大朝日岳 1870m

 


データ】     

2003年7月26日(土) 雨 歩行時間 7時間16分(上り4時間13分+下り3時間3分)

:00起床 5:45自然観出発 6:06大規模林道 6:16林道終点分岐 6:23古寺温泉登山口駐車場(490km)

 6:32スタート <4分> 6:36〜38朝陽館<32分> 7:19合体の樹 <39分> 7:49〜52一服清水 <40分> 8:32三沢清水 <20分> 8:54〜57古寺山 <19分> 9:16小朝日岳巻き道分岐(小朝日岳0.4km、大朝日岳3.5kmの表示) <10分> 9:26〜32小朝日岳山頂 <13分> 9:45〜49巻き道合流 <32分> 10:21〜26銀玉水 <33分> 10:59〜11:05大朝日小屋 <11分> 11:16〜23大朝日岳山頂 <7分> 11:30大朝日小屋 <15> 11:45〜51銀玉水 <17分> 12:20小朝日岳巻き道分岐 <17分> 12:37巻き道合流 <19分>12:56〜13:02 <15分> 13:17〜19三沢清水 <20分> 13:39日暮沢小屋・大井沢分岐 <8分> 13:47〜50一服清水 <31分> 14:21合体の樹 <19分>14:40〜44朝陽館 <3分> 14:47古寺鉱泉登山口

15:00出発 15:26〜16:10大井沢温泉 16:40月山荘(518km)

20:00就寝
 


駐車場
  古寺温泉登山口駐車場(無料、多数)

温泉
   大井沢温泉ゆったり館(300円、内湯のみ、シャンプー等あり)

メンバー
   M君、N君
   


夜、一眠りし、いびきで目覚めたところに、地震があった。二人は気づかなかったとのことだが、かなり揺れた。雨音を聞きながら目覚める。できるだけ早く出発できるよう朝食は「ごんぶと」だ。朝日鉱泉ナチュラリストへの道は対向も難しい細い道でダートになったが、ほどなく、古寺鉱泉につながる大規模林道との分岐であった。こちらは、一級の国道にも負けない二車線の道が続く。時間短縮でき、あっというまに古寺鉱泉への分岐となる。こちらはすぐにダートとなったが、さほどかからず、大駐車場に着いた。たくさんの車に大型バスまで止まり、雨の中、登山仕度をたくさんの人がしている。簡易トイレも二つあった。

早々に準備し、古寺温泉朝陽館に興味があったので、そこで待つ旨を二人に告げ出発する。朝陽館までの道は車が通れる広さがあると思っていたが、そうでなく人が歩けるだけであった。5分足らずで着いた朝陽館は屋根こそ新しいが、大変古く窓も隙間がありそうなぐらいだ。何ともいえない風情である。鳥原山からの道を分け、川を渡り朝陽館の前からいよいよコースが始まる。

当初は、山と渓谷社から多数のエッセイ等を出している西澤さんにも興味があり朝日鉱泉ナチュラリストの家からの周回も考えたが、下りてからの今宵のキャンプ場までの移動の時間を考え(明るいうちにテントを張りたい)、最短コースの古寺鉱泉からのピストンとしたのであった。今回の計画は実に効率的だとN君に誉めていただいたが、実は何回も練り直して考えた案であった。そうはいえ不満は、月山は、弥陀ヶ原側から登れないことであった。そうすると、あまりに移動距離が長く時間がかかるからである。
それ以外は我ながら満足な計画である。

ガイドブックにあった通り、最初から急な上りだが、九折で傾斜は一定で楽だ。しかしN君が調子が悪く「皆に迷惑をかけたらいけない」ということで、40分ほどでUターンし、古寺鉱泉で待つこととなり残念であった。我々もこの雨が続くようだとテントはやめてどこかに素泊まりしようという話をしながら歩く。悪天がどうしても気持ちをなえさせる。

道沿いには松のような巨木が多く、なんという種類だろうと思っているうちに、合体の樹(ヒメコマツとブナ)というのがあって、ヒメコマツということが分かった。これほど名前と合わない木も珍しいであろう。ぶなの巨木も多くなり、森の豊かさを実感した。朝日鉱泉の西澤氏が朝日のぶなは、白神山地に負けないと書かれていたのもうなづける。この後出会った高知のご夫妻は、今日で東北の山行は27日め、すでに下北半島まで北上し、雨で登れなかった山々をつぶして帰る途中だという。飯豊や吾妻等が残っているようだ。それにしてもすごい話である。


なだらかな道の後、一服清水があり、一息入れる。冷たくて美味い水だ。ステンレスカップに大朝日岳大好きと書かれていた。この後、M君が、食べ物を一切忘れてきたことに気づく。自然観から登山口までの道中、熟睡していたため、寝ぼけマナコの準備が災いしたようだ。「3時ぐらいまでなら耐えられます」というし、事実彼の力なら可能だと思うが、心配なので、私が持ってきた2個のパンやあまいお菓子を分けることとする。

