尾瀬ヶ原

 


データ】     

2018年6月3日(日) 快晴 歩行時間6時間
6月2日23:30東京駅八重洲出発 新宿駅経由 5:10鳩待峠着
5:15スタート <55分> 6:10〜20山の鼻 <38分> 6:58〜7:15逆さ燧 <20分> 7:35牛首 <20分> 7:55〜8:05下の大堀川 <25分> 8:30〜45竜宮小屋 <22分> 9:07〜35見晴 <12分> 9:47元湯方面分岐 <15分> 10:02〜15東電小屋 <20分> 10:35〜45ヨッピ吊橋 <10分> 10:55〜11:15池塘と燧ケ岳 <20分> 11:35一本白樺と池塘 <5分> 11:40牛首 <40分> 12:20〜30山の鼻<37分> 13:07〜12休憩 <18分> 13:30鳩待峠
14:30バス乗車 15:00出発 15:50〜16:50花の湯温泉入浴 17:30〜50原田農園土産 19:40〜55高坂SA 20:30大泉JCT 21:00首都高速新宿 21:10新宿駅西口 21:38春日駅 

メンバー
    単独
   


山から遠ざかってしまっている。一番の趣味が疎かになってしまっているが、回数は減っても思い出に残るところへと考え、大学生の頃、前橋に単身赴任していた父に連れられ、水芭蕉の咲く尾瀬を再訪したいと考えた。このときは浪人中の弟と三人で残雪残る尾瀬に出かけて、撮った写真もよく覚えている。父は男の子三人を抱え、当時は単身赴任の帰省旅費等もなく金銭的にも苦労していたが、前夜、すき焼きを食べさせてくれ、尾瀬や谷川岳にも連れて行ってくれた。

さて、この人気の時期にバスがとれるかと心配したが、平成トラベルのツアーが空いていた。価格は2012年のときの1.5倍の値段となり、8900円だが、温泉もついて、それでもお手ごろだ。心配していた天気も一週間前から予報は変わらず、晴天となった。

金曜日は久しぶりに元同僚のM君と遅くまで飲んだが、土曜日、しっかり準備して、少し、昼寝もして、23時15分東京駅八重洲側の待合場所に出かけた。尾瀬の鳩待峠には小型バスしか入れないので、24人乗りだが、東京駅で半分、新宿駅で満席となった。多少、リクライニングもできるが、寝るには狭くて非常に辛い。左足の出せる通路側の方が良かったかもしれない。苦痛に耐え何回か目覚めながらも眠り、まいたけ弁当積み込みのアナウンスに起こされたりしつつも午前5時10分に鳩待峠に到着するまでかろうじて眠った。

駐車場は、2012年のときと違い、峠下に新設されていた。がらがらの駐車場に降り立ち、帰りの場所を確認して出発する。少し上ると、以前の小屋や大きなトイレもある鳩待峠に出た。















「尾瀬」の看板前で写真を撮り、人数カウンター横に立つ係りの方に挨拶して出かける。この時間でも歩いている人は結構いる。最初は少し歩きにくい石畳み、そして木道の階段となり、川岸までは下る。帰りのことを考えるといやだが、所詮、標高差は200mほどだ。

この間のブナやミズナラの木は大木も多く、見事だ。朝日も当り、新緑が実に美しく、また、左手の至仏山も残雪が映える。

川沿いの木道を歩いていくと、シラネアオイが満開で、保護柵が頑丈にされていた。しかし、さすが尾瀬で素人が多く、「これはトリカブトだ」などと教えて周りも信じようとしているので、流石に見過ごせずに、シラネアオイだと教えてあげた。水芭蕉の群落があったが、早、葉っぱが大きくなりお化け状態のものが多い。

















山の鼻手前にも見事な大木が数本あった。山の鼻のキャンプ場のテントは、そう多くはなかった。ここは峠から下りで近く、宴会登山にはもってこいだろう。

快晴の中、木道を歩く。至仏山は青空に映え、燧ケ岳はすそ野の霧と逆光で幻想的だ。人が少ない中、かっこうが鳴く。そした新緑が実に美しい。緑のグラデュエーションだ。生きている喜びということを感じる瞬間だ。命の洗濯とも言える。

