焼石岳

 


データ】     

2013年6月29日(金)曇り時々晴れ後霧雨 歩行時間6時間55分
21:13行徳寮発 21:50東北道 1:40〜3:20SAにて仮眠 4:00〜4:30前沢SAにてトイレ休憩 4:40水沢IC 5:30中沼登山口駐車場

5:50スタート <43分> 6:33中沼 <40分> 7:13上沼 <37分> 7:50つぶ沼コース合流 <20分> 8:10〜15休憩 <5分> 8:20〜25銀明水 <15分> 9:18〜25休憩 <20分> 9:45姥石平分岐 <21分> 10:06分岐Uターン <15分> 10:19〜24姥石平分岐 <26分> 10:50〜11:30焼石岳山頂 <15分> 11:45泉沼 <55分> 12:40〜13:10銀明水 <50分> 14:00上沼(登山口1.6q、銀明水1.9q標識) <20分> 14:20中沼 <33分> 14:53登山口

15:30〜17:30温泉「ひめかゆ」 17:40つぶ沼キャンプ場バンガロー 21:00就寝

5:30起床 7:10出発 8:10〜10:30中尊寺・毛越寺見学
SAにて途中30分昼食 15:50行徳寮着

メンバー
    K夫妻、Eさん
   


会社の統合もあり、繁忙で、山も遠ざかっていたが、株主総会後の6月末は、何とかなりそうなので、榛名山を共にした寮仲間のEさんと近隣に住むK夫妻と、昨年秋に台風で断念した「焼石岳」に向かうことにした。Kさんの都合で土曜日の早朝から登るしかない計画だが、皆さん近くに住み、金曜日の夜、早い出発で、三人で交代運転ができるので、何とかなるプランだ。ただ、雨だと断念するつもりだ。花で有名な山なので、花の季節を期待したが、姥石平のハクサンイチゲの大群落には少し遅かったみたいだ。

日程は、ハードで、仮眠をとるも、ほぼ徹夜で走る。登山口の駐車場のキャパが心配なのと、標高差はないが、意外と時間はかかるためだ。K夫人は体力が心配なので、軽い睡眠薬で眠ってもらうこととし、男3名、1時間ぐらいで、交替し、500qを走り切る予定だ。

天気予報は、日本海側は割合いいようだが、太平洋側は曇りで微妙だ。案の定、東北道の終点の水沢ICまでは小雨が続いた。
















前沢SAで朝食とトイレ休憩をとり、水沢ICから「ひめかゆ」を目指す。2008年の地震災害後、改修された道路は快適で、尿前林道への取付も立派な看板がついていた。ダートで7qの道だが、わだちもなかったので、車高の低いFITも駐車していた。

対向は難しいので、皆の流れと反対の車は、迷惑千万だ。登山口の駐車場は40台ぐらいは停められるであろうか。着いたときは、まだ、5台しか停めていなかった。トイレも男女別にある。ウグイスが間近で鳴いていた。

歩き始めると、木道の敷かれたところも多く、急こう配もなく、歩きやすい。お化け水芭蕉が多いが、ほどなく、残雪が現れ、見ごろの水芭蕉があらわれはじめた。盛りのシラネアオイも多く、淡い紫色は清楚だ。

中沼のベンチは、あいにくガスっていたが、カエルの鳴き声が心地よい。コバイケイソウの大群落も盛りを過ぎていたが十分美しい。少し進むと、沼のほとりに出て、残雪の獅子ケ鼻岳こそ見えなかったが、沼の水面に木々が写り幻想的だった。イワナが間近を悠々と泳ぐ。
















ヒメウギアヤメも咲いていた。上沼では、カモの親子が泳ぐのをK夫人が見つけた。上沼の木道にもコバイケイソウの大群落があった。沢沿いの道は、思いの外、雪が残り、油断大敵だ。沢沿いの道、残雪の上、道も変化に富む。ブナの大木も目についた。タムシバやアカヤシオも咲いていた。皆、大満足だ。


























標高が上がるに連れ、水芭蕉、リュウキンカが飽きるほどに咲く。リュウキンカの濃い黄色と淡い緑の葉も美しい。つぶ沼コース合流点の残雪と水芭蕉の風景も心に残った。思ったより時間のかかってたどり着いた銀明水は、こんこんとわき出て、冷たい。持ち帰れない重さの手製のステンレス酌が置いていたので、のどをうるおす。ここには大きなダケカンパの大木があった。

そして、この時期のこの標高でと思う雪渓を登る。ガスっているので足跡があるのがありがたい。少しのぼって振り返ると、左手の小丘に立派な避難小屋が建っていた。更にもう一つ大きな雪渓が続く。K夫人やE君もストックを持っていて良かったと言う。確かに軽アイゼンは不要だが、ストックがあると安心だ。
















