雪倉岳2611m・白馬岳2932m |
【データ】
【駐車場】 |
7月27日 翌朝は疲れていたが、3時に起床。I君は元気が回復し、早くも起きて湯を沸かしている。空は月がこうこうと照り、星もたくさん輝いている。隣のテントは、早々に片付け、朝日岳に向かう。ご来光を山頂からという算段であろうか。 夜が明けると、雪倉・白馬・旭の勇姿がモルゲンロートに輝く。滝雲のように雪倉の前に雲が流れ、本当に美しい。感激しつつ何枚か写真におさめる。朝食はM氏と私はかに雑炊。若い二人はチンジャオラオスをつくり、ごはんにかけ、食べている。夜露で濡れたテントは重いが仕方ない。た 出発して間もなく、皆が立ち止まっている。何と剣岳の勇姿が見えるからだ。コバイケイソウの咲く朝日平から見る剣。感激のシャッターを押す。しかし朝日岳は暗雲立ち込め、ご来光は見れなかったようだ。水平道の前半は鎖場もあり、少し緊張して歩かねばならない。特に剣に見とれて足を踏み外さないよう。ほどなく、展望の良い箇所に出て、流れる雲の切れ間に雪倉や白馬の頂が見える。美しいが、遠くて高い。 整備された木道、湿原は花で美しい。ところどころ残雪を歩く。昨日の花に加え、私の好きな高貴なキヌガサソウも咲いていた。しばらくして水芭蕉の咲く湿原に出る。後でMさんにこの辺りが朝日岳山頂からの道と合流点だと教えてもらった。ハクサンコザクラも群生する小桜ケ原は美しい。 燕岩に向かう道でスリッ はいまつと瓦礫の斜面をじぐざぐに上り、トラバースして一上りする。振り返れば朝日岳や朝日小屋も見える。朝日岳は本当に雲がよくかかる。それで花も一際豊かなのであろう。2300m地点のカールに目指す雪倉山頂が雪を抱き、広がった。朝、白馬山荘に宿泊していた人たちが続々と下りてくる。左下に雪渓から流れ出る水があるので、汲みに行く人も多い。写真をとり、さぁ山頂を目指すぞと出かけると、白馬まで上り一辺倒ですよというマナーも知らないおっさんがいた。当然じゃないですかと挨拶の仕方も知らないのかという感じで答えてやった。まともな人はご苦労様、頑張ってくださいぐらい言うもんだが。 相変わらず、肩が痛いので休み休みである。10:45ようやく雪倉岳山頂である。何と先行していた若い二人がゆっくり昼食をとっていた。10:10に着いたという。彼らも苦労したのだ。それにしても大展望である。剣、立山、白馬までの道もずっと見える。山頂付近はミヤマダイコンソウ、イワギキョウが多い。残念ながらMさんが到着する直前にガスり出した。雪倉の避難小屋までの下りはタカネバラが多かった。避難小屋で若い二人が待っていたので、ここで泊まると聞くが、行くと言う。Mさんと真新しい小屋の中を見学する。一人が寝そべっていた。トイレもあり、水は今は残雪があり、すぐ下でとれるが、間もなくなくなるであろう。この小屋だと15人ぐらいが適切であろう。Mさんから柿の葉寿司をいただく。 覚悟を決め、のんびり歩く。単独者が熱心にカライトソウを撮っていた。途中の雪渓2つから流れ出る水を飲んでみる。腹をこわさないか心配といえば心配だが、実に美味い。鉱山道分岐までに白馬の見えるシナノキンバイやハクサンイチゲの咲く見事なお花畑が ようやくたどり着いた鉱山道分岐には、蓮華温泉8km、朝日岳9km、白馬岳2kmの標識があった。休み休み登ると念願のガスがかかり、少し楽になる。しかし小石の道は歩きにくい。三国境まではすぐのはずが遠い。何とかたどり着くと、続々と白馬大池方面から登ってくる。朝日岳や白馬岳を眺めているとM氏が追いつく。山頂までは大勢の人が続く。今年は、海の日が三連休とならなかったのでさほど混まず、今週末が最も多いのではという話が聞こえてきた。はじめてウルップソウがいくつか咲いていた。道端でないのが残念であった。一上りした後、しばらく水平に歩き再度登ると待望の頂上であった。たくさんの人がいた。山頂表示板の前は、記念撮影をする人で順番待ちである。間隙をぬって私も撮り、ラッキーなことに剣や鹿島槍も見えるので写真におさめる。もちろん三角点にも触れる。 さて、目指すは白馬山荘のスカイプラザの生ビールである。コマクサを見ている人もあるが私は花よりビールの状態。満席の中でご夫妻が席を空けてくださり、何とか席を取る M氏が遅いがテント場も気になり、下ろうとするとM氏が到着。同じ席を譲る。テント場は上からはすいているように見えたが、建物の陰に隠れていて見えなかっただけで、満杯だ。4年前と変わり、増築され、テント場が追いやられたのだ。商業主義を嘆くが仕方ない。若い二人が見つからず仕方なく、奥の奥に確保する。どうしたのかと思案した後、受付にいるかもしれないと思い、向かうと増築宿舎の横に張ろうとしていた。これはないよと確認すると、許可は得ているという。M氏も見つけられないだろうということで、M君に気にしてもらう。