蔵王お釜・岩手山展望・八幡平・岩木山展望

 


データ】     

2009年10月23日(金)〜27日(火)

メンバー
    妻 
   


2009年10月23日(金)晴れ時々曇り

 5:45近鉄タクシー 6:10快速急行 6:40上本町発空港バス 7:03伊丹空港 7:50伊丹空港発JALEX 9:07仙台空港

 昨年は、子供の受験等で行けなかったリフレッシュ旅行に、出かけることにした。私は、ヨーロッパに行きたかったが、妻が無類の飛行機嫌いで、妻の希望を聞き、東北の秋を満喫することにした。

私は、登山で、全国くまなく回っているので、今回は妻の希望に添うことに徹することをにする。妻は新幹線を希望したが、そこまで、休みはとれないので、私が手を握っていてやるから(^^ゞということで飛行機とした。

行きは仙台空港、帰りは、青森空港が適当な時間がないので、三沢空港からとした。4泊5日の旅である。

一日目の金曜日は、松島と仙台市と蔵王の見学後、蔵王の麓の遠刈田温泉の離れ露天風呂付の温泉山荘「だいこんの花」泊

二日目の土曜日は、鳴子峡の紅葉、中泉寺、八幡平の見学後、八幡平ロイヤルホテル泊

三日目の日曜日は、十和田湖、奥入瀬渓流の見学後、十和田プリンスホテル泊

四日目の月曜日は、八甲田山、津軽、竜飛岬の見学後、JALシティ青森泊

五日目の火曜日は、下北の恐山の見学

を予定していた。レンタカーなので、天気等によって、臨機応変に変える予定だ。飛行機とレンタカーはバーゲンフェアで安く手配できた。宿代は、ネットでもJTB等旅行代理店もかわらないようだが、変更可能なようにネットで全て手配した。

21日頃から天気が安定しだし、もう一、二日早い出発ならとやきもきする。長期予報は、良いので当たることを信じるのみだ。

 出発日は、朝早いので、始発バスなら間に合わないといけないので、タクシーを予約した。前日は、なるべく早く帰ろうと思ったが、仕事があり、結構、遅くなり、睡眠時間は少なかったが、人間は、何時に起きると思ったら、体内時計で、起きられると言うのは、当たり、ぴったり5時に目覚めた。

 タクシーも予定より少し早く着いていたので、出かける。運転手さんはきさくな人で、さっき、4時まで飲んでいたお客を送り届けた話や、博多までの長距離を乗せて、行方をくらまし、えらいめにあった仲間の運転手の話などされた。前日の13時からの勤務で、間もなく、勤務が明けるという。

 早く着き過ぎ、生駒駅で待つことになったが、始発の快速急行で、上本町駅に向かう。上本町駅の空港バス乗り場も、表示が豊富で、すぐに分かった。乗車人員もさほど多くなく、道路は空いていて、所用時間も20分少々であった。

 さすがに今日は、4泊の荷物なので、手荷物を預ける。仙台行きは、満席だ。機内より、琵琶湖、南アルプス、八ヶ岳、浅間山、日光の中禅寺湖、猪苗代湖、吾妻山も確認できた。飛行機嫌いの妻にとっては、天候がよく展望が良いのは何よりだ。仙台空港へは海に出て、海から着陸した。

  トヨタレンタカーまでもわずかだったが、送迎があった。手続きはスムーズでVITで、最初に日本三景の松島を目指す。私も妻も、天橋立と宮島は見ているので、これで完結することになる。妻は旅行計画を作り始めた段階では、乗り気でなかったが、日本三景だから、やはり一度はということで向かう。高速道路がすぐ近くまでついているので、短時間で行けた。

時間的なものもあり、遊覧船は乗るつもりはないので、高台から一望できるところを探す。最初、奥松島方面に向かい、全体の見所を確認し、再び、逆方向に向かう。妻は、飛行機恐さで、朝食はろくに取っていなかったので、喫茶店を探すが、いいところがなく、四大観の一つの双観山に行ってみたが(本当の四大観は、双観山の裏手の扇谷という小高い山であった)、店もお目当ての雰囲気でなく、展望も思ったほど優れなかった。

