 
朝は一応雨が上がり曇天である。ユースからも斜里岳の姿は全く見えない。セブンイレブンで朝食を買い食べる。登山口まではカーナビが用をなさない。コンビ二で聞いた道も誤っていたが、PAPAS LAND(清里町の3つの温泉のうちの一つ)を過ぎた辺りでおかしいと思い、少し戻ると、「斜里岳登山口」の大きな案内標識が出だし、それに従い、たどり着くことが出来た。清岳荘までの最後の約8kmはダートだが、走りやすい。清岳荘前には早くもたくさんの車が止められていた。
雨が降っていたので、レインウエアを着る。トイレを済ませ、登山届を出し、黒板の注意書きを読む。雨だが渡渉には支障な いようだ。詳しい注意書きはありがたい。下二股までは13回の渡渉であった。少し増水していたが、注意すれば飛び石伝いに十分渡れる。川は鉄分が多いのか石が赤茶けている。11回目の渡渉後唯一の残雪があった。下二股で熊見峠を通る新道コースと別れ、少しで最初の滝・水蓮の滝で、水場もあった(山頂まで2.4kmの標識有)。羽衣の滝は名前と違い水量が豊富だ ったせいか、豪壮な感じがした(左の写真)。高山植物が豊富になり、チシマキンバイ(コース全体を通じて最も多くかつ見頃で美しかった)やチシマフウロが咲いている。その後、方丈の滝、七重の滝(さらに霊華の滝、竜神の滝とあるが、標識はない。竜神の滝は支沢にある滝で落差10mもないが唯一の直下型なので、すぐ分かる)を楽しみながら進む。鎖やロープも多いが岩が滑らないのでそう難しくはない。ウツギの花も多い。上二股で一息入れ、ダケカンバやミヤマハンノキの林を抜けるといよいよ胸突き八丁。エゾツツジ(右の写真)が可憐に咲いていたので写真を撮る。この辺りから天気がよくなり、青空も見えた。馬の背は風が強い。一時的に南斜里への稜線も見えた。風を避け、あんぱんと牛乳を食べる。ここからは花が豊富で特にヨツバシオガマ(右下の写真)が多い。コブを越えると眼前に山頂が見えた。急に見えるがさほどでもない。エゾゼンテイカ(左下 の写真)やミヤマダイコンソウ 、ミヤマオダマキも咲いている。山頂は雲の上という感じで天気は悪くないが、下はガスで何も見えない。二等三角点は一段下にあり、そこで昼食とする。
下に行くほどガスか雨か分からなくなった。上二股からは多少の上りはある ものの、辛くはない。ハイマツ帯はすばらしい展望とのことだが、今日は何も見えない。風が強く半そでTシャツでは体が冷える。結構背丈のあるあるハイマツなので風から守ってくれた。熊見峠から先の道は、段差が大きく、ぬかるんでいて、トムラウシ状態であった。下二股で靴を洗う。
清岳荘の管理人さんが羅臼は距離があるので上級、斜里は3.6kmしかないので中級とされているが、コースは羅臼より難しくガイド泣かせと言っていた。一昨日は登山禁止となったことも教えてくれた。記念にカウベル(焼失前の清岳荘の絵入り)を買ったら、斜里岳を紹介したパンフレットをくださった。
露天風呂のある緑 の湯を目指す。露天はちょうどよいかげんだが、相当体が冷えていたようでなかなか温まらない。温泉を出てから、小清水原生花園に向かう。カーナビでは止別駅までしかルートが出ない。P社のカーナビは緑の湯の位置も間違っていたし、今一つだ。止別ま での道沿いは丘陵地で畑と防風林は美瑛に似ている。止別からは右にオホーツク海、左に涛沸湖が見え、どんよりした雲がかえって旅愁をかきたてる。涛沸湖の前は牧場で、馬が放し飼いされているので、写真を撮るために多くの車が駐車しており我々も参加する。車を降りるとすごい寒さで上着を着る。原生花園は25年前と違い、瀟洒な駅舎 や案内所ができていた。ちょうど花は見頃で、エゾスカシユリ(左一番下の写真)、ハマナス、エゾゼンテイカ、エゾフウロ、ナデシコ等美しく、荒れたオホーツクの海と対照的であった。寒いので最短コースを周回し、案内所に行くと、Mさんが教えてくれたとうもろこしとじゃがいもバターを食べる。しかしよく考えると両方とも収穫前なので昨年のものかもしれないが、うまかった。これで私の目的は完遂という感じで腹も心も満腹である。Iさんの要望で網走刑務所を見学し(こんなところで記念撮影をする気持ちが分からないというMさんの言葉を尻目にI夫妻と私は記念撮影をした)、女満別空港に向かう。1時間早く着いたので、レンタカー料金も安くなった。良心的な値段設定だ。ただし、道内のガソリンは、どこも108円/gと非常に高かった。昨年はそんなこと はなかったのだが。
空港でおみやげを買い、夕食に鮭のちゃんちゃん焼き定食を食べた。天候が悪く、関空からの便が無事に着き、折り返せるか心配したが、定刻どおりテイクオフした。関空への便は岡山まで行って戻ってくるという飛行路には驚かされたが、ほぼ定刻に着いたので、妻に約束の時間に紀ノ川駅に迎えに来てもらうことができた。これで日本百名山は47座。天気は今一つだったが2山登れたことと花が美しい時期で満足のできる山行であった。
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