書 名 | 著 者 | 出版社 | 推薦度合 |
シ ョ ー ト コ メ ン ト |
北八ッ彷徨 | 山口 耀久 | 平凡社 | ◎ | 数年前にNHKで本書を題材にした番組が放映されこの本の存在を知った。廃刊となっていたのが、2001年秋に復刊。特に岳へのいざない、岩小舎の記、北八ッ彷徨の3つの随想がすばらしい。 |
八ケ岳挽歌 | 山口 耀久 | 平凡社 | ◎ | 40年かけての出版。これにより北八ッ彷徨も手が加えられ復刊したとのこと。北八ッの様変わりを嘆くタイトル随想が悲しい。 |
山頂への道 | 山口 耀久 | 平凡社 | ◎ | 登頂より山仲間の救助を優先する「坂巻温泉」、山道具への想いを綴る「私のピッケル」、手塚氏との交流を描く「霧ケ峰」、離島での島民との触れ合いを描く「スコトン岬」、執念の階段上り「愛宕山」等々、山口氏の人柄が溢れる名作が揃う。 |
ちいさな桃源郷 | 池内 紀編 | 幻戯書房 | ◎ | 私の生まれた年昭和33年に創刊され昭和58年の300号をもって廃刊となった雑誌アルプからの珠玉の33編。「自然と人をよく見て分析し、整理したもの。だから表現が的確で、硬質だ。山の文明を、ユーモラスに語る術を心得ているもの」が並ぶ。心の桃源郷だ。 |
山がくれた百のよろこび | 山と渓谷社 | ◎ | 百人の山への想い。中でも、安藤浩正氏の「山に登っていると哲学的になることがある。期間がより長く、ザックがより重たく、雪がより深く、しかも単独であるときの方がその傾向は強い。週末に仲間とワイワイやりながら酒飲んで騒ぎ、という山行もそれはそれでよいのだが、ぼくが山の世界に求めているものは、静かな自然の中で自分に向かいあえる時と空間なのかもしれない。」の言葉に深い共感を覚えた。 | |
現代日本名山圖會 | 三宅 修 | 実業之日本社 | ◎ | 江戸時代の文人画家谷文晁が描いた日本の名山88座を写真家三宅氏が丹念に撮影し、思いを込めた文書が並ぶ。日本百名山との重複は27座のみ。いい本だ。 |
若き日の山 | 串田 孫一 | 山と渓谷社 | ○ | 間違いなく名著だと思うが、私にとっては、山の本は観念的に過ぎない方が良い。 |
山びとの記 木の国果無山脈 | 宇江 敏勝 | 中公新書 | ◎ | 炭焼きと造林業のドキュメンタリー。心地よい抑えた文体は他の例を知らない |
会心の山 | 佐伯 邦夫 | 中央公論社 | ◎ | 富山の先生の登山紀行。会心の登山をしたいという熱い思いが伝わる |
渾身の山 | 佐伯 邦夫 | 白山書房 | ◎ | 山行記録のようでそれだけには終わらない。発行する出版社に感謝の念が起こる。 |
心に残る山 | 石井 光造 | 白山書房 | ○ | 著者も言うとおり、紀行かガイドかは不明だが、静かな山を好む著者の想いが伝わる。 |
山へ 原始の香り求めて | 大内 尚樹 | 白山書房 | ◎ | 自身の人生と山への想いが、飾らない表現から感じ取れ、好感が持てた。 |
登山史の森へ | 遠藤 甲太 | 平凡社 | ◎ | さすが、遠藤氏。単なる登山史年表ではなく、隠れたクライマーの発掘と視点が優れるだけでなく、テンポのある筆が踊る。 |
新編単独行 | 加藤 文太郎 | 山と渓谷社 | ◎ | 素朴な文体に好感が持てるとともに、新田次郎の「孤高の人」との差がよく分かる。 |
残された山靴 | 佐瀬 稔 | 山と渓谷社 | ◎ | 志半ばで逝った8人の登山家の遺稿集 量少なくして一人一人を見事に描き出す |