再び、五大堂方面に戻り、国道から左手に入り、ホテル大観荘を目指す。ホテルの玄関に立っていた女性に聞くと、11時からサンドイッチ等ならあるということで、妻の目当ての喫茶コーナーに行く。

雄島も見え、なかなかの展望でコーヒーも美味く、いい一時となったが、サンドイッチは出前のものでホテルらしくなかった。チャペルからも展望がよさそうなので、立ち寄ったが木が大きくなり駄目だった。ここで油をうってられないので、五大堂方面に向かい、円通院に立ち寄る。

アプローチの石庭や近辺の紅葉がすばらしく、お霊屋(三慧殿)も含め、京都のようだと京都好きの妻は喜ぶ。














円通院霊廟三慧殷は。重要文化財で、その厨子には、支倉常長が西欧から持ち帰ったバラが描かれていて、その関係でバラ園があるが、奈良の霊山寺に比べると、しょぼくれているので、ない方が良いように思えた。

それより、石庭の「天の庭」、「地の庭」が紅葉にも映え、よかった。特に天の庭は、松島湾に実在する七福神の島を表しているとのことだ。栃木の団体を説明する案内者がおもしろくて、ついつい聞き入るが、釣瓶落としの秋の夕暮れの早さを思い、次に向かう。
残念ながら瑞巌寺は修理中で、またの機会とする。

国の重要文化財の五大堂も、道向かいに駐車場があり、足を痛めている妻には好都合だ。外国人も多かった。海沿いなので、痛みは激しい。維持は大変だろう。

国道346号を通り、塩竈市多賀城市を通り、向かう。高速よりは旅らしさを感じて良い。仙台市は、佐藤宗之の「青葉城恋歌」のイメージがあり、けやき並木のある杜の都だと思っていたが、市街地に近づいてもその気配がなく、不思議であったが、中心部になると、すばらしい並木で、妻と感心する。

妻は、気乗りしていなかったが、昼食は仙台の名物は牛タンとする。道中、どの店がいいいかと東北大OBのA君に電話するがつながらなかったので、老舗の「味 太助」に行く。わざわざ待って入ったが、牛タン・テールスープ・麦飯のセットは、味はいいが、牛タンは固く、本当に皆さん、美味いと思って食べているのかという感じだった。

ちょうど食べ終わったときに、A君から電話があった。聞くと、牛タンは近年の話で彼の学生時代にはなかったと言う。

青葉城跡に向かい、伊達政宗の像見物を目論む。城跡は創造していたより、ずっと高いところにあり、自動車でないと苦しい。有料駐車場に止め、奥の広場に行くと、仙台市内を見渡せる広場があり、政宗像が立ち、撮影スポットになっていた。像は昭和39年に設立されたという。

なかなか、一眼デジカメを持った人(=腕の良い人と理解)が現れず、妻と二人の撮影は、いいのが撮れなかった。この広場からの展望はすばらしく、眼下に広瀬川が流れ、緑濃い美しい町並みがよく分かる。     

ここから、蔵王に向かう。一般道でもさほどではない。ただ、昼食をほとんど食べなかった妻が求める喫茶店等はなく、仕方なく、コンビニでフランクフルトを買っていた。蔵王のエコーラインでお釜は無理でも、滝だけでも見たらと思う好天だが、17時には暗くなる上、今宵の宿は旅行中、最高なので、無理をせず、15時半だが、宿に早めに入ることにする。

到着した、一の防グループが経営する遠刈田温泉、温泉山荘「だいこんの花」は名前こそ、地味だが、18部屋、離れの露天風呂付中心の宿でJTB等でも一度は泊まりたい宿に選ばれている。駐車場から玄関へのアプローチも雰囲気があった。何とアプローチ入り口の囲炉裏で、焼き芋を焼いていて、16時から配られるという。

