。4.5畳ぐらいで腰掛けスペースがあるだけだが、まだ新しい。まだ30分しか経っていないので休むことなく進むと、岩でスリップし、思い切りこける。右手のひら、両膝下に擦り傷を負う。とりあえず手のひらを水で洗う。後から来たMさんが心配そうにバンドエイドをくださる。それにしても勢いよくこけたものだ。捻挫等しなかったのが救いだ。
時間とともに感じる痛みに「けがとはこんな感じだったなぁ」などという気持ちになれるだけましとする。美しい自然林も救いだ。ほどなく背丈の低い笹原となり、振り返ると大展望で、知多半島も見える。Mさんの話だとここまで見えるのは 珍しいとのことだ。しかし急登で息も上がりペースが落ちる。ようやく北の頭に着き、途中教えていただいたMさんのアドバイス通り、鎌ケ岳の展望のいい右手の北の頭に行く。Mさんが先に着かれていた。それにしても何と言うすばらしい展望だろう。Mさんに御礼の意味で和歌山みかんをプレゼントし、山座同定につきあっていただく。私がよく知っていたので驚いておられた。
Mさんにとってもこれほど展望に恵まれた日の経験はめずらしいとのことだった。名古屋駅のツインタワービルの奥には木曽御岳も見えた(最初恵那山という人もあったが)。 釈迦ケ岳、御在所岳はロープーウェーもはっきり見える。そして鎌ケ岳、雨乞岳、水沢岳、仙ガ岳、野登山、眼前に入道ケ岳だ。ただ釈迦の横の雪山が分からないのがもどかしい。至福の時を過ごしながら、HP「囲炉裏」の話や鈴鹿の山の魅力などを話す。最後にはMさんの先輩作の手作りのレスキュー笛もいただく。宝物となりそうだ。
私の下山時刻を気にしたMさんから促されるように入道ケ岳の山頂を目指す。大きな鳥居が健在であった。ここからは特に海側の展望がいい。 山側は北の頭が優れる。二本松コースは最初は急でロープの頼りも必要であったが、さほどかからずに避難小屋を過ぎ、滝ガ谷分岐への分岐も思ったより早かった。ここからは植林帯だった。何と15:03に手ぶらで二人が上ってきてびっくりしたが、歩きなれていたら日没までに往復は可能かもしれない。二本松コースポイント3には3人休んでいた。ここで沢に出会う。ポイント2は分岐路で逆に登ると迷うだろう(ポイント表示の位置を変えるようネットには書かれていた)。逆の上りからはT字路となり、左上の小道が正解だが、どうしても右または左の幅広の林道に行ってしまうのではないか。テープの位置も明確ではない。現に間違って井戸谷コースに行ってしまったというネット情報もあった。二本松コースのポイント1は河原の駐車場入り口だ。車は計5台。私と同時に2台帰ったので、残りはMさんと二人連れのみであった。
これで近畿百名山は77座となった。すばらしい山行であった。途中ガソリンを補給し、県道10号からホテルに早く着く。風呂に入り審査発表に向かう(きずが痛い(^_^;))。当社の日本一を喜ぶと共に枝幸ジュニア合唱団の先生への感謝の言葉と舞台で感激で涙を流す先生の姿に心が洗われる(我が娘もかく純真なら)。祝勝会も盛り上がり、けが以外はいい一日となった。
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