狼は帰らず | 佐瀬 稔 | 山と渓谷社 | ◎ | 山こそ平等・実力の世界と信じつつエリート長谷川を意識した森田勝の生涯。タイトルに魂がこもる |
長谷川恒男 虚空の登攀者 | 佐瀬 稔 | 山と渓谷社 | ◎ | 時代の世相と同時代のクライマーをテンポよく描くことで長谷川自身を鮮明に映し出す |
ヒマラヤを駆け抜けた男 山田昇の青春譜 | 佐瀬 稔 | 東京新聞出版局 | ◎ | 8000m峰14座中9座登攀。その記録より人柄に惹かれる。 |
喪われた岸壁 第2次RCCの青春群像 | 佐瀬 稔 | 山と渓谷社 | ◎ | 奥山章氏他戦慄のクライマー人生の数々 |
激しすぎる夢 | 長尾 三郎 | 山と渓谷社 | ◎ | 小西政継の生涯。読後何故亡くなったのか再考してしまう |
マッターホルン北壁 | 小西 政継 | 山と渓谷社 | ◎ | 人柄を感じる登頂記。特にアイゼンを落として以降の記録は緊迫感に溢れる |
私の北壁 マッターホルン | 今井 通子 | 日本図書センター | ○ | 飾らない文体に惹かれる。小西氏との違いは、冬季登攀との差異だけか? |
垂直の記憶 | 山野井泰史 | 山と渓谷社 | ◎ | 登山と死との関係に触れた箇所が何箇所かあり、その整理ができているからこそ、ギャチュンカンから奇跡の生還を果たせたのではと思う。気負いのない飾らない文体は一気に人を引きつける。また、稀有の夫婦登山家であることも間違いないことを知った。 |
青春を山に賭けて | 植村 直己 | 文芸春秋 | ◎ | 故人の人柄が感じられ、ファンとなった |
植村直己 妻への手紙 | 植村 直己 | 文春新書 | ◎ | 妻公子さんのあとがき「優しそうな事を言いながら結局は全部自分を通してしまう強引さ」等植村氏の人柄が随所に垣間見えるにつれ、ますます惹かれる。 |
岩壁よ おはよう | 長谷川 恒男 | 中央公論社 | ◎ | 単独行に移っていった心の経過が分かり親しみが持てイメージが変わった。しかし彼もまた故人である。 |
北壁に舞う | 長谷川 恒男 | 集英社 | ◎ | グランドジョラス北壁冬季単独登攀の記録。長谷川氏の山を愛する気持ちがひしひしと伝わる。山を愛し、山から人生を学び、生きる自信と勇気を得た私が、山に愛されて抱かれるときが来たなら、それもよしとしよう。そして、私が死んだ後、もし私のように若くて、臆病な青年が、たったひとりで山をよじっていたら、後ろから支えてやろう。 |
回想の谷川岳 | 安川 茂雄 | 河出書房新社 | ◎ | 第2次RCCメンバー。山から離れても山を想う心は現役に負けず。名エッセーの数々が並ぶ。 |
谷川岳に逝ける人びと | 安川 茂雄 | 平凡社 | ◎ | 遭難記録でありながら、それを感じさせない。谷川岳に何故人は向かうのかの一旦を感じ取り、逝ける人びとへの哀惜の念を禁じ得ない。 |
新編・風雪のビヴァーク | 松涛明 | 山と渓谷社 | ◎ | 北鎌尾根に残した手帳を以前、大町山岳博物館で見た。死の直前のシーンが瞼に浮ぶほどの心を動かす文字が並ぶ。 |
ザイルを結ぶとき | 奥山 章 | 山と渓谷社 | ◎ | 第2次RCC創立の中心人物の遺稿集。評判どおり内容・文章はすばらしい。また、自殺を美化する気はないが、ガンに侵され、自ら死を選んだ経過が分かる生き様である。 |