部屋に案内され、部屋でチェックインだ。回廊式の廊下を通り、部屋(「」)に入ると、落ち着いた雰囲気に妻も満足そうだ。私も大変気に入った。宿の人たちも、親切で笑顔を絶やさない。

ここは、部屋の露天風呂も広くて趣があるが(シャワー室もついている)、4つの貸切露天風呂も素晴らしい。わずか18室なので、貸切風呂が満室になることもないという。中でも川沿いの「通り雨」と「雪待ち」は人気だ。「星の林」と「朝かぜ」にはシャワー室もあるので、露天風呂付の部屋でなくても良い。大浴場の「ぎんやんま」にも露天風呂もある。全て源泉かけ流しで、源泉は80度以上もある。

残念ながら、「通り雨」と「雪待ち」は先約がいたので(チェックイン時刻と同時に、皆さん、来られるようだ)、「朝かぜ」にチャレンジする。露天風呂に二人で入るのも初めてだろうか?そして、周回して、サロンで、焼き芋とコーヒーをいただいた。回廊の椅子で紅葉の小庭(川も流れている)を見ながらねゆっくりした時間を過ごす。

夕食は個室の食事処だ。メニューは自家製・契約農家の野菜中心とのことであり、妻も私も野菜ばかりかなと思っていたが、肉や魚を上手に活かし、全て手の込んだ、また、器も味も素晴らしく、妻も大満足であった。芋煮もお腹いっぱいとなっていたのが、何とも残念だ。
















妻は部屋の露天風呂に入る間、私は、通り雨、雪待ち、大浴場ぎんやんま、そして部屋の風呂と温泉はしごをする。


レストランは、母屋ダイニング「コの字」というところだ。文字通り、最高3人までのテーブル個室が中庭をコの字に取り囲んだ配置となっている。メニューは、メニュー表の通り、実に手の込んだ、また、素材を選んで活かしたもので、野菜しかでないと思っていた妻も、いささか不安であった私も大満足であった。

量も結構あり、名物料理のいも煮も少しとするしかなかった。しかし、デザートはしっかり取った。そんなわけで、20時からの母屋囲炉裏まわりのデザートワインの振る舞いや22時からの小とりサロンでの夜食(ゆで卵とこんにゃく)もその気になれなかった。

ただ、温泉だけはということで、通り雨、雪待ちの貸切風呂、大浴場のぎんやんまを短時間で梯子し、部屋の露天風呂でゆっくりした。シモンズベットは寝心地よく、22時には眠りについた。

10月24日(土)曇り

朝、起きて、人気の「通り雨」に行く。通り雨は、紅葉の森林の中、木の渡り廊下のような橋を渡るので、風情たっぷりだ。紅葉と川の流れを見ながらの露天風呂はすばらしく、妻にも勧める。何と二人で、行くと、野生のリスまでいた。風呂の近くと入り口付近で二回も見たが、違う二匹だろうか?

妻は、ゆっくり入っていると本当に川の流れが「通り雨」の音のように聞こえ、その由来を前日、チェックインの際、説明してくれたと得心していた。その話を聞き、再度の確認と、星の林や雪待ち、部屋の露天風呂も楽しみ、朝から温泉づけだった。 

それでも朝食は、8時30分からと時間があったので、山荘内の一万坪の雑木林の散歩道を歩むと、テラスや星見台、一反半の野菜畑、小川も流れ、心地よかった。そういえば、前夜、夕食の際、オリオン座流星群が見えるということで、「星見台」の話がスタッフから出ていたのは、ここかと見なかったことを残念に思う。

再度、妻を散歩に誘い、妻も敷地の広さと雰囲気のよさに驚く。その後、朝食とする。朝食も新鮮な野菜はもとより、手作り豆腐や出し巻き卵など、自慢の一品も多かった。

唯一の問題は、天気予報は晴れだったのに、曇っていることだ。昨日、スタッフが私達が蔵王に行くことをフロントにも伝えていて、会計の際、お釜のカメラをインターネットでチェックしてくれたが、見えないという。太陽光電池のせいで見えないこともあると慰めてくれた。滝見台も見えないことが多いというが、折角なので駄目元でも目指すことにする。

