清水峰(奈良教育大学奥吉野演習林)) |
【データ】
【メンバー】 |
今から5年前、山楽日誌のAさんの記録を見て、奈良教育大学の奥吉野実習林を知った。いつかと思っていたが、どうしても近畿百名山や関西百名山が先になっていたが、それも達成して、これからは、隠れた名峰・コースをということで、目指すことにした。 ここは、許可制なので、センターに問い合わせすると、駐車場所まで教えていただいたが、大学の方にも、一応連絡許可をと言われたが、結局、そのままになってしまった。 同伴者は、小辺路をごいっしょさせていただいたNさんだ。小雨決行と考えていたが、天気予報は、まずまずである。岩出でNさんをピックアップして、粉河から紀ノ川左岸を走る。やはり信号がない分、早い。国道168号は、天辻峠を下ると細くなる。 天辻峠手前の蕎麦屋の「大月」付近のアジサイは見頃で、青系・赤系共に美しかった。国道168号は、崩れるシーンがたまたま撮影までされた道路改修で迂回路になっているところを進み、夢の湯を過ぎて、国道に戻る左折車を見送り、我々は、直進する。赤谷オートキャンプ場の看板が豊富で、それに従えばいいので迷うことはない。 対向できない細い部分もあるが、舗装路なので、小さな落石にだけ注意して進むと、自宅から2時間ほどで着いた。指示通り、施設前のロープの張っていた箇所の路肩に広がった箇所に駐車する。 HPの資料を参考に、1mに満たない柵を失礼して乗り越え、施設裏にまわると、登山口の標識と取り付きの階段があった。最初は、杉林の中の九十九折を登る。赤谷回廊分岐の最初のベンチまでが、がんばりどころだ。ベンチで一息入れた後、「頂上へ」の矢印に従い、進むと、標高500mの標識があり、高度計と差異がないことを確認する。 ![]() ![]() 十坪平 その後に左下に「夫婦松」の表示があった。ここからは、川も見えた。ここからは、つがや赤松の大木があることなどを確認し、左側が自然林であるころになると、十坪平はすぐであった。ここのベンチで小休止し、水分補給する。 迷うことのないほどの黄色のペンキとテープを頼りに進むと、再び左側が植林となり、ほどなく、尾根コースとトチノキ回廊コースの分岐となった。ここのベンチで、標識を確認すると、尾根コースとトチノキ回廊コースの文字は、マジックで消えかけであり、尾根コースは「頂上へ」と書かれている。 ここから今日の最も期待する部分だ。ほとんど平坦なコースは歩きやすく、自然林の美しさ、緑の美しさに目を奪われながら、進む。15分ほど歩くと、右下にトチノ巨木→の標識があった。 ![]() ![]() トチノキ巨木 川のような苔むした岩石群 右下にロープを頼りに数十m下ると、トチノキの巨木が2本あり、特に奥のものが独特の雰囲気を醸し出させていた。Nさんが気づいたが、谷側に斜めになっている分、ずっしりとして、また、苔等がびっしり幹に生えている。幹周囲6.8m、高さは25mもあるとのことだ。洞もあり、入ることができるので、入ってみる。Nさんが携帯電話の明かりでよく見えるというので、借りると全体像がよくわかった。 巨木を堪能した後、ルートに戻り、Nさんの本日のメインディッシュでしたねという言葉にうなづきつつ、自然林を進むと、水音がし、沢に出た。小滝で美しい沢だ。帰宅して奈良教育大学奥吉野実習林のHPを見ると、ヤマシャクヤクが多く、シャクヤク沢と呼ばれるようだ。水飲むと甘い感じがした。 少しで8号鉄塔と7号鉄塔分岐があり、8号鉄塔は尾根コースにつながる。演習林のHPの紹介もAさんも8号鉄塔コースを進んでいるが、我々は7号鉄塔コースを進む。すぐに美しい自然林の中に、沢状に岩石が川のように続き全て苔むして川のようになっていたのには驚いた。水が流れるからか、下に伏流水があるのだろうか、不思議な風景だった。 7号鉄塔を過ぎ、急な道を喘ぎながら進むと、尾根道分岐があって、そちらもテープがふんだんであったが、我々は平田平を目指す。小沢の前後は気を使う道で、慎重を要した唯一の箇所であった。この場所のため、大学のHPの推奨ルートは、8号鉄塔コースになっているのであろう。小沢を越えると、再び巨木があった。ミズナラであろうか?ほれぼれしつつ、瘤が多いのが不思議であった。 ![]() ![]() イノシシのヌタ場 山頂より大峰山脈 最後の上りに見えたので、休憩し、進むと、いのししのヌタ場と書かれた標識のある美しい箇所に出た。そこから山頂かと思いつつ進むと、そこは、まだ、平田平で標識があった。ここのミズナラの純林も殊のほか美しい。 森に慰められるルートだ。黄色いテープに導かれるように進むと、「もうすぐ頂上がんばれ」の標識があり、ほどなく「伯母子岳」方面の標識があり、その左手が山頂であった。伯母子岳方面は、Aさんの頃よりさらに踏み跡が薄い感じだ。 ![]() ![]() 清水峰山頂 ミズナラの巨木 山頂には、三等三角点と釈迦ケ岳の鋭鋒と大峰主脈が見えた。風が涼しく、至福の時である。そういえば、途中いくつか温度計が設置され、ほとんど21度であった。大学のHPは標高1186.5m、ふくろう絵の紀州わらじの会のプレートは、1186.2mとなっていた。 十分満足した後、尾根コースを下ると、前半は、ぶなを中心としたすばらしい自然林で、中にミズナラの巨木もあり、満足して下る。トチノキ回廊の分岐まで、尾根コースを進むが、傾斜もさほどでなく、快適に下った。 Nさんと良いコースを歩けたことに満足し、帰路も順調に紀ノ川左岸を走り、朝とあまり変わらず帰れた。よくを言えば、テープとペンキが多すぎるかもしれないが、メインのトチノキ回廊の核心部分はその印もないのが粋である。 |