光岳

 


データ】     

H23年6月19日(日) 曇り 計13時間11分(上り6時間56分 下り6時間15分)
2011年6月18日(土)

6:30清明寮発 7:00十三番丁 9:00P草津 9:45多賀SA 10:53中央道(262km) 11:00〜30内津峠Pにて昼食 12:10〜20恵那峡SA 13:06飯田IC(358km) 14:15R152分岐(395km) 15:20易老渡登山口(415.8km) 19:15就寝
 
2011年6月19日(日) 曇り 計13時間11分(上り6時間56分 下り6時間15分)
2:00起床 2:30スタート <3ピッチ 110分> 4:37〜47面平 5:30〜40休憩 7:08初めて下山者(夫婦)に会う 7:13〜21休憩  7:28三角点 7:33トラバースのやせ尾根 <148分> 7:55〜8:12易老岳(茶臼岳方面分岐) (9:00と9:29に2ピッチ) <120分> 10:29静高平 <5分> 10:37イザルゲ岳 <13分> 10:50〜53光小屋 <20分> 11:13〜24光岳山頂 <13分> 11:37〜52光小屋 <19分> 12:11静高平 12:19三人目の単独行者に出会う 12:41〜50ガレ下にて休憩 13:34NTTつながる <101分> 14:01〜08易老岳 14:32トラバース <27分> 14:35三角点 15:27倒木帯 <118分> 16:33面平 <97分> 18:10ゴール 

19:40〜20:30かぐらの湯(夕食、入浴) 2:30西ノ庄着


 【温泉】 
   かぐらの湯

 【メンバー
   I君(25歳)
   


 日本百名山も残り二座となったが、光岳がやっかいだ。当初、大先輩のIさんが引率してくださることになっていたが、東京の子会社に移籍となったので、準備でばたばたするだろうと思い、中止とした。
 
 そんな中で、前週、塩見岳を無共にしたM君と入社3年目のI君が共に行きたいと言ってくれるので、楽しみにしていたが、天気予報は二転三転し、前夜、ふろにも入って準備万端の時に、М君から電話が入り、17時の予報で雨量予想が悪くなったと聞き、万事休すとなった。

その後、妻に帰宅を告げた途端、二人から「飲みましょう」とのお誘いを受け、折角の機会だからといつもの小料理「さよ」に出かける。М君は相変わらずの強さで、あっという間に二本の芋焼酎が空いてしまった。ただ、M君は、翌週は「夜行軍」の下見で駄目だった。彼とは入社以来の友人・戦友なので、飲めただけでも良かった。

 翌週は、I君が一人だけでも付き合いたいと言ってくれるというので、彼のお父さんの年齢に当たるのに、私になついてくれる気持ちがうれしく、よろしくお願いした。高速代の割引も最後の日となる。何しろ日帰りなので、彼の実力が少し心配だが、実行に移す。週間天気予報は、確率「A」でよかったが、近づくにつけ悪いが、降るか降らないかの感じなので実行する。計画は変更し、土曜日、昼間走り、日曜日未明から登ることにした。

 日帰りについては、前例や警察、そして光岳の管理人さんに、雪の状況を聞く。管理人情報では、残雪期の注意点をいただいていたので、心強い(結局は、登山道脇に少しあっただけだった)。















 I君の車にはETCがないので、父のKを借りるということで、妻も故障等心配していたが、父が事前に点検もしてくれていた。寮を出て、実家で車をチェンジし、高速に乗る。確かに上り坂はパワー不足だが、平均80キロ近くは出そうだ。ガソリンの減りは早いので、給油すると、15q/l出ていてほっとした。夕食は内津峠Pが家庭料理ぽくてよかったので、私は豚の生姜焼き定食、I君はかつ丼で満足する。

 途中、製鉄所内の中電レアアースで火事があり、心配したが、部下の対応もよく、戻る必要もなかった。単に賃貸の土地も構内ということで、マスコミもいいかげんな取材で書くので、困る。

 ナビはないので、「三遠南信自動車道矢筈トンネル」の豊富な看板とまっぷるの「 長野県」の地図便りだ。無事R152の分岐も見つかり、トンネル手前を右折し、上からR152を跨ぐように走った。日本のチロル風景と評される景色に、車を止め、I君を撮る(左上の写真)。ダートも5kmぐらいあったが、私がうつらうつらしている間に、慎重に走ってくれた。易老渡登山口までは、約20q、国道から約1時間で走ってくれた。和歌山からは416qだった。特に登山口の駐車場直前は荒れ、軽では底をするので、一人降りて、通過した。駐車場は整備されていて、10数台は可能そうだが、数台しか止まっていない(右上の写真)。
二か所ぐらいアスファルトがはがれ、パンクしないよう慎重を要した。やはり明るいうちに走るべきだ。