蔵王エコーラインは、自然林の紅葉が素晴らしかった。滝見台近くの路肩に駐車が多かったので、降りてみる。ガードレールを越えると、展望のいい箇所があった。足元は危ういので、気をつける必要がある。日本の滝百選の三階滝と蔵王最大の不動滝(左下の写真)が見えた。滝見台がすぐ上にあることを知り、車で向かう。駐車場もスペースがあり、特に三階滝がよく見えた。柵と大木にもたれ、高級一眼デジカメで撮っている人も多かった。滝壺まで見えるようだ。私も習ってチャレンジする。紅葉は見頃だが、腫れていないので、写真の色は今ひとつだろう。昨日、ここまででも来たらよかったかもしれない。















どちらの滝も距離があるので、ガスって見えない日が多いこともうなづける。折角なので、不動滝も近くで見える箇所があったので、見物する。高さ水量ともに、なかなかの迫力だった。

お釜までは、結構遠く、ほどなく、森林限界を越え、火山の趣が強く残る景色を見ながら、走る。わすが数kmのために、蔵王ハイラインという有料道路を通り、お釜近くの山頂レストハウスに止める。料金所で「お釜は見えるか?」と尋ねると見えるというので、妻とほっとする。駐車場も空きスペースがあったので、お釜見たさに急ぐ。

前回、蔵王登山の際は、全く見えなかったので、距離感がなかったが、駐車場からもわずか5分ほどで、お釜間近の柵まで降りても、10分ほどだ。しかし、柵までは、滑りやすそうなので、足を痛めている妻に注意を促す。

火口湖のお釜は、写真通り、見事なエメラルドグリーンだ。五色沼と言われるほど、色が変わるということだが、本当だろうか?妻も興味深々に見つめていた。実に気持ちの良い若い女性が撮ってくれた写真は、構図の出来もよく、記念になった。

今日の予定は、鳴子峡、平泉、八幡平の見学であったが、鳴子峡は、紅葉は満喫したので割愛して、平泉に向かう。蔵王エコーラインの終点(11:58)から、宮城川崎ICに向かう。お釜から170kmの距離だ。途中、菅生PAで、昼食をとる。私は地元の村田そば、妻は仙台ラーメンというみそラーメンを食べた。

中尊寺は、ICから近く、無料駐車場に止める。実は有料駐車場が上にあることを後で知る。予想していたより、山上にあり、妻にとっては苦労だ。紅葉が美しかった(下の写真)。金色堂は、実に美しく、これぞ国宝というものであった。よく残ったと思う。芭蕉像や能舞台を見て、かんざん亭でぜんざいを食べた。讃衡蔵の国宝や重文はさほどのものはなかった。駐車場を出発したのは、15時50分、ホテルまでは120km。日没との競争だ。東北自動車道から見た、岩手山のシルエットが美しく、妻も感激する。

















ICを出て、給油し、人家のない道をナビ便りに走る。自然たっぷりのところだと分かる。今日の宿は、八幡平ロイヤルホテル。ロケーションを重視し、選んだ。料理もまずまずだと思ってフランス料理コースを選んだが、とんでもないフランス料理だった。せめて洋食コースと書けという感じだ。サーモンのオードブル、かぼちゃのスープ、一切れのみの鰆、何の工夫もないステーキ。閉口した。昨日とは天と地の差だ。

古いが、広い温泉だけつかり、そそくさと寝た

部屋は和洋室で、リニューアルしているが、カーテン半分は古いままなど、中途半端だった。妻からはけちったなと言われるが、そんな気は毛頭ない。場所とダイワロイヤルであれば、そこそこと思い、心配なく取った宿だった。