次の三沢清水は、ホースで奥から引いている。こちらも流量が豊富で冷たく美味い。古寺山には三角点もあった。ここからは稜線漫歩で展望が開けるのであろうが、今日は何も見えない。小朝日岳へは急登だが、折角なので巻き道をとらず、登ることとする。小広く開け、鳥原山からの道が合流していた。三角点があった。写真を撮り、先を急ぐ。ここから標高差で150mほど下ると、巻き道が合わさる大朝日岳への道が2本あり悩み、右の道をとったが、すぐに下で合流していた。ここは大きくガレている。ニッコウキスゲ等の花々が見られた。

M君が花崗岩の山と教えてくれた通り、随所にそれらしき岩があった。銀玉水までの道はなだらかで、晴れていればさぞ快適であろう。ガスの中でも、大きな雪渓が残るのが分かる。銀玉水は、コース道の右下にあるが、周りにはシナノキンバイやミヤマキンポウゲ、ハクサンチドリ等が盛りに咲いていた(右上の写真)。評判の名水はすこぶるうまく、帰りにM君が汲んで帰ることとなった。ここにも大朝日岳大好きと書かれたステンレスカップがあった。風雨で寒いので、M君に先行するように促す。

ここからは荒れた道の急登だが、両側には花が多い。特にイワイチョウやコイワカガミが多い。一服清水で追い越された単独行の人が早くも下りて来た。すごいスピードだ。風が強く傘もさせないので、たたみ、再度レインウエアの上着を着て完全服装とした。めがねの曇り止めもきかず、厳しい条件の中、ひたすら小屋を目指す。銀玉水からは一のぼりという感であったのが救いであった。小屋は3年前にたてかえられたもので、すばらしい施設だが、避難小屋なので、寝具や食料はない。食料がなかったことにがっくりしたかのようにM君が待ってくれていたのでパンを分け合う。ともかく山頂にということでヨツバシオガマが多く咲く急登を進むと、わずか10分ほどで待望の大朝日岳山頂であった。M君とがっちり握手をする。寒いので写真だけ撮り、早々に下山する。

一服清水で4リットルの水を汲んでいたM君に最後のパンを分け与え、待っているN君のため先にいってくれるよう促す。下りの道はぬかるんでいて歩きにくく、小朝日の巻き道も結構長くかかり、ガイドブック通り、直登と時間的には変わらなかった。三沢や一服清水で泥を落とすが、結局、朝陽館手前の登り口の流れまで洗う必要はなかった。

駐車場に戻ると、N君はすっかり元気で、要は昨夜の飲みすぎが原因とのことだ。古寺鉱泉の鉄分の湯につかり、酒とビールを飲み、宿の人の話をきき、それはそれでいい思い出となったようだ。すごいのはM君で30分以上早く着いて、ラーメンを食べ、きっちり生卵まで入れたという。「せめて俺の湯ぐらい沸かしておいてくれよ」とちくりと小言をいう。本当に腹の据わった二人だ。

は止み、天気は回復途上なので、予定通りテントを張ることとし、温泉に向かう。大井沢に新しいゆったり館という温泉施設ができていたので入る。内湯だけだが、300円でシャンプーもあり、少し色があり湯も施設もよかった。ここで、道路公団の首都圏から南東北の往復と3日間乗り放題の高速券が11000円で売られていることを知り、唖然とする。もっとPRされていたらなぁと残念がる。我々でも6000円はメリットがあったであろう。一方ありがたいパンフレットもあった。この近辺には何と40件もの蕎麦屋があるという。名物だそうだ。明日のしめくくりの昼食はこれで決まりだ。温泉の前にも蕎麦畑が広がっていた。天気は確実に回復しており、月山が眼前に見え感激し写真におさめる。蔵王で出会った地元の人は1週間は梅雨があけないと言っていたが。

月山志津温泉の奥にある志津キャンプ場も新しい施設だ。逆に管理している国民宿舎の月山荘は、古くて素泊まりでも6000円弱とのことだったが泊まる気はしない。キャンプ場は、区画されたゾーンが1000円、奥の芝生ゾーンはわずか500円、志津温泉手前にあるオートキャンプ場との値段差は大きい。ただその分、荷物をリヤカーか一輪車で100mほど運ぶ必要があるが大したことはない。誰もいなかったので、テントを乾かすために(EUREIKAの6人用のすばらしいものだが、先週妙高・火打に行き濡れていたのに、M君は乾かしていなかったのだ。)東屋の中に張る(右上の写真。管理人には乾かしているという口実が言える(^^ゞ)。月山荘前の池に雪を抱いた月山が青空に映えて美しかった。

M君はラーメンとテントの罪滅ぼしに信州蕎麦をつくると張り切り、笹を敷いた上にそばをのせ、銀玉水で、そば湯までつくってくれた。なかなかのもので名誉挽回だ。また、銀玉水割の百年の孤独も実に美味い。どこかで花火大会をやっているのか盛んに音がする。未明に数時間雨が降ったが東屋で助かる。結局テント泊は我々以外は3組だけだったようだ。

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