燕岳 2763b |
【データ】
【駐車場】 |
ゴールデンウィークのアルプスを求めて、行き先に悩む。候補は常念岳、蝶ケ岳、燕岳の中で迷う。今年はとりわけ積雪が多く、三股からの蝶、一の沢からの常念も難しい。三股からの常念は、もともと難しいようだ。その結果、入門コースの中房温泉からの燕岳とした。メンバーはM氏の膝が回復せず、O2氏が加わる。O1・K・O2氏は山仲間なので私が加えてもらったというところか。 今回も徹夜運転で、1泊。特に最近仕事が忙しく、山行は昨年の1/3となっていて練習不足であることや荷物が重いことから、いつになく、体力に自信がない。中松江で集合し、O1さん号で出発。オデッセイは、後部も独立シートで楽だ。途中の恵那峡サービスエリアのきしめんは旨かった。予定時刻通り、到着。中房温泉の駐車場も空いていて、両岸合わせて60台は駐車できるが、20台足らずだった。ナンバーを見ると、名古屋や関東が多い。1時間の仮眠と合わせると、2時間ぐらいの睡眠となった。朝食をとるが、食欲はない。6時50分出発。10分ほど歩くと中房温泉に着いた。途中も残雪が大きく残る。中房温泉の登山口には、美しいトイレができていた。 合戦小屋で行動食をとり、急斜面を登る。苦しい登りを終えると、槍ケ岳と燕岳が目前に。すばらしい景色だ。惜しむらくは、槍方面が半逆光で青空の色が悪い。写真を存分にとり、再出発。しかし、ここからがかつてない苦しさ。15歩歩いて休んでしまうというありさま。夏道と違い、小屋まで直登である。亀のような歩きであるが、何とか到着。トータルでは、コースタイムとさほど変わらない。O1氏の叱咤激励のおかげだ。彼の話によるとバテたときは少々休んでも回復しない。ゆっくり歩いても歩けば着くという話。 燕山荘からは槍から立山まで一望の景色である。あれが北鎌尾根か。険しい。小説で読んだ加藤文太郎を思い出す。槍は真っ白で、孤独に天をさしている。稜線を左から追う。常念、大天井、穂高、南岳、大喰岳、槍、笠、双六、三俣蓮華、水晶、鷲羽、野口 食事後、荷物を小屋に置き、燕に出発。私とO2氏は写真を撮りながら、のんびり登る。それにしても花崗岩の奇岩が彩りを添え、燕岳はすばらしい。岩には、えびのしっぽもたくさんついていた。また、進むに連れ、穂高の吊り尾根も見えだし、被写体には事欠かない。山頂からの眺めはすばらしく、満足である。小屋にもどって、テラスでビールとウイスキィーで乾杯。つまみの缶詰も暖めるとおいしい。何より眺めがごちそうである。 小屋にもどると、6人棚に2人追加され、定員通りとなっていた。荷物を整理する。間もなく夕食の時間となるが、O2氏は、寝たまま。頭痛がするという。疲れ等から軽い高山病にかかったのであろうか。夕食は、和風ハンバーグとにしんの揚げ物、節句にちなんでかしわもちもついていた。おいしい味だ。しかしらO2氏はほとんど手をつけない。心配だ。夕食は我々は、17時からだが、今日は宿泊が多く、18時からの組もある。130名ぐらいの泊まりだそうだ。夏は、最大600名の収容だが、今は、本館しか使えず、これでほぼ満員 19時から赤沼氏のアルプホルンの演奏と話があるというので、それまでストーブの周りに陣取り、ウイスキーを片手によもやま話、名古屋から来た御夫婦と親しくなる。奥さまは活動家で御主人はやさしくすばらしいお二人である。昨日、アイゼンを買ってきて、今朝出発してきたとか。名古屋は近くていいとうらやましがる。途中、夕日を見に行くが夕焼けはなかった。 いよいよ、赤沼氏の時間。氏の話をまとめると、小屋開けして始めての好天だということ、小屋は今、雪で傾いているということ、近年にない積雪だということ、大天井に行くのもトレースがないということ、大天井岳には直登しないと、滑落するということ、中房温泉への下山も合戦小屋から下は、滑落に気をつけること、高山病をなめてはいけないこと、梅干しの効用、氏の登山歴と仲間の著書の紹介、毎日スクワッド100回の効用と、アルプホルンの演奏が2曲であった。アルプホルンは今は湿気でいい音がでなく、9月頃がベストだという。堪能して、就寝。小屋のふとんは今年から、ミズノが開発したブレスサーモのシュラフ。その効果か人が多いからか、張り付けカイロのせいか、昨年の薬師岳小屋は寒くて眠れなかったが、今年は暖かかった。しかし、2時頃目が覚め、後は4時頃までうとうと。前は前日徹夜のときはよく眠れたのだが。御来光を見る。O1氏は、燕近くまで出かけた。 5時30分より朝食。さけ、スクランブルエッグ、ウインナ等に洋梨のデザートまでついた。さすがである。トイレも混まず、快適に過ごす。水も、雪を沸かしたものをポリタンクに入れてくれている。ポリのにおいは致し方ない。O2氏も元気回復。 蛙岩方面にピストンをかける。薄く曇っているが、全山見える。遠く富士もかすかに見える。尾根道はそう怖くなく、雪庇に気をつければ大丈夫そうだ。途中、迫る槍にほれぼれしながら、写真をとりつつ、ゆっくり進む。皆は先を行き、一人旅だ。途中、テント泊の縦走者と話す。大天井を越え、常念、蝶と進み、横尾に下り、再度槍に向かうという。7日までの長旅だとか。大天井の避難小屋で停滞となると窓もなく真っ暗だとか。うーん、本当の山屋とはこういうものかという感じだ。蛙岩は何とかくぐれることができた。 槍・穂高を堪能し、帰路に就く。燕山荘前で食事をし、下山。登りとは、格段のスピードで下る。若い女性が一人、テント泊の重い荷物でスコップまで持ち、もくもくと登ってくる。すごいというしかいいようがない。下りは、ところどころ尻セードの後が見られる。赤沼氏はしないよう注意してたけどなー。登山口近くまでアイゼンは必要。最後が最も危険そうなのに、土がでてくるので皆その前に汚れや痛みを嫌いはずしている。何のためのアイゼンなのかと話す。 温泉は、中房温泉にするか迷うが、車を中まで入れさせてくれないので、有明荘とする。新しく、露天風呂も広く大正解。缶ビールで乾杯し、帰路に就く。夕食は恵那峡SAのみそかつ定食。結構いけた。 |