10月25日(日)快晴
5:50起床 7:50ホテル発 9:05〜10:50八幡平遊歩道 13:00休屋 13:30十和田湖遊覧船 16:50十和田湖プリンスホテル 

しかし、ホテルへの評価は、朝起きて、カーテンを開けて、一変した。何と眼前にどーんと岩手山が広がっているではないか。こんな雄大な景色はないだろう(左下の写真)。紅葉の向こうに広がる樹林帯。廊下に出て、逆側を見ると、八幡平の紅葉の樹林が広がる。予定では、朝食は、団体客が終わってからと薦められていたが、この快晴の下、絶景を見逃すわけにはいかない。妻を起こし、7時前に、バイキングを並び(メニュー豊富でよかった)、7時50分には出発した。















最初に松川渓谷に向かうと、白樺林が実に美しく、写真を撮る。松川渓谷は期待ほどではなかったので、八幡平アスピーテラインに向かう。この道路は快適で、妻も雄大さにびっくりする。

道路からは、八幡平ロイヤルホテルがいかにいいロケーションに建っているかよく分かった。岩手山は逆行だが、雄大で(右上の写真)、妻は東洋一の硫黄鉱山跡の松尾鉱山の廃墟となったアパート郡に興味を持っていた。廃墟好きだそうだ(^^ゞ

道路は、快適で、ところどころに雪よけシェルターがある。間もなく、冬季の閉鎖になる。雄大な景色に妻は大満足だ。

八幡沼を見せるため、八幡沼の駐車場に止める。ここは、少し離れたところに無料駐車場もあるが、足を痛めている妻のために、最も近い有料駐車場に止める。八幡沼までは、整備された遊歩道が続く。















整備されているとはいえ、上りなので妻に小股で歩くことがこつと言うと楽だと喜んでいた。八幡沼は妻が思っていたより色濃かったようだ。逆側のガマ沼はエメラルドグリーン色だ。

八幡平頂上を周るのと、ピストンではさほど時間が変わらないので、折角だから日本百名山でもある頂上を妻と一緒にと思い、目指す。頂上の碑で記念撮影し、展望台に登る。周りの木が大きくなり、展望がきかなくなっていた。

周回路をたどると、メガネ沼があり、水は汚く水は少なかった。鏡沼も名前ほどきれいな水ではなかった。駐車場横のゲストハウスで、高山植物の写真など眺めて、妻の薦めで、登山靴のかわいいキーホルダーを買う。
 
アスピーテラインからは、岩手山、秋田駒ケ岳、森吉山、月山、鳥海山が眺められるので、途中、ビュースポットに停車しながら走る。蒸ノ湯温泉の露天風呂を駐車場から眺めたり、途中、道草しながら下る。下るにつれ、紅葉が美しい。
 
大沼ではツキノワグマのジュンが檻に飼われていた。十和田湖畔までは80km。鹿角なども見所があることを後で知るが、何せ妻にとっては初めての東北。先ずは名所をということで十和田湖に向かう。

折角の好天なので、何としても陽の高いうちに、十和田湖の紅葉をみたいという腹だ。最初の十和田湖の展望台、発荷峠(631m)は大変なにぎわいだったが、何とか駐車できた。展望台に上がり、バイクツーリングの青年に写真を撮ってもらう。

ここからは湖が一望できるが、紅葉は光線の角度からか、あまり美しくは見えなかった。しかし湖畔に出ると、素晴らしい紅葉で期待が膨らむ。妻は昼食をゆっくりとりたかったのだろうが、太陽の下、十和田湖遊覧をということで、休屋の待合所で麺類を食べ、13時30分発の船に乗り込む。

十和田湖は標高401mにあり、周囲46kmある日本三位の湖だそうだ。遊覧船の案内は丁寧で分かりやすい。「山は富士、湖は十和田湖、広い世界に一つずつ」と、かの大町桂月が絶賛したそうだ。見返り松や二百メートルにもおよぶ絶壁の千丈幕など見所も満載だ。嬉しくて買ったばかりのデジカメ一眼で写真を撮りまくった。

