釈迦ケ岳(1799.6m)・不動小屋山(1232.7m) |
【データ】
【メンバー】 |
私がHPを立ち上げるきっかけになったのは、HP「囲炉裏」を通じて、HP「山楽日誌」のAさんと親しくなり、薦められたからである。メールを通じての交流が始まってから、早5年ほどになろうか。
以前から一度ごいっしょにと思っていたところ、今回、大峰の釈迦ケ岳にお誘いいただいたので、喜んで出かける。
世間は3連休だが、電力事情で私の事業所は連休であり、20日の日曜日に出かけることになった。天気予報は、この日のみ、今ひとつとなったが、大して崩れることはなさそうだ。
旭口から釈迦に登るのは98年以来だが、当時は、林道のダートの部分で車の底をすった記憶がある。また、Aさんの情報で、囲炉裏のDOPPOさんの記録をみると、登山口まで5kmほどのところで、道路を土砂が塞いで通行不可能のようだ。念のため、十津川村役場に問い合わせると、その通りで、もともとこの林道は3月末まで閉鎖だが、登山者がいるので、完全閉鎖していないという。残念ながら、3連休までには、除去はされないとのことだ。
Aさんとは、大塔村の道の駅「星のくに」に6時に待ち合わせなので、自宅から2時間とみて、4時5分に出発する。前夜は早く床についたが、なかなか寝つけず、途中、何度も目がさめる(子供の遠足前夜と同じか?)。目覚まし時計で、寝不足気味の中、起きたが、頭痛がした。
途中、Aさんも好物だというコンビニの稲荷寿司を買うが、一件目はなかったので、もう
星のくにには、そんなに飛ばさなかったが、何と1時間半ほどで着いた。自宅からちょうど80kmである。トイレを済ませ、待っていると、Aさんも40分過ぎには着いた。車種を聞いていたので、すぐ分かった。初めてお会いしたのに、全く違和感がないのは、長年のメール交換のせいであろうか。
そうはいうものの、積もる話をしているうちに、見事に道を間違い、天川と高野を結ぶ県道53号線に入ってしまい、Uターンする。国道168号線は、夢の湯の手前で、昨年偶然録画された地すべりの跡が、すさまじかった。復旧は時間がかかりそうだ。
谷瀬の釣り橋手前で、旭口となり、左折し、旭ダムに向かう。水が少なく、驚く。もしかしたら、林道の土砂が除去されているのではと思った通り、どんどん進むことができたが、登山口まで3km弱というところで、路面が凍結して進めなくなり駐車する。ブレーキもきかず、ずるずる後戻りするという初体にひやりとする。
車を道端に寄せ、石で車止めをして、出発する。駐車場所は標高900m強というところで、準備をして、しばらく進むと、釈迦ケ岳登山口まで2kmの表示があった。道は、積雪だけでなく、凍結も多く、気をつけないと危険だ。何年か前、この時期に、釈迦に写真を撮りにきて、ころんで骨折されたHさんのことを思い出し、より慎重になる。ほどなく、前日除去してくれたであろうと思われるブルドーザーが止まっていた。
さらに先に進むと真新しいタイヤ跡があるが、チェーンはつけていないので、どんな車
一息いれた後、登り出す。途中小さな崩壊箇所があり、私は緊張するが、先を行くAさんは、どうってことなしに進まれる。さすがだ。稜線まで少しと思われるところで、アイゼンをつけることをアドバイスされる。正解で少し先には、私のバランスでは、アイゼンなしでは、こころもとないところがあった。
稜線からは期待通りの風情のある景色が広がる。曇り空だが、展望もよく、八経ケ岳もよく見える。最後の厳しい冬景色というところか。雪庇の向こうに釈迦や大日岳が広がる景色に、歓声をあげ、写真におさめる。また、眼前の積雪のぶな林も美しい。Aさんにいいコースを選んでもらったことに感謝する。アイゼンがきいて気持ちがいい。思い返すと、今年だけでなく、昨年もほとんど雪山には行かなかったので、感触をなつかしむ(10本のアイゼンは、蝶ケ岳以来で、前日つけ方を復習した)。途中、ここかしこにうさぎや鹿の足跡があった。
