昨年氷ノ山に登ったとき、三の丸で親しくなった方から、扇ノ山を薦められており、いつかはと思っていた。子育てに大変な世代であること等から、私にとっては安く登るのも重要事項の一つなので、高速代を調べると、阪和道泉南ICから吹田経由中国山崎ICだと、片道4800円、阪神高速湾岸泉佐野、中国池田経由山崎は3800円、湾岸泉佐野、加古川バイパス、播但連絡道経由中国山崎が3300円と かなりの差があることが分かり、インターネットに感謝し、最後のルートで向かうこととする。
コースは種々あるが、昭文社の関西の山歩き100選にある八東町ふるさとの森からの周回コースとする。メンバーはいつもの4人。付けたばかりの名前は「つれもてクラブ」の4人だが、恵那山以来何と1カ月振りである。来月の北海道遠征のことやこの1カ月間の出来事を話しつつ楽しく走る。
快適に走り、山崎から国道29号に入る。遅い車は抜き去り、戸倉峠を越え、八東町に入ると、ふるさとの森を示す大きな看板があり、迷うことなく、右折できた。途中、帰りの温泉への道も確認できた。国道を離れてから11kmと長いが、看板は豊富で迷わない。行き止まりのようにふるさとの森の駐車場に着いた。
トイレ等キャンプ場の施設は少し歩く必要がある。駐車場に入らず、直進する無舗装の林道が登山口につながる道である。特にとちの巨木が多く、森の豊かさに感動する。皆がトイレ等準備を済ませる間、豊かな森の空気に抱かれ、今日もいい山に来れたことを感謝する。あじさいやたにうつぎが盛りでたくさん咲いていた。ガレて上り辛い林道を進む。しかし快晴に天然林の緑が美しい。河合谷林道が左から合わさるところに標識があり、しばらく進むと、登山口であった。山頂まで2km、東因幡林道畑ケ平まで5kmの 標識と大きなコース案内図があった。
初めは段差のない階段で、手入れのされていない人工林の中を歩く。朴ノ木が多い。ホウチャクソウという稚児ゆりに似た葉で、花は筒状のものをたくさん見つける。ナルコユリとI氏からは教えられたが、造詣のあるI夫人によると、ホウチャクソウという名だそうだ。ほどなくガイドブックにある通り階段が続く。少し段差も大きくなり、標高1100mを越え、ようやく終わりほっとする。しばらく、平坦な道が続き、山頂まで0.8km標識とともにベンチが置かれていた。なんとここからは、氷ノ山だけでなく、大山がはっきり見え感激する。
氷ノ山に続き、またも大山が見えるとは、この辺りの山とは相性がいい。他の山も道を整備していた環境パトロールの人に聞き、地図を出してくれるが分からない。I氏は先着していて、I夫人とM氏を待つ。ここからは、ぶなの巨木が多い。美しい森だ。しかしまたも階段の道であるが、ぶなを楽しみつつ登ると、苦痛ではない。ほどなく大きな避難小屋に着いた。ガイドブック通り、すばらしい小屋でまだ、さほど経っていない。土足厳禁なので靴を脱ぎ、2階に上がると、すこぶる展望がよく、またも氷ノ山、大山等がよく見える。美しく、涼しいので、ここで食事を取る。親しくなった中高年の女性2人は倉敷から来たという。この辺では、後北側からの那岐山がお薦めだそうだ。
早速、発泡酒で乾杯し、コンビ二で買った割子そばを食べる。この季節は、これか冷やし中華に限る。食べ物 によって、昨年の同時期の山行を思い浮かべる。二等三角点と避難小屋を写真に撮り、姫路公園登山口に向かう。こちらの方が歩く人は少ないようだ。左手に岸壁が見えると、それは「名勝檜蔵」と書かれていた。扇ノ山の山頂が間近に見える。結構急な道を下り降りると、小さな沢に出会い、沢を4回、壊れかけた橋を6回渡るとすぐ登山口であった。
山頂まで1.8km、安徳の里姫路公園4.8kmという標識があり、立派なアスファルトの林道に出た。天気は上々だが、そう暑くなく、照り返しも苦痛でなく、展望台に向かう。何とM氏は登りの道を走り出す。展望台は影で涼しい上に、展望はすこぶる良い。扇ノ山に加え、大山、鳥取市街、日本海が見える上、無料の望遠鏡もあり、楽しめる。心から堪能し、林道を進むと、両側にぶなの森が広がる。しかし、この林道がなければ、もっと美しい森であったろうにと思う。数台車も来たのには驚いた。ようやく林道も終わりかけた頃、おばあさんがミズブキの葉を整理していた。ご主人が取りにいっているようだ。味噌汁やおひたしにするとおいしいそうだ。朝の登山口手前の河合谷林道に合流し、ダートの林道を下る。30分弱でふるさとの森に着くと、先行していたM氏は影で休んでいた。
予定通り、若桜ゆはら温泉ふれあいの湯に向かう。小さい湯船でボディシャンプーしかないが、400円で新しいのは助かる。山帰りはこれぐらいでいい。入浴後、うつらうつらしているうちに、I氏ががんばって、車を走らせてくれ、ワールドカップ日本対ロシアに十分間に合う。しかし、和歌山からはさすがに遠い。これで、近畿百名山54座、関西百名山52座となった。
HOMEへ
|