紅葉は期待以上に美しく、赤や黄色に松の緑が映え紅葉最盛期だ。天候・季節最高の日にあたったようだ。妻と共に、行い意外とよかったのかなぁと笑う。











































































その後、よくポスターにもなる瞰湖台(583m)から眺めるが、上の方の紅葉は終わっていたので、ポスターのような写真は撮れなかった(右上の写真)。

ここまでは、日曜日の好天にもかかわらず、渋滞もなく順調だったが、奥入瀬渓流はさすがに何箇所か渋滞した。ただ、運良く阿修羅の流れに止めることができ、陽は落ちかけていたが、紅葉も美しく、奥入瀬らしさを感じれたので、妻も満足していた。妻は歩くことは難しかったので、上出来であった。石ケ戸先で、迂回路を再度、十和田湖に向かう。









































折角なので、九十九折の道を進み、冬枯れの木立の御鼻部山展望台(1011m)に立ち寄ると、湖の上に月と岩手山が見え、幻想的だった。下ると岩木山もシルエット風に見え、旅情を感じる。

日没前に十和田プリンスホテルにチェックインできた。歴史あるホテルで、今日は期待できそうだ。最も上位の湖側の部屋で奥入瀬という夕食も最高コースとした成果は?

温泉は湖と紅葉を見渡せる露天風呂のみの近代風だが、いい雰囲気だった。

夕食のレストランもロッジ風の落ち着いた風情だ。奥入瀬コースの人は、窓側の席のようだ。コース内容は、一口オードブル、フォアグラのソテー、ホテル特製ビーフコンソメスープ「いちご煮」仕立て、十和田湖産天然姫鱒のムニエル、青森県産和牛フィレ肉のグリル、秋田名産稲庭うどんのサラダ仕立て、クレープシュゼットの「とんぶり」入りアイスクリーム添え、パン、コーヒーだ。食材、味、盛り付け全てそろっていて、これぞフランス料理ということで、昨日のマイナスを見事取返してくれた。妻も大満足だ。

10月26日(月)曇り

6:15起床 6:45朝食 8:50出発 10:30津軽こけし館 14:30三味線会館 16:30五所ケ原立倭武多 

天候は曇りだが、湖畔の紅葉は素晴らしく、朝食の前後に出て、写真撮影をする。今日は、津軽地方の観光にする。黒石までの道も奥入瀬に負けないぐらいの渓流と紅葉で妻も、東北はどこも美しいとため息をついていた。

黒石では津軽こけし館に入り、数々の受賞に輝く阿保六知秀さんが実演していたので記念撮影してもらい、作品を購入した。津軽弁が何とも旅情をかきたてる。

弘前に向かう途中、りんご畑と岩木山の撮れる場所があったので撮影していると、農作業の婦人がりんごを撮っていると思い、畑に這いければいいのにと言ってくださる。何とか方言は聞き取れた。



















































弘前に向かい、弘前城前の観光館でようやく、自分が岩木山に登ったとき、立ち寄ったことに気づく。妻は失念していたことに呆れていた。藤田記念館前まで行き、Uターンして、追手門で桜の紅葉を撮り、後で思えば物産館の駐車場に止めてもよかったのだが、できるだけ歩く距離を短くと思い、裏手の春陽橋近くの有料駐車場に止め、弘前城の天守に向かう。

天守からの紅葉越しの岩木山はすばらしく、昨日の晴天だったら、どんな写真になったろうと思われる景色だ。特に桜の古木も多く、日本有数の桜の名所であることを知らなかった妻も納得する。堀近くから植物園を見ると、堀に菊人形の船が浮かんでいた。

その後も丑寅櫓など重要文化財を見て、駐車場に戻り、弘前に多い古い洋風建築物の代表である青森銀行本店を見学し、横のアンジェという店で、ごはん付のフランス料理を食べた。弘前は洋食屋が多いことも売りで、洋風建築とレストランを紹介したパンフレットもあった。なかなか美味しかったが、お客さんがなく、大丈夫かなと心配した。

