ホテル御前水は JALのフライトオプションでとったので、わすが7000円。湖沿いの部屋で予想通り、夕食はバイキングでなく、にんまりである。温泉ですっきりした後、夕食とした。7000円としては、量、味ともに文句のつけようがない。生ビールとIさんが頼んだ自分と同じ名の町の十勝ワインの酔いに幌尻岳登頂を果たせた喜びが加わる。今回は、計画段階から苦労しただけに開放感も大きい。

<登山口付近の阿寒湖から雄阿寒岳> <太郎湖>
Iさんは部屋に戻ってからもウイスキーをやっていたが、私はすぐに眠ってしまったようだ。2時頃、Iさんの鼾に目覚め、秘密兵器の耳栓を使うが、私も寝入り時相当だったようで、鼾の競演となる。少し前までは鼾なんてかかなかったのになぁ(^^ゞ。
そんなわけで、朝も皆早く起き、朝風呂に入る。朝食も予定より早くバイキングが開始され、メニューも合格点はあげられるレベルであった。サービスのモーニングコーヒーで落ち着いているうちに、何と湖のガスも晴れ出す。登山口に向かう頃には快晴で雄阿寒岳の雄姿が見れた。登山口は大きな標識があり、すぐ分かる。日本百名山では、「阿寒岳」となっており、雄阿寒、雌阿寒、阿寒富士の総称とのことだが、最高峰の雌阿寒に登る人は多い。しかし、深田久弥と同じく、今回は本年の雌阿寒の小噴火で登山禁止のため、雄阿寒岳に登るしかない。雄阿寒の方がきつい登りとのことだ。
 
<五合目を過ぎ前衛の八合目を望む> <阿寒湖の左奥が雌阿寒岳と阿寒富士>
滝口バス停登山口に2箇所ある駐車場は、20台近く止められるが、早くも満車で、我々は、道路付近のわずかなスペースに止めることができた。小さいな車でよかった。その後の組めまは国道の路肩上の草地に止めていた。
歩き始めるとすぐに阿寒湖で、奥に雄阿寒岳が望める。平坦な道を進むと美しい水をたたえる太郎湖であった。ほとりにハクサンシャクナゲであろうか。淡いピンクの花がいくつも咲き、蕾も多かった。
さらに進むと左下に次郎湖が見えたが、藻で水は太郎湖と違い、よどんでいた。ここを右折し登る。トドマツ、エゾマツ、ブナの混合林が美しい。日高山脈と違い、合目表示があり、残距離表示も残5000mから500m毎に残2500mまであった。
このコースは、当初は急登がずっとは続かなかったが、4合目と5合目の間が半端でなかった。そのため、四合目の標識には、「半分以上クリアしました。ここから五合目迄がガマン所」、五合目の標識には、「ここまで来たら8割クリア。自然をゆっくり楽しもう」と書かれている。登るにつれて所々、阿寒湖や雌阿寒・阿寒富士が見えるのだけが救いだ。Mさんがお供してくれるので有り難い。ただ、この日のMさんは、尋常でない「ハイブリット」を繰り返すので、 後ろは歩かないようにした(^^ゞ

<八合目へのがれ場の上りから> <ハクサンチドリが多かった>
ようやくたどり着いた五合目は山頂まで残す標高差は、わずか200m。ダケカンバの低木により阿寒湖は見えないが雌阿寒はよく見える。下山者は山頂からは斜里岳もよく見えたので1時間半もいたと言う。五合目からは、少し下り気味に進んだ後、左側に巻き、ゆるやかに上る。花は多くなかったが、途中、ハクサンチドリは多かった。
気象観測所跡地のある八合目への上りから振り返ると阿寒湖と雌阿寒・阿寒富士の絶景が広がる。天候に恵まれたことに感謝する。八合目が山頂かと思うが、山頂は火口跡と思われるところへハイマツ帯を2回のUP・DOWNした後、上り返す。Iさんは20分前に到着したとのことだ。
 
<山頂からペンケトーとパンケトー 奥は斜里岳> <八合目から火口跡をはさんで左に山頂>
話を聞いていると、ここの山は昨日、斜里・一昨日に羅臼を登った人が多い。昨日の斜里はガス。一昨日の羅臼は晴れていたが、立てないぐらいの強風だったとのことだ。山頂からは斜里岳が美しく見え、眼下には、大きなペンケトーと小さなパンケトーが青い湖面をたたえていた。
三角点にタッチし、記念撮影をする。ここからは、八合目が邪魔をして雌阿寒岳は見えない。さぁ、後は下るのみだ。相当飛ばし、先行者を多数追い抜いたが(Mさんの年齢が67歳であることを知り、その足取りの軽さに皆、驚いていた)、登山口到着はさほど早くなかった。私は、鮎足袋が少し大きめで、親指と人差し指の間に豆ができていたので、傷みもこらえつつであった。

<雄阿寒岳山頂にて> <山頂から斜里岳>
下山後は、ホテルが推奨していた「仙客」という中華料理店でカントンメンを食べる。期待通り美味かった。温泉はまりも湯とせず、雌阿寒温泉の野中温泉別館に向かう。噴煙を上げる雌阿寒岳の雄姿が眼前に迫り、Iさんが盛んに登りたいと言う。確かに登行意欲をそそられる。
温泉直前の雌阿寒岳登山口はロープで何重にも閉鎖され、標識がかかっていた。温泉は期待通りの風情で、硫黄による腐食を避けるための釘を使わない木の内湯、水車小屋を横に持つ広い露天風呂も出色であった。もとより源泉かけ流しで、洗い場もない。露天風呂に入ると風が心地よくいつまでもつかっていたかった。湯の花も多く、非加熱・非加水・かけ流しはすばらしい。Mさんも同感とのことであった。廊下には岩崎元郎や山内賢他多数の有名人の色紙が飾られていた。
R240号で女満別空港までは約60km。信号のない北海道では、1時間だ。ガソリンスタンドが空港近くになかったが、レンタカー営業所で給油可能な上に140円/gと北海道では安い方であった。3日間の走行距離は498km。もともと燃費がよい車で信号もない道だったので、燃費は18.6kmだった。
飛行機の到着が遅れ、離陸が予定より30分程度遅れた。その間、Mさんからビールの差し入れ、Iさんからウイスキーの水割りの差し入れをいただく。気の許しあえる最高のメンバーで楽しく、予定通りの計画をすべてこなした満足感で、至福のときを過ごす。
MD81の飛行機(163人乗り)は満席で、飛行機からは、斜里岳だけでなく、雄阿寒岳・雌阿寒岳もよく見え、感慨深かった。日高の山々も見えたが、山座同定できなかった。関空行きの北海道便は、岡山まで行って戻ってくるのは解せないが、離陸の遅れ分だけ、遅れて関空に着いた。蓬莱の豚まんを買い込み、尼崎行きのバスに乗り込む。
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