なだらかになる手前の残雪は崩れていたので、右の沢を巻いた。雪が終わると高原となった。花もショウジョウバカマや雪田の跡には、イワイチョウも咲いていた。ウサギギクも二輪だが見つけた。コケモモ、そしてナナカマドも白い花をつけている。紅葉の素晴らしさは容易に想像できる。

















それにしても山頂部がこのように穏やかな山並みが続くとは。左手の横岳、右手の東焼石岳の辺りは、青空も見えだした。せっかくなので、ハクサンイチゲの花はほぼ終わっているようだが、東焼石岳への道を進む。大好きなワタスゲに出合え、良かった。分岐まで行って戻ったが、後で考えると、左に進み、周回した方が良かったかもしれない。

















残雪のある美しい泉沼を前方に姥石平分岐まで戻り、山頂を目指す。分岐には、ミヤマダイコンソウが咲いていた。ここからはチングルマやコイワカガミ、右手の姥石平方面には、ハクサンイチゲが咲き、足元の雪解け水には、ヒナザクラが沢山咲いていた。 

泉沼横の残雪を登ると、がれ場となり、最後の上りだ。左手前方には豊富な残雪の斜面が見えた。山頂には立派な一等三角点が鎮座していた。標高は1548mだ。記念写真を撮り、カップ麺中心の昼食とする。夏油温泉への縦走コースを眺めながらだが、時折、虫が湧きたつので防虫スプレーで対策をした。

時々、青空も垣間見えるものの、遠望はない。それでも、一番良い時間帯に登ったのは間違いない。



















帰路は、色々なことが起こった。先ず、みなみらんぼうさんに出会った。下を向いて歩かれていたので気づく人は少ないかもしれない。前を進むカメラマンが写真を撮っていたので、取材であったろう。登ってくる人も多いので、駐車場の状況を聞くが、満車ではなかった。

むし暑くなっていたので、雪渓が近づくと天然クーラーで気持ちが良かったが、往路より、ガスが濃く見えない。銀明水で、コーヒーを準備して待とうとしていると、遅れていたと思われたK夫妻は、直ぐに到着した。銀明水で作ったコーヒーは心なしかまろやかだった。 

K君が自分のペースで歩くと言うので、残り3人で歩いたが、仮設のパイプ橋で、大事には至らなかったものの転落したり、私も霧雨の中、濡れた木道で、3回も尻もちをつき、K君は、間違って、つぶ沼コースへ行ってしまい、Uターンしてくるなど、話題に事欠かなかった。

駐車場手前の沢で泥を落とす。駐車場には、マイクロバスも停まっていて驚く。何とか林道も狭い箇所で対向車に出合わず、ほっとした。日帰り温泉もある「ひめかゆ」までも、すぐだ。湯は、黄色で塩分が強く温泉らしい。湯上り後、地元産の牛乳ソフトクリームを食べているときに、ハプニングが起こった。何と車のKEYがなくなるという強烈な事件が起こった。1時間皆で探しに探し、色々対策を考える。結果は、ロッカーの中棚が落ち、壁との間にKEYがはさまっていた。見つけたE君は、ほっとしていたが、この間の彼の行動は若いのに見事だった。万一、見つからなかった場合のK君のアイデアもなかなかのものだった。見つかれば、いい思い出だ。
 
バンガローは5棟あるが、1棟は先客がいた。なんと女性8名も泊っていた。5000円と思えないとK夫妻もEさんも言う。早速、ビールで乾杯。凍らしていたのが、ちょうど溶けて冷たい。

後半のハプニング続きに、話題はつきない。色々なつまみの間に、K夫人がカレー鍋を作ってくれた。COCO一番の出しはなかなかで、3杯もおかわりした。また、持参のワインも上手かった。寒くなってきて、K夫人が備え付けの石油ファンヒーターをつけた。

さすがに21時には眠くなり就寝。翌日は、折角なので中尊寺「金色堂」とKさんお薦めの毛越寺を見学した。「金色堂」は二回目だが、仏像に興味を持ったので前回とは見方が違う。

帰りは渋滞もほとんどなく、国見SAで、名物のかつ丼を食べ、思ったより早く、行徳に着いた。寮で、岩手日報社の焼石連峰の写真集を見ると、金明水・経塚山を経ての夏油温泉への縦走コースは、さらに楽しめるようだ。また、いつの日にか歩きたい。

百名山を達成してからは、好きな山に、できれば良き仲間をと心掛けているが、今回は、ハプニングがあったものの、会心の登山となった。

  HOMEへ