由布院の旅

 


データ】     

2020年10月23日(金)〜25日(日)晴れ
2020年10月23日8:05伊丹発ANA3141便  10月25日16:00大分発JAL2364便

メンバー
    家内
   


2020年10月23日(金)

GO TO トラベルのメインイベントとして、由布院の御三家と呼ばれる高級旅館のうち、玉の湯と亀の井別荘に行くことにした。

当初は、亀の井だけ、又は、+別府と思ったが、折角なので、玉の湯にも泊まり、残る「無量塔(むらた)」は、せめて喫茶だけはと考えた。

当初、予約していたJALが欠航となったが、何とか、IBEXの予約ができた。
前夜の羽田伊丹は、仕事の都合で遅い便としたので、小さい機材でE190だった。伊丹に到着後、わずかの差で、奈良行きのバスが間に合わなかった。

色々準備していると、深夜となったが、早起きして車で伊丹に向かい、トモエ駐車場に止めた。

空港は人が多く、手荷物の預けも二階で初めてのことで苦労した。IBEXはバスで、CRJだった。山口辺りから雲が切れて、大分空港は晴れていた。8時に伊丹を発ち、1時間で着いた。スカイレンタカーに向かいに来てもらう。ダブルブッキングしていてひやっとした。事故しても無料のフルカバーで3日で、8000円代は安い。車はトヨタのシエスタだった。

仕事関係で何件か電話してする。道はすぐに自動車専用道路となった。
昼食は、ガイドブックで見つけた金鱗湖畔洋灯(ランプ)舎とした。由布岳PAで電話するも予約不可で急ぐ。

洋灯舎は金鱗湖畔にあり、湖側はカウンターになっていて、まだ空いていて、一番景色の良い席がとれた。色づき始めた木々が美しい。豊後牛のハンバーグとチーズハンバーグ&カニクリームコロッケを頼み、シェアしたが、どちらも美味しかった。付き合せのサラダもなかなかだった。

食事後、金鱗湖を散策するうちに図らずも、亀の井別荘にたどりついた。場所を正確に頭に入れていず、天井桟敷や鍵屋という店名にどこかで聞いたことがあるなと思ううちに、見覚えの門にたどりついた。

湖畔の共同浴場はコロナのためにか閉まっていた。次に旅先から恒例の由布院郵便局からの絵入り消印を目指す。担当の女性はきまじめで、綺麗に押してくれた。

その後、磯崎新氏の由布院駅を見て、由布院御三家の「無量塔(むらた)」のTan's Barを目指す。駅からすぐに、由布岳の勇姿が見えて、流れる雲が山にうつるのが印象的だった。

道は細く、かなり高いところがあり、意外であった。その分、紅葉は進み、無量塔の宿の周りは殊のほか、美しかった。建物も風格があり、期待以上のたたずまいであった。

正直、御三家全部に泊まれば良かったと思いつつも、caf?だけでも行く価値は十二分にある。名物のロールケーキとチーズケーキは大きかった。スピーカーが良いのか音楽と暖炉の雰囲気に癒される。


宿の周りの紅葉は進み、由布岳も間近に美しかった。

大満足で、亀の井別荘に向かう。先ず、エントランスの門が風情がある。部屋はおススメのリニューアル間近い「三番館」だ。ベットは小さめで近接している以外は、満足だった。はえ退治はご愛嬌だ。

夕刻、談話室のミラーガラスに映る夕日に映える由布岳の紅葉に感激し、玄関前の赤松の子孫の話に宿を守るスタッフの愛を感じる。

共同温泉は、屋根がガラス張りの内湯と露天風呂があった。湯の特徴はない。

夕食は部屋食で、さしみは白身2種等牛肉ステーキ以外はコンパクトだった。夕食後、飲めない家内を無理やり誘い、バーの山猫(昼は天井桟敷という名のcaf?)に出かけた。窓からのもみじが美しく、バーテンダーの早川さんも見かけと違い、ホスピタリティに溢れていた。シーバスリーガルのロックは氷が特徴的でうまかった。

その後、談話室でのSPレコード鑑賞会に参加した。リクエストした若き日のルビンシュタインの音色の良さ、竹のレコード針、暖炉の火とSPレコードの優しい音色、進行の峰松さんの雰囲気に酔いしれた。

2020年10月24日(土)

朝風呂に入り、朝食をとった。
翌日の朝食は、まぐろやお肉等朝から?と思わせる充実した内容だった。GO TO地域クーポンを使い、鍵屋でジャムや柚子こしょう等のお土産を買った。

会長の中谷健太郎さんを一目でも会いたいと思っていたところ、翌日、隣接のご自宅の庄屋サロンに招待するとおっしゃるので、チェックアウト後、あつかましも家内とのこのこ出かけた。

