塔ノ岳 表尾根

 


データ】     

2017年5月20日(土)晴れ 歩行時間6時間39分(261分+138分)
5:08後楽園駅発 6:01小田急新宿駅発 7:08秦野駅 7:35バス 8:15ヤビツ峠
8:27スタート <17分> 8:44富士見橋 <4分> 8:48取り付き <9分> 8:57〜9:02林道 <15分> 9:17ヤビツ峠2.5km三の塔1.3kmの標識 <38分> 10:00裸地終了 <7分> 10:07〜10二の塔<15分> 10:25〜37三の塔 <28分> 11:05鳥尾山荘 <29分> 11:34行者ヶ岳 <30分、鎖場渋滞11分> 12:15書策小屋跡 <19分> 12:34〜43新大日小屋 <13分> 12:56木ノ又小屋 <37分> 13:33〜14:20塔ノ岳山頂 <10分> 14:30鍋割山分岐 <15分> 14:45花立山荘 <32分> 15:17堀山の家 <19分> 15:36駒止茶屋 <14分> 15:50〜55一本松(大倉バス停3km)<8分> 16:03見晴らし茶屋 <15分> 16:18観音茶屋 <8分> 16:24丹沢ベース <5分> 16:29〜33克童窯 <12分> 16:45大倉バス停
16:55バス発 17:08渋沢駅発快速急行 18:28新宿駅着 18:34丸の内線 19:00後楽園駅

メンバー
    単独
   


夏の北アルプス双六岳登山のため、登山バスの予約をした。肝心の術後の体力と年齢の衰えを確認するため、2002年の5月に歩いたヤビツ峠からの塔ノ岳を目指す。シロヤシオの花が見たくて、体力があれば、当時と同じく丹沢山のピストンを目指したい。

ただ、ネット情報によると、今年はシロヤシオの開花が非常に遅いとのことだ。当時は、関西に帰る飛行機に乗るため、町田に泊まり、秦野からタクシーの相乗りを試みた。今回は土・日は、7:35発のバスがあるとのことなので、有難い。

それでも待ち人が多かろうと早めに着くように後楽園駅の始発に乗った。前夜は、読売日本交響楽団の指揮=ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーでブルックナー:交響曲 第5番 変ロ長調 (シャルク版)を東京芸術劇場の良い席で聴くことができ、その余韻で睡眠時間が少なかったが、何とか起きることでできたので頑張ることにした。

天気は良いが、黄砂の影響かすっきりしない。折角の富士山は駄目かなぁと思う。小田急線は前回と同じく丹沢・大山フリー切符を買う。これは、1530円で、秦野駅からヤビツ峠までのバス代が470円するので、大変お得だ。

5:46発の急行は、満席だったので、トイレに行き、次の6:01に乗った。さすが東京で長い車両なのに、この時間で満席だ。睡眠不足でぼーっとするため、うつらうつらしながら、過ごす。秦野(はだの)駅では、たくさんの登山者が降りた。バス停に急ぐと早、100人以上の列(乗るバス停は下の写真の前方の小さく見えるバス)。どんどん増えていく。係員に聞くと、臨時バスが出るので、安心した。東京の人は口々に臨時が出るのか心配の声はするが、係りの人には誰も聞かないのが面白い。そのくせ、私が聞き、出ると分かると「良かった」の声があちこちから(^^)v

定時のバスは、30分に出て、次の臨時のバスに乗れた。座りたい人は、次の臨時を待つが、まだ、来ていなかったので、私は立つことになるが乗った。まだ、200人ぐらい並んでいるだろうか。45分のワインディングロードは大変だが、前の方だったので、まだ、耐えれた。座れた人は、皆さん、寝ている。

ヤビツ峠のトイレは、外見は美しいが、中は今ひとつだった。一人なので登山届けを出しておく。舗装道を下り、富士見山荘を目指す。この日は、登山初心者の頃を思い出し、命を再びいただけたことに感謝し、20年前から愛用しているミレーのザックとトレゼッタの革の登山靴とした。


富士見山荘までに行かずに富士見橋があり、トイレもあった。そこで左折する舗装林道を少し行くと右手に登山道の取り付きがあった。ここからは、早速の急登で、若い人たちにはどんどん追い抜いてもらった。

10分ほどで、記憶にある林道に出て、左に15mでまた右手の山道を登る。登山者に道整備の石の歩荷を頼んでいたみたいだが、終わっていた。

















ずっと急でお腹もすいたので、9:30頃一息入れ、おにぎりを一つ食べた。今日は飲み物は2g以上持って来たのは正解だ。急な上りが続き、苦しいが、裸地では、振り返ると大山が美しい(左上の写真)。また、足元には、フデリンドウ又はハルリンドウ(右上の写真)と呼ばれる花が咲いていた。女性の登山者グループが見つけて知る。

裸地が終わると、三つ葉つつじの群落を抜けると二の塔だった。ベンチがあり、たくさんの人が休んでいたが、遅れがちなので、休まず急ぎ、真新しい階段を少し下ると、左手先に富士山がくっきり見えた。この日は黄砂で駄目かと思っていただけに、感激の一瞬だった。雲に浮かぶようで前回の印象とは違う。急に元気回復となった。

















