金沢・富山の旅  九谷焼との出会い

 


データ】     

2013年5月3日〜5日

メンバー
    
   


2013年5月3日(金)

 GWは、どこに行こうか悩んだ末、以前から雨晴海岸からの立山連峰の絶景と砺波チューリップフェアを見てみたかったので、富山とした。ホテルは、高層階の部屋からの立山連峰の絶景を狙って、ANAクラウンプラザホテル富山とした。

 5時30分に出発した甲斐があって、車の量は多いものの順調で、北陸道に6時50分に、金沢県立美術館には、8時50分に着いた。

開場は9時でなく、9時30分で。駐車場で待つことになった。30分に近づくと、薬師寺展目当ての方が列をつくった。それにしても、この地区は景観が素晴らしい。歴史資料館のレンガ建築、美術館も落ち着いたデザインの建物だ。

我々は、常設展だけでいいので2階に上がると、何と薬師寺の国宝の吉祥天像を間近に見ることができた。彩色が残り、期待以上に美しい。人は皆、薬師寺展に流れ、独占状態で見ることができたのも、最高だ。さらに第1展示室の野々村仁清の国宝色絵雉香炉、重文の色絵雌雉香炉も素晴らしい。両方とも惜しくて再度見てしまった。さらに古九谷も素晴らしい。特に重文の鳳凰が気に入った。

家内が喜んだのは、「CAFE LE MUSEE DEH」。前の小径の緑を眺めながら、CAFEを楽しめる。日本で有数と言われるパテシェのつくるホカッチャにスープセット、ケーキは、さすがに味が良かった。開店して4年らしいが、流行るのもうなづけるし、それを招致した美術館はセンスがある。

満足して、建物が話題の金沢21世紀美術館に向かうと、九谷焼の「北山堂」があり、店構えが大変立派だったので、立ち寄ると上品な女将さんが丁寧に説明してくださった。人間国宝の吉田美統さんの作品と 苧野憲夫さんのペルシャアンブルーの作品が気に入った。ボタンをいけた花瓶二つが彩りを添えていた。五代目になるそうだ。歴史ある町にある老舗の焼き物屋、店も店員も素晴らしい。町の持つ上品さを感じた。

長町武家屋敷跡に向かうと、右手に重文の石川四高跡の建物がある。武家屋敷跡も野村家の庭が狭いながらも小堀遠州がほめたというだけあって、趣があった。案内によると、「野村家の庭園は樹齢400年の山桃や椎の古木や六尺に及ぶ大雪見灯篭、さくらみかげ石の大架け橋などが絶妙なバランスで配置されており、濡れ縁のすぐ下にまで迫る曲水、落水を配した佇まいは、屋敷と庭園が見事に調和した造りを見せている。2009年にミシュランの観光地格付けにて2つ星に選ばれ、また過去には米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」誌の日本庭園ランキングで第3位に選ばれるなど、海外からも高い評価を受けている」とある(左の写真)。正直なところ、それほどには思わなかったが

昼食場所には困ったが、鏑木本舗でいっぷく定食、野菜カレーを食べ、久谷焼販売が九代目になるというので、家内にフリーカップをプレゼントした。九谷焼らしい柄で、帰宅後、アイスコーヒーの愛用となった。併設のコレクションは、一見の価値があった。

車を取りに行き、ひがし茶屋街を目指すが、駐車場が満杯だったので、雨晴海岸に向かうことにした。これが正解で、この日に見ておかないと翌日以降は、霞がひどくなるばかりであった。雨晴海岸は、道路沿いに公営駐車場があり、自己責任で線路を横断し、海岸に下りると、有名な義経岩を前に立山連峰の絶景が広がっていた。外人も含めてもたくさんの人が写真を撮っていた。山頂付近は、雲もかかっているが、十分満足できた。







ANAホテルは期待通りで立山連峰の絶景が窓の外に広がる。

ただ夕食は、ANAホテルは、特に洋食がよくないので、富山第一ホテルのフレンチ「ルミエール」とした。ロケーション、料理共に期待通りであった。宴会のためか、貸切状態で、暮れなずむ立山連峰を見ながら楽しんだ。

帰りに係りの人に聞くと、ANAに外資が入り、洋食は早々に撤退したとのこと。富山湾寿司は、ここの「粋寿司」が値段と内容のバランスが良いとのこと。









5月4日(土) 

砺波チューリップフェアの開場は、8時30分で家内から毎日30分まちがっているねと笑われる。50分かかるそうだが、チューリップタワーに上る。待ち時間の列でも景色良く、また、列の地元夫婦と会話したりして、退屈はしなかった。