 天気はぐずついていた。雨が降らないときを見計らって、登山口の橋の確認(左上の写真)とヘッドランプで行ける道か、また、未明の出発を予想し、準備を万端とした上で、雨宿りできる避難小屋(右上の写真)で宴会をはじめる。I君との話は濃く、これだけでも、いい思い出になった。紀陽銀行の同期の総務部長がくださった名前入りの焼酎は上手く、明日への英気となった。ただ、簡易トイレは、I君によるといただけないようだ。

 19時に寝ると、見事2時には目覚めたので、出発することにする。朝食は、日経新聞で一位を取ったコカコーラのバナナ味のミニッツメイトだ。

 さすがにヘッドランプは難しく、テープを探しながらの苦労で、先行しては、I君を待つという感じだ。明るくなるのを待つべきか一瞬悩んだぐらいだ。右にトロロープの易老渡補助ロープが見つかった後は九十九折りの道を安定して登る。気持ちも落ち着けてきた。

 5時半頃カステラで腹ごしらえし、倒木帯の後、コイワカガミの大群落に歓声を上げる。易老渡から山頂までは9.4qあるようで、表示が何箇所かあった。

 面平でようやく薄明るくなってきたが(右上の写真)、ぶなから檜の大木、ミズナラの大木もある別天地だ。ここからもひたすら耐えて登るが、左手に残雪の残る稜線や初めての下山者に、昨夜は5人が小屋にとまったが、マットがないと寒かったこと、ここまで小屋から2時間かかったことなど聞く。朝は展望がきいたそうだ。今日はガスがなく、展望がきいたというが、午後は難しかろう。昨日は大雨で登るのに苦労したとのことだ。

 

三角点を過ぎ、I君が少し遅れだしたのが、心配で、唯一の鎖場のトラバース時点に気をつけると(ここで単独者に会う)、元気に易老岳についた。何んとここで4時の出発者に追いつかれた。週に数回高山を登る健脚者とのことだ。我々は夜で30分遅れというところか。我々で5時間のコースタイムというところか(左の写真)。

 標高差を百数十メートル下りおりた三吉平で、カップルが携帯を使っているので、確認すると、やはりドコモだけ使える。残雪の残りか小さな池もあり、雰囲気かある。

 ここからは、庭園風のダケカンバ等の生える気持ちの良い箇所だ。アップダウンを数回繰り返した後は、がれ場の急登を登る。少し雨が降ってきたので傘をさしたが、すぐに止んでくれた。登り始めに残雪があった(左下の写真)。

 登りきると、はい松が生えだし、静高平の水場で、水量は多かった(右下の写真)。イザルゲ岳分岐を過ぎガスのセンジガ原を「やはり山はいいなぁ」と最高の気持ちで歩く。I君もようやくほっとした気持ちだ。

 











素晴らしい「県営光小屋」を過ぎても、やはり山頂は意外と距離があり、20分近くかかった。展望もない一等三角点にタッチし、頑張ったI君と記念撮影。本当に彼はよく頑張った。この苦しい山行を彼と成し遂げたことが「一生の記念」と思い、うれしさも倍増だ。30年近く務めた会社を離れるとき、私の会社生活スタートとなった同じ労働担当の後輩で、気持ちをもって何事にも取り組むI君である。生意気だが、気持ちを引き継いでほしいと願う、30歳近くも離れた「子」とのかけがえのない山となった。

 













山頂には、6時から登れ始めたという健脚が追いつき、これで我々含めて4人だ。さて、帰りは急がねばならない。美しい小屋で一息入れた後、どんどん下ろうとするが、さすがに、I君は足にきだし、ピッチが急速に落ちた。先行して、待つという姿勢で、進む。日没になるとやばいので、途中、易老岳からの下りで、彼のザックも持つことにする。ただ、やはり急坂をザック二つかついで下るのはやばくて、2回しりもちをついたので、最後の数百メートルで、日没前帰着がみえてからは彼にお願いした。

 













上司として、無謀な計画だったかと反省しきりだったが、かに歩きとならず、成し遂げたのは、彼の強い思いと神からのプレゼントだと感謝した。ただ、先行した私は、まだまだ余裕があり、大木の前で木を愛でながら待つという前向きな姿勢であった。左下は、ぶな、右下は檜の自然林、さらに下二枚は、ミズナラの巨木だ。

 




































しかし、真っ暗な中、よく歩いたものだという場所もあった。無事、ゴールし、がっちり握手をかわす。かぐらの湯までは私が運転し、食事と温泉で、やっと終えたという充実感に浸る。彼もほっとしている。だが、まだ、帰宅先は遠い。

 ナビがなく、飯田ICまで、少し苦労したが、余韻を楽しみつつ交代で無事寮にたどりつけた。3時半に就寝し、7時に出勤した。自分でもあきれるほど元気だが、二日後に急速に足に来た。(^^)v

ありがとうI君、日本百名山も99座となった。10月に苗場山に登り、草津温泉でお祝いだ。

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