二人のアキラ 美枝子の山 | 平塚 晶人 | 文芸春秋 | ◎ | 松涛明の恋人?と奥山章の妻であった芳田美枝子さんとの書簡で二人の姿を浮き彫りにする。二人とも山が人生の全てであったことを実感する。 |
黒部物語 | 志水 哲也 | みすず書房 | ◎ | 山やから写真家へ転進。一つ一つの山行に黒部への思いがつまった文と写真が並ぶ。黒部の水・光・風を感じる写真エッセイ集である。 |
山の社会学 | 菊地 敏郎 | 文春新書 | ○ | 地元新聞社ならではのデータ。知識がつく |
北アルプス この百年 | 菊地 敏郎 | 文春新書 | ○ | 北アルプスについての全般的な知識がつく |
山の自然学 | 小泉 武栄 | 岩波新書 | ◎ | 北から順に名山の自然現象を分かりやすく説明している。一気に読め、知識がつく。 |
登山の誕生 | 小泉 武栄 | 中公新書 | △ | 歴史過多(タイトルからは当然?) |
山への挑戦 登山用具は語る | 堀田 弘司 | 岩波新書 | ○ | タイトル通りの内容。用具の歴史が学べる。、 |
生還 | 羽田 治 | 山と渓谷社 | ○ | 遭難と生還が実感できる |
ドキュメント気象遭難 | 羽田 治 | 山と渓谷社 | ◎ | 突風、落雷、低体温症の事件の詳細が特に教訓となった。 |
ドキュメント雪崩遭難 | 阿部 幹雄 | 山と渓谷社 | ○ | 種々の雪崩遭難を丁寧にルポし、素人でもポイントが分かる。 |
日本の名随筆 山 | 北 杜夫編 | 作品社 | ◎ | 珠玉の山岳名随筆の数々。田部重治の笛吹川を遡るや加藤文太郎の単独行について等、有名なものもすばらしいが、田淵行男の霧の山稜が特に印象に残った。 |
賢者の山へ | 遠藤 ケイ | 山と渓谷社 | ◎ | 95年に山と渓谷に連載された作をまとめたもの。悪がきが酒飲になったような人柄だなとの感を受けつつも、純粋に山や人を愛する気持ちを感じ、引き込まれる内容である。 |
山をめぐる人と書物 | 手塚 宗求 | 恒文社 | ◎ | 霧ガ峰コロボックルヒュッテの主。小屋の歴史と交流から霧が峰の風を感じる |
霧ガ峰通信 | 手塚 宗求 | 信濃毎日新聞社 | ◎ | 著者の文章は押さえ気味で心地よさを感じる。特に前半のアルプに掲載されたものは良い。 |
遠い人 遥かな山 | 手塚 宗求 | 筑摩書房 | ◎ | 氏の随筆を読むと、自分が心身ともに霧ガ峰にある感覚に陥る。 |
山小屋に生きる | 手塚 宗求 | 春秋社 | ◎ | 平成10年の書き下ろしだけに、集大成とも言える心落ち着く随想が並ぶ。 |
山−孤独と夜 | 手塚 宗求 | 山と渓谷社 | ◎ | 平成13年の書き下ろし。テーマも文書の洗練さも集大成だが、何か独特の世界が薄くなった感を持つのは私だけだろうか。 |
邂逅の山 | 手塚 宗求 | 筑摩書房 | ◎ | 手塚氏の作品で最も読みたかったものだ。1980年初版。みずみずしい感性がすばらしく、特に「井戸」と「訃音の風」には心打たれた。山を愛し、つつましく生きる家族への著者の共感に共鳴する。人の幸せとは、人が生きるとはが問いかけられているようだ。 |
山里の食物語 | 手塚 宗求 | 恒文社 | ◎ | 「イタチ」「年取り魚」に見られるように著者は動物・人間問わずいつも弱者に優しい |
みちのく朝日連峰山だより | 西澤 信雄 | 山と渓谷社 | ◎ | 朝日鉱泉ナチュラリストの家の主人の交流記。朝日連峰へのあこがれが強まる好著。 |