小さな流れには、水芭蕉とリュウキンカが満開を迎えていた。また、ヒメシャクナゲがここかしこにピンクの小さな花をつけていた。この時期、水芭蕉とリュウキンカ以外、期待していなかったが、タテヤリンドウも多かった。タテヤリンドウは田中澄江さんの花の百名山でも紹介されている。後はワタスゲ、チングルマとショウジョウバカマが一カ所、ミツガシワが目についた。ワタスゲは尾瀬に似合うと思うが、この時期はあまりない。八幡平の毛無平のワタスゲが懐かしい。




















逆さ燧も風なく見事に映っていた。じっくり楽しみパンをかじる。尾瀬は休憩ベンチも上手く作られ、無理なく散策できる。


























































































牛首分岐には東電小屋まで3.3q、山の鼻と竜宮小屋までそれぞれ2.2qの表示があった。

尾瀬では、ニホンイモリ、イワナもたくさん見かけた。ゲンゴロウもはじめて実物が見れた。さらにカモのつがいも二度見かけた。特にイワナは、とられることもないので、のんきに泳いでいるのが面白い。





















のんびり写真を撮りながら歩くので、なかなか進まないが、それがこの日の目的だ。よく絵葉書になる下の大堀川の水芭蕉は盛りを過ぎて残念だったが、それでも青空に至仏山が映え、絵になった。ツアーガイドが団体に説明するのを聴くと、今年は雪が少なく、例年より一週間早く水芭蕉は見頃を迎えたとのことだ。昨年の同日写した写真を見せていたが、確かに昨年は最盛期だった。































竜宮小屋で小休止して見晴に向かう。途中、チングルマが一株あった。木道の間に咲いていて、ここだけであった。見晴はトイレもビジターセンター、水場も立派でテントもたくさん張っていた。楽しい一夜であったろう。若い人が多い。ここの水は甘くて美味い。折角湯沸し道具を持ってきていたのだから、沸かして珈琲を飲むべきであった。

ここから温泉小屋、東電小屋への周回は、人は多くない。静かな散策を楽しめ、ウグイスの鳴き声に癒された。また、緑に癒される。

東電小屋で一息入れ、進むと歩荷の人が歩いてきた。この辺りはタテヤマリンドウガ多く楽しませてもらった。ショウジョウバカマが一輪咲いていた。若いカップルに名を教えてあげた。

右手の山の新緑が実に美しく小さな残雪がアクセントになっていた。

燧ケ岳を背景とした池塘と浮島のある場所でのんびりする。かっこう、ウグイス、蛙の鳴き声を聴きながら目をつぶり、心地よい風の中、うつらうつらして、目を開けると池塘と燧ケ岳、これぞ天国だ。できれば、何時間でもいたい場所だ。ここがベストかもしれない。






























東電小屋から牛首までは、歩く人もさほど多くなく、名残惜しく歩くには最適だった。牛首を過ぎると一気に人が増え、逆さ燧などは、外国人の団体で独占されていた。カメラマンが団体にポーズを取らせて、独占していたのはマナー違反だ。






























山の鼻も大変な人だったので、渋滞を危惧して、ゆっくり休まずに鳩待峠に向かった。上りで三人前を歩く30代の女性が転倒して右下のがけ下に落ちかけあわやとびっくりしたが、大木があり助かった。油断大敵だ。









わずか標高差200mだが、20q歩いた身には応え、一息入れる。鳩待峠で持参したざるそばを食べ、はとバスツアーの引率者の言葉を楽しみにくつろぐ。

駐車場は朝とは大違いの混雑だったが、早めに到着していたので、のんびりできた。花の湯温泉は立派で露天風呂も楽しめた。売店お勧めの八木節という地酒のワンカップを買い、前回と同じく原田農園という土産物屋に立ち寄り、沼田ICから関越道に入った。

関越道、恒例の渋滞はあったが、隣の70歳の男性と話したり、居眠りをしながら過ごす。渋滞があっても首都高速も使ったからか、予定の21時頃新宿駅に着いた。男性は数年前に登山を再開して、この夏に富士山を目指すという。

水芭蕉は見頃を過ぎていたが、天候に恵まれ、記憶に残る山行となった。今度は草紅葉を見てみたいが、行の夜行バスはトラウマとなるかもしれない。


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