三の塔(左上の写真は二の塔から三の塔)からの富士山も素晴らしく、カメラにおさめる。ここから標高差100mを下って鳥尾山荘まで少し登る。「かき氷」の旗がはためていて、いちごとレモンが400円で売られていた。










































アセビの新緑を愛で、鳴き声が上手くなった鶯の声と珍しく姿も見て、さらに柴犬を連れた登山者まで出会って、行者ヶ岳に着いた。

このコースには、鎖場が三箇所あるが、書策小屋跡までの下りの鎖場が大渋滞で、10分以上待たされた。ネットで見ると、よく大渋滞となっているようだ。確かに初心者だと体を離せずに苦労するのかもしれない。

ここの岩にイワカガミの美しい群落があり、前の若いカップルに教えてあげると、親しくなり、書策小屋跡まで山の話をしつつ歩く。サングラスが良く似合うかっこいいカップルだが、山は奥さんのリードだという。山のお勧めを聞かれて、「いつか雲ノ平に」と申し上げた。出会ったときには、私より1時間も短い時間で歩いたと思われ、お二人とも健脚そうだ。来週はシャクナゲを楽しみに十文字峠と話していたが、二人の登山の良き思い出はどんどん増えよう。

























木ノ又小屋は、素泊まりもでき、3500円と安いが、登山者たちは安いけど食事がないとねえとこぼしていた。ここにもカキ氷があり、同価格で、メロン味が増えていた。ここを過ぎると、木道の散歩道のような雰囲気だ。辛いのは、最後の上りだった(右下の写真)。目に留まったのは、マムシソウ(右上の写真)とミネザクラの名残、崩壊地だった。

























塔ノ岳は人で溢れ返っていた。富士山はよくよく見ると、山頂のみうっすら見えた。蛭ヶ岳も霞んでいる。表尾根はコースがよく確認でき、よく歩いたなぁとの思いがこみ上げる。

























ようやくの昼食で、セブンイレブンのお初の「半熟卵とちくわてんぷらの冷やしうどん」なるものを食べていると、先に出会ったカップルが私を見つけてくれ、わざわざ声をかけてくださった。今後の人生での素晴らしい山との出会いを祈る。
















シロヤシオが名残惜しく、丹沢山の方から来た方に聞くと、情報通り、今年は遅く咲いていないという。体力も時間もないので、ほっとした。しかし、よく見ると、ミネザクラが満開だった。

さて、バカ尾根と呼ばれる大倉尾根の下りだ。花立山荘までの間で、若い子に私がこの日着ていた「Tsurugidake」と書いたTシャツをほめられる。崩した文字と絵なのによく分かるなぁと感心した。

歩荷がビールを6ケースかついで登ってきた。50kgは超えている。鍋割山荘の主人は、100kgかつぐのをTVで見たことはあるが、この尾根は標高差があり、大変だ。この山で歩荷の人たちが競う大会もあるようで、ポスターが掲示されていた。

下山路も外人やカブスカウトの団体、若い女性と多彩だ。堀山の家からの平坦なアカマツの多い大木の道、左手に表尾根、一本松辺りの大木を楽しみ、膝が笑いそうになるのをこらえ、下った。この道でも豊かな自然林が見れるのが魅力だ。

ちょっと食べたらよかったかなと思ったのは、最後の観音茶屋の「しぼりたて牛乳プリン」だ。わすが150円だった。次回はチャレンジしよう。

ヤマビルが多いのか、歩いた距離は表尾根7.8km、大倉尾根7kmで計15km。標高差は1200m。案内看板には、富士山・北アルプス登山に匹敵するので要注意とあった。高山と違い、呼吸の辛さはないが、日帰りで1200mの標高差はハードだ。表尾根でも標高差は、UP・DOWNを入れると1000mを超えそうだ。

表尾根はヤマケイアルペンガイドに代表的縦走コースで、変化に富み、展望の素晴らしい丹沢入門の銀座コース、快適度ナンバーワンとあり、2002年は同感と思ったが、この日の感想は「コースは良いが、疲れと暑さでああ、しんどかった」だった。

いつものように靴とストックを備え付けのたわしで洗い、臨時バスには乗らず、定刻のバスに座り、渋沢駅に向かう。バスと電車のつながりもよく、順調に寮にたどりついた。
翌日は、懲りずに、谷中のカバヤ珈琲のモーニングと鈴本演芸場で二つ目の早朝寄席を楽しんだが、月曜日からは足の痛さが数日続いた(^^)v

ちなみに、カバヤ珈琲はネットのお勧めで一位、二位はよく行く本郷三丁目駅前の「麦」だった。カバヤ珈琲は、二階の和室に通され、町屋の雰囲気を味わったが、この店は観光客中心、麦は東大の先生や学生と明らかに客層が違う。少し名喫茶店巡りもしてみるか。


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