続みちのく朝日連峰山だより | 西澤 信雄 | 山と渓谷社 | ◎ | 続編だか、小屋の建替までの経過を含め、実録が朝日連峰の風土を色濃く匂わせ、正編よりさらに一気に読んでしまう魅力がある。 |
ブナの森から都会が見える | 西澤 信雄 | 山と渓谷社 | ◎ | 副題はみちのく朝日連峰山だよりだが、タイトル通り前作よりは辛口の批判部分も。 |
坊がつる山小屋日記 | 川上 信也 | 海鳥社 | ◎ | あこがれのくじゅう法華院温泉ということで読んだが、ぐいぐい引き込まれる日記と写真だ。HPの人気は当然だ。 |
屋久杉の里 | 南日本新聞屋久島取材班 | 岩波書店 | ○ | 1989年1年間朝刊一面に掲載されたものをまとめたもの。丁寧な取材で屋久島の全容がつかめる。 |
屋久島の時間 | 星川 淳 | 工作舎 | ◎ | 1994年の1年を中心としたエピソード。生活感があふれ、屋久島の空気が伝わってくる。 |
山と渓谷 | 田部 重治 | 岩波文庫 | ○ | 明治から大正にかけての山行記部分に特に惹かれる。伝説の案内人宇治長次郎の活躍は特筆。 |
山のパンセ | 串田 孫一 | 実業之日本社 | ○ | 450ページに及び、山のことを書いた著者に尊敬の念を抱く。ただ、後半の哲学的な部分にはなじめなかった。 |
山の随筆 | 今西 錦司 | 河出書房新社 | △ | 前半の随筆は観念的で私にはなじめなかった |
新・山靴の音 | 芳野 満彦 | 東京新聞出版局 | ◎ | 新田次郎の栄光の岩壁のモデルとなった著者。画家でもある著者の肩の力を抜いたエッセイは好感が持てる。岳人に2年にわたって連載されたもの。 |
山を楽しむ | 田部井 淳子 | 岩波新書 | ○ | 過去のエッセイをまとめたもの。テーマが多岐でおもしろい。 |
山はいのちをのばす | 田中 澄江 | 青春出版社 | △ | 老いてから読む本かもしれない。花の百名山の雰囲気が消し飛ぶほどの強さが出すぎている。 |
穂高を愛して二十年 | 小西 義治 | 中公文庫 | ◎ | 人生記であり、北穂小屋建設の記録である。内面の葛藤を隠さず、無駄のない文体に好感が持て、敬愛の念を抱いた |
定本 尾瀬 その美しき自然 | 白旗 史郎 | 新日本出版社 | ○ | 尾瀬に関する詳細解説。白旗氏の思いの部分がもっと書かれたらなおよかったのだが。 |
尾瀬−山小屋三代の記 | 後藤 允 | 岩波新書 | ◎ | 尾瀬に憑かれてという言葉が三代共に当てはまり、尾瀬への想いが伝わる |
山小屋主人の炉端話 | 工藤 隆雄 | 東京新聞出版局 | ◎ | 36の山小屋主人の話。興味深い話が多く引き込まれる。 |
北八ヶ岳黒百合ヒュッテ | 米川 正利 | 山と渓谷社 | ◎ | 楽しいエピソードで、北八と米川氏の雰囲気が伝わる。 |
北アルプス山小屋物語 | 柳原 修一 | 東京新聞出版局 | ◎ | 各小屋の歴史や主の人柄が分かり、大変興味深く読める。 |
秘録 北アルプス物語 | 朝日新聞松本支局 | 郷土出版社 | ○ | テーマ毎に北アルプスにまつわる秘話を取り上げ、興味深い。 |
北アルプス夜話 | 長沢 武 | 信濃路 | ◎ | テーマは聞いたことがあるものも多いが、詳しくて引き込まれる。 |
槍ケ岳黎明 | 穂刈 三寿雄 | 山と渓谷社 | ◎ | 副題は私の大正登山紀行。槍ケ岳の肩にある槍ケ岳山荘の初代オーナーの登山紀行。小林喜作等伝説の人物だけでなく、初期の山小屋や登山ルートが大変興味深い。 |
自然との対話 | 山と渓谷社 | ○ | 「山と渓谷」誌に掲載された2人×12回の対談。興味深い対談が多いが、松田宏也×佐野三治の生死の境で見えたものが特に印象深かった。 | |
ブナ原生林白神逍遥 | 根深 誠 | 立風書房 | ○ | 写真と文書で白神を愛する著者の気持ちが伝わる。 |
渓をわたる風 | 高桑 信一 | 平凡社 | ◎ | 本書を推薦する山と渓谷の書評で、遠藤甲太氏が、高桑氏の人間臭さが随所に見えている点が、本書のすばらしさを高めていると書かれていた。表題通りの「沢への思い」とともに、生き様が見え、ここで紹介している本の中でもベスト3には入ると感じた。続けて二度読み直した本も余り記憶にない。また、多数の掲載の写真もそれぞれが生きて語っている。 |
古道巡礼 | 高桑 信一 | 東京新聞出版局 | ◎ | 消えていく全国の古道を巡る旅。道と人の生活の関係を深く知らされる。特に白神の入山禁止施策の持つ意味は大きい。人が入ることで守られる自然があることを知る。 |
処女峰 アンナプルナ | モーリス・エルゾーク | 白水社 | ◎ | 至宝の名著。まさに自分が登っている気になる精細さ。一気に読まずにいられない |
デス・ゾーン8848m | アトナリ・ブクリーエフ+G・ウェストン・デウォルト | 角川書店 | ◎ | 1996.5.10に起こった難波康子さんを含むエベレスト大量遭難のドキュメンタリー。圧倒的迫力でぐいぐい引き込まれる。 |
そして謎は残った | ヨッへン・へブラム | 文藝春秋 | ◎ | ジョージマロリー遺体発見記。先人への敬意とドキュメンタリーのテンポが良い |
七つの最高峰 | ディック・バス&フランク・ウェルズ | 文藝春秋 | ◎ | 金持ちだからこそできたなどと言えない山への想い。テンポも良くぐいぐい引き込まれる。 |
孤独の山 | トモ・チェセン | 山と渓谷社 | ○ | ローツェ南壁、本当に登られたのか。疑惑の系譜まで掲載されているが、読んでも真偽は不明。 |
星と嵐 | ガストン・レビュファ | 白水社 | ○ | 6つの北壁登行。本書の価値は、紀行文・記録だけにとどまらず、山での思索と行為について大切なものを教えていると評している。その通りだと思うが、どっちつかずになっている感も否めない。 |
K2 嵐の夏 | クルト・ディームベルガー | 山と渓谷社 | ◎ | 訳者あとがきの「クライマーたちの最期は悲惨であり、どうしようもなく山に惹かれ、そこから離れられないクライマーたちの心情が哀切である」が本書のすべてをあらわす。 |
頂上の彼方へ | トッド・スキナー | NHK出版 | ◎ | 究極の山から得た40の教訓。確かに未知の困難な山へのチャレンジは、経営と同じだという共感が得られる。私の山への想いとは遠い関係にあるが。 |
生と死のミニャ・コンガ | 阿部 幹雄 | 山と渓谷社 | ◎ | 偶々死から逃れられた著者のその後の追悼の人生。起こるべくして起こった遭難との思いからの「その後」であったのだろうか。 |
遠き雪嶺 | 谷 甲州 | 集英社 | ◎ | 日本初のヒマラヤ登頂。昭和11年のナンダ・コート遠征を詳細に描き、引き込まれる。 |
テンジン | ジュディ&タシ・テンジン | 昌文社 | ◎ | 登山家としてのシェルパ、歴史がテンジンを中心によく分かる。 |
トレッキングinヒマラヤ | 向 一陽他 | 中公新書 | ◎ | エベレスト街道・アンナプルナ・ランタナ等4コースの紹介。自ら挑戦したくなる記述 |
からだの喜ぶ山歩き | 岩崎 元郎 | リヨン社 | ○ | 人気登山家の自分史。一気に読める。 |
北海道 山歩き 花めぐり | 梅沢 俊 | 北海道新聞社 | ◎ | ガイドブックというよりエッセーに近い。美しい写真とともに楽しめる。 |
大雪山とトムラウシ山 | 前川 整洋 | 白山書房 | ○ | 俳句と詩がブレンドされた好感が持てる山行紀行文。 |
百名山ふたたび | 深田 久弥 | 河出書房新社 | ◎ | 利尻岳から宮之浦岳まで名山18峰の山行文。「日本百名山」の背景にある実体験が時代と共に興味深い。 |
日本アルプス百名山紀行 | 深田 久弥 | 河出書房新社 | ◎ | 日本アルプスを訪ねる会心の山行記録。現況との対比で読むとおもしろい。 |
一泊二日の百名山 | 深田 久弥 | 河出書房新社 | ◎ | ガイドブックではなく、途中断念した山の記録も多いのがおもしろい。 |
百名山以外の名山50 | 深田 久弥 | 河出書房新社 | ◎ | 日本百名山執筆前であれば、選定されたであろう著者お気に入りの名山もままある。特に北海道・東北の山が印象深い。 |
日本百低山 | 小林 泰彦 | 山と渓谷社 | ○ | 単なるガイドブックではない雰囲気がある。イラストのせいか著者の個性かそれとも低山の紹介であるからか。 |
山頂渉猟 | 南川 金一 | 白山書房 | ◎ | 標高2000m以上642座全てを踏破した著者の記録。苦労がにじみ出る山行記には、著者の執念さえ感じる。 |
コバンザメ登山隊フン戦記 | 安藤 洋子 | 白山書房 | ◎ | 掛け値なしにおもしろい山行記。白山書房が山の本に何度も採用した理由がよく分かる。 |
辺境へ | 大谷 映芳 | 山と渓谷社 | ◎ | 環境に恵まれたからこその作品とも言えるが、強い想いがないとできなかったこととも思う。気持ちがストレートに現れた内容に好感が持て秘境の旅を共有できる。 |
山旅の絵本 | 中村 みつを | JTB | ◎ | 著者の人柄をあらわすようなほのぼのとした心温まる文章とイラストが心地よい。 |
一等三角点の名山と秘境 | 冨田 弘平他 | 新ハイキング社 | ○ | 読後、三角点に興味が湧くのは必然。 |
散歩の気分で山歩き | 平野 恵理子 | 山と渓谷社 | ○ | イラストレーターの肩のこらない山のエッセー |
女ひとりの北アルプス | 石井 昭子 | 恒文社 | ◎ | 百名山を達成した著者の北フルプス縦走の旅。飾らない心情の吐露に好感が持てる。 |
山に彷徨う心 | 古井 由吉 | アリアドネ企画 | ○ | 芥川賞作家も山好き。エッセーによって作風も違い、好き嫌いが大きく私としては◎にならず |
高熱隧道 | 吉村 昭 | 新潮社 | ◎ | 黒部峡谷を歩いてみたいという気持ちと怖さに躊躇する気持ち、両方を抱かせる。 |
山の本も種々。みなみらんぼう、市毛良枝、山内賢のエッセー、空飛ぶ山岳警備隊やダンプ山を行く等のエッセー・ドキュメンタリー、新田次郎の小説、梓林太郎のサスペンスも多数読みました。それぞれそれなりにおもしろかったのですが、ここでは割愛します。