当初予定していた鳥海山と飯豊山への山行が中止せざるを得なくなった。折角の3連休なので、単独で石鎚山系へとも考えていたが、梅雨明けの見通しが立たない上に、今年で切れるマイルが結構あること思い出し、再び日本百名山で唯一北海道で未登の後方羊蹄山を目指すととする。

<樽前山登山口の駐車場 建物はトイレ> <風不死岳と支笏湖>
以前から後方羊蹄山を登るときは、後方羊蹄山だけではさびしいので、あこがれの雨竜沼湿原を訪ねたいと考えていた。飛行機の予定を確かめると、日曜日の午後の便はさすがに取れないが、午前の便だと取れるので、休暇を一日取れば丸々3日間休めることを知る。他に一日目に短時間で登れるいい山はないかと調べると、日本二百名山にも選ばれている樽前山であれば、手頃で且つ魅力的な山であることを知る。
天気予報も当初は全日晴れマークであったが、週間予報は当てにならないからなぁと思っていると、近づくにつれ、案の定、後半は崩れがちとなり、登る順序に迷うが、結論は当初予定通り、樽前山、後方羊蹄山、雨竜沼湿原から南暑寒別岳と体力があれば暑寒別岳までをピストンすることにした。
朝一番の阪神尼崎行きのバスに乗り、会社へ行く人に申し訳なさを感じつつ、伊丹空港行きのバスに乗る。バスは定刻より早く伊丹空港に着き、人出の多さにびっくりしつつ、荷物を預け、いつものようにオオサカラウンジのインターネットで天気予報を確認する。
搭乗検査も人でごったがえしていたが、何とか10分前に搭乗口に着いた。350人乗れるB767は満席であった。折角の窓側席も景色が見え始めたのは、秋田県の男鹿半島からで、津軽半島を左手にするとすぐに函館の町が見え、ほどなく後方羊蹄山の雄姿も見えたので、写真におさめる。この季節の飛行機はさすがに満席で、子供も多く 着陸時耳が痛く泣いていたが、たまごっちジェットを見てようやく泣き止んだ。

<ガレた上りの道は階段> <満開のイワブクロがここかしこに>
定刻を少し遅れて到着した新千歳空港は思ったより気温が高く感じた。レンタカーは、夏の北海道は特別料金で高いが、ジャパレンがキャンペーンで2日めから4800円/日と安く、カーナビ・ETC付きのニッサンマーチが72時間で18600円であった。重い荷物をさげ、隣のビルからレンタカー会社のバスで営業所に向かう。全国で流行のアウトレットモールが増築中て、家族旅行で来たらどうなったろうと微笑む。
樽前山の麓の支笏湖までは、40分ほどの距離だ。コンビニでイワタニガスを買う。このガス機器は、山用に比べると重いが、飛行機の時は安易に安価にガスを入手できるので重宝している。Iさんのお薦めで、コージツで買ったものだ。登山口の樽前山七合ヒュッテまでは空港から37kmで分岐には大きな道標が分岐にはあり迷うことはないが、国道 号から6.6km、内意外にもダートが2.7kmあった。幌尻岳登山口へのダートよりは悪く慎重に走る。駐車場は50台近く止めれそうだが、平日だというのに満車で、係員が整理している。
 
<東山山頂への道> <東山山頂>
ちょうど下山者も出始める時間帯で、うまく空いたのですぐに止めれた。準備をしていると、早速、虻や蝿の来襲である。今回は特に雨竜沼対策として、虫除けスプレー、虫除けネット、団扇に、刺されたときのためのムヒと万全である。樽前山は、団扇だけで済んだが。
管理人の方にルートを聞くと、ガイドブックと違うルートマップをいただき、火口内は立ち入り禁止だが、周回できることを教えられる。周回しても3時間ほどで後方羊蹄山の足慣らしになると薦められる。
登山届に記入し、樹間の階段を上ると、ほどなく樹林帯を抜け、外輪が望める瓦礫の階段道となる。暑いので団扇であおぎながら上るが、すぐに心地よい風が吹いて来た。花は、ほとんどがイワブクロで満開である。左手には、樹海の向こうに海がすぐそこに見える。
下山者は、観光客風の人も多い。景観を楽しみながら、ゆっくり上っても、写真撮影時間を入れてもわずか40分であった。外輪山に出ると、火口跡の向こうに2箇所から白い煙の上がる溶岩ドーム、左 手には西山が見える雄大な景色が広がる。

