大塔山 1121m

 


データ】     

2001年6月3日(日)晴れ 歩行時間3時間30分
5:30自宅  コンビニ 6:54しらまの里 7:57R371乙女の湯手前 8:25〜30宗小屋橋(135km)  林道ダート 8:50登山口(138km)

8:56スタート(510m) 9:20〜25休憩(706m) 9:55〜10:05 905m峰 10:35〜40一ノ森(1145m) ピーク1160m 10:46弘法杉林道分岐(1013m) オオタワ976m 11:12〜12:30大塔山山頂 13:01一ノ森 13:17〜22 905m峰 14:04登山口

14:17出発 14:39宗小屋橋 修験の滝 14:55〜15:02安川渓谷 16:16〜48乙女の湯 17:02しらまの里 17:48海南下 18:30自宅

駐車場
   林道終点(数台)

温泉】 
   乙女の湯(300円)

メンバー
   U
   


単身赴任中のU君とともに、当初、車2台で出かけ明神平から国見岳、馬駆け場往復、伊勢辻山、大又の周回コースを考えていたが、大又林道終点が工事中との情報を得ていたので、念のため、役場に問い合わせると、突貫工事で、日曜も通れなくなったとのこと。

仕方なく、コース変更となり、法師山からの縦走が完遂できていなかった心残りの大塔山を目指すこととする。1月ほどの間に早3度目の南紀行きである。信号もほとんどない道を海南から県道、R424、県道198、R311、県道と順調に走り、乙女の湯の1kmほど先から、安川渓谷への道に入る。U君は、夏休みに家族を引きまとめるとのことで、半分南紀案内である。

道沿いにささゆりが何輪も咲いている民家の崖があり、撮影する。幸先はいい。しかし安川渓谷から先は相変わらず、落石が多く、
U君のプリメーラは早速底を擦ってしまった。問題は宗小屋橋からのダート林道で、案の定苦戦する。れんげつつじは美しいが、3kmほど、緊張して走り、ようやく到着する。落石を避けれそうな場所に慎重に止め、準備をする。


林道沿いには、最初に左手に北西尾根を登る防火水槽標識に巻かれたテープ中心の大塔山登山口の案内があり、初めての人は、間違うかもしれないが、法師山縦走で経験済みなので、取り付き点はすぐ見つかった。沢を越える林道に大きな鉄板のような橋がかかり、よくみると左奥に、登山口の標識が2つある。一つは紀州わらじ会の立派なものだ。

登山口の崩れた箇所を慎重に渡り、登山道を進む。植林帯の中の急登をゆっくり登る。U君は、初心者なので、ペースを落とすが、1時間足らずで400mの高度を稼ぐこととなる。北の野竹法師や北西尾根がよく見える展望がよくなった800m付近で、まむしに出会い、どきっとする。まもなく905m峰という手前に巻き道があった。縦走路に出て確認すると、少し20mほど登りつつ戻ると、やはり905m峰であった。

冷やしてきた砂糖漬けの甘夏みかんを食べ、笹の中を歩くと、ほどなく、石楠花のトンネルとも言える状況となる。終わっていたのもあったが、今まで見たことのないような石楠花の大木に花、花、花という感じの木に出会い、感嘆する。初めての
U君も感激している。事前の情報では、石楠花情報はなかったので、ラッキーである。ヒメシャラ他、自然林が美しい。あまり苦労せず、一ノ森に着く。


標識があり、赤と黄のテープだらけである。北西尾根への分岐である。情報通り、ピークは1160mで90m下り、150m上る。オオタワはコケが美しく、あまり踏まれていなかった。圧巻は、頂上手前の左下に見えた石楠花で、10mを越える半球体にびっしり花がついている。こんな木があるのかと目を疑う。何とか写真に納めたいが、登山道沿いでなく、アングルは難しかった。帰りに部分的に撮り、後は、頭に納める。頂上には、2人に先着者がいて、一人は地下足袋であり、もしかしてIさんから聞いていた大塔山の主かと思い、確認すると、その通りで、名は「飯野」さんと言い、日曜毎に鎌を片手に古座川からのルートを整備してくれているとのこと。

おもしろい人で、しゃべりぱなしである。特に山頂の伐採の件は参考になった。何年か前、子供たちの登山で展望よくしようと、飯野さんたちの依頼で、町が自然林を伐採し、大事件となった。私も新聞で読んだのを覚えている。町長が田辺の営林署に何度も呼び出されたとか。しかし、そのせいで、展望はすこぶるよくなり、法師山からの縦走路がはっきり見える。これでよかったのではと思うのは私だけだろうか。種子により、自然林に返すという田辺営林署の看板が何枚もあった。だが、飯野さんの話によると、熊笹が生え、なかなか種子が勝つのはむつかしいとのことである。また、古座からの足郷山ルートは、あけぼのつつじが殊のほか美しいとか。5月の連休頃が見頃だとか。お金がかからない趣味ということで飯野さんが詠んだ俳句「歓喜せり あけぼのつつじ 当たり年」。


更にびっくりしたのは、立派なケルンである。飯野さんが石を運び上げているという。 出会った人にも小さな石でいいからとお願いすると、決まって大きい石を持ち上げてくれるというのがおもしろかった。何に使うかというと、今後、簡易展望台を作ってもらうための土台となるものだというが、さすがにi町長さんは、大塔山には懲りて、予算をつけてくれないという。串本の海や大取雲山など山名も教えてもらい、大いに楽しむ。もう一人の人は大阪の人でバイクで来て古座川から登ったという。

飯野さんに聞くと、登る人は少なく、秋までは、ほとんど出会わないという。飯野さんは、ほとんどの日曜日に来ているそうだ。病気と葬式以外はと言って笑っていた。山頂には飯野さんのらくがき帳があり、記帳を勧められた。名残惜しいが、山頂を辞し、登山口で沢の美味い水を飲み、修験の滝と安川渓谷を見物し、乙女の湯に入るというフルコースで帰途に着く。天候にも恵まれ満足の行く山行であった。和歌山南部は入梅した。


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