案の定、クレームがきたが、代わりにヘリポートに張ることを許される。結果オーライだ。 今日も疲れてM君も水を汲みに行く元気もないので比較的元気な私が役目をつとめる。それにしても水場は遠い。宿舎の前階段の下にある雪渓から流れ出るものだからだ。ウイスキーの水割りは本当に美味かった。今日の夕食はカレーと海鮮サラダとトマトスープ。今日はMさんがバテバテで食事をせずに眠る。I君は元気一杯である。私も19時半には眠る。今日の失敗は半ズボンなのに足に日焼け止めを塗らなかったことだ 7月28日 今日も3時に起床。よく晴れていて標高は高いがびっくりするほど寒くはない。御来光を求めて山頂や丸山を目指す人は多い。荷物を軽くするため、テントを乾かす。少し風があり、早く乾いた。そして日本酒や焼酎もM君も肩が痛く相当量処分することに(我々は歩荷の練習にきたのだろうか(^_^;))。朝食はワンタンメン。早々に準備をし、Mさんに続き、私が若い人に先行する。 稜線に登るとガスの上に剣が輝く。シャッターを切りつつ、山頂を目指す。そのため思いのほか時間がかかった。それにしても全ての山々が見渡せる。剣、立山、遠くに白山、黒部五郎、水晶、鷲羽、槍、穂高、鹿島槍他後立山連峰、御岳、中央アルプス、南アルプスも特定できる。そして富士山も頭だけのぞかせている。その左横に八ヶ岳、噴煙を上げる浅間、頚城三山等山頂の山名盤の山々がすべて特定できる。写真撮影を熱心にした後、スカイプラザで会ったご夫妻に出会い、見送る。三国境への道からも青空に白馬や鹿島槍が映える。白馬もきりっとして凛々しい。三国境で昨日歩いた朝日から雪倉への道がはっきり確認でき感激する。ここから小蓮華山まで少し登らねばならない。少しだが、2日で疲れきった体には大変で、剣、立山、槍が見え出したことをいいことにこんなチャンスはないと言いつつ写真を撮りながら、のんびり歩く。 小蓮華山からは、目指す白馬大池がはっきり見える。その向こうに雲海に浮かぶ頸城三山が。ほどほどに大池を目指すとコバイケイソウの群落があり感激する。更にシナノキンバイ、ハクサンイチゲのお花畑の向こうに後立山連峰、槍、穂高、剣が並びすばらしい写真が撮れる。ほどなく湧き上がるガスに包まれたので、ラッキーであった。夏は早立ちが鉄則である。最後の小ピークを過ぎるとようやく大池への下り。大池手前には、コマクサの大きな株がいくつかあり、石で囲まれ守られていた。ただ、ツアーの一人が足を痛め、亀の足で後ろの客がいらいらしていた。ツアーはこれがあるのが大変だ。大池には少し離れているので、M氏の300mmの望遠でも遠く写真にはならなかったが、大きなハクサンコザクラの群落があり、残雪に映えていた。 大池は以外にも水に恵まれず、ソーメンをつくるのはあきらめ、小屋でビールやジュースを求める。私とM君(信じられないことだが)は完全にへばっているので、ジュースとする。蓮華温泉へのとりつきにはチングルマの大群落が広がり、青空に映える 蓮華温泉までは4.25km、125分の表示である。しかし下り始めは大きな石ころで歩きにくい。下からも結構高校生のグループをはじめ上がってくる。私は20分もリュックを持っていると肩が痛くなるので頻繁に休憩する。立派な松の木が見え出すと、ようやく中間点の天狗の庭であった。なかなか高度が下がらないなと思いつつも、途中からいよいよ楽しみにしていた登山も終わるのか残念だと気持ちを切り替えることにする。しかしようやく蓮華温泉の源泉やロッジが見え出すとうれしくてたまらないのだからおかしい。 あじさいがここかしこに咲き出すと、沢に出合い、丸太橋を渡り、少しで黄金の湯の分岐であった。ロッジに出ると、蓮華七湯の解説があり、なんと5種もの温泉が沸くそうだ。内湯をいれて七つ。一周何と1500m。標高差も200m近くあるのではと思われる。我々にはその力は残っていない。I君が駐車場からロッジ近くに車を持ってきてくれていたので助かる。それにしてもすごい数の車だ。道路も止められるところはすべて止めているという感じだ。蓮華温泉は800円。少し高いが新しい。おおはやりで受付では正印がどんどん増えていく。白い温泉らしい湯であったが、その分、洗い場は一つのカランに3人も待つ。私はうまく洗えたが、足の日焼けがひどく痛くてたまらなかった。 帰りの道は、寝不足、カーブの多い道の車酔い、体温調整不可?等から、気分が悪く、有磯海SAまでは、寒気がしたりして大変であった。大津から手前9km渋滞で30分以上ロスしたが、I君のカーナビのテレビで気がまぎれた。阪神高速も豊中南からうまく乗れたが、泉佐野南ICは、つばさのまちフェスタの花火大会で渋滞のため手前のICで下りる。花火を楽しみつつ、予定通りの時刻に帰り着く。それにしても朝日岳の花はすばらしかった。しかし、感動と荷物の重さに参ったため、当分登山はいいかなという感じになった。 |