<東山山頂の先から風不死岳> <樽前山神社奥宮>
最高峰の東山には左手わずか5分ほどの上りで着く。三角点と大きな山頂標識があったが、虫が多く長居は無用だ。さらに先の方が風不死岳と支笏湖が望めるので進んでみる。
晴天下、景色を堪能した後、折角なので、周回する。西山に向かう道は、途中二股となるが、どちらも山頂奥宮につながる。景観がすばらしい快適な道だ。そこから、少し下って、標高差で50mほど上り返すと西山であった。途中、イワギキョウに慰められた。西山山頂には数人いたので、太陽光発電のある施設の蔭で、昼食にいつもの稲荷寿司を食べる。
それにしてもここからの眺めもすばらしく、支笏湖の向こうに後方羊蹄山も見える。ほどなく来られた東京の単独者から、明日の後方羊蹄山の比羅夫コースは上りやすいが、下りは単調であきること、山頂付近のシマリスは人なれしていることなど教えてもらう。
ここから、溶岩ドームに向かい下り、巻くように東山への分岐辺りまで周回して進む。快適に進み、東山や932m峰への分岐を過ぎ、下り降り、風不死岳分岐辺りまで来ると、早外輪山が高い。この辺りには、ダケカンバの幼木がある。何とそのとき、不吉な携帯電話が鳴る。

<溶岩ドームと東山山頂> <左奥に後方羊蹄山とニセコアンヌプリ>
確認すると安全担当の室長からメールが届いている。先にメールと電話もくれていたようだ。案の定、災害報告でがっくりくるが、被害はさほどなくほっとする。奥宮に安全を祈願したばかりだったが、効果もなかった。
折角の気分も一気にしぼみ、淡々と周回道をたどり、少し上り気味に進むと元の駐車場に戻った。実歩行時間は、わずか、2時間ほどのコースだったが、雄大な景色に大満足であった。
ここから後方羊蹄山ふもとのまつかり温泉を目指す。道路は信号もなく快適だが、工事が多く片側車線規制の箇所も多かった。途中1億円のトイレなる道の駅フォレスト275で休憩し、夕食の足しにジャンボコロッケと北海道限定のサッポロクラッシックの500mlを購入する。1億円のトイレは自動演奏ピアノが高いだけで 、さほどではなかった。
<西山山頂から溶岩ドームと東山山頂> <中央から噴煙を上げていた>
留寿都リゾートで右折し、まつかり温泉までの道からは、後方羊蹄山の雄姿がすばらしく何回か車を止め、写真に収める。少し残雪があるのがアクセントになっている。まつかり温泉は、露天風呂からの後方羊蹄山の眺めに陶酔気分となるが、温泉代のおつりを取り忘れたのが玉に傷であった。原因はおいしそうなトマトが冷やされて売っていなかったことを悔やんでいたからであろうか(^^ゞ
コンビニとAcoopで飲み物等買い足し、比羅夫登山口に向かう。目指す半月湖野営場も国道5号線に半月湖と羊蹄山登山口を示す大きな看板があり分かりやすかった。まつかり温泉から20kmであった。

野営場に人が少ないと困るなぁと心配したが、着いた頃には5台の車とテントも4つ張って各々食事をしていた。3つの蛇口のある炊事場とトイレと小さなテント場の奥に雨よけのスペースがあるだけで、駐車場は20台強だが、登山口としては、こじんまりして使い勝手がよく上出来だ。しかも無料だ。森林の奥には羊蹄山の山頂部が見えた。
私の夕食は、まずはサッポロクラッシックとジャンボコロッケとコンビニで買ったキャベツの浅漬けで一杯。ぐびぐびぐび。実にビールが美味い。やはり発泡酒や第三のビールよりはるかに美味い。仕上げはカレーライスだ。でも隣の香川のワゴン車の焼き物の臭いがたまらない。そうこうするうちに、車は10台になった。
夕暮れとなり、テントは翌日片付けが面倒なので車で寝ることにする。虫除けに窓をしめていたので最初は暑かったが、すぐに寒くなってシュラフをかぶった。羊蹄山山頂にかかる雲が赤く染まり美しいナァと思っているうちに満点の星空となった。そう言えば昼間ラジオで星空観察日よりだと言っていた。平均して1時間ごとに起きたが、合計では、結構眠っている。首枕を持ってきているだけ、ましだったかもしれない。
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