市立観光会館は、ねぶたが見ごたえがあった。津軽三味線会館の生演奏のラストは14時30からだと分かり、急ぐ。岩木山を左手に見ながら急ぐと、ぎりぎり間に合った。女性の弾き手(函館市出身の福士豊加さん)だったが、津軽五大民謡の、よされ節、あいや節、じょんがら節は素晴らしく旅情をかきたてられた。思えば、津軽三味線には、想いがあり、長谷部氏の「津軽じょんがら節」、映画の「はなれごぜ おりん」などなど興味があった。

隣にある斜陽館は、太宰治生誕百年ということで盛り上がっていた。想像していたより、規模も内装も立派で富豪に生まれたのだなぁとしみじみ思う。案内の方の説明も興味深く、妻と過去に想いをはせる。しかしながら五所ケ原の立倭武多も閉館時刻が迫っているので急ぐ。専用駐車場に移動する時間ももったいないので、会館前の有料駐車場に入れ、入館する。最後の放映は16時30分だったので、ぎりぎりセーフだ。20mを越える立倭武多は圧巻で3体が展示されていた。妻もあまりの迫力にびっくりしている。

三体のうち、一体が毎年、更新されるとのことだが、どれも見ごたえがある。近年、復活したとのことだが、関係者の努力に敬意を表するとともに、これが通れるよう、電線を地下に埋める等の行政の努力もすばらしい。

エレベーターで最上部まで上がり、らせん階段で下りながら、途中、放映を見た。すっかり堪能すると、もう外は真っ暗だった。

青森市内に向かう途中、夕食をどこにするか悩む。市内までの道路は大変整備されていた。宿泊先のJALシティ青森に近い、アスパムはどうかと立ち寄ると14階にDINING「はなぁぶ」という青森の夜景を一望できるレストランがあったので、早速予約する。

ホテルに駐車の間、妻には、アスパムの青森観光物産館見物で時間をつぶしてもらう。レストランは、市内が展望でき、一周すると全方向見ることができるので、妻は一周していた。青森県産の食材を使ったコース料理もよかったが、さすがに洋食続きで、ちょっと食傷気味だった。しかし、旅情をかきたてられるシチュエーションで妻は喜んでいた。夜景は、橋を除き、都会の割にはやはりさびしい。私も地元のお酒で東北旅行の最後の夜を楽しむ。

竜飛岬までは行けなかったが、津軽の雰囲気をたっぷり味わえた一日であった。

10月27日(火)雨のち晴れ
14:30三沢空港発 15:10新潟 15:45名古屋 16:15伊丹空港 

朝起きると、やはり雨であった。三陸沖を進む台風が、飛行機の出発までに、去ることを願う。東奥新聞なる地元新聞に旅情を感じつつ、朝食バイキングをとりながら、今日の行動を相談する。天気もあり、「ねぶたの里」を訪れることにする。ホテルから10km足らずの場所にあった。期待以上の多数のねぶたの数と、体験ショーまであり、妻も含めて楽しめた。体験ショーは、ねぶたを実際に引かしてくれ、はねる踊りもするのであった。
















ねぶたの展示は、直江兼続をテーマにしたものもあった。昼食はケーキもおいしいので当初はお茶の予定であったJALシティ青森ホテル近くの「CHANDOLA」に立ち寄ると、ランチもおいしそうだったので、昼食とした。

三沢空港に有料道路を使う。三沢空港は見事晴れたが、風が強く心配だ。ここは米軍 基地と自衛隊基地も並存していて、轟音を立てながら、ひっきりなしにスクランブル発進する戦闘機に驚かされた。

最後まで見せ場の多かった旅だねと妻と話す。飛行機はクラスJがとれ、揺れも少なく良かったが、それでも妻の手は、汗でべっとりしていた。(^^ゞ
 

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