最高所からは、大花壇の絵が見えた。心をつなぐ愛の花というテーマだそうだ。チューリップは、どれも見頃だ。池に浮かぶ花壇の発想は面白いしきれいだ。五連水車や子供歌舞伎のからくり人形などの工夫もされている。子供歌舞伎横の花壇は、ピンク中心に非常に華やいでいる。

オランダ風花壇を見て、四季彩館で皇室献上などを見る。特にロイヤルテンとハッピーピープルという種類が気に入った。横のチューリップ畑では、花の摘み取りを進めていた。残念だが、良い球根を得るためには必須だそうだ。五百種花壇も見ごたえがあり、家内と好きなものを言い合うと意見はあった。 

築二百年の囲炉裏のある旧中嶋家で草餅を食べ、砺波市立美術館「土門拳の昭和」展覧会を見る。

昼食は道の駅で「大門素麺」を食べた。ねばりがあっておいしかった。次に散居村展望台に向かう。田に水が張られ、絶景だ。しかし。寒かった。立山側も見れるという奥の展望台を探すが、見つからなかった。















































瑞龍寺はナビのミスリードがあったが、何とか駐車場に着く。門前までの道は整備されている。伽藍は想像以上に荘厳であった。団体へのお坊さんの案内に混じる。政治批判や富士山の世界遺産登録に三保の松原が選ばれなかったのは、テトラポットのせいだとかいう言い切りが面白かった。駐車場前の「やすらぎ庵」で庭園を見ながら、珈琲を飲み、観光地図ももらえたので、高岡大仏までも容易に行けた。高岡大仏には少ないが無料駐車場もあった。次に行った土蔵造りの町でも無料駐車場に止め、歩く。道は広く、特に国指定重要文化財−菅野家は見ごたえがあった。金屋町は格子戸のある花街跡である。駐車場を見つけられず、停車程度で過ぎた。

夕食は富山第一ホテルの「粋寿司」を予約したが、人気で19時半からしか駄目で、がっかりしていたところ、同店の兄弟店舗の回転寿司の「粋寿司」を家内が見つけたので、入る。回転寿司と言っても、回っているものは皆無に近く、皆、注文する。期待通りで、家内は好き嫌いがあるので、この方が良いと言っていた。のどぐろや白えびなど地元のものが断然旨い。


5月5日(日)

翌朝は、ホテルでバイキング朝食をとる。まずまずであった。折角なので、ホテル前の富山城址を散策し、佐藤記念美術館に立ち寄る。安価だけにそれなりであった。





















私が近年全力傾倒している八尾の町を見せたくて、越中八尾に向かう。川沿いの道は快適だった。越中八尾駅の藤棚は満開だった。井田川のほとりの禅寺橋からの石積みの景観、坂道、おたや階段、若宮神社、日本の道百選諏訪町通りと案内し、八尾おわら資料館の大型スクリーンで風の盆を見る。この映像は四季がよく映し出され、良かった。家内はいい町だと認めつつも、これを夜通し歩き回る体力にあきれていた。

昼食は、ハイウェイオアシスのKinryuでオムライスを食べ、加賀ICで降り、私の師匠のM部長お勧めの石川県九谷焼美術館に立ち寄る。学芸員の高桑達夫氏が熱心に説明してくださり、家内は疲れてきたようだが、私は大変興味深く面白かった。絵付けは、今までさほど良いとは思わなかったのだが、今回の古九谷で、強く興味を持った。わずか1655年から1710年で忽然と消えた歴史、「九谷ではなく佐賀県の有田で焼かれたものである」という主張、謎めいた話に興味は尽きない。美術館は、建物自体が素晴らしく、青手、色絵五彩手、赤絵金襴手といった様式別に区分けし、全く雰囲気の違った3つの常設展示室で、趣がある。2階の茶房「古九谷」で九谷焼の器で、お茶を楽しみ、高桑氏お勧めの「苧野憲夫」の銀線があったので、記念に買い求める。

美樹幹前の古九谷の杜親水公園も樋の流れが独特で、深田久弥山の文化館は閉館時刻前だったので、写真だけ撮り、教えていただいた深田生家を見て帰路に着く。

多賀SAで夕食をとり、渋滞を避け、八日市ICで降りて、信楽経由の国道307号をひた走る。かえるの鳴き声と星空が印象に残った。第二京阪に出合い、いつもの岩舟街道で自宅に戻る。


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