9時50分に単独行者に出会う。早くも下山だ。60歳は越えておられると思われるが、2月には、スノ−シューをもってここに来たが、すごい雪で敗退したと言っておられた。「鹿の足跡に沿って歩くと楽ですよ」と笑っておられた。
千丈平の標識は頭だけがでていた。おいしく涸れることのない水場も、今は雪の中だ。ここからは、最後の急登だ。まさか高度の影響でもなかろうが、息苦しい。喘ぎつつ、休みながら登る。奥駆道に合流すると、後10分の標識があった。ここからは、数分という記憶だっただけに、がっくりくる。再度気持ちを持ち直し、浅尾さんの後ろを追う。
ようやくたどり着いた釈迦ケ岳山頂は、さすが一等三角点、展望がすばらしい。岩崎元郎氏が新日本百名山に選定したのもうなづける。ただし、釈迦像は、相当傷んで前方に傾いていた。八経の右は山上ケ岳であろうか。エリアマップを出しているAさんに確認する。
台高山脈もはっきり見える。七面山やその壁、あけぼの平、いちいち教えていただく箇所も、登っている箇所が多く、これまでの山行がなつかしい。
Aさんが風の来ない場所を見つけてくださり、昼食とする。先ずは発泡酒で乾杯。お湯を沸かしつつ、いろいろなお話をする。そのうちに陽もさしてきて、大峰にも春が近いことが感じられた。
仕上げのコーヒーを飲み、名残を惜しみつつも、山頂を去る。途中、さらに単独行者に出会う。下りは楽だが、古田の森への少しの上りもきつい。Aさんとアルコールのせいかと笑う。古田の森では、急に青空が広がり釈迦ケ岳の雄姿を撮ることができ感激する。こんなに行いがよかったかなぁ。
ここからは、エリアマップでも点線表示もない、不動小屋山へのルートをとる。Aさんならではのコース選定で、ネット情報等もわずかだというが、三角点があれば、踏み跡ぐらいはあると余裕をもって先行されるのが頼もしい。テープはあるが数は多くない。それで安心するのもどうかと思うが、私のレベルでは、ほっとする。
少し下ると、うるさい石楠花帯(蕾は多かった)や背丈ほどの笹藪もあったが、笹薮も結構刈り払われていて、予想よりましで助かる。何よりこの方角からの釈迦ケ岳が見れたのがよかった。
古田の森でAさんが高度計を合わされていたので、高度計を頼りに不動小屋山を目指す。途中、古い十津川村の標識で、釈迦ケ岳と旭口を示す標識があった。ここも昔は正式ルートだったのであろうか。高度計では、三角点があると思われる切り開きにはなかったが、Aさんの予想で少し先に進むと、三等三角点とおなじみの紀州わらじ会の山名表示があった。三等三角点の周りは美しい苔に囲まれ、人がほとんど訪れることのない風情があった。
下山は、Aさんのできるだけ高度を維持しながら植林帯を進んで、登山口から伸びているはずの林道終点に出るというルート選定に頼る。テープもないが、的確に危険度の少ないルートを歩んでくださり、ほぼ林道終点近くの林道下10mのところに20分後出る。よじのぼると見事林道で、私には到底できないルートファインディングにただただ驚く。
林道を余韻を楽しみつつ戻る。なごり雪が降る中、「山行に少しわさびもあると後の思
登山口には2台の車があり、下山途中に出会った人もちょうど戻ったところであった。道の凍結はすっかり融けていた。楽しい話をしつつ、のんびり下って車に着く頃には、雪が雨になった。この雨が雪を溶かす。
道の駅で再会を誓い、Aさんと別れる。帰りも紀ノ川左岸を走ったので、2時間で帰宅できた。
Aさんとの交流、美しい景色、スリリングな下山ルート、思い出に残る山行となった。
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