東京散歩U

 


データ】     

2012年3月3日(土)、3月25日(日)、4月1日(日)

メンバー
    単独
   


2012年3月25日(日)

最近、古典芸能に興味を持ち、「古典芸能を楽しむ本」を読んでから、色々、一度は見てみようという気持ちが強くなった。手始めは、「古典落語」。桂米朝の「落語と私」、「米朝よもやま噺」、「芸、これ一生」、「私の履歴書」、立川談志の「現代落語論其二」、桂文珍の「文珍流落語への招待」などの本を読むうちに、ビデオが見たくなり、自宅近くの田原図書館で、桂米朝の「地獄八景亡者戯」を見て、「さすが人間国宝」とすっかりとりこになり、You Tube で、立川談志の「芝浜」のまくらの面白さと入ってからの上手さにうなり、桂文楽の「富久」名人芸に感心し、古今亭志ん朝の「火焔太鼓」に、歯切れの良さと早死を惜しみ、桂春団治の「野崎詣り」に上方らしさを感じた。

それで収まらず、いよいよ本物が見たくなり、上野の鈴本園芸場の早朝寄せに出かけた。これは日曜の朝、10:00から11:30の間に、真打でなく二つ目だが、わずか500円の木戸銭で4人の噺家を聞ける。結構開演前にも並んでいたが、先週は、春風亭一之輔の真打昇進直前の最後ということで、大変だったようだ。
















受付も当日の噺家が行う。早かったので、前の方に座れた。最初は、三遊亭歌扇の「野ざらし」。なかなか将来が楽しみな噺家だった。二人目は、古今亭志ん八の父島のマリンスポーツをまくらに、秘密のかくれ家の新作。三人目は、三遊亭天どんの訪問販売を題材にした新作、最後は、入船亭遊一の「いくよもち」という吉原の人情噺。この人は、非常に上品さがあり、ぐいぐい引き込まれた。客の評判良く、大師匠扇橋からもかわいがられておりとの案内があったが、むべなるかなだ。四者持ち味が違い、古典2、新作2のバランスも良く楽しめた。






















コストパフォーマンスが高くなじみも多く、7割がた客席は埋まっていた。いい気分となったので、浅草まで足を延ばし、前回見れなかった池波正太郎文庫で書斎の再現を楽しみ、また詰まったときの助けは音楽で、エフィッツシェランドとアームストロングのサマータイムや五世清元延寿太夫の隅田川たったとの案内に作家の苦労が偲ばれた。

小沢昭一の「ぼくの浅草案内」を手引きに吉原弁財天や吉原神社の吉原の名残を見学し、天ぷらやとさくら(馬肉)鍋の中江や天ぷらのいせやの古家を見物し、日比谷線の三ノ輪駅に向かう。裏手の古家とスカイツリーの対比が面白い(左上の写真)。さらに大丸東京店で、原秀樹氏の展覧会を見て、醍醐の桜絵に感激した。

この後も、図書館で、桂文楽の「愛宕山」と「明烏」のビデオ、三遊亭圓生の「文七元結」のビデオの名演に、談志のコメント通り、文楽は、要らぬものをそいだ完璧芸、圓生は文字通り「名人芸」とうならされた。さらに三遊亭金馬の「薮入り」(DVD)も評判通りだった。今しばらく、落語に凝ることになるが、文楽にも興味を持ちはじめている。

2012年4月1日(日

翌週の4月1日も鈴本演芸場の早朝寄席に出かけた。今回は、女性の古今亭ちよりんのたぬきの恩返し、古今亭駒次の鉄道落語、柳家初花のめがね結婚式、三遊亭金兵衛の花見の仇討ちの四席だった。今回も7・8割は入っている。ちよりんは、座布団を裏返すことや氏名めくりも忘れて、あがっていたようだ。女性は声も含めて難しいようだが、話と合っていたので、違和感はあまりなかった。駒次は雰囲気もあり、上手いので、是非、古典も聞いてみたいと思った。初花は話が今ひとつ。金兵衛はとりをとるだけあって、味わいもあり、上手かった。

今日のもう一つの目標の東京国立博物館に出かける。上野公園入り口のオオカンザクラ とシダレザクラは満開で、外人も含めてたくさんの人が記念撮影をしていた。ソメイヨシノはまだだろうと思っていたが、重要文化財の寛永寺の横は、満開に近かった。
 
国立博物館に入り、先ず、法隆寺宝物館に行く。重要文化財の多数の菩薩立像等が見ごたえがあった。ミュージアムショップで見た酒井抱一の夏秋草図屏風や尾形光琳の風塵雷神の図を楽しみに廻るが展示されていない。何と国立博物館は、一番の見ものを常設していわけではないのだ。ルーブルにモナリザがかくて良いのかと理解できなかった。

黒田清輝の「湖畔」を見れただけ良しとしよう。ミュージアムシアターで縄文時代の土偶の話を見る。凸版印刷との作は素晴らしく、ガイドの女性の案内も素晴らしかった。ただ、残念なことに、オークラのレストランはお目当てのあんかけやきそばは売り切れで、さらにたくさんの順番待ちであきらめる。 

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