建物は170年もたっているとのことで、熊本地震後、大規模な耐震補強工事を行ったとのことだ。一階は「庄屋サロン」となづけられて、皆さんが憩える場とされていた。大型スクリーンがあり、ここにもSPレコード用の蓄音機(ラッパ型でなく、扉の開閉具合で音量が決まる)がある。

中谷健太郎氏は、元東宝の映画助監督。奥様は女優で若い頃の写真を拝見すると大変美しい。このサロンにはたくさんの著名人も招かれ、永六輔さんはじめ、たくさんの方との書簡録を整理されつつあった。机には檀ふみさんからのはがきも届いていた。

部屋は二階は泊まれるようになっていて、映画祭の時に宿泊が多く、あまりに大変なので、耐震工事時、吹き抜けに改造したとのことだ。それにしても蔵書の多いこと。ジャンルも多様だ。

中谷健太郎さん、自ら、お茶を入れて下さり、お菓子も出してくださる。好きなレコードをということで、ジャズをかけてくれた。白い猫がいて、中谷さんはこここの主だと笑っていた。

その後、鎌倉から引っ越してきたという蓄音機屋の「梅屋」に案内いただき、梅田さんにお会いする。瀟洒な建物で、梅田さんも都会風の人だった。蓄音機は思わず購入したくなるものだった。

行く途中、バーテンダーの早川さんのお住まいも教えてくださった。美術館だったという黒い印象的な空家となっている建物もあった。道すがらは、ほとんど中谷さんの所有の土地だという。

あっという間の二時間半だったが、我々のようないちげんの客によくお付き合いくださったものだと感心する。
 
門前で写真を撮っていただき、金鱗湖畔を散策して、向かいのCaf? La Ruche の湖畔のテラス席でピザ等食べた。なかなか美味しかったが、途中、突風で隣の日覆傘が倒れてひやっとした。それにしても紅葉が美しい。

早々に15時前に玉の湯にチェックインしたが、14時から可能だった。チェックイン時、溝口薫平会長の著書「由布院ものがたり」を購入し、サインをお願いしていたところ、喜んでくださり謹呈ということになった。御礼のはがきまでいただいたので礼状を急いで送った。

部屋は一番広い「むらさき」。和室、ベッドルームも広く、ウッドデッキとその前のテーブルスペースは、雑木林が見えて素晴らしい。BOZEステレオがあったので、CDを数枚借りてきた。部屋担当は児玉さん。気さくな方だった。前日のハエ騒動に続いて、ごきぶりがでた。



内湯も檜風呂でたっぷりの広さがあった。部屋の飲み物もすべて無料。地元のサイダーをいただいた。

今日も天気が良いので、昨日、亀の井別荘でもらった地図を頼りに散歩した。亀の井別荘と玉の湯は指呼の距離だ。宿の人に方向を聞かないと逆に行くところだった。川沿いの散歩道は田園風景で心地よかった。門前からの夕日を浴びる由布岳が美しかったので、

玉の湯前の橋の向かいには、共同浴場が有り、入浴していた。その前の旅館も風情があった。

夕食も亀の井別荘とは趣が異なっていた。共同温泉は、檜風呂で内湯と露天風呂があった。
夜は、再び、飲めない家内を無理やり誘って、ニコルズバーを予約して行った。カウンターがとれた。ニコルズさんの遺影を偲びながら、スコッチのロックと女性バーテンダー小村朋子さんが受賞したカクテルを飲む。家内は二杯も私が飲むので怒って先に帰った。

朝食は評判の洋食とし、有名なフレンチトーストを食べた。確かに美味しかった。朝のテラスは雑木林に吹く風がすがすがしく実に気持ちが良かった。借りてきた「千の風に乗って」やJAZZの音色にも癒された。家内は長期滞在なら、玉の湯の特にこの「むらさき」が良いという。

最後に人気のアップルパイを近年できたばかりのサロンで食べた。確かに美味であった。会計を終えると玉の湯オリジナルのジャムのお土産をいただいた。ゴキブリの侘びであろうか。

飛行機は午後早めなので、塚田高原にだけ立ち寄った。行く途中の紅葉の由布岳や塚田高原のススキ原からの由布岳はすばらしかった。

早めに車を返して、ビューレストラン「スカイライン」で九重夢ポークのロースかつ定食と生ビールで早めの夕食とした。

帰路はJALで、わずか50分のフライトだった。佐田岬、しまなみ海道、吉野川、鳴門大橋 関空が見え、楽しめた。しかし、家内に見せたかったハルカス等は、かすんでいて、家内には残念だった。いつか夜景を見せてあげたい。

孫にお土産を届けるために南森町に立ち寄る。今回の旅は何度もできるものではないが、名旅館とはこういうものかと実感し、得心し、いつまでもこのままであってほしいと願う。


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