仙ケ岳、野登山 961m、851.6m |
【データ】
【駐車場】 |
福井県境の三十三間山を目指すつもりであったが、I氏が出発時刻が遅いので、仙ケ岳を目指そうというので、阪和道を走る途中に変更する。天気予報は晴れだが、雲が多く北は更にと思われるので正解であろう。昨夜は送別会で遅く睡眠不足のため、M氏が運転してくださり、私は眠る。節約のため、亀山ICで下りるつもりであったが、ルート確認中に通り過ぎてしまい、鈴鹿ICで下りる。亀山・鈴鹿10kmが450円は高い。鈴鹿からは県道560号で小岐須渓谷の案内に従い、細い道を走る。桜は満開である。左に採石場を見、小岐須渓谷山の家で通行止めとなり、予定していた大谷橋までは行けない。駐車場は広く、前のトイレも美しく助かる。駐車場の桜は咲き始めで、少し花は小さい。 当初、大谷橋まで入れれば、仙ケ岳から宮指路山周回を考えていたが、車止めがあり、入れなかったので、仙ケ岳から野登山(ののぼりやま)周回の仙鶏尾根を歩くこととする。地図と「鈴鹿の山風」の記録があるので大丈夫だ。野登山からの一の谷コースは駐車場に直接ルートがつながり、分かりやすい。渓谷沿いに進むと、一の谷コースだけでなく、入道ケ岳へのコースそれぞれに真新しい標識があり分かりやすい。遭難のあったときのために「通報ポイント1」というように表示されている。 道 ほどなく地道となるが、左手の警告は、美しい松の木が映え、殊の外美しかった。歩きながら、T氏が「今日はいよいよプロ野球の開幕戦、阪神が勝つ様に星野監督の仙ケ岳を選んだ。三十三は、江藤や長島前監督の背番号を思い出し、縁起が悪い」と言う。なるほど、熱狂的な阪神ファンのT氏の決断に理解する。あれだけ三十三間山に行きたがっていたのに何故変更したのかという疑問も解決する。 植林の中を進むとようやく林道終点で登山口であった。少し休み取り付く。渓谷沿いの道で、流れの多い中をロープを頼りに渡渉した。もう少し水量が多いと靴を脱がねばならない。道沿いには早ショウジョウカマがいくつも咲いていた。仙鶏尾根コースの分岐(新しい標識もあった)を過ぎ、何回か渡渉し、美しい小沢の水を飲む。冷たくてさっぱりしてうまい。あまり手入れされていない植林の急登を上り詰めると、小社峠であった。いい自然林だが、風が猛烈で、寒い。 写真を何枚か撮り、急ぐ。ここからは急登だが、振り返ると鎌ケ岳の勇姿。前には笹原が美しい仙ケ岳西峰が見える。写真を撮りつつ11:12山頂到着。小さいスペースだが、笹が風を阻んでくれ有難い。展望は鎌、御在所、入道、もちろん宮指路はよく見えるが、雨乞、綿向は、山頂がガスの中だ。逆には、特徴的な南尾根と仙ケ岳の東峰が見える。展望を楽しみながらビールで乾杯するうちに夫婦一組が登ってこられたが、牛乳とパンですぐに下られた。もったいない。 いつものようにチキンラーメンと稲荷寿司を食べ(最近はこのパターンが続きすぎだなぁ)、寒いので早々に我々も東峰に向かう。親子のような一組に出会う。上りは粘土質の急斜面でとんでもなく滑り易く、木をつかみながら腕力で登るしかない。こんなのは初めてだ。標識はなかったが、左に少し上ると東峰で、戻って少しで展望の良い仙ノ石であった。西峰がよく見渡せた。 ここからは、マップにあった通り、やせ尾根でロープの箇所も数ヶ所あり、予想していたより苦労する。何箇所か鎌方面や目指す野登山がよく見えた。途中、朝の登山口へ続く分岐(仙鶏乗越)でなえかけるが、まだ時間が早いので、野登山を目指す。なおも続くやせ尾根を進み、一のぼりで立派な林道に出た。この林道を進めばよいのか迷うが、地図では前の斜面を登るようになっているので強引に進むが、取り付き点にはテープもなくまちがっていたのかもと思うが、進むと古いテープはある。上部で西と東峰の間であった親子と薄い踏み跡を進むと、NTTの巨大な中継所に出たが、そこからは進めず、戻ろうとしたら、左下に寺が見えたので、強引に倒木の中を下る。野登寺は再建中で工事をしている人もいたが、ルートは不明。地図を見ながら、壊れかけた鐘衝堂の前を進むと、小さな地蔵が20体近く並び、左の笹の中にテープもあったので、核心を持って進むと、野登山の標識もあり安心する。この辺りは巨木も多い。 左手に涸れかけた池があり、ほどなく左野登山三角点の表示があった。三角点の解説が詳しく、お堂を宿舎に池を水場とし、測量したと書かれていた。戻り進むと国見石があり、野登寺参詣が盛んな頃はここで休み景色を楽しんだという。平成8年に記念登山が行われ、笹が刈り取られ歩きやすい。苦労せず林道に出ると、別の中継所があった。ここで道は不明となり、T氏は、林道を進まず、中継所のそでを強引に進むとテープや古い標識があり、そのまま進む。お互い声で確認しながら、私は林道を少し進み、次の分岐(一の谷コース通報ポイントの標識有り)を右折し進むと、笹が借り払われ、国見広場に出た。 そこからの進むべき方向も探すのに苦労したが、奥に鹿よけネットがあり、扉のテープに注意書きがあり、ルートが確認できた。それを進むと、T氏たちに会えた。そこからは、歩きやすい道を下り、前のコブは上り返すのは勘弁してほしいと願うと、願った甲斐があり、鞍部が分岐のマドであった。標識もあり、安心して下る。沢を何回か渡渉し、迷うと対岸にルートがあるという感じだった。ポイント標識もある。すばらしい渓谷になると、危険箇所で、ロープがあった。濡れた箇所では滑りひやっとしたが、ことなきを得て、沢を橋で越えると、駐車場所に戻りついた。苦労もしたが、充実した山行であった。空はようやく晴れ渡り、朝より桜は開いていた。帰りは運転は眠気との戦いであったが、途中T氏にかわってもらい、無事帰宅した。
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