大台ガ原山(日出ケ岳、大杉谷)  1695b


データ】     

1998年6月5日(土)晴れ  歩行時間5時間
6月6日(日)晴れ 歩行時間5時間

6月5日(土)晴れ 

5:25自宅 6:57 24号分岐 7:25 169号  8:00大台分岐  8:31駐車場  8:50出発 9:29〜36日出ケ岳頂上(1649.5b) 

10:20シャクナゲ平(1505b) 10:56〜11:08シャクナゲ坂(1280b)  11:35〜39粟谷小屋(1145b)  12:28〜55堂倉滝(790b) 13:12与八郎滝  13:20隠滝  13:30〜35光滝 14:20〜51七ツ釜滝(545b) 15:15桃ノ木小屋(495b)

6月6日(日)晴れ

5:54桃ノ木小屋発  6:12〜14平等ぐら 6:32〜41桃ノ木小屋  7:09〜15七ツ釜滝(545b)  8:00〜10光滝 8:53〜9:16堂倉滝(790b) 10:20〜25粟谷小屋(1145b)  10:30避難小屋 10:48分岐 10:55〜11:05シャクナゲ坂  11:46〜12:03シャクナゲ平  12:25階段  12:40〜52日出ケ岳  13:27駐車場 13:40出発 14:30〜15:30上北山温泉薬師の湯

16:18消防署  17:00 24号  18:35自宅

駐車場
  大台ケ原駐車場(無料、多数)

温泉
   上北山温泉(露天風呂あり、500円)

メンバー
   I夫妻、Mさん
   


大台ガ原山は周遊コースを歩いたことはあるが、やはり大杉谷を歩いてこそ本物。I氏が積極的で早くから桃ノ木小屋を予約してくれていたので、喜んで同行させていただくことにした。天気予報は芳しくなく、全国最多雨地帯なので覚悟して出かける。そしてシャクナゲの花が残っていることを期待しながら。徹夜でないので、体調ばっちりで、歩き始める。日出ガ岳は、曇りで残念ながら大峰山脈は、すっきり見えず。しかし、今日の目的は別なので気にもせず、下り始める。

速、一番気になるシャクナゲの群生地に入る。終わっている木が多いが、今が盛りの木も数本あり、ピンクの美しい花に感激する。カメラに治め、更に10分ほど下ると、右手にバイケイソウの群落と自然林がマッチし、まるで庭園のような風景に出会う。そして近くにはシロヤシオの花も満開に咲いている。本当に美しい山だ。自然林の中を歩いていくので最高の気分だが、きっちり整備された階段の多さに帰りの登りの辛さを想像してしまう。粟谷小屋は遠く感じられた。国営の美しい小屋で風呂もあるという。近くの湧き水を飲み、堂倉滝への本格的な下りにかかる。この辺りは針葉樹が多い。川音は大きく聞こえるが、これだけ下りが連続するとつらくなる。


ようやくたどり着いた堂倉滝は、太陽ものぞき、きらきらと輝き、エメラルドグリーンの滝壺が本当に美しい。堂倉滝を見ながら、昼食を取る。I氏にビールを薦めるが、我慢するという。はじめてのことだ。途中出会った単独行の人が危険なところがあり、足がすくんだという話、昨年余りに多くの人がこの登山道でなくなっていることが、そうさせたのだ。私も後者のことがやはり気になる。昼食をそこそこに終え、吊り橋を渡る。立派な橋だ。M氏が昔と大違いだと感想を述べる。与八郎滝、隠滝と名のある滝とともに、藍色の美しい流れと、濃い朱色のつつじの花等めでながら心地よく下っていく。中でも光滝は豪快だった。

そして、いよいよ核心部の七つ釜滝への下りである。慎重に鎖に頼り下っていく。危険性より、明日の登り返しのきつさに思いが行く。だとり着いた七つ釜滝の展望台には立派な休憩所があり、緊張感からもようやく解放され、ビール、果物のかんづめ等硬軟関係なく、楽しむ。I氏からは、途中出会った人に騙されたとの声やどうして死亡事故が多かったのだろうという疑問の声も。これも無事着いて言える言葉。連瀑の美しさを堪能し、桃ノ木小屋に。小屋では、低料金だったので、個室をとることに。4つふとんをひけば隙間がない広さだが、落ち着く。

更に、二人が入れるくらいの広さだが風呂にも入れ、かつ等の油物を中心とした食事もおいしくよばれる。風呂のおかげで快適な睡眠が約束される。食事後うとうとした後、I氏と消灯時間まで再び飲み明日の天気を祈りながら眠る。川の流れの音が心地よい。朝、起きるとM氏が、夜、月と星を見ながら眠れたという。なるほど、窓側はそんなすばらしいこともあったのかとうらやましがりながらも、途中、醒めることもなかったのだから、どちらに寝ても私の場合は同じである。

朝食(これは残念ながら簡素なものであった。後で垣間見えた従業員の食事はよかったが)後、シシガ淵までは無理なものの、平等ぐらまででもということになり、I夫人以外3人で、空身で向かう。予想以上に快適な道で往復にコースタイムの半分もかからなかった。昨日小屋でビールを飲まずまじめにシシガ淵まで歩けばよかったと若干後悔する。

いよいよ、1100メートル強の登り返し。鳳凰山で教えてもらった疲れる前に休む方式で、ゆっくり登る。すると快適なほど、良いペースで進むからおもしろいものだ。日出ガ岳には、コースタイムより早いぐらいに着いてしまった。それにしても、山頂直下のシロヤシオの花は青空に映え美しかった。しかし、余りに軽装のカップルが下りて来たので、行先を尋ねると、周遊コースを勘違いしていた。案内図は持っていたが確かめていなかったのである。油断は禁物である。雨を覚悟しながらも、全く降られず、シャクナゲやシロヤシオにも出会えた最高の登山を終え、帰りは、これも初めての上北山温泉薬師の湯を楽しみ、帰途に就いた。

後日、山と渓谷で、前年の多発した死亡事故について分析された記事が載り、興味深く、読んだ。結論は、特定の要因はなく、油断からのものであると読めた。実際、歩いてみての感想と同じだ。

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