槍ガ岳    3180b(3位)

 


データ】     

2000年8月18日(金)  晴れ後曇り  歩行時間  8時間
8月19日(土)  晴れ後曇り一時雨 歩行時間  7時間40分

   

8月17日(木) 

20:35自宅 21:13泉南IC 21:30岸和田 22:04〜08香芝SA 23:26〜35御在所SA

8月18日(金) 

0:05勝川IC 0:22ガソリン 1:05〜30恵那峡SA(きしめん) 2:17駒ケ岳SA 2:54〜3:30みどり湖P(仮眠) 3:50〜4:00コンビニ 4:38沢渡(478q) 5:12バス発車 5:48上高地バスターミナル着    河童橋付近写真撮影 6:44河童橋発 <45分> 7:30〜40明神 <55分> 8:35〜9:05徳沢 <50分> 9:55〜10:10横尾 <42分> 10:52〜11:08槍見河原 <7分> 11:15一ノ俣 <8分> 11:23二ノ俣 <27分> 11:50〜12:30槍沢ロッジ(昼食) <30分> 13:00〜10ババ平(キャンプ場) <25分>13:35大曲り(水越乗越分岐) <60分> 14:48天狗原分岐 <30分> 15:20水場(2500m) <30分> 15:50坊主下・ヒュッテ大槍分岐(2627m、ヒュッテ大槍まで0.8q、槍ガ岳まで1.25q) <50分> 16:30殺生ヒュッテ分岐 <8分> 16:38殺生ヒュッテ 18:30夕食 19:00就寝 1:00まで熟睡

8月19日(土)

4:45起床 5:30朝食 6:20スタート <35分> 6:55〜7:20槍岳山荘 <20分> 7:40〜8:12槍ガ岳山頂(8:00穂高方面ガスがかかり始める) <16分> 8:28〜45槍岳山荘 <東鎌尾根経由 23分>9:08殺生ヒュッテ分岐 <10分>9:18〜40殺生ヒュッテ <20分>10:00坊主の岩屋 <27分>10:27水場 <13分>10:40クルマユリ(2400m) <43分> 11:23大曲り <10分>11:33〜43延命水 <10分>11:53ハバ平(キャンプ場) <20分> 12:13〜45槍沢ロッジ(昼食) <23分>13:08二ノ俣 <6分>13:14一ノ俣 <7分> 13:23槍見河原 <37分>14:00〜12横尾 <38分>14:50新村橋 <11分>15:01〜10徳沢 <41分>15:51徳本峠分岐 <3分>15:54〜16:03明神 <47分>16:50上高地バスターミナル 17:00バス出発 17:35沢渡着 温泉(木漏れ日の湯) 18:27木漏れ日の湯発 19:01新島々  19:23松本IC 20:05〜40駒ケ岳SA(夕食) 21:50春日井IC 22:02〜05ガソリン 22:35〜41御在所SA 23:46〜50天理P 0:06阪和道 0:32泉南IC 1:05自宅

駐車場
  沢渡駐車場500円/日、多数)

温泉
   木漏れ日の湯(500円)

メンバー
   Mさん
   


登山をはじめて約4年、最もあこがれていた山であり、登りたかった山である。北アルプスも南アルプスも相当登った中で、ようやく、機会が訪れたという感がある。ただし、それだけに金陽会の4人で訪れたかったが、都合がつかずM氏と二人で行くこととなった。M氏は、最近左膝に加えて、腰も調子が悪く、不安があり、ゆっくり登ることとする。

お盆も終わり、平日だったこともあり、沢渡の駐車場は、空いていた。とは言っても天下の上高地、朝5時だというのに、バスはすぐ満車となり、出発する。上高地で、M氏の調子もよくないので、念のため保険の手続きを済ませ、河童橋に向かう。天気がよく、焼岳も美しく、穂高も迫り来るように見える。今日は、槍沢ロッジまでなのであわてることもなく、写真を撮ったり、朝食をとったりして1時間ばかり過ごす。

横尾までの3時間、10qを歩く。上高地ビジターセンターの建替、横尾に国費によるトイレの新設が行われていた。横尾の支配人が「国費ていた。また、横尾大橋も完成し、この辺の景色も変わってきたと話していた。横尾を過ぎると、私にとっては、はじめての道。雨が多いのかぬかるんだ箇所が多かった。槍見河原では、ラッキーなことに槍の穂先を見ることができた。しばらく休んで出発。一ノ俣は、ガイドブックでは丸木橋となっていたが、近代的な橋に変わっていた。吊り橋の二ノ俣を越え、槍沢の流れの音を聞きながら登る。きつい登りでないので、そう疲れることなく、槍沢ロッジに着いた。たくさんの人が昼食をとっていた。昼前に着いたので、先に進むか悩む。

決めた要因は、槍沢ロッジの混み具合。有名なフルートコンサートがあるため、予約だけで満員その倍になるだろうという。それを聞き、頑張って登ることにする。しかし先は長く、ここからがつらい登り。30分後着いたテント場は、思ったより小さかったが、雰囲気のある場所で、いつかテント泊で訪れたいと思った。テントは5・6個張られていた。大曲りまでは、きつくない。途中の延命水は旨かった。しかしそこからの登りはきつかった。

ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、トリカブト、ミヤマクルマユリなどの花々に慰められるが、一方、はえのような虫がまとわりつき、上りのきつさとも相俟って、あこがれの槍を目指す楽しさも消えてしまう。虫は口の中にも、入る始末である。振り払ってもまとわりつくし、標高が上がれば大丈夫と考えていたが、ダメである。刺さないのだけが救いである。苦戦をしながら、ヒュッテ大槍分岐まで来て16時近くに一瞬ガスが晴れ、槍の穂先が見えた。お花畑はオンダテ中心なのが残念だが、少し元気が出る。


M
氏とは距離が空いたが、小屋の手続きも急ぐ時刻となり、先行する。もはや10歩歩いて少し休むという感じである。徹夜の上、荷物も15sも持ち、作戦失敗である。そんな後悔の中、ようやく殺生ヒュッテ分岐に着く。小屋が見えてからどれぐらいかかっただろうか。ようやく残り5分の表示。小屋前にいた人に聞くと、小屋は混雑していないとのこと。16時38分到着。遅い時刻になったことと、お供が遅れることを詫びる。小屋の泊まりは少なく閑散としていた。9人の定員の部屋にに6人となり、ゆったりしていた。それにしても寒い。小屋の食堂はストーブが炊かれていた。

M氏の姿は小屋前からガスで見えたり見えなかったり。迎えに行くか悩むが、白馬のときと同じく後でもM氏が悔やむこととなるような気がして控える。しかし余りに遅いので、叫んで迎えの必要を確認してみると自力で登るとの返事。小屋の人も双眼鏡で後何人ぐらい来そうかを確認している。M氏は1時間遅れで到着。ここまで来れてよかった。M氏は、東京の66才の相川氏といっしょに登ってきたとのこと。ビールで乾杯。本当によく頑張った一日であった。夕食はロールキャベツやポテトフライ等。まずまずである。天気予報をテレビで確認し、19時には就寝。

1時までぐっすり眠れたが、その後はいびきがすごく、1時間毎に起きる。3時にならない頃か出発準備の音が聞こえ出す。月が美しいの声に4時45分起床。外に出る。大喰岳の上に月が出て槍の穂先もはっきり見える。快晴である。ゴールデンウィーク以降、山行の天気が悪く、気にしていたが恵まれ、安堵する。南岳経由氷河公園も考えるが、M氏の体調を考え、又の機会とする。槍のモルゲンロートを撮影し、朝食。鮭の塩焼き、スクランブルエッグ等おいしかった。同室の親子の女性は大キレット経由で北穂に向かうと言う。10時ぐらいにはガスが出るとのこと。

6時20分に出発。荷物を預け、水とカメラだけを持ち、ピストンする。肩の槍岳山荘を目指す。途中、ウサギギクが目立った。また、ここまで見あたらなかったチングルマ(既に種子であったが)にもようやく出会う。槍の穂先は小さく感じ、南アルプスからでも目立つのが不思議な感じがする。やはり
M氏は少し遅れる。南岳に行かなくて良かった。登るにつれて、穂高の景色が開けてくる。山荘で穂刈氏サイン入りの写真集とパノラマ写真を購入。山荘からの裏銀座側の展望もすばらしかった。先月登った雲の平へのルートも見える。しばらく感嘆した後、穂先を目指す。

上り下りのピークの時間が過ぎ、空いており、写真を撮りながらも20分で着く。特に小槍の姿が印象的だった。頂上には数人がいただけであった。山座同定と写真撮影に勤しむ。社は思ったより小さかった。富士山こそ見えなかったが、南アルプスも含め、ほとんどの山が確認できた。そうこうしているうちに、中日新聞のヘリが来て山頂を撮影していった。掲載されればいい記念になるが。

8:00を過ぎると、穂高にガスがかかり始めた。それにしても山頂にも虫がいたのには驚いた。下りは上りより慎重にしたが、思ったより危険ではなかった。鎖やハシゴが工夫してつけられているので安心だ。槍岳山荘下に見事なイワギキョウの群落があった。槍岳山荘から殺生ヒュッテまでは、東鎌尾根ルートをとる。槍の穂は槍沢からより少し鋭角に見える。油断をしないと危険なルートである。殺生ヒュッテでは、屋根でフトン干しをしていた。ヒュッテ間近でトウヤクリンドウを見つける。秋は近い。
M氏がフトンを干していた従業員に聞くと「殺生ヒュッテは一般に宿泊者は少ない」とのこと。場所の不利さの上、槍岳山荘が、フルート演奏会等の企画まであるので、余計人は流れる。私は空いていることがベストなので、有り難いが。

ヒュッテで小休止後、上高地に向かう。槍の穂先にもガスがかかり始める。登ってくる人が多いだけに残念だ。坊主の岩屋付近下でフルート奏者の姉妹に会う。きっと双子である。聞くと10年にもなると言う。感じのいい姉妹で槍をバックにした写真にも応じてくれた。よい記念になった。ここからの下りも長いが、順調に高度を下げる。時折吹く風が涼しい。ようやくたどり着いた延命水の水は冷たくて旨かった。このコースは、所々で冷たい水が飲めるのがいい。途中、健脚の女性に追い越される。槍沢ロッジで、カップヌードルの昼食をとり、先を急ぐ。上高地までは長い。荷物の重さで肩も痛い。途中の槍見河原からは、穂先は見えなかった。明神手前で見たカモの親子のかわいさ以外に残るものはない。雨が本格的にならずによかった。精魂使い果たしての上高地到着である。河童橋からの穂高は、雲の上に稜線が顔を出し、印象的であった。

バスにも待つことなく乗れ、道も思ったより混まず、木漏れ日の湯で汗を流し、生ビールで生き返り帰路に就く。和歌山到着は1時を過ぎ、全力を傾注した山行は終わった。

後日談:ヘリからの山頂写真(右上の写真)は中日新聞の一面を